ようこそ正反対の二人がいく教室へ   作:ゆうき35

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無人島サバイバル② ルール説明は割愛

6月も中旬が近づいた。2年生である俺たちにもいつ特別試験が発表されてもおかしくない。そんな覚悟を決めていた時期だろう。その覚悟を試すかのようにいつもと違う朝のホームルームが始まる。

 

「全員揃っているようで何よりだ。おまえたちとの付き合いも長くなってきた。何となく察しているだろう。この後特別試験に関する話を行うことになっている。だが、そのお楽しみは長くなるためあとに取っておこう。まずはおまえたちに、一足早い夏休みのバカンスについて説明する。8月4日から8月11日までの7泊8日、おまえたちはこの豪華客船で自由に夏休みを満喫できる。そして、船上で特別試験を行うような事も一切しない。しかし、この船旅を満喫するには、次の特別試験を無事に終えなければならない。次回の特別試験は夏休みに行われる。おまえたちには『無人島サバイバル』に参加し競い合ってもらう」

 

『無人島サバイバル』

 

○報酬

 

・1位のグループ

300クラスポイント、100万プライベートポイント

1プロテクトポイント

 

・2位のグループ

200クラスポイント、50万プライベートポイント

 

・3位のグループ

100クラスポイント、25万プライベートポイント

 

・上位50%に入賞したグループ

5万プライベートポイント

 

・上位70%に入賞したグループ

1万プライベートポイント

 

※上位3グループが得るポイントは下位3グループの学年から移動される。クラスポイントに関しては人数に関係なくクラス数で均等に分配される

 

○ルール

 

複雑かつ多岐にわたるので割愛します。

ごめんなさい。

 

「今回の説明では全てを理解できなかった者もいるだろうが、昼休みまでには自動的にタブレットに特別試験マニュアルが配布されるため、そこで確認可能だ。どういったグループ戦略を立てていくかゆっくりと考えることだ。時間はある」

 

アドバイスを残し、茶柱先生は教室を後にする。

 

……

翌日の朝。俺は身支度をすませた後、携帯を開いた。個人のメールに学校からの通知が届いている。そしてそこには『半減』と書かれたアイテムが与えられた事が記載されていた。

 

「よしっ」

 

誰もいない部屋の中でガッツポーズをした。もし、これ以外のカードが与えられた場合、桔梗に頼んででもなんとか入手するつもりだったが、手間が省けた。俺の特別試験の立ち回りが決定した瞬間だった。

 

・半減:ペナルティ時に支払うプライベートポイントを半減する。このカードを所持する生徒のみ反映する。

……

 

「来てくださったようですね、櫛田さん」

 

「坂柳さんが私に用なんて珍しいね」

 

「お時間は大丈夫でしたか?急なお願いでしたので断られることも覚悟してました」

 

「全然大丈夫だよっ。で、話って何かな?」

 

「単刀直入に申し上げます。今回の試験。櫛田さんに私の邪魔をして欲しくないのです。その代償として櫛田さん分の保証金を出しても構いません。100万ポイントお貸しします」

 

「う〜ん…いらないかなっ」

 

「残念ながら交渉は失敗ですか」

 

「そんな事言ってないよっ。坂柳さんはAクラス以外が連携する事を危惧している。もっと言うと私が帆波ちゃんを引き入れる事かな?」

 

「続けて下さい」

 

「私はそもそもこの試験で他クラスに働きかけるつもりはないんだよっ。そ〜だな。報酬はいらないから坂柳さんへの『貸し』ひとつでどうかな〜」

 

「ふふふっ。そもそも動く気がないのなら『借り』も必要ないのでは?」

 

「私はそれでも構わないよっ。坂柳さんが『私を信じられる』ならね」

 

「これは痛い所をつかれました。分かりました。それで手を打ちましょう。思ったより高い買い物になったかもしれませんが致し方ありません。契約書は必要でしょうか?」

 

「『友達の』坂柳さんのお願いを聞くだけたからね〜。そんな大層なものは不要だよっ。坂柳さんも『友達』としてお願いを聞いてくれればいいよっ」

 

「ふふっ。あなたとは良い関係になれそうです」

 

「こちらこそだよ」

 

……

「比企谷八幡だろう?難問の国語と英語で高得点をとった」

 

夕食の準備の為、買い出しをしていた俺はベンチに座った三年生の女生徒に話しかけられた。その女生徒は足を組み両手を広げ、ベンチの背においてリラックスしているようだった。

 

「…こんなに綺麗な人、俺の知り合いにいたか?」

 

「おいおい。容姿に優れている事は自覚しているが初対面のそれも一言目に言われたのは初めてだな」

 

やべっ。油断して声にでてたか

 

「どうした。こっちに来ないのか?」

 

なんだろう…アホ毛レーダーが反応している。この人と関わるとろくなことにならない。そう予感する。

 

「立ち話もなんだ。ベンチにでも座って話そう」

 

「はぁ…それで俺とどんな話を?

 というか、失礼ですが誰ですか?」

 

「この学校内で名前は知られているほうだと思っていたのだがな。私もまだまだと言うことか。3年Bクラスの鬼龍院だ。話はなんでもいい。君がどんな人間であるか探求できればそれで十分だ。」

 

「はあ…」

 

「これでも私はOAAでは高い得点を得ている。他学年の成績優秀者などチェックはしないのか?」

 

「OAA自体見てないです。自分の評価も知りません」

 

「ほぅ。それはなぜだ?」

 

「人を数値で表しても意味ないでしょう?聞いていると試験ひとつでも大きく変動するらしいですから。数値を通して他人をみるときっと見誤る。ただ、それだけですよ」

 

「他人の採点など、何の意味も持たないものだ。そんなくだらないものに振りまわされる生徒が大半なのは嘆かわしいな」

 

「君は今度の無人島サバイバルでは1位を狙うつもりなのか?」

 

「全くありませんね。今の俺にAクラスを目指す意思はないです。ポイントもそこそこありますので現状維持で問題ありません」

 

「この学校はAクラスで卒業できれば、どこにでも進学、就職ができるというのが最大の売りのようだが?」

 

「3年生の鬼龍院先輩だから聞きますが、最難関の大学に進学する事とAクラスで卒業する事。どちらが難易度が高いと思いますか?」

 

「面白い事を聞く。私個人ならAクラスで卒業する事だ」

 

「そういう事です。それに将来の目標は専業主夫ですからね。Aクラスに拘る必要が全くありません」

 

「専業主夫か。それはいい。君と話すのが楽しくなってきたが、今日はこれくらいにしておこう。また、会えるのを楽しみにしておくよ比企谷」

 

……

『無人島サバイバル』に向けて各クラスの戦略は加速していく。坂柳率いるAクラスと一之瀬率いるBクラスは協力関係が結ばれ選抜チームで上位を目指す。龍園率いるDクラスはAクラスの葛城を引き抜きクラス体制の強化を図る。我らCクラスは…あれっ?どうするんだ??

 

「もうすぐ夏休みだね。私はいつものメンバー。無難に退学回避に努めるよ。結局、八幡はひとりだよね」

 

「ああ、運良く『半減』カードがひけたからな。ポイント300万以上あるから退学の心配もない。人と関わるよりは一人のほうが気が楽だからな。ある意味今までで1番向いているかもしれん」

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