ようこそ正反対の二人がいく教室へ   作:ゆうき35

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堀北さん登場回です。


勉強会①(改定版)

「ちょっといいか?」

 

帰り支度をしていた私は綾小路くんに話しかけられた。

(根暗が何のよう?)

私は可愛く見える角度で首を傾げた。

 

「珍しいね。綾小路くんから話しかけてくれるなんて。

 私に何か用かな?」

 

「あぁ。もし良かったら、少しいいか?

 ちょっと教室の外で話がしたい」

 

「この後友達と遊びにいくから

 あんまり時間ないんだけど……いいよ」

(面倒だ。告白とかじゃないよね)

 

嫌がる素振りひとつ見せず、笑顔でついてくる。

廊下の隅に連れて来られた櫛田はわくわくした様子でオレの言葉を待っていた。

(違うよね。違うといってよ。バ〜ニィ〜)

 

「喜べ櫛田。お前は親善大使に選ばれた。」

 

(はへっ?)

 

「これからクラスのために尽力してくれ」

 

「え、えーと?ごめん、どういう事かな?」

 

須藤・山内・池の為に堀北と勉強会を開催する事になったが、本人達の同意を得る事ができなかった。あとで堀北に何を言われるか分からないが櫛田を頼るほかもう術がない。

 

「というわけだ櫛田。協力してもらえないか?」

 

「困っている友達がいたら助けるのは

 当たり前じゃない?だから、手伝うよっ」

(よしっ!八幡の勉強もみてもらおう!)

 

こいつ、良いヤツ過ぎ…。

 

「あ、でも1つだけお願いを聞いてくれる?」

「その勉強会に私と比企谷くんも参加させて欲しいの。

 ダメかな?」

 

小テストの結果を見る限り比企谷に赤点の可能性はなさそうだ。なんで比企谷?と考えていると櫛田が続けた。

 

「比企谷くんとは同じ中学なんだけどね。比企谷くん。中学の時から数学は赤点しか見た事ないんだよ。理系科目だけみると須藤くん達と同レベルか。下手すると下かもしれないんだ」

 

……

 

「ということで、明日から堀北さん達と勉強会ね」

 

「なんで、俺が…「数学?」」

「拒否権あると思う?」

 

「了解した」

 

……

 

「連れてきたよ〜」

 

赤点組(プラスワン)と櫛田がやってきた。

 

「みんながんばろうねっ」

 

「待って、櫛田さんあなたも参加する気なの?」

 

「実は、私も赤点取りそうで不安なんだよね。

 この前のテストも選択問題が偶然解けただけで、

 結構ギリギリで...

 私も参加しちゃダメかなっ...?」

 

「はぁ〜。…わかったわ。

 あと、なぜ比企谷くんもいるのかしら?」

 

櫛田は比企谷の小テストを堀北に渡す。

 

「確かにそうだったわね。失念してた。

 比企谷くん。勉強会に参加しなさい。

 拒否権はないわ。」

 

堀北も以前から比企谷の事、知っているのか??

 

………

「あなたたちを否定するつもりはないけど、

 あまりに無知・無能すぎるわ」

 

「言いたい事いいやがって。

 俺はバスケでプロ目指してんだ。

 勉強なんざ、将来なんの役にもたたないんだよ」

 

「勉強が将来の役にたたない?それは興味深い話だわ。

 けど、実際問題勉強が出来ずに赤点をとり、

 挙げ句の果てには退学になりそうなのに

 これでも関係ないとでも言うつもりかしら?」

 

「っ!」

 

「バスケットでプロを目指す?そんな幼稚な夢が、簡単に叶う世界だと思っているの?この程度の問題もすぐに投げ出すような中途半端な人間は、絶対にプロなんてなれない。今のうちに諦めることをおすすめするわ」

 

「てめえ!」

 

須藤は、堀北の胸倉を掴んだ。

 

「すぐに勉強を…いえ、学校を辞めて貰えないかしら?

 そしてバスケットのプロなんて下らない夢を捨てて、

 バイトでもしながら惨めに暮らすことね」

 

「はっ......上等だよ。やめてやるよこんなもん。

 完全に時間の無駄だ。あばよ!」

 

須藤は勉強道具を片付け始めた。

 

「退学して構わないのなら、好きにするのね」

 

すると、須藤以外の池、山内も片付けを始める。

 

「俺もやーめよ。なんか勉強についていけないのもあるけどさ…正直ムカつく。堀北さんは頭いいかもしんねえけど、そんなに上から来られたらついていけないって」

 

「…堀北さん、あんな言い方じゃ

 誰も一緒に勉強してくれないよ……?」

 

「私が間違っていたわ。ここで赤点を上手く回避できても、またすぐに同じような窮地に追い込まれる。ならば早いうちに退学して貰ったほうがプラスになるということよ」

 

「そ、そんなのって...」

「分かった。私がなんとかする。して見せる。

 皆とお別れなんていやだから」

 

「櫛田さん、あなた本気でそう思っているの?」

 

「...いけない?

 須藤くんたちや池くんたちを助けたいって思っちゃ」

 

「あなたが本心からそう思っているなら構わないわ。

 でも、私にはあなたが、本気で彼らを救いたいと

 思っているようには見えないわ」

 

「何それ。意味分かんないよ。どうして堀北さんは、

 そうやって敵を作るようなこと、

 平気で言っちゃうの?

 そんなの……私、かなしいよ。…じゃあね、三人とも」

 

櫛田までもが立ち去り、とうとう3人だけになってしまった。

 

「勉強会は終了ね。あなたたちはどうするの?

 特別に勉強をみてあげてもいいわよ」

 

「悪いが今日は俺も帰るわ。

 勉強会再開されるなら声かけてくれ。」

 

図書館を後にして、廊下をしばらく行くと後ろから声をかけられる。

 

「比企谷。待ってくれ。」

 

オレは放課後の打ち合わせ以来、比企谷と話してみたいと思っていた。これは良い機会だ。

 

「なんだ……えっと……」

 

「綾小路だ。」

 

「で、綾小路が何のようだ?」

 

「急にこんな事言われても困るかもしれないが、

 俺と友達になってくれないか。」

 

「断る。」

 

こいつもやはり他人と馴れ合わないタイプか。

 

オレは一歩踏み込んでみる。

「それはなぜだ?」

 

「別に俺と友達になりたいなんて思ってないだろ。お前」

 

比企谷は続ける。

 

「お前は他人を見ている時、

 どこか違う所から見ているだろう?

 須藤達といる時も一線引いている。

 そんなやつに『友達になろう』って言われても

 裏があるとしか思えんな。」

 

「もし、俺を利用するつもりなら、

 その時声を掛けてくれれば十分だ。」

「じゃあな。」

 

驚いた。これまで俺と比企谷の接点は全くなかったはずだ。にも関わらずオレの一部を正確に見抜いている。

 

「ちょ…ちょっと待ってくれ。

 比企谷。俺はお前に興味がある。」

 

比企谷は顔を歪めながら

 

「男に興味があると言われてもな………」

 

「いやっ。そ…そうじゃないぞ。

 そういう意味では全くない。」

「お前はオレとは全く違う価値観を持っている。

 俺ができないだろう発想は

 これからクラスに必要と思っている。

 友達じゃなくてもいいから、

 普段から話をさせてもらえないか?」

 

「別に俺は人と会話するのを拒否していないぞ。

 ただ、話しかけられないだけだ。」

 

こうして俺の携帯に始めての男子生徒が登録される事になった。

 

……

「あーウザい。マジでウザい。ムカつく。

 死ねばいいのに…」

「自分がかわいいと思ってお高く止まりやがって。あんたみたいな性格の女が、勉強なんて教えられるわけないっつーの」

 

今日はだいぶ溜まってるなぁ。あれじゃ仕方ないか。

 

「なんとか八幡を勉強会の場に連れ出したのに

 無駄になったじゃないか!」

 

怒ってるのそこ?

 

「ふぅ。すっきりしたー。さて、始めよっか?」

 

「何を?」

 

「勉強に決まってるでしょ。今夜から毎晩やるからねー。

 ぜっったいに退学にはさせないから」




堀北さんと八幡は中学時代接点はありません。堀北さんが一方的に知っている関係です。
堀北さんは中学から成績上位でしたが、八幡に国語・英語の2科目で1位の座を明け渡してしまいます。
それから勝手にライバル視しています。
文系科目は勝ったり負けたりを繰り返しましたが総合評価には全く登場しない為、理系科目は苦手なんだろうと思ってました。
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