言語系チート授かったのでvtuber始めました   作:gnovel

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閲覧ありがとうございます!

今回から第三章ということで少しだけシリアスになりますが、直ぐにシリアルになりますのでご注意を

それではどうぞ!


第三部
厄ネタ、オンステージ!


【緊急】ガウズ星人、地球侵略の兆しを見せる【第一種禁忌指定存在】

 

詳細は以下のURLを参照【URL】

 

1:管理人 ID:y1aAt8h4z

我々は速やかに敵対者たるガウズ星人を残らず殲滅しなければなりません。

繰り返す、速やかにガウズ星人を残らず殲滅しなければなりません。

 

2:■■の■■■■人 ID:wJGjU/BYZ

彼奴ら遂に地球を見つけやがったか……

 

3:■■の■■■■人 ID:GQ9l7Lkg0

不味いぞ……今の地球の科学力では到底太刀打ちできないぞ!?

 

4:■■の■■■■人 ID:yGFcQbmX/

彼奴らに目を付けられたら最後、我々クラスの科学力や戦闘力を保持する存在でなければ……

 

5:■■の■■■■人 ID:3kR5zNoy0

星の資源という資源、全てが喰らい尽くされ生命は全て死に絶える。文字通り星の全てが喰らい尽くされる。

全く以て害悪でしかない

 

6:■■の■■■■人 ID:ly/ddz+V+

確かこれまでも何回か俺たちが滅ぼした筈だが……!?

 

7:■■の■■■■人 ID:DzbszyxFy

>>6 奴らは僅かな細胞からでも復活する。つまり奴らを完全に滅ぼすには……

 

8:■■の■■■■人 ID:jbQz3wyuf

>>7 星ごと木っ端みじんにするしかない……と。しかしそれは我々の行動方針の違反項目に抵触する

 

9:■■の■■■■人 ID:J2ZOYKVGK

かといって……このまま野放しにしてると……!

 

10:管理人 ID:y1aAt8h4z

地球は滅ぶ、確実に。

 

11:■■の■■■■人 ID:G7tCPY0mY

はぁ~……これだからガウス星人共はよぉ……

 

12:■■の■■■■人 ID:Devg33KlI

よりにもよって地球に目を付けやがったか。クソが

 

13:■■の■■■■人 ID:Oiw17u81q

奴らの目からしても、魅力的に映ったんだろうな。「美味しそう」とな。

だからこそ『食事』をするに至ったんだろうな

 

14:■■の■■■■人 ID:EXwwtM6UG

で、どうする。管理人。俺は既に準備は出来ている。

 

15:管理人 ID:y1aAt8h4z

裁決を取り次第、討伐隊【口塞ぎ】を編成します。

ガウズ星人は既に宇宙均衡法第3条【過剰な侵略行為、残虐行為の禁止】及び第10条【宇宙科学の未発達な惑星への侵略行為の禁止】に抵触しているため、排除対象と見なします。

 

16:■■の■■■■人 ID:b1L/nYhZX

【口塞ぎ】への志願を要望する。

 

17:■■の■■■■人 ID:JpsoAuL60

>>15 同じく志願する。奴らの下品で大きい口は塞ぐに限る。

 

18:■■の■■■■人 ID:XQva1U5C6

志願する。奴らは塵一つ残さん。

 

19:管理人 ID:y1aAt8h4z

ご協力感謝致します。しかし要望が多い為、以下のURLにアクセスを。そこで討伐隊を編成した後、速やかにブリーフィングを行います。

【URL】

 

 

 

 

◆◆

 

 

 

【報告書】

 

 地球時間(参照:日本)午前5時、討伐隊【口塞ぎ】により地球に到達する寸前でガウズ星人及びその宇宙戦艦を壊滅させることに成功。しかしその際彼らの宇宙船の破片が地球に降り注ぐことになった。しかしそれらの破片はいずれも大気圏の突入の際に生じた高熱により蒸発。地球への異常はなし。事後処理及び通常業務に移行する。

 

 

【追記】

 

 ガウズ星人が地球人のDNAを採取し、何かの実験をしていた疑惑がガウズ星人のコンピューター及びその研究施設で明らかになった。

 精査の結果…………ガウズ星人と地球人の生物兵器を作成しようとしていた模様。しかしコンピューターの損傷が激しい為、完全復元は不可能。

 

 既に地球に潜伏している他星人には通達済み。

 

 

 

 

◆◆

 

 

 

 

 チュドォオオオオン!!

 

「「!?」」

 

 俺と狐子が朝ご飯を食い終えた直後、突然庭に何かが衝突した。

 その衝撃で窓ガラスは揺れ、庭の土は舞い上がり、俺らは唖然とした。

 

「な、な、何事じゃ!?」

 

 狐子が柄にもなく仰天していた。動揺しているせいか、狐耳と尾が表に出て毛が逆立っていた。

 

 そして俺はというと、胃の痛みに悶えていた。

 

「またか……またなのか……俺の胃痛の種が増えるのか……」

「其方!? しっかりするのじゃ!」

 

 そうしたやり取りをしていると窓ガラスの向こう側――舞い上がる土煙の中に不審な黒い影が見えることに気づく。

 それを見た狐子は全身の毛が白く染まり始め、爪が鋭く伸び、尾の数も9本になり、完全に迎撃体勢といった所になっていた。

 

「彼奴……! この星の輩では無いな! おのれぇ……儂の婚姻生活の邪魔をするか!」

「待て待て落ち着け!」

 

 すっかり興奮して今にも窓を突き破ってその影を排除しようとする狐子を抑えていると、やがてその全貌が明らかになった。

 

「……」

 

 それは年端も行かない少女のような姿をしていた。肌は褐色で、虚ろな目をしていた。これだけならまだ人間かなと思える。しかしそれは彼女の身体についた無数のそれが否定していた。

 

「……え?」

「面妖な……身体中に牙を持った口を……?」

 

 ――少女の身体のいたるところに凶暴な牙を携えた口がいくつも露出していたのだ。凡そ人間のそれとは程遠い姿をした少女が虚ろな表情をしている間に俺たちは庭の窓を開けて対峙していた。

 

「お主……何者じゃ……?」

「……」

 

(話せねぇから俺のチートが発動しねぇ……うーん……どうするか……)

 

 全然話そうともしない少女。明らかに地球外から来てそうなので、狐子の言葉が通じているかが怪しい所だ。しかし相手が全然話さないので俺のチートが発動せずに困っていた時だった。

 

 

 グゥウウウウウウウウウウウウウ!!

 

 

「『……おなかすいた』」

 

 地の底から響くような魔物の声かと思ってしまう位の腹の音を鳴らして、初めての言葉を話した少女を前に狐子も俺もあっけにとられた。そして俺は一先ず狐子に目配りをして、チートが発動したことを確認して少女に声を掛けた。

 

「『ご飯食べる?』」

「『……食べる』」

 

「……ちゃんと庭を直すように言ってくれないかの?」

 

 

 

 

「『……お代わり』」

「食い過ぎじゃろ!? もう殆ど喰らい尽くしたんじゃが!? お主は二口女か!? いやこの場合は……多口女か……!?」

 

 あれから数十分が経過したころ、この少女はうちの備蓄のほぼ全てを喰らい尽くしていた。身の丈に合わない量を、無数の口で喰らい尽くしていくその様はまさに人外といった所だろう。胃痛の種が追加された瞬間である。

 

「『満腹になったか?』」

「『……まだ食べれる。美味しい』」

 

 そのことを俺から聞いた狐子はムキになり、空間に手を伸ばして、米俵を引っ張ってきたので、流石にそれは止めることにした。

 

 そして一先ず腹が膨れたとのことなので、話を聞いてみることにした。

 

「『君は何者だ?』」

「『……私は……私は……?』」

(あっ(察し))

 

「『私は……誰……?』」

 

 記憶を喪失していたようだ。とても困り顔で、頭を抱えている彼女に合わせて身体中の口が蠢いている。怖い。

 

「記憶を失った地球外の存在……儂がいうのもなんじゃが、其方、相当運が無いようじゃの……」

「運が悪いことは自覚している。狐子の加護でもどうにもならないことを知った時からもうそれは割り切っている」

「其方……それは湯呑では無いぞ……? スマホだぞ?」

「……割り切れてないですハイ」

 

 どうやら一番動揺しているのは俺だったようだ。一先ずスマホを見てまだ配信の時間でないことを確認してこの少女の扱いをどうするかを狐子と話す。

 

「……どうしましょ」

「……正直ここで儂が消し炭にしても良いのじゃが……どうにも奴の在り方は無垢な少女そのものじゃ……どうしようかの……?」

「……うーん……どうしようかなぁ……」

 

 すると不意に俺の携帯が鳴った。電話の主は……イシノヴァだ。

 

「もしもし?」

『早朝から突然申し訳ありません。テレビのニュースはご覧になりましたか?』

「あぁ、見たけど……」

『なら話は早いですね。あの隕石は紛れもなく宇宙船の破片でしてね』

「アッハイ」

 

 朝っぱらから壮大なことを聞かされた俺。さらにイシノヴァによると、あの隕石の中には超危険なガウズ星人という存在が紛れ込んでいたらしく、今世界中のあちこちで地球に潜伏している宇宙人たちが対処に当たっていると言われた。

 

『ちなみに私達も今朝がた遭遇しましてね』

「えっ!? 大丈夫なのか!?」

『いえいえ、私達は奴らにやられるほど軟弱ではありませんよ。逆に喰らい尽くしましたよ』

「ヒエッ」

 

 俺がイシノヴァのヤバさを改めて認識した時だった。ふとイシノヴァが述べた。

 

『そういえば、イムール星人からの通達がありましてね』

「は、はぁ……」

『何でも……地球人の遺伝子を使用して生物兵器を作ろうとしていたそうでして……』

「……地球人の……遺伝子……」

 

 俺はちらっと、テーブルに座る少女を見つめる。見た目は……9割がた地球人だが……。ワンアウト

 

『あっ、そうでした。ガウズ星人の特徴は、凶暴な口と異常なまでの食欲でしてね……』

「凶暴な口……異常なまでの食欲……」

 

 今は口を閉じているが、さっきまで口が動いていたことを思い返す。ツーアウト

 

『そうそう、彼らの復元作業によって分かったこととして、その生物兵器は地球人の少女の姿をしているそうです』

「……少女」

 

 見た目は褐色ロリの無表情な少女。スリーアウト。交代だ。選手はどこだ? おい、早く代わってくれ(懇願)

 

『おや、どうしました?』

「……何でもない。それで、イムール星人は他に何て?」

『あぁ、彼らは今かなり議論をしているそうですよ』

 

 そういってイシノヴァは、次の事を語った。

 

 今イムール星人は、生物兵器として製造された少女の扱いについて議論をしているらしく【凶暴なガウズ星人の生物兵器は有無を言わさず即殺処分するべき】とする派閥と【実験体として生まれた存在には罪は無い為、精々保護観察をするべき】という派閥に分かれているらしく結論は出されていないらしい。

 また、宇宙法とやらに地球はまだ登録されておらず、そうした場合にはどうすれば良いかでもめているらしい。

 

 イシノヴァが話している最中の俺はというと……汗をダラダラ流していた。

 

『いかに科学技術が進んだ彼らでもこうして悩むことは稀ではありませんよ……あれ? どうしましたか?』

「……なぁ、イシノヴァ。俺の家にその少女がいるとしたら……どうする……?」

『………………なるほど。今日、この後伺っても?』

 

 俺は配信が終えた後の時間帯にイシノヴァとの約束を取り付けた。その間も少女は戸棚のお菓子を食べ尽くしていた。狐子は泣きながら失った食材を残らず買いに行った。

 

「……ふぅ……俺が何をしたっていうんだ」

「『……美味しかった』」

「見た目は……普通の少女だよな…………嘘、普通じゃねぇわ」

 

 少女の満足そうな呟きを背景に俺は項垂れ、ネット上で“幸運EX(評価不可能)の男”と呼ばれていたことを思い出した。心が抉られる音が僅かに内側から聞こえた。




主人公
また異星人か壊れるなぁ……(諦め)
言葉が通じるだけでどうしてこうなったと最近になって頭を抱え始めた。


狐子
家の備蓄すべて出しても足りないと言われ、ムキになったが美味しいという少女の表情に噓偽りがないことを察知し、めっちゃ悩むことに
泣く子には勝てん(涙)


ガウズ星人
モチーフはデュ●マのエイリアンみたいな奴ら
食欲を基礎として動き、数々の星々に移り住んではある限りを食うというやべー奴ら。地味に科学力も高い為、今回のようにキメラを作ることも度々。


イシノヴァ
襲ってきたガウズ星人の一体を即屠って逆にムシャムシャしてやった。全部ムシャムシャしてやったのでもちろん再生はしない。

Vtuber要素と異種族要素の比率はどちらが読みやすいですかね?

  • 1:9
  • 2:8
  • 5:5
  • 8:2
  • 9:1

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