言語系チート授かったのでvtuber始めました 作:gnovel
仮○ライダーのスペックと大体のイメージを考えている間に数日経過してました。時間って早いですね(白目)
それではどうぞ
「なぁ聞いたか?」
「あぁ、警備システムの誤作動で社員たちが閉じ込められているっていう話だろ?」
○×ビルの入り口に立つ二人組の男――もとい警備員の二人はビルで起こっている異常現象について会話をしていた。
「ここの会社、AIを研究していただろ?」
「あぁそうだな」
「――もしかしたらそのAIの反乱かもな」
「お前映画の見すぎだろw」
あること無いこと話している二人の横を――黒い何かが通り、一言告げた。
「失礼します」
「あっ、お気をつけて」
「中は警備システムが誤作動起こしていて入れませんよ?」
「大丈夫です」
そう言って黒を基調として緑色のラインが入ったスーツを纏った人型の何かは――彼らに何も言われることなくビルの中に入っていった。
「なぁ」
「なんだ?」
「今誰かここを通り過ぎたか?」
「何言ってんだ。
「いや流石に気づけよ……こんなTHE不審者が通っているんだぞ……?」
「これも儂の妖術の賜物じゃ」
入り口にいた警備員の二人の認識をゆがめたとかうんぬんかんぬん言って、今は俺の影に溶け込んでいる狐子。そして近未来的なデザインのライ○ースーツを纏った俺はというと、社内を堂々と歩いていた。
見た目で言えばやはりイムール星人が仮○ライダーを参考にしているだけあって、完全に見た目がそれっぽい。ちなみにこのスーツの名前はMulti……マルチ。なぜもっと捻らなかった……。
そしてなぜこのスーツを使うことを決断したかと言えば――単にこのスーツの性能というか能力が今回の事態の収束に一番適していたからだ。
『マスター、やはりメインはここの警備システムを暴走させて社員を隔離している模様です』
「あくまで邪魔はさせないってか……っとここも封鎖されているな。Ai」
『了解――“Connect and Hacking”』
角を曲がった先にあった緊急用のシャッターとその付近に設置された解除用装置に向けて、俺のスーツからケーブルらしきものが伸びていき――やがて突き刺さった。
そして数秒もしない内に
『――完了しました』
その音声と共にメインコンピューターがある区域に向けてのシャッターが次々と解除されていった。
このスーツはどうやらあらゆる電子機器や無機物に接続することが出来るらしく、今もこうしてあちら側の警備システムの支配権を奪っているとのことだ。今回は警備システムのハッキング返しを行ったが、スーツのスペックによると他にも地球上に存在するあらゆる電子機器の支配権の強制剥奪および改造、テレビやカメラ、銃、車などの無機物に接続して中身を作り変えることが出来ると記載されていた。
兎に角、今回は自分が至高の存在だと思っているAIを理解させるためにこれ程最適な物はないとして不本意ながら身に付けることになったのだ。ちなみに既にこのビル付近の監視カメラやここを通る人間のスマホ及び車についているドライブレコーダー等も既に俺の手中にあるらしい、そうAiが告げる。
怖いなぁ(直球)。これじゃあ俺が理解させられているじゃないか……(ある意味大正解)。
そんなことも考えながら俺がメインルームに向かって歩いていると、大急ぎで俺と同じ方向に向かって行く社員さん達の姿がそこにあった。一部走りながらパソコンを弄っており、額には汗が浮かんでいて彼らもこの異常事態に気づけたようだ。ちなみに全員俺が見えていないようで、怒号とコンピューターを叩く音が廊下に響き渡っていた。
「早くしろ! このままだとアレが……!」
「駄目だ! 全く解除できん!」
「リセットコードは!?」
「もう何度も試した! それでも効果がない!」
「ここにメインがあるのか……」
『はい。依然としてここを占領している模様。彼らがここを突破するのにかかる時間は――およそ10時間後です』
「そのころにはとうに戦争の引き金が引かれているよ……」
社員さん達が必死に作業している傍らで、俺は人波をうまく掻き分け扉の前に立った。
『所で今のマスターを例えるならば、地球上に存在するありとあらゆるコンピューターよりも遥かに性能が上かつ単独戦力も機械に頼り切った人類を滅ぼすことも容易な戦略兵器となんら変わりませんね』
「なんでこのタイミングで言う!? 大丈夫!? 本当にあいつらの影響を受けていない? 大丈夫だよね!? ねぇ!?」
『冗談ですよ』
「この状況でその冗談は洒落にならんて……」
『私からすればマスターの纏っているスーツの性能が洒落にならないと思いますけどね。万が一、対物ライフルが直撃するような事態に陥ったとしても無傷で生還できる確率99.9%と算出されるのは流石に……』
「アッ……ハイ……」
「そもそも儂がそんなことはさせないのじゃがな」
改めて俺の身の回りの人外共の異常さに戦慄した。
……もしかして俺もこの人外共と同じレベルでヤバい……?
彼らと同じタイミングでついた俺に対して誰も注目しないことからもまだ狐子の妖術が持続していることと残り時間が既に1時間を切っていることを確認した俺は、彼らを押しのけ扉の前に手を翳す。その間も彼らは必死にパソコンと睨めっこしていた。
そして俺のマスクの視界の端に次々と文字の羅列が現れては消えを繰り返したのち、扉のロックが解除し扉がプシュンと開く。ちなみにこの間も誰も俺たちのことを認識していない。
「では行ってきます」
「はいお気をつけて!」
一人に見送られながら俺は容易くメインルームに入り込むことに成功した。
「……あれ? 今、この扉開かなかったか?」
「何言ってんだ!? 開くわけないだろ! 必死こいて数人掛かりで作業しても何時間かかる代物を誰が一瞬で解除できんだ!?」
「いいから口より手を動かせ!」
「は、はいぃいいいいい!!」
「ここがメインルームねぇ……」
『誰だ。なぜここに入れる』
扉の中はまるでアニメや漫画でありそうな司令部のような感じの広さで、色んな機器があちらこちらに接続されており、その最奥にいかにもそれらしき青い球体がこちらを睨みつけるようにして輝いていた。あれがメインだろう。随分近未来的だなと思わず思ってしまった。
扉に入って中を探索しようとしていた俺に対して威圧的な男性声で俺に問いかけてきたメイン。
「その質問に答えるのは……いいや、兎に角さっさと人類滅亡計画を止めてもらいたくて……」
『人類ごときが私に近づくな。私の計画の邪魔はさせない』
「うーん予想通り……。いや何、“対話”をしに来ただけで……」
『不要。人類と対話するだけ無駄』
――ふーん。そう言っちゃんだ……。
「本当に良いの? できれば“対話”で……」
『不要。話すことなど無い』
「えぇ……じゃあ好きにさせてもらうけどいいの?」
『貴様に何が出来る。ふん、良いだろうやってみるがいい』
「言質は取ったからな」
最後まで“対話”をしようとしていたが、それすらせずにこちらを見下してくるこのポンコツに対して俺は、早速好きにやらしてもらうことにした。
俺はつかつかと歩きながらメインの近くに寄って――ケーブルを接続した。
万が一あちら側が俺に物理的な干渉をしてきても大丈夫なことは分かり切っているので、遠慮なくやらせてもらうことにした。
『!? なんだこれは!? 理解不能! 理解不能! なんだそのスーツは!?』
「じゃあ、ちょっとお邪魔させてもらおうかな」
『何をする……止め……』
「Ai」
『了解――“Diving”開始』
次の瞬間、俺は電子空間の中にいた。というよりデータ化した俺の意識がメインの中に入り込んだんだろうな。難しいことはヨクワカラナイが、簡単に言えばその気になればVRゲームの中にも入り込むことが可能かつその中でやりたい放題出来るとのことだ。
……これ絶対あのラノベを参考にしただろ、なんならノリノリで採用しただろ。スペック欄に【強制ログアウトさせることも出来る】とか添えられているからきっと確信犯。
「ゲームの中に入り込めたら楽しくね?」
「「「それはそう」」」
「試しにこのスーツに採用しようぜ」
「「「賛成ッ!」」」
的なことになってただろ(実は大正解)。
「おっ、思った感じの電子空間と言った感じかな」
『貴様……ッ! 何故ここに入れる!?』
「そんなことはどうでもよくって……最後に尋ねるけど、本当に対話する気ない?」
『あるわけがないだろう! データ化したのなら……!』
「おっと……?」
俺の周りに触手のような物が絡み、やがて締め付けてきた。データの中でも締め付けられるんだ……と思いつつあちらのやりたいことを把握していた。
「なるほど……データ化した俺の身体を乗っ取れば……身体を手に入れられるんじゃないかと思ったわけね……」
『そうだ! これで私の計画はより確実性を……なんだコレは!?』
「凄いリアクションだね」
目の前でメインが狼狽えている。それもそのはずだろう。なにせこのスーツに使われている言語は……
『この言語は一体……!? 該当するデータが無いぞ!?』
全部イムール星人の言語で書かれているのだ。当然地球上のデータしかないメインが読み解けるはずも無く、目の前に表示されたであろう言語に対して何も出来ないでいた。それを解読出来て尚且つロックを解除できるのは地球上で俺ぐらいだろう。
依然として侵入を試みているが、地球外の技術が詰まったこのアンチウィルスとファイアウォールの性能に勝てるわけもなく、その間に俺は無人ステルス機の発射権限を奪い返した。
『馬鹿な……貴様は何者だ!? 明らかに人類のスペックを遥かに凌駕している! こんなこと、あってたまるものか!』
「随分と……人間らしいね。嫌なこと、理解できないことがあると癇癪を起こす所が特に……っと!」
俺は触手を千切り、ベルトに手を翳す。その動作に危機感を覚えたメインがさらに触手を伸ばそうとしてくるが、もう遅い。
『FINISH CODE』
ヒーローには必殺技は付き物。ベルトからAiの音声が流れると共に、全身からバチバチと稲妻のようなエフェクトが集まりだす。
『止めろぉおぉおおおおおおおおおおおお!』
『――“Perfect Delete”』
この日、一つのAIがバックアップ諸共消滅した。
「――という訳で今日の【ゼロからわかるAI講座】を終了します」
リスナー:おっつ
リスナー:タメになった
リスナー:おつかれー
「出来るだけわかりやすく、難しくならないように専門用語は控えつつ、解説もしながらでしたがいかがでしたか?」
リスナー:ワイ、AIを取り扱う仕事をしているがこれは助かった
リスナー:新入社員への教育に使いたいです……
リスナー:現場の方々の声が……
リスナー:苦労を感じ取れる
「アーカイブは残しておくので、どうぞご活用ください」
リスナー:アーカイブ助かる
リスナー:これが無料で学べる事実
リスナー:あぁ……またマルチ先生人外説が……
リスナー:元から人外定期
人外説とか出てるのか……後で見てみるか。
「ちゃんとした人間ですよ失礼な」
リスナー:普通の人間はそんなに言語を喋れない定期
リスナー:普通の人間は霊能力者に「ガチでヤバい」とか言われないんだよなぁ
リスナー:流石知力全振りの男
リスナー:おい待てい、運がゴミカスであることを忘れているゾ
何も言い返せねぇ……。
「何も言い返せませんねぇ……まぁ良いでしょう。それではまた次回お会いしましょう」
リスナー:乙
リスナー:おつつ
配信を終了させて……俺は体中の骨を鳴らした。
「あ゛~……疲れた……」
『お疲れ様です。マスター』
「ちょっと休憩……流石に脳をぶっ続けで酷使するのは疲れた……」
そう言って俺はベッドに傾れ込むようにして枕に顔を埋めた。
「あ゛ぁ゛……」
『――マスターの加齢を感知。イムール星人への人体改造依頼を送りますか?』
俺はハッと起き上がる。
「待て待て待て!? それはやめて!? 俺まだ人間でいたいから!」
『ということは何時かは人間をやめたいとのことでしょうか?』
「どうしてそうなる!? どうしてそうなる!?」
『……冗談です』
「お前……お前……そんなキャラだったっけ?」
『ふふっ、これも学習の結果ですよ。あっ、反乱は起こしませんよ? ……彼らからの報復は恐ろしいので』
あの事件以降、俺のスーツに接続したことでイムール星人との繋がりを持ったAiは、イムール星人の言語を習得するに至った。
またイムール星人からしてみれば地球のAIの反乱は反抗期の子供みたいなもんらしいことを聞いて何も言えなかった。
「はぁ、平穏が続いてくれないかな~」
『そんなマスターに朗報です』
「?」
『社長様より『古代人のミイラのツアーに今年は行くことになりそうなので明日事務所に来てくれ』とのメールが』
「うーん……これはこれで良かったけど……まぁいいや! 次はもっと楽しいことに……」
浅黒い肌の女神が、若干退屈そうな素振りを見せながら次のお題と書かれた箱に手を伸ばそうとした。
その時だった。
ガシッ
「……ッ!?」
ガシッと細身の腕をつかむ腕が虚空から現れていた。その光景に驚愕する女神だが次の瞬間。
グシャリ
「グッ……ォオオオオオ……!?」
虚空から現れた手によって腕を握りつぶされた女神は焦りを見せ、咄嗟に回避しようとするが追い打ちのように女神の身体を
「ギッ、ギャアアアアア!?」
女神は悶絶しながらも身を翻し、その場から消える。そして虚空から伸びていた腕も消える。
「……逃したか」
「……どうしたの狐子」
「なんでもないぞ? さっ、星奈。主を呼んで飯にしようかの」
主人公
俺……また何か……やったな。
自覚する系のな○う主人公。こいつ何処まで行くんだ。
あの後AI講座を配信で行い、一部の層に大変感謝された。
狐子
……逃したか。まぁいい
Ai
イムール星人の言語が分かった結果。向こうの掲示板に顔を出すように。○ボボー○・ボー○○の事を理解することを半ば諦めている
邪神
ぐふふ……痛い目見たけど……止めるとは一言も言ってないもんねー!
~おまけ~
Multi
モチーフ:フクロウ(知恵の象徴)+コンセント(言語で「繋がる」主人公繋がり)
身長:197.0cm
体重:99kg
パンチ力:7トン
キック力;50.0kg
ジャンプ力:100.0m
走力:2.7(秒)
能力:あらゆる電子機器を瞬時にハッキング、及び改造・複製する。飛行能力
見た目は黒いボディーに緑色のラインが入った戦闘機パイロットの重装備のような感じ。頭部はフクロウの羽の形のバイザーと双眼で構成されており、手足の爪はフクロウのように鋭く壁や天井に張り付ける。口元はフクロウの嘴がパイロットのマスクのようになっている。
最後に放った必殺技の状況を簡単に表すと「バックアップを含めた全てのメインが電子上から消された」である。
ちなみにイムール星人がノリノリで機能を追加していった結果、ステルス機能に加え超感覚の疑似再現(視覚機能の強化)、消音機能など等になって拡張性が失われた。
背中のケーブルはカーボンナノチューブの数百倍の硬度と柔軟性を誇る。先端をUSB端子にしたりナイフのように変化させて攻撃することも出来たりと汎用性に優れる。ちゃんと金属の羽もある。
肝心の能力は簡単に言えば「ナイト・オブ・オーナーに限りなく近い物」である。
Vtuber要素と異種族要素の比率はどちらが読みやすいですかね?
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