僕は、幼い頃から何故か人の感情が色として見えた。

境遇、過去の暴力、トラウマ、見える色、女性不信で人生を諦めかけている高校3年生の僕は、偶然クラスの顔合わせ期間の時に休んでいた後ろの席のクラスメイトにプリントを届けることとなった。そのクラスメイトは派手な格好をしている金髪の女性で、僕の見ている世界とは真反対の人間だった。だけど彼女は僕の荒んだ心に意図も簡単に土足で踏み込んできた。

まるで僕と同じ事を思っているかのように。

彼女──岩海茉姫奈(いわうみまきな)は、死にたいと願い、灰を被っていた僕の心を少しだけ楽にしてくれた。

彼女の放つ“色”に憧れ、彼女と過ごした時間の中で、僕はまだ生きたいと思ってしまった。

生きる事の理由、幸せの本当の意味、人生の全てを、彼女との時間で教わった気がした。

これは、僕が茉姫奈に魅せられた、彼女と僕との、何処にでもある、でも何処にもないちっぽけな恋の話だ。
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