対戦相手は以下のようになった。
AクラスVSCクラス
BクラスVSDクラス
……
「隣いいか?」
「……………」
「比企谷くんは何も言わないんだね」
「……………」
「あれからずっと考えていたんだ。
比企谷くんに言われたこと」
『「本当にクラスメイトを守りたいと願うなら、
何があっても…
例え最後の一人になっても…
お前が残るべきなんだ。」
「ちゃんと背負えよ。
責任も退学になった生徒の思いも」』
(すまん!忘れてくれ)
「比企谷くんの言う通りだ。
僕は綺麗事だけ言って覚悟が足らなかった」
「聞いて…もらえるかな…」
平田は過去の話を語りだした。杉村という友人がいた事。その友人がイジメにあい平田の目の前で飛び降り自殺を図った事。一命はとりとめたが今なお意識は回復してない事。にも関わらずクラスではイジメが続いた。結果、平田は暴力で学校を支配した事…。
「凄いな。平田は」
「何も凄くないよ…」
「行動を起こしただけで十分だ。
それにお前は一つ勘違いをしてる」
「勘違い?」
「その友人は別に平田を恨んでいない」
「俺もイジメられていた側の人間だ。
イジメられている人間が縋るものはなんだと思う?」
「…………」
「守って欲しい、助けて欲しいって気持ちはあるが
それが無理なのも分かっている」
「そんな時に縋れるのは楽しかった思い出
もしくは些細な優しさだ。
その友人にとって平田との思い出は
変え難いものだったんじゃないか?」
「…………」
「友人が目覚めた時にここでの色んな話を聞かせてやれ。
それが今、杉村くんに平田が出来る事だ」
俯いた平田の顔から零れ落ちる沢山の涙。
男は特別な時以外には涙をみせられない。
厄介で面倒な生き物だ。
「ありがとう…比企谷くん…いや八幡…」
……
「皆、おはよう!」
昨日までが嘘のように晴れやかな、爽やかな笑顔で登校してきた平田。
「平田くん?」
「僕はもう大丈夫。もう、大丈夫だから」
そして、全員に対して頭を下げる。
「いまさら謝っても遅いかもしれないけど…皆さえよければ今日からまた、クラスのために貢献させてほしい」
頭をあげないまま、そう言う平田。
「平田くんっ!」
まず数人の女子たちが平田に駆け寄ると、男子も女子も多くがそれに続いた。平田の復帰に喜ばない生徒はいない。
「おはよう堀北さん」
「え、ええおはよう」
思わず、その平田を眩しいと思ったのか
堀北が動揺した。
「失った信用を取り戻すために全力を尽くすよ。
後で特別試験の詳細を教えて欲しい」
「分かったわ。状況の把握、そしてあなたが本当に使いものになるのかどうか、そのテストさせてもらうけど、構わないわね?」
「うん。もちろんだよ」
手を差し伸べる平田。和解を求める握手を堀北は真正面から受け止めた。それからも、再び次々とクラスメイトから声をかけられる。
「おはよう八幡」
((八幡?))
始業ぎりぎりに登校した八幡に平田から声をかけた。
「そうだ。
僕の事も『洋介』って呼んでくれないかな?」
「はぁ〜。洋介。これで満足か?
眩しすぎて消えそうだから、あっちにいってくれ」
その状況を遠巻きに見ていた堀北がオレに聞いてくる。
「これはどういう状況かしら?」
「いや。さっぱりわからん」