ようこそ正反対の二人がいく教室へ   作:ゆうき35

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ニ年生編 4.5巻
夏休み① 八幡くんと有栖ちゃん


豪華客船は優雅に大海原を航行し、これから暫くの間学生達に夏休みを提供する。無人島特別試験が終了した翌日8月4日の朝になった。今日から8月10日いっぱいまでの7日間、学生達は豪華客船での休日を過ごす。そんな待ちに待った初日、俺は何をしているのかというと……

 

「もう働きたくない…」

 

客室のベッドに横になっている。昨日、無人島試験終了後、眠りこけてしまった俺は睡魔はないものの体を動かす気には全くならなかった。携帯?もちろん電源はオフだ。目覚めた時に啓誠に聞いたのが、どうやら俺の試験結果は3位。1人で100クラスポイントを稼いだ事になる。もう、卒業までのクラス貢献は果たしたのではないだろうか?今日・明日はゆっくりと体を休める事にした。

 

8月6日。携帯の電源を入れると桔梗・いろは・天沢から連絡が入っていた。よし、見なかった事にしよう。3日ぶりに本格的に体を動かしたので、体のいたる所がダルい。午前中はリハビリを兼ねて船内を散策する事にした。午後になると清隆から連絡がはいる。

 

『午後3時、遊戯室で久々にチェスをしないか?』

 

頭のほうもリハビリは必要だろう。俺は了承の意を返信した。

……

 

午後3時になり遊戯室を訪れると思いもよらない生徒達がそこにいた。清隆はいない。そんな状況の中で清隆からメールがくる。

 

『関係者集めといた。あとはまかせた!』

 

よしっ。俺はここには来なかった。帰ろう。

 

「わざわざご足労頂き、ありがとうございます」

「今日まで何してたのかなっ?八幡?」

「やっほ〜」

 

あいつ今度どうしてやろうか…。そこにはAクラスの坂柳と橋本、あとは知らない生徒2名、桔梗、いろは、天沢が勢揃いしていた。

 

「さあ、こちらへどうぞ。一度、比企谷くんとはゆっくりとお話したいと思いまして、綾小路くんにセッティングをお願いしたのです。お呼びしていない方もいらっしゃいますが」

 

「私たちもきよぽんに呼ばれたんだけどな〜。坂柳さんがいるとは聞いてなかったよっ」

 

「まあ、いいでしょう。色々お伺いしたい事もあります。折角の遊戯室ですのでチェスをしながら話ませんか」

 

「あれ?先輩チェスなんてやってましたっけ」

「はちまん、チェスできるの〜」

 

「ふふっ、私は一度比企谷くんにチェスで負けているんですよ」

 

「「「えっ!?」」」

 

「あれは清隆の実力だろ」

 

「あらあら。誰が対戦者だったかお忘れですか?終盤、綾小路くんは指示を止めていました。ほぼ、互角の盤面から私に勝ちきった。それは紛れもなく事実ですよ」

 

「??」

 

「そうですね。1年生のおふたかたは知りませんでしたね。では、少し説明させて頂きましょう。櫛田さんと比企谷くんが所属するクラスはこの無人島試験でBクラスとなり、私達Aクラスに肉薄してますが、去年の5月のクラスポイントはどれくらいでしたでしょうか?」

 

「はあ…ゼロだな」

「ゼロだね」

 

「「え?」」

 

――――――――――――――――――――

無人島試験後のクラスポイント

 

Aクラス 1021ポイント ※坂柳

Bクラス 925ポイント

Cクラス 590ポイント ※一之瀬

Dクラス 468ポイント ※龍園

――――――――――――――――――――

 

「比企谷くんのクラスは1年と少しで900ポイント以上獲得している事になります。私は綾小路くんのおかげだとこれまで考えていたのですが、どうやらあなたも見逃していてはいけない存在と今は考えています」

 

「かいかぶりだ」

 

「そうですか?今回の無人島試験、Aクラスは櫛田さんと龍園くんに『借り』を作っただけで終わりました。あなたのせいでマイナスです」

 

「嘘だな」

 

「というと?」

 

「坂柳が無料で清隆に手を貸すわけないだろ」

 

「あら?女心は不思議なものですよ」

 

「だからこそだ」

 

「ふふっ、思っていたよりも上方修正が必要なようですね。でも、今はあなたとチェスを楽しむ事にしましょう。先手はお譲りします」

 

 

「ねえねえ、いろは。2人何やってるかわかる」

「さっぱり分かりません。なんですか今まで秘密にしてた特技を披露して女心を弄ぶ気ですか、正直チェスをやっている先輩カッコいいですが、ごめんなさい。こんな大勢の前では無理です」

「2人ともつよーい。私でもアブない?」

 

「当然です。綾小路くんの一番弟子ですから。比企谷くん、特別試験の序盤手を抜いてましたね。ふふっ。あなたの打ち筋は私に似たものがありますね」

 

「こんなに楽しそうにチェスしてるお嬢初めて見るな」

「あの子普通に笑えるのね」

「……」

 

「非常に楽しい時間でしたが、ここまでですね」

 

「ああ、俺の負けだな」

 

「本当はもっとお話するつもりでしたが、ついつい集中してしまいました。ですが、多くの会話を交わすより、この一戦のほうがあなたを知る事ができたように思います。また、相手して下さいますでしょうか?」

 

「できればお断りしたいのだが?」

 

「あら、既に比企谷くんが綾小路くんと対戦している時間の半分を譲り受けているのですが、どうしましょうか」

 

「……分かった。その時は連絡をくれ」

 

「綾小路くんより私のほうが比企谷くんにとっては良い師匠になれるでしょう。これからもよろしくお願いしますね」

 

清隆と坂柳は俺をどうしたいんだ。




ようやく5巻まで読み直しが終わりました。最初考えていた流れはどうやら破綻していたようで、考え直してます。
うん。桔梗ちゃんが追い詰められてないと次の特別試験どうにもならない…。
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