櫛田が教室を出ていった後、しばらく経って平田がクラスポイントを獲得する為に放課後話し合いを提案した。
参加するつもりはなかったんだけどな。
「比企谷くん、少しいいかな。実は放課後、ポイントを獲得していくために、Dクラスがどうしたらいいか、話し合いを持とうと思ってる。そこに参加してほしいんだ」
入学式初日。自己紹介以降、櫛田以外に始めて話しかけられた気がするな。
「なんでオレなんだ?」
「全員に声をかけるつもりだよ。だけど、一度に全員に声をかけても、きっと半数以上は話半分に聞いて真剣に耳を傾けてはくれないと思うんだ。本当は櫛田さんにも参加して欲しいんだけど…今日はさすがにね。無理に発言しなくてもいいんだ。参加してくれないかな」
「わかった」
特に放課後の予定はない。俺は平田の提案に了承した。
……
思ったより遅くなったな。結局、櫛田は戻って来なかった。教室から出ていく時の涙……
まぁ。嘘泣きなのはわかっているが、
「今日ぐらいは櫛田の好きなもの作ってやるか」
そう考えながら下駄箱に向かっていると前から星乃宮先生が歩いてきた。
「聞いたよ〜。Dクラス0ポイントだったね〜。
これから大丈夫?」
「いや。先生なんだから知ってたでしょ」
「相変わらず八幡くんは細かいな〜。
でも、櫛田さんと八幡くん早くに気づいてたよね?
教えてあげなかったの?」
「櫛田は注意してましたが、誰も真に受けなかった。
Dクラスの自業自得ですよ」
「八幡くんのポイントは大丈夫?
厳しかったらお姉さんが援助してあげるよ〜」
「最初から節約してましたし、
バイト分だけで十分です。
先生に借りをつくると後が怖いんで」
「どういうことかな?」
「わかってるでしょ?」
食材を買い、部屋に帰ると櫛田は俺の部屋で寛いでいた。
「遅い。お腹空いた。いつもは学校終わると
直に帰ってくるのに今日はどうしたの?」
「あれがあれでな。色々あった。
これから飯作るから大人しく待ってろ」
料理を作り終え、櫛田と食卓を囲む。
「いつもより豪華じゃない?
食費ほとんど私持ちなんだけど」
「今日は俺持ちでいい。」
「あれ。もしかして心配してくれてる?」
「いや。全く。
ただ、先生の発言読み間違えたからな。その詫びだ」
「気にすることじゃないよ〜。
八幡のおかげで上手く切り抜けられたしね」
「それに入学して1ヶ月たったのに
みんなから『比企谷って誰?』
って笑わせてもらったしね。
私が帰ったあとはどうだった?」
「みんな櫛田に注意されてたのを思い出したようだな。
お通夜みたいだったぞ。
そのあと平田が話し合い提案して、
中間テスト頑張ろうって感じで終わったな」
「あと、ついでだ」
櫛田の携帯にポイントを送信する。
「なにこれ?」
「ギャルみたいな女「軽井沢ね」その軽井沢って女がポイント借りてまわってたからな。補填してやれ。それで女子からの評価は取り戻せる」
「男どもは明日謝ってくるから
笑顔で許してやればいい」
「うん。ありがと。八幡は私の事よくわかってるよね〜」
「やっぱり私より性格悪くない?」
「それはない。」(よな?)
……
「そういえば八幡は中間テストどうするの?」
「どうするとは?」
「1教科でも赤点なら退学なんだよね。
八幡が数学で赤点以外なの見たことないよ。」
「…………そうだな。」
(小町。お兄ちゃんもうすぐ家に帰れそうだ)