ようこそ正反対の二人がいく教室へ   作:ゆうき35

5 / 91
Sシステム(仮)

「1年Dクラス 比企谷八幡です。

 茶柱先生はいらっしゃいますでしょうか」

 

放課後、櫛田と共に職員室を訪れた。

 

「え?サエちゃん?

 えーっとね、さっきまでいたんだけど」

 

振り返った先生は、セミロングで軽くウェーブのかかった髪型の今時の大人って感じの人だ。親しそうに茶柱先生の名前を呼ぶ。年齢も近そうだし友達なのかもしれない。

 

「ちょっと席をはずしてるみたい。

 中に入って待ってたら?」

 

「いえ。廊下で待っています」

 

「私は1年B組の担任、星乃宮知恵っていうの。佐枝とは高校からの親友でね。サエちゃん、チエちゃんって呼び合う仲なんだ〜。凄いでしょ〜。で、比企谷君とそこの彼女は付き合ってるの〜??」

 

「俺と彼女が釣り合うわけないでしょう」

 

(ちっ)

 

「意外かな〜、

 私が学生だったら比企谷くんは放っておかないのに〜」

 

そう言いながら、人差し指で「つんつんっ」とオレの髪の毛(アホ毛)を突ついている。

なぜ俺の周りにいる女性は強化外骨格の持ち主ばかりなんだ。中学時代に鍛えられた結果、このタイプはすぐみわけられるようになった。

 

「あざとい」

 

「あっ…あざといっ!?」

 

(くすっ)

 

「何やってるんだ、星乃宮」

 

茶柱先生が突然現れ、クリップボードの角で星乃宮先生の頭をしばいた。小気味の良い音が鳴り、ちょっとだけ担任に感謝する。

 

「いったぁ!何するのサエちゃん!」

 

「お前がうちの生徒に絡んでいるからだろ。

 悪いな比企谷、

 こいつはこういう奴なんだ、諦めてくれ」

 

「なによ。サエちゃんが不在の間、

 応対していただけじゃない」

 

「放っておけば良いだろ。もう高校生だ、櫛田も一緒にいるだろ。なんのようだ櫛田、比企谷」

 

「茶柱先生、

 来月私達に振り込まれるのは何ポイントですか?」

 

櫛田の問いに職員室の空気が緊張する。

 

「……その質問には答えられない。」

 

「では、ポイントが増減する理由を教えてもらう事はできますか?」

 

茶柱先生は笑みを浮かべながら

 

「それも答えられない。」

 

と回答した。

 

「で、比企谷はなんのようだ。」

 

次は俺の番のようだ。

 

「この学校にマックスコーヒーは売ってますか?」

 

一気に職員室の空気は弛緩し、先生は答える。

 

「マックスコーヒーか聞いた事がないな。

 チエ知っているか?」

 

「私も知らないかな~。売ってないんじゃない?」

 

「では、マックスコーヒーを購入するのに何ポイント必要ですか?」

 

再度職員室に緊張が走る。

 

「説明しろ。比企谷」

 

「昨日先生は『敷地内で買えないものはなく、学校内でもそれは同様』とおっしゃいました。であれば、マックスコーヒーを買う権利も買えると考えたのですが」

 

俺が答えると

 

「はっはっはっ。お前はおもしろい生徒だな。

 マックスコーヒーを買う権利か。

 通常の販売価格で問題ないぞ」

 

「では、ポイントお支払いするので、毎月配達お願いできますか」

 

「わかった。手配しておこう。」

 

「あとこの学校でバイトは可能ですか?」

 

「バイトは認められていない。」

 

「そうですか。わかりました。」

 

「じゃあ〜私のお仕事手伝ってくれるかな〜。頑張ってくれたらおこづかいあげるよ〜。比企谷君おもしろそうだし〜」

 

「いいんですか?では、お願いします。」

 

「チエが初対面の生徒に『あざとい』って言われるなんてな。なかなかおもしろいものを見させてもらった。」

 

「ほんと比企谷君 ひどいよね〜。でも、2人凄いね。たった2日でここまで気づくなんて〜」

 

「Sシステムの全てを理解しているわけではなさそうだがな。及第点だ。」

 

「これはDクラスも侮れないかな。

 下剋上ねらっちゃう?」

 

「そんなわけないだろ」

 

比企谷と櫛田か。大きな期待はしてなかったが、拾いもんかもしれんな。

 

「なんで今日も俺の部屋にいるんですかね?櫛田さん」

 

「作戦会議?

 あと、節約が必要なのもわかったからね。

 ご飯作って♪」

 

「なんで俺が」

 

「専業主夫目指すなら、いい練習になると思わない?」

 

「養われるつもりはあるが養うつもりはない。どうしてもというなら食費の7割と飯が『必要な日』は連絡しろ。それが条件だ。」

 

「う〜ん。八幡なら食材は無料コーナーのものが中心になると思うし……わかった。それでいいよ。ご飯が『いらない日』は連絡するね。」

 

こいつ。毎日来る気か!?

 

「で、八幡はこれからどうするの?」

 

「別に何もしないが」

 

「多分、来月からポイントが減らされる事、知ってるの私達だけだよ?」

 

「支給ポイントが増減する仕組みはわからん。

 他人をあてにするぐらいなら

 節約と小遣い稼ぎで十分だ。」

 

「八幡はそうだよね。私はどうしようかな〜。」

 

「それとなく無駄遣いをしない事。学校生活で気になった事があれば注意していけばいい。仮に来月10万振り込まれても当たり前の事言ってるだけだしな。櫛田なら上手くやれるだろ。振り込まれるポイントが減ってたら、その事に早めに気づいてたけど、確証がなかったから強くは言えなかった。て言えば周りの評価あがるんじゃね。知らんけど」

 

「うん。それがいいな。

 相変わらず悪知恵だけは働くね。」

「実は私より性格悪くない?」

 

「それはない」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。