てってってーてってててー
佐倉愛里のプロデュース
満場一致特別試験が終了した数日後、俺と桔梗は波瑠加と愛里を夕食に招待した。
「波瑠加、愛里。いらっしゃ〜い。
もうすぐ料理の準備できるから適当に待っててね」
「デジャヴか?ここは俺の部屋なんだが…」
「そう言えばハチ君に料理ふるまってもらうの初めてだね。期待していいのかなー?」
「もちろん!バッチリだよっ」
「だから、なぜ桔梗が答える?まぁいい。準備ができた。ちょっと手伝ってくれ」
今日はパスタをはじめとしたイタリアンにしてみた。もちろんミラノ風ドリアの再現も忘れない。
「はーい」
(もうこれ新婚じゃん。これで何もないってハチ君バカなの?ねっ。愛里)
(う…うん)
「おいしっ。無人島で料理できるのは知ってたけど、これは凄いね」
「美味しいです!」
「まぁ、専業主夫になる為には必須だからな。それにこの学校に入学して機会にも恵まれている」
「いつもきょーちゃんの為に作ってるとか?」
「ああ」
「「えっ。認めるの?」」
「あとはいろはと天沢、時々一之瀬と清隆って所だな」
「ハチ君…私達の知らない所で何してんの…」
「そ…そう言えば、この前の八幡くん。なんか凄かったね…」
「そうだねー。ちゃんと人前でしゃべれるんだ」
「うるさいっ。で、今日来てもらった本題だ。文化祭だがメイド喫茶をやる。2人にはウエイトレスとして協力してもらいたい」
「う〜ん。流れからして、拒否権ないやつ?」
「あれは方便だ。無理強いをするつもりはないぞ」
「ハチ君からのお願いだから私はいいけど?」
「わ…わたしは…」
「愛里。前の特別試験だが実は1番危うかったのはお前だ。自覚しているか?」
「えっ!?」
「どういう事?」
「幸い今はAクラスとのポイント差も縮まっている。このタイミングで無理をする必要はなかった。だが、仮に退学者を出してクラスポイントを得る。そんな結論に至った時、愛里が退学者の候補になる可能性は非常に高かった」
「ふざけないでっ。私はそんなの認めない」
「落ち着け、波瑠加。なら聞くが愛里や綾小路グループ以外の生徒が対象だったらどうだ」
「…別に反対する理由ないね」
「そういう事だ。今後、同じような試験があるかはわからん。だが、仮に同じような選択が必要になった時、候補にあがらない所まで立場を押し上げておく必要がある。それにはこの文化祭が良いきっかけになると思うんだ」
「どうすんの?」
「容姿はもっともわかりやすい武器だ。波瑠加と一緒にプロデュースされてみないか?」
「そうだね。愛里も変わろうとしてた所だしいいんじゃない」
「は…波瑠加ちゃんが一緒なら頑張れるかな…」
「まず2人に共通の問題点だが、以前に波瑠加が話してくれたとおり、他人の目を気にしすぎる点だろう。桔梗、対策はあるか?」
「慣れだね」
「そう。これはもう慣れだ。俺も悪意や侮蔑の視線にはさらされてきたからな。慣れてしまえばどうってことはない」
「それはどうかと思うよ…」
「この件に関して行動を変える必要はない。少しづつでいいんだ。意識して慣れる事。それに自分は他人よりも秀でている。それを自覚して自信に変えていってもらいたい。いい例がこいつだ」
「おいっ」
「次に愛里だ。予定していたイメチェンは文化祭まで封印してもらう。プロデュース方針だが当然ビジュアル特化型だ。徹底的に表現力を磨いてもらいたい。すでに自己プロデュースはできているからな。これから一ヶ月あまりで桔梗からどうすればもっと可愛くみられるか?他人との距離感やコミュニケーションの為の技術そういったものを学んで欲しい。目指せ!トップアイドル…突風アイドル?」
「文化祭のウエイトレスだけど?」
「はっ。いかんいかん。頼めるか?桔梗」
「う〜ん。特別だよっ」
「わ…私にできるかな…」
「なあ、愛里」
「は…はいっ」
「俺はお前ならできる。そう確信している。俺の事信じられないか?」
「そ…そういうわけじゃないけど…」
「それにだ。成長した愛里を清隆に見せつけてやれ。愛里じゃなく軽井沢を選んだ事を後悔させてやればいい」
「う…うん!私頑張ってみる」
「次に学力だが啓誠には愛里を中心的にみてもらおうと思う」
「え〜。私とみやっちはどうするの?」
「文系科目だろ?俺がみてやる。あとはそうだな。それで不足する分は桔梗手伝え」
「私はいいけど…何?何?グループにいれてくれるの♪」
「却下だ。お前が特定のグループに所属すると色々とややこしい。勉強会限定だ」
「どうだ?波瑠加」
「愛里の為だからね。みやっちとゆきむーには私から伝えておく。それにしてもハチ君いつになく積極的だね〜」
「文化祭のためだ。校内で1位になるには愛里の成長は必須条件だ。そのためなら、これぐらい安いもんだ」
「はあ…どんだけやる気なの…」
八幡はパーフェクトコミュニケーションとれたでしょうか?バッドではないことを祈ります。