「(幼馴染を恋愛的に見るのは)いやーきついでしょ」と言ったオリ主が幼馴染達に娶られるまで後… 作:ネマ
遅くなっちまったぜ……環境が変わり難産でした
それではいつも通り、設定崩壊・過去改変・キャラ崩壊・独自設定注意です。
えっちな話なんで自衛だけはよろしくぅ!
早速だが皆さん。誘い受けという言葉をご存知だろうか。自身の思わせぶりな言動や態度で相手を誘惑する高等テクニックである。大元の語源はさて置いて、十分これは男女間でもあり得る行動である。
うん。まあ、ここまで語ったのなら十分察せるものがあるだろう。今回は確かに思わせぶりな態度の上に煽ったのは間違いない。
ただ弁解をするのならいつもの志歩なら羞恥で顔を紅く染めて日和ってしまうと思っていた。だが願は忘れていたのだ。ついこの前、一歌と床を共にした後、穂波に襲われた後だったという事を。
「願?来たよ」
「?ああ。志歩か」
本日は休日。珍しく幼馴染たちも用事があるという事で痛む身体の節々に悩まされながらも家事をこなしている所だった。男世帯の1人暮らしといえど掃除、洗濯諸々をしないわけには行かないと朝早くから積極的に動いているのだ。まるでここ最近の煩悩を振り払うかのように。
そうして掃除を一通り終えた後に、身体に付いた鬱血をひとつひとつ眺めて、ここのこれは一歌/穂波だろうなと遠い目をしながら考えていた所だった。家のドアを開ける音と共に志歩の声が聞こえたのは。
「鍵開いてたよ」
「開けてたんだよ……」
家の鍵が空いているという防犯上の危険に対して願は言い訳代わりに振り向く。
そこに立っていた志歩はいつものパーカーではなく、ミニスカに上着といつもよりおしゃれをしている志歩が立っていた。いつも持っているベースを背負っていないところを見ると置いて来たのだろうか。
「………今日どこか行く用事があったの?」
「………ん。まあ確かに用事はあるかな」
?少し違和感を感じたが、どうせ煩悩か何かだろうと切り捨てた。
願が座っていたリビングの椅子の横に志歩も椅子を持って来て腰掛けた。この家には1人だというのに机は四人掛けの机だし、椅子も計5個はある。これも単に幼馴染たちがこの家に来ることが多いからである。
「へー………時間の方は大丈夫なの?」
「全然大丈夫」
むしろ…と口籠る志歩を横目に特に追求することなく、願は手慰みとばかりにペン回しを始めた。指と指の間を通すだけの簡単なペン回しだが、今日みたいな倦怠感に満ちて何もしたくない時には丁度いいと横で願の肩に頭を置いて志歩も黙り込んだ。
そう。ここまでで分かると思うが実は願と幼馴染たちの間において1番互いの相性が良いのは志歩なのである。程よい距離感を維持する事が出来て、肩を合わせて隣り合わせで座っている2人の姿は確かに様になっていた。
「………あ」
「……落ちたね」
そうしてペン回しとそれを見ている時間を少しした後、滑らせたのか願が落とした時点でこれは終わりと願はペンを足の指で取り上げ、投げてペン立てにしまう。
「終わり?」
「おん。そっちも行くなら行きなよ?」
「全然大丈夫……でもそろそろ始めようかな」
用事があると言っていたのに行こうとする素振りも見せない志歩に願は訝しげに問う。そんな願の視線を受けたのが理由かどうか分からないが志歩は時計を一瞥した後に呟く。
「それで?願、弁解を聞くならまだ私が落ち着いてる間に済ませた方が良いよ」
「……突然何さ」
女王様とばかりにわかりやすく足組みをする志歩に、願は頬に指を当てて考える。
まあ十中八九“あれ”だろうなと内心諦めて考えていたがそれを表に出さない辺り願のポーカーフェイスは本物だ。何処かの将来で想いを爆発させるまで悟らせなかった面の皮の厚さは、例え穂波の時に出された証拠を前にしても揺らがないだろう。
「誤魔化すの?」
「誤魔化すつもりは……うーん」
気強に睨み上げる志歩の瞳には堪えるように涙が滲み浮かんでいる。あかん、本当に泣き出す数秒前と確信した願は観念したとばかりに両手を少し上げる。降参という事だろう。…ただまあ、願は試合に負けたとしても勝負にも負けたつもりはまだ無かった。
「見たんでしょ?……一歌かな?うーん。本当にしてヤられた」
「っ……それじゃあ……」
ここまで話が広がっているのを見ると、間違いなく一歌が広めたとしか考えられない。一体どうしてそういう事をしたのか理解できないが、広がっている範囲が今はまだ穂波と志歩だけだと考えれば軽傷で済むのだろうか。……いや。ほぼ連日とばかりに穂波にも襲われたのを考えると重症だ。
今回は流石に防ごう。志歩なら過度に煽ったら日和るだろう。
と願は楽観視した。楽観視してしまった。
「そうだねシたよ。一歌とも穂波とも」
「………………………」
鎖骨の下あたりに付いている鬱血痕を下着を少しズラし見せる。気分は某桜吹雪の町奉行様だ。この桜吹雪(鬱血痕)が目に入らぬか!……なんちゃって。そんな内心を願は思いながら口から出ていく言葉は心にも無い空虚な羅列。一歌がどこにどうして、穂波がここにこうしてとただひたすらに事実だけを述べている手前、願が考えることは無かった。
つまり、願にとってはあくまで日常会話の範疇。“こうこうこういう事があって〜同性である志歩からいい感じに注意しといてくれない?…まあ冗談だけど”という下ネタ混じりの会話でしか無い。
ただ志歩にとってはそれは正しくNTRビデオを目の前で生放送させられている気分であった。しかもその相手が幼馴染同士と言う抜け駆けされたWSS(私が最初に好きだったのに)を脳に直接流し込まれた。脳が破壊されるというレベルでは無い…脳に神の杖をぶち込まれたかの様な気持ちだった。
勿論ここで失恋するはずだった志歩だが、最後の締めくくりの願の言葉が不味かった。
「どう?襲われたこの身体。陳腐でありふれているけど自分はまだ清い身体かな?」
自分で言うのもなんだが綺麗なわけがないだろうと願は心の中で切り捨てた。つまらん押し問答の上でのジョークに本気になる必要はない志歩に少しだけ同情しながら志歩の答えを待つ。
だがもう一度言おう。願の言葉が最後の引き金を引いた。そう、願は“襲われた”と口にしたのだ。確かに誰がどう見ても襲われた様にしか見えないが願自身は“まあ責任はどう考えても自分にあるし”とある意味歪んだ理論を抱いているせいでこの軽いジョークで志歩がなんて思うだろうか。
答えは願が一歌や穂波と交わったのは不本意であるということ。そしてそこから転じて、願の心にはまだ誰も居ないということになる。
つまり志歩にとって好機である。
最後に私の隣に居るのならとまでは言わないが、願の心を手に入れるにはこうして傷付いている今がチャンスである事を志歩は幼いながら悟っていた。
「私はそう思うよ」
「………ふーん。それはどうして?」
「だって………」
一寸の迷いない瞳。
幼さ故の蛮勇が、熱意がただ愚直に願を映す。志歩のその眼の輝きが願にとって失って久しいモノである事を知っているからこそ願は苦心する。……ああ。でもそう言えば自分はこの瞳が、この輝きを好ましいと思ったのも事実であるからこそ
「願はまだ私たちが大好きでしょ?」
「…………そう見える?」
志歩の断言するその言葉。間違いなく友情が、親愛が破綻していてもおかしくない事が起きたと言うのに願はまだ幼馴染を、一歌を、穂波を、志歩を、咲希を愛しているだろうと志歩は微笑む。
「………うん。ずっとずーっと昔から変わらない私たちが大好きな願だよ」
「…………酷いね志歩は」
楔が打ち込まれていく。この時を以て願はもう変われない。
過去の慚愧も、過去の絶望もその全てを含めた外夜願の全てを抱きしめられた時点で願はもう1人では無くなった。願の黒い曼珠沙華は既に、枯れ果てていたのだ。
「ああ……でもそっか……」
簡単な事を、これほど簡単な事を忘れていたのかと願は苦笑する。
誰かを好きになる事に理由なんて要らないと、知っていたはずなのに。
「………うん。大好きだもんな。みんなが、志歩が、一歌が、穂波が、咲希が」
「その中に願もいる事にようやく気がついたの?」
ずっと願だけが目を逸らしていたのだ。ずっと願だけが聞こえないフリをしていたのだ。願を襲って抱き潰して(潰されたとも言うが)そこまでしてようやくこのクソボケは私たちの想いを受け取ったと志歩は笑う。……まあヤり方には色々と問題しか無いし、訴えられても文句は言えないが。
「ひどいやり方だ。ほんとうに酷い」
「………まあ、うん。それは否定できないよね」
流石にその辺りは幾ら幼馴染と言えど弁解できないと志歩は目を逸らす。
願が問題にしていないだけでやってる事は最悪だ。そこは本当に否定できないと志歩は思う。そもそも最初から襲うのもそうだし、泣き脅しで襲っているのは正直無いわーと志歩は思うのであった。汚いさすが幼馴染きたない。
「……………それで、そんな中志歩ちゃんは何もしないのかな?」
「………どういうつもり……?」
横耳に呟く願の声。まるでその意味は………
まるで愉しむかのように、揶揄うかのように笑う願の顔はとても意気揚々と呟く。何故願がこんな誘うかの様な言動をするのか、そこには最初に志歩の嫉妬を煽る時の一歌にも穂波にも襲われたしどうとでもなれという自暴自棄のヤケクソがあった。だがその途中で志歩からまさかの強烈な愛の告白があったことでそのヤケクソが浄化された。
そこからが問題だが、幼馴染への愛情が両片想いである事を分かってしまった願は殆ど勢いと言っても良いほど考えなしのアクセル全開で志歩の理性を削り始めた。どうやら願は好きな子に全力で構いたくなる性質らしい。勿論、願として、かつて大人だったモノとして最後の線引きは行なっているつもりだがよくよく考えて欲しい。
もうすでに願の隙の大きさで幼馴染2人に喰われているのにそんな線引きが叶うのだろうか?
……………答えは否だ。
「どういうつもりもないよ?……ただ志歩はそんな他の2人が先に進んでいるのをただ見ているだけの子かな〜って?」
「………………………」
瞬間、言いすぎたかな?と願は流石にふざけ過ぎた事を自覚する。
流石に言い方が悪すぎる。どうにか弁解しようと口を開こうとした瞬間だった。
「あ……今のは…………!!?志歩!?」
「……………………襲う襲う襲う」
腕を強引に掴まれ、廊下と階段を駆け上がる。普通に考えたら願が振り払えなくてはおかしく無いというのに志歩が引き摺るかの様な万力の前では願の抵抗なんて紙きれ一枚以下の力しか発揮できていなかった。
そしてそれ以上に
(……な、なんで抵抗しきれない!?おかしいおかしいおかしい!!)
ざけんなや、力がでない、ドブカスが(願三度目の貞操、辞世の句)
と冗談でも言いたくなるほど願は振り解く事も出来ずに自室に志歩の力で押し込まれる事になった。その瞬間、志歩に振子の様に見事な軌道を描いてベットに投げ捨てられた時にはもう願の脳内は混乱してフリーズしてしまった。
「………もう、これで逃げられないね。願?」
「あの…志歩さん?さっきの事は………」
形勢逆転。今は願がベットに仰向けになって志歩がその上から壁ドンしているかの様に願に迫る。勿論、願が逃げられない様に志歩は馬乗りになる様に脚で願の身体を拘束しているのだから逃げようにも逃げられない。
この時点で、ようやくこの時点で願は本気で不味いと気がつき始めた。
色々と遅いし、もうなんか救いようが無いとしか言いようがないが馬乗りになった志歩が自身の服のボタンを外し、その空いた隙間の中からはその年齢にはそぐわぬ下着が見え隠れしていた。
「うるさい……ん………」
「……………!?ん─────!!??」
まるでうるさい口だ…と言わんばかりに願に強引な口づけをする志歩。口と口を合わせて捩じ込んでくる志歩の舌を拒絶するのではなく願は受け入れて自分のペースに持っていく。
「………っ!ぷはぁ……なんか逆転された気分」
「………………それ本気で言ってる?」
酷く残念そうに、それでいて熱にうなされたかの様に呟く志歩に願は訝しげな声を上げる。事実今も尚、上を取られているのは願の方だし絶対に目を逸らせないストリップショーは、小ぶりでありながら将来性のある曲線美を惜しげなく見せるだけでなく、スカートを締めていたベルトのバックルが今外されたのだった。
「ちょっ!!本当にマズイって!!??」
「何が?」
僅か数秒にも満たない攻防。願の身体を捩るのをよそに、志歩は既に生まれたままの姿に下布一枚という異性の前には絶対にしてはならない格好で願の服を脱がしにかかる。今日は家にいる日だからとラフな格好でいたのが不味かったのかこれまた数秒で上を脱がされてしまった。
「もう一度聞くけど……これ以上のことを一歌とも、穂波ともしておいて……」
指折り数える志歩の姿の宿るその瞳は細く鋭く、まるで肉食獣の様な鋭さで願を貫く。まあ何となく嫌な予感はしていたがこれでようやく願の脳内に強烈な“王手”の印象が焼き付いた。もはや俎板の上の魚。志歩という料理人にせめて美味しく食べて下さいと懇願するしか道が残されていない。
ついに生肌と生肌の産まれたままの姿の2人の距離がゼロになる。
願の片手で押さえ込んでしまいそうなほど細い首筋。まるで病的なまでに華奢な身体の曲線。年齢を考えれば当たり前の話だというのに、年齢以上に感じさせる蠱惑さがアンバランスな魅力を引き出している。
「今更、どういうつもり?」
「……………それは………」
「そんなに、願のここはもうやる気あるみたいだけど?」
願の大事な所に細い志歩の指がかかる。いつも触るベースの様にいや。ベース以上に繊細な手つきで触れるそれには流石の願も興奮を増やしていく。……間違いなく、幼馴染に対しての反応速度が上がっていると願は堪える最中、ふと脳裏が思考を揺るがす。
最初は相手が乱れ捩っている時に、2回目は相手と互いに手繰りあった時。そして今回は、相手が触れるよりも先に興奮するかの様に反応していた。今までは精神年齢の差が幼馴染に手を出したらロリコンの謗りを免れないとボーダーが有ったのに、今となっては肉体の興奮から逃れられないと適応していた……まあ人間性的には退化、だが。
「もう、いいよね?……今まで、私、ずっと我慢して……」
「………………………おいで、志歩」
私はずっと、ずっと幼馴染である外夜願に恋をしている。この感情を恋と言う一言で片付けてしまうのは嫌だし、言葉では表したくないほどに私はずっと願の事を想っている。昔からずっと一緒の願に鮮明なこの感情を抱いたのはいつからだったか。それはきっとそんな昔の話じゃない。
ずっと一緒だと思っていた。片時も離れない時は無いとも思っていた。
けどそう思っていたのは私たちだけだったのだろう。
願は確かに私たちを想ってくれている。それは間違いない事。そうで無いと自分で言うのもなんだがこんな面倒な奴相手にずっと一緒に居てくれる訳がない。しかもわざわざ愛想の無い私を庇ってくれるなんてそれこそ“好き”で無いと無理だ。つくづく私はそう思う。
けど違った。願は私たちが想っているような“好き”じゃ無かった。
そんな“好き”とか“嫌い”とかの次元じゃ言い表せない。むしろそんなモノより悍ましい何か。だってそうでしょう?
「襲われたのに?…身も心も凌辱されて………」
そしてその翌日にはその襲った人といつものように話し、笑っている願の姿があった。一歌が襲った翌日も、穂波が襲った翌日も、願はいつも通りだった。そう。願は正気だったのだ。
普通親しい異性と言えど、恋人では、そう言う関係ではない限り無理矢理襲われたのなら次から会うのは避けるはずだ。嫌だと、怖いと身体に、顔に出てくるはずだ。……だってそうで無いと
「願には……自分の価値が無いと、そういうことなの!?」
それはつまり、願は“なんとも想っていない”という事になる。
世の中がどうかは知らないし興味もないが、間違いなく私たちの根底には愛してほしいが有った。愛しているがあった。だと言うのにそれが願には全く通じていないと言う事なのだ。
「そんなの……そんなこと、許せない」
あまりにも歪。あまりにも歪み切っている願の優しさに私は怒った。
私たちを怒るのなら良い、私たちに嫌悪を向けてくれるのなら悲しいけど、願の心の傷になったのなら良い。私たちを愛してくれると言うのなら最高だ。……だけどそのどれでもない全くの無。
星は夜を彩り、月は夜を際立てる。夜があるから天に意味が生まれ、夜があるから日は有り難みを知る。……そうなのだ。そうであるべきなのだ。私たちが寄るべとした、私たちの世界の翳らぬ夜があんな虚無である事なんて……
「なら、せめて。………私の手の中で」
そんな怒りと困惑を抱えながら願の家に向かう。
願の家は、普通の一軒家だ。その中身はとても整理されている。その整理されているものも、たった1人で暮らすには丁度いいと纏められた整理だが。…願の本心を知れば、いつ何が起きてどうなっても良いように備えている。まるでいつ自分が消えてしまっても良いようにしているのではないかと勘繰ってしまう。
「………ん。まあ確かに用事はあるかな」
いつも通り、私が大好きな願。だけどどこか少し疲れている?それもそうだろう。一歌と穂波に襲われた後で少なからず疲れが隠せていない。でも、ごめんなさい。今からきっと日野森志歩は、夜である外夜願を殺してたった1人の『人間』にしてしまう。
「誤魔化すの?」
願自身が疲れているからか、そのいつものポーカーフェイスが崩れている。
本当に少しだけだし、いつもずっと一緒にいる私たちじゃないと気がつかないけどそれでも少しその疲れから崩れた微笑みの中から今の願の本当の顔が見え隠れしていた。
「見たんでしょ?……一歌かな?うーん。本当にしてヤられた」
「最初は本当にただどうしようもない事だったんだよ?一歌に押し倒されるまではね。まさか一回だけだと言われてしたのがいつの間にか取られていた写真…いや。動画かな?それでまさか穂波にまで強請られて……そうそう。ここ、ここの首筋、一歌が──────────」
話す。願がいつもにも増して饒舌に語る。
まるで自分を嫌ってほしい。失望してほしいとばかりに喋る願の姿は酷く嗜虐心を煽ると志歩は一瞬考えた。台無しだが、推しが曇っている姿は美しい…と思う心理と同じだと思いたい。
それはそれ。変な扉を開きかけたと志歩は、一瞬見えた性癖の扉を閉めて願に向かい合う。変わらずにニコニコと喋る願には悪いが抑揚も無く幼馴染の酷い行動を聞けば聞くほど私の中で幼馴染への株が下がるからやめて欲しいと切実に思う。これから一歌と穂波が何か言うたびに(でもコイツら願を嵌めてハメた(意味深)んだよな…)と言ったモロローグが挟まるのは本当に最悪だ。
「どう?襲われたこの身体。陳腐でありふれているけど自分はまだ清い身体かな?」
…………ぶっちゃけ誘ってる様にしか聞こえないのは何故だろうか。
これはつまり汚された自分の身体を貴方の色で染めて欲しいというお誘いなんじゃないだろうか。お姉ちゃんが隠し持ってた漫画にこのシーンがあった気がする。
でもここでふざける事は出来ない。
キチンと私たちは貴方が大好きだという事を伝えないときっと私はこれから後悔するだろうし、きっととても哀しいことが起きる様な気がする。
「………うん。大好きだもんな。みんなが、志歩が、一歌が、穂波が、咲希が」
願の口から漏れ出ているから笑い、でも嫌な笑いじゃない。
そう。それはまるで晴天の様な、何もかも吹っ飛ばして綺麗になった清々しい気分になれたのならきっとあんな大笑いが出来るのだろうか。……その気持ちを私は知らないから分からない。でもなんとなく分かる。願は今、とても澄んだ気持ちであるという事だけが。
「……………それで、そんな中志歩ちゃんは何もしないのかな?」
それだけなら良い話だったなーで終わったのだ。
願の悩みを、願が本当の意味で私たちの願になったのだ。今はそれで十分だったのに、何故か願の手で最初の目的まで誘導されようとしているのだ。下から蠱惑的に見上げる願の瞳は私の動揺を愉しんでいる。
まだダメ、ダメ、ダメと言ったらダメ。願の思うまま、私は耐えられる。
「……ただ志歩はそんな他の2人が先に進んでいるのをただ見ているだけの子かな〜って?」
………あ。ダメだ。頭の中で線が切れる音がした。
願の腕を掴む。何故かわからないけどいつも以上の力だ。それに願も口では嫌々言っているのにいつもの力強さが全然ない。むしろわざと抵抗してないんじゃないかと思う。……これはいわゆる”誘い受け”というものじゃないだろうか。それならまだ私相手でよかった。これがもし他の幼馴染だったら私のようにベッドまで行かないで、椅子の上で服を脱いでいそうだ。
「ちょっ!!本当にマズイって!!??」
服を脱ぐ。今日着ていた服が脱ぎ易いので良かった。まだまだ穂波には負けるけど胸を強調して動く様にすると、流石の願もそっちに視線が行ってるのが分かる。それで良い。無理矢理するのは正直趣味じゃ無いからこうやって願が私をそういう目で見てくれる事にお腹の奥がムズムズする。
「………………………おいで、志歩」
これから死が2人を別つまで。ううん。
死が私たちを別とうとも。
今の時間は私がもらう。だから…………
最後はあげるね?咲希
外夜 願
何気に架空イベントの両方が終わってしまった世界であった事が確定した。もう黒い曼珠沙華は咲かないし、バルカンには至らない。
でもその代わり、一番綱渡りだったのがこの世界でもある。幼馴染を嫌って拒絶する世界線だって有ったわけだし、自分の存在が幼馴染たちに抱かれるだけだという共依存の世界線になる確率の方が高かった。
今回、願が誘い受けタイプだった事により、今までの将来の前振りがただの高度のプレイに化けてしまったのは必要な犠牲でした………
事実、SMではMの方が主導権握るって言うから(精一杯の弁護)
日野森 志歩
願はね。私たちに弱音を吐かないと行けないの
願はね。私たちと相思相愛だし、私たちを後ろから優しく見守ってくれる夜だし、やる事全部が私たちを愛してくれないと行けないの。
とまでは言わないかも知れないが(願のよさを知ってるのは私たちだけだし、願が支えてくれるのは私たちだけなんだろうな)と言う自負は持ってる。今回の一件は一歌や穂波に内心、(やりやがった!!マジかよあの野郎ッやりやがったッ!!)と喜んだのも束の間、願の歪みを識ってしまったが故に解釈違いからの暴走。と言うのが今回の案件。そして気が付いていないし、もはや思い出す必要もないが“何処かの誰かの世界線”の自分の嘆きを無意識に受け取っているのかも知れない。……それこそ幼馴染の兄に願が取られたり、自分の姉に取られたりetc……のどれかかも知れない。
………咲希?さぁ。知らない子ですね。
ただ幼馴染の異変も気が付かないほど鈍い子ではないでしたよね。
お知らせです。次回、願「幼馴染に襲われた…」の後に、幕間2を番外編に移動します。めちゃくちゃな事をやっていますが個人的に心残りだった幕間1に繋がる幕間2を書きたかったのを思い出しました。ですので一旦、今の幕間2を休止して、また新しい幕間2を書かせていただきます。突然ですがどうか今作をよろしくお願いします。
感想、評価お待ちしてます。
次回何書きましょう(最終的に全部書きます)
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