言語系チート授かったのでvtuber始めました 作:gnovel
ハーメルンでの掲示板機能の練習も兼ねて掲示板形式を始めて執筆してみました。
「」の中の『』は多言語だと思ってください。
それではどうぞ
多言語系vtuber(地球の言語だけとは言ってない)
「貴方の転生特典は『多言語』です」
「少しお待ちを女神様。いきなりそう言われても困ります」
俺は死んだ。
テンプレのごとくトラックに轢かれたあと、空から降ってきた工事用のポールが無数に突き刺さった後カラスに鳥葬されかけた所までは覚えている。……いや忘れたい。自分が旧劇の弐号機みたいな最期を遂げるなんて忘れたい。
そして目が覚めるなり、THE女神と言わんばかりの女性にいきなり『多言語』なる転生特典を授けられたのだ。
「で……その『多言語』とは……?」
「これにより貴方はあらゆる言語を理解し、話すことが出来ます。英語は勿論、イタリア語、ドイツ語、中国語……」
「普通に便利!? ……待てよ? 転生する世界が異世界だったら……」
「ちなみに2000年代の日本に転生してもらいます」
「やったぁ!!」
危なかった……。危うくこの『多言語』が活かされない異世界に飛ばされる所だった。しかし自分の故郷である日本ならば問題なし。思う存分イージーモードで活躍してやると意気込む。
「それでは第二の人生をお楽しみください」
そう言って女神は手元のボタンを押す。すると俺の足元が開き落下する。
俺は薄れゆく意識と、どこか浮上するような意識を同時に味わいながら、目を閉じていく。
「う……ううん……ここは……?」
目が覚めると、見知った天井が目に映った。
体を半分起こしてみると、どうやら赤ん坊という訳ではなく大学生か、高校生の俺に転生したことが分かる。しかし周りに高校の制服がないことやカバンではなくリュックであることから如何やら大学生の俺になったようだ。
しかし昔の日本に戻った影響か、ハンガーに掛けられた服装が一昔前に流行した服装であったり、テレビも薄型ではなく懐かしさを感じさせる分厚いタイプになっていた。
「あれ……? 待てよ……俺のスマホが無い……!? 嘘だろ!? 俺のソシャゲのデータが全部消えたんだが!?」
スマホが無いことに絶望していたが、そもそもこの時代にはまだない物である為、それを加味しても若干納得できなかった。しかしその代わりと言っては何だが、俺の勉強机の上にこの時代の最新モデルのデスクトップパソコンとマイク付きヘッドホン、そしてゲーム機が置かれていた。
「な……ッ!? ACVだと!? それにこっちは……ダクソ!? おいおい! マジかよ!」
そしてふと机の上に置かれたカレンダーをみるとそこには【2011年】と書かれていた。
「2011年だと……? はっ!? そうだ! 一先ず……転生特典も確かめるついでに……!」
俺は一先ずPCの電源を入れて、YouTubeを開く。そして何気ない外国音楽をクリックする。
『~♪』
そして流れてきた英語の歌詞と音楽。とてつもない英語の羅列に独特の発音に昔の俺なら音を上げていただろう。しかし今は、
「お、おぉ……! わかる……わかるぞぉ……!」
頭の中にすっと入ってくるのだ。まるでわかる。普段から日本語を聞いて理解して、話すくらいに当たり前のように、動画の内容が理解できるのだ。字幕は要らない位だ。
そして試しに英語で先程の歌を歌ってみる。頭の中に日本語の歌詞を浮かべて、それを英語に変換するつもりで……
「『~♪』」
歌えた。
非常にスムーズに、そして快適に脳内の日本語が英語に変換出力され、口から飛び出してくるのだ。そして試しにギリギリ知っているドイツ語で変換しようと試みると……
「『~♪……嘘だろ!? 何かすらすら口から出てくるんだが……え? 待って? 俺本当にドイツ語話せてる!?』」
頭の中の日本語がドイツ語らしき文章に変換されたことに自分でも仰天した。そして念の為に口頭ではなく文章に出力してみようと試しに引出しのノートを引っ張り出して自己紹介を『日本語』『ドイツ語』『フランス語』で書いてみることにした。
結果は、同じだった。
意味も同じ、簡単な自己紹介であったが俺の脳はそれらの文章の意味を完全に理解し、そして書けるようだ。
俺は心が躍り、様々な外国の動画を見漁った。どれも内容が理解できると面白く、果てにはごく少数の民族の言葉も何故か理解でき、更にはゲーム独自の言語さえも理解できることには仰天して、様々な海外のサイトを読み漁っていた。
そんな時だった。
「……ん? 〝You●ubeを通して新たな仕事をしませんか?〟」
ネットサーフィンをしていたらふと目に着いた広告を思わずクリックした。どうやらまだ設立されたばかりの企業なようで、You●ubeを通して何かをしませんか、という文言の通り新たな分野を開拓するようだ。
「そういや……まだこの時代は配信者……というかvtuberがいないのか……」
実を言うと、一度はvtuberとして配信をしようと目指していた時期があった。しかし周りの個性に俺が見劣りすると思い込み、結局断念したのだ。
(懐かしいな……あのまま押し切っていたらどうなっていただろうな…………いっそのこと『多言語系vtuber』としてやってみるか?w)
そんな軽い気持ちを持ちながら試しに応募してみた。いやしてしまった。
――まさかあんなことになるとは思いもしなかった。
というか俺の『多言語』がヤバすぎた。
◆◆
11:名無しの翻訳家 ID:hgix6DHew
相変わらずマルチの語学力がえぐすぎる
12:名無しの翻訳家 ID:vgYHtuLCE
リスナーの悪ふざけでタイ語で10分間実況してって言ったら……
13:名無しの翻訳家 ID:9Nb/eemkX
>>12 これだもんな
【動画のURL】
14:名無しの翻訳家 ID:jD2CD/qCu
多言語にも程があるよな……マジで
15:名無しの翻訳家 ID:bWH+PqtKi
>>14 おいおい、ギリシャ語とミャンマー語、カルムイク語を5分おきに交換しながらホラーゲーム実況してっていったらマジでやりやがったことを忘れたか?
【動画のURL】
16:名無しの翻訳家 ID:QHr7ChEEe
>>14 ご丁寧にリアクション付きでなァ!
17:名無しの翻訳家 ID:Q4moV5HeI
実際に現地の人間に聞いたら普通に現地人並に流暢に話せているとか言われてるもんなぁ
18:名無しの翻訳家 ID:0rMiGeYP7
マジで話せない言語ねぇんじゃねぇのか? って思う位には語学力バグってるよな
19:名無しの翻訳家 ID:wH/ZV1go5
マルチが今まで話してきた言語は……だめだ多すぎてわからん
20:名無しの翻訳家 ID:EbPUi9s78
多言語すぎて登録者が文字通り世界中からだもんな
21:名無しの翻訳家 ID:NJOtaEny1
事務所の人間も『外国語で困ったらマルチ呼んだほうが早い』ってインタビューで答えているの草
22:名無しの翻訳家 ID:/7+oKFhZH
リスナー「○○語で頼むわw」
マルチ「おかのした」
で実際にやり切っちゃうのがマルチクオリティ
23:名無しの翻訳家 ID:2OQRErQz0
>>22 やっぱ頭おかしいよ……(誉め言葉)
24:名無しの翻訳家 ID:r37GxNvmZ
>>19 登録者800万超えたしな
25:名無しの翻訳家 ID:szZ2wAT8L
ヒカリ「マルチさーん! ちょっとこれ翻訳してくれませんか!」
マルチ「今生放送中じゃなかったっけ? まぁ良いけど」
2分後
ヒカリ「あっ! マルチさんから翻訳文が届きましたよー!」
全員(関係者及びリスナー)「き、きしょい……(ドン引き)」
ほんと草
26:名無しの翻訳家 ID:M5m4CjfMW
>>25 まじで生放送中に海外リスナーからのファンレターを翻訳する為だけにマルチに電話したの草
27:名無しの翻訳家 ID:YCdDcOIQc
>>25 ヒカリちゃんさ……
28:名無しの翻訳家 ID:uK/qbsMcX
>>25 それを即翻訳できるマルチも大概可笑しいんだよな……
29:名無しの翻訳家 ID:a9xurGN4A
これがリアルチートですか?
30:名無しの翻訳家 ID:gTN34bZ6q
>>28 本人曰く『翻訳自体は数秒で終わった。文章送るのに時間かかっただけ』……は?
31:名無しの翻訳家 ID:2GHzMdKCB
しかも何が凄いって、それはそれとして普通にゲーム上手いんだよな
32:名無しの翻訳家 ID:rG2AL9753
>>31 そりゃあ、初めての投稿がダクソRTAやし……当時の記録をまだ抜かせないし……
【動画のURL】
33:名無しの翻訳家 ID:H78oI1Yj6
……やっぱナニカされたんじゃねぇのか? 例えば宇宙人に改造されたとかw
「『我々はここより遥か遠くの銀河よりやってきたイムール星人。我々の言語が分かる君と異星交流を深めようと思ってね』」
「」
一方その頃、この男は地球の外からやって来た地球外生命体と死んだ目で対話をしていた。
何故か分かる、いや分かってしまう言語に頭を悩ませながらも何とか穏便に、そして地球の平和を守るために、今日も多言語チートで対話をするのだった。
伴野源吾(ばんのげんご)
旧劇の弐号機みたいな死に方をして転生した男
『多言語』のチートにより地球上のあらゆる言語のみならず、言語として存在するもの全てを理解できるようになってしまい、なんやかんやあって地球の命運を握られることに
vtuberとしての名前はマルチ。
設定は『どんな言語でも教える教師』であり、スーツに眼鏡をした至って普通の男性アバター。
配信スタイルは前世と今世で培ったゲームスキルと多言語チートによる視聴者からの無茶振りに応えるスタイル。時たま各国の言語で罵声が漏れる。
そのスタイルの影響か外国でも一躍有名になり、事務所での仕事や旅行の際には必ず同伴しているという翻訳要らず。歩く翻訳機とも言われている。
最初の投稿はまさかのダクソRTA。また、その際リスナーからの英語縛りで実況してという要望に応え、本当に2時間ぶっ通しで英語で実況した。
それを皮切りに今度はイタリア語、ドイツ語、ロシア語……と繰り返していく内に、日本にやべー奴がいると噂され、気づけばわずか3ヶ月で登録者が10万人を超え、腰を抜かした。
だがある番組内で、vtuberの後輩が書いた落書きが偶然とある宇宙の言語に合致しそれを理解してしまったが故に発狂寸前に陥ったり、心霊スポットでガチの幽霊の言語を理解してしまい、危うく連れてかれそうになったり、宇宙人にキャトられ掛けたりもしたが、今日も元気に配信を続けている。
練習で書いていったら思ったよりも楽しかったので、満足です……
Vtuber要素と異種族要素の比率はどちらが読みやすいですかね?
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