言語系チート授かったのでvtuber始めました   作:gnovel

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閲覧ありがとうございます!
リアルが死ぬほど忙しくなりましたが、何とか一週間投稿を維持するようにしていきたいと思います。途中で止まったりしたらごめんなさい。

それではどうぞ!

追記
誤字報告感謝いたします。感想欄でもご指摘くださった部分を色々と修正しました。


無自覚に理解らせたand理解させられている系主人公

「うーん……やっぱ、何か変だよなぁ……」

 

 朝、鏡を前にして俺は唸っていた。というのも最近になって鏡に映る自分の変化が顕著になりつつあるからだ。

 

「前よりも白髪が増えたか?」

 

 鏡に映る俺の髪の色は真っ黒な髪色から僅かに白くなっていたのだ。まさか禿げてるのではないかと恐怖していたが、毛の量には変化はないしむしろ、最近美容院に通う頻度が増えたと実感するくらいには伸びている自覚がある。試しにクリニックに通ってみても「髪質自体は健康のそれであり、脱色についてはストレスとしか言いようがない」と言われてしまったのだ。

 

「んー……まぁ、考えてもしょうがねぇ、白髪染め使うか」

 

 そう言って俺は白くなりつつある髪を白髪染めで染めていく。その作業の際中にふと手を止める。

 

「なんかこの色狐子に似てるな……。この白い感じ……うん、そうだよなぁ……」

 

 狐子の本来の姿というか本気の時の体毛の色に似てる気がした。そして毛根が衰退してるわけじゃないよな……と鏡にぐいっと顔を近づいていると更に気付くことがあった。

 

「……? 俺の目……というか瞳孔も、こんなんだったか? ほんのり赤みがかってる……?」

 

 明るめの照明の所為か或いは目の錯覚かもしれないが(できればそうであって欲しい)、これまでの瞳孔の色よりほんのり赤みがかっていることが不思議で仕方ない。

 

 もしかしてパソコン作業orゲーム配信疲れでの充血か、あるいは……と考えた所でキリがないと判断したため、一先ず暫くはゆっくりと休養を取ることに決めた。

 

「というか、見れば見るほど……これ、本当に俺か? まるで学生の頃に戻ったみたいだな……」

 

 髪の色にしろ、瞳孔の色にしろ、何と言うか体格が学生の時よりもしっかりし始めて、身体が引き締まり、所謂細マッチョになりつつあるのを感じる。特に運動という運動はしてない筈だけど、なぜか狐子と結婚してからこうした些細な変化について気づかされることがある。

 

 最初は今回のように髪の毛の色が薄くなっていたり、これまでストレスで感じていた胃の痛みが治まるのが早くなったり、星奈と公園に行った際にちょっとやってみた鉄棒で体操部顔負けの身体能力を発揮できてしまったことが挙げられる。中でも特に感じるのは――恐怖に対する耐性が以前にも増してついたことだろう。あと食欲が増えた。

 

 以前は怖いと感じていた心霊特集や怪異に対してもちょっとビビる程度で済んでいることに自分でも驚いた。この前の源野君と遭遇したあの怪異だって源野君が恐怖している最中、俺はというと――ほとんど恐怖しなかった。というより「会話通じるかな」とか「■■■■ちゃんを呼べるかな」と冷静に考えられるようになったと考えると麻痺していると表現した方が正確な気がする。これは流石に反省しなければ……

 

 そうしたこともあって、何となく自分が自分で無くなるような感覚が芽生えそうだが、中身が変わらない限り俺であり続けられる――と考えているから特に気にしないことにした。それにこれが狐子の仕業だとしても、俺を殺すようなことはしない筈だから猶更だ。

 

「さて、飯食うか」

 

 相も変わらず食卓に積み上げられる料理の山とそれを運ぶのに苦労している源野君の悲鳴を聞きながら俺はさっさと洗面所を後にする。

 

 

 

 

□■□■

 

 

 

 

「おはよう! 先生!」

「はいおはようございます。スイスイさん」

 

 いつもの事務所の会議室に俺とスイスイはいた。といってもまだ企画会議の時間まで少し余裕がある。会議室の中には予め配布される資料が並べられており、数名の人物が談笑していたり、作業をしている光景が見られる。

 

 今日行う企画会議の内容は、ずばり【Vtuber対抗 学力王決定戦】である。

 

「でも今回の企画って、先生出禁になっているんですよね?」

「えぇ、今回は主催者側なので正確には出禁とは言えないんですがね……」

 

 そう、俺は解答側でなく主催者側兼コメンテーター側なのだ。まぁ、要するに事実上の出禁である。

 

 というのもこの企画をするに当たって社長sと色々と相談した結果

 

『……あれ? これ源吾君……解答させちゃっていいのかな……?』

『今回の企画で出す予定の問題って……計算とか英語とか……あと、ちょっとした難問もありますけど……』

『構成的に一人が延々と答えるのは流石にNGですよね……他の子たちの活躍を楽しみにしている視聴者さんもいますし……』

 

『『『……主催者側に回しますか』』』

 

 ということで予め決められたのだ。正直俺もヌルゲーになりかねないのとワンサイドゲームはつまんなくなりそうだからという思いもあったので妥当な判断だと思った。

 

「あっ、そういえば知ってますか先生?」

「何をです?」

「ほら、今回の企画に出演予定のVtuberの中に、最近噂の」

 

「失礼しま~す」

 

 スイスイの話を遮るようにして会議室に入ってきたのは清楚という言葉が似合う長髪の少女だった。顔つきも非常に整っており、非常に男受けしそうな感じだろう。現にスタッフさんの中でも彼女に見惚れているのもちらほら見受けられた。

 

 そんな彼女はスタッフさん達に礼儀正しく挨拶をした後、俺達のいる所まで近づいてきた。

 

「こちらの姿では初めまして。私、浮世(うきよ)アオリこと富取 葵(とみとり あおい)と申します~この度の企画はよろしくお願いします」

「あぁーっ! 君があのアオリちゃん!? 先生! この子がボクが言おうとしていた子だよ!」

 

 そういってスイスイは葵さんの説明をし始める。

 どうやら最近になって台頭し始めた所謂清楚系Vtuberなのだが、その深い教養となにより歌、ゲームの腕前、編集技術といったあらゆる分野に精通していることからリスナーの間では「マルチ先生の生徒」と言われていたり、「女版マルチ先生」とも言われているらしい。確かに俺も話には聞いていたが、スイスイの話が本当なら俺は普通にこの子を尊敬する。

 

 自分は二度の人生で培った技術とチートのお蔭で今の地位にいるのに対して、目の前の少女はまだ成人を迎えてないのにも関わらず、今の自分とタメを張れるくらいにまでスキルを高めているのだ。はっきり言って超人の類だろう。この少女は一体どれだけの経験を積んだのか、個人的に話をしてみたいと思った。

 

「浮世アオリさん……ですか。こちらこそよろしくお願いします。私、マルチこと伴野源吾と申します」

「お会いできて光栄です~。……あの~せっかくですのでその……」

 

 そういって葵さんは俺に向けて右手を差し出す。

 

「握手、していただけませんか? 私、ファンなんです」

 

 どうやら握手を望んでいるらしい。俺はそんな彼女の要望に応えるべくこちらも手を差し出し、握手をした。

 

「ふふふ……これで…………ッ!?」

 

 握手をする寸前に浮かべていた笑みから一転、突然仰天したような表情を繰り出した葵さん。俺は心配で声を掛ける。

 

「大丈夫ですか!?」

「い、いえ……まさか本物に会えて、握手までしていただけるなんて……私、所謂古参でして……」

「そこまで仰天する人初めて見たかも!」

 

 スイスイが驚き混じりに葵さんのことをそう評する。俺も正直言ってこの反応は稀だったので思わずたじろぐ。

 そして暫く硬直した様子の葵さんだったが、再び

 

「あの……もう一度だけ、握手していただけませんか……?」

「えぇ、どうぞ……」

 

 何となく焦り気味な様子を見せる葵さんだが、まぁ古参のファンならそうなるかなと思い、再び握手をした。

 

「ありがとうございました……あっ、すみません。ちょっとスタッフさんからの電話があるみたいなので少し失礼しますね……」

 

 そういって駆け足気味に会議室を後にする葵さんだった。何となくエネルギッシュというか、見た目にそぐわないほど感情の起伏が激しいんだなぁと一人考えていると

 

(あれ? 最初の握手の後、何となく……何かが軽くなったような気がしたが……気のせいだったか?)

 

 曖昧な感じだが、自分の身体から何かが抜けるような感覚がしたことを思い返すが、ほんのわずかな出来事だった為、日々の疲れの所為だろうと思いなおし、再びスイスイとの談笑を続けることにした。

 

(個人的に……話を伺ってみたいな。アッ、違う。決して不倫な訳じゃなくて!)

 

 胸元で嫉妬の炎のごとき熱を帯びてきた御守りを宥めながら俺は続々と訪れる関係者たちに挨拶を交わしていった。

 

 

□■□■

 

 

「おぇええええええ!!」

 

 女子トイレの便器の中に向かってひたすら胃の中の内容物をぶちまける浮世アオリこと富取葵は先程の光景が頭の中を激しく回っていた。

 

「はぁ……っ! はぁ……っ! なんなの……!? 今まで奪ってきた能力でも、あんなことは一度も無かったのに……!」

 

 葵は生まれながらにしてとある超能力を持っていた。それは、『手を握った相手が一番優れている能力を奪う』という物である。

 まるで漫画の世界の能力だが、彼女がそれを自覚して以来、次々と能力を奪い、自分が全能であると思いあがっていたのだ。

 

 このことを彼女の両親は知らないが、彼女自身は「神様が私だけにくれた特別な力」として認識している。

 

 そのため、その性格は決して外に出したことはないが少なからず屑の一言に尽きる。しかしそうした環境で育った影響からか能力を奪うことに対して彼女は罪悪感といったものは一切湧かなかった。

 

 そんな彼女がこの業界に足を踏み入れたのも、単に自分が注目されたいという自己顕示欲に従っただけのことである。

 今回も現代にいるVtuberの中で屈指の知名度を誇るマルチ先生こと源吾と握手をして、その立派な言語力を奪って自分の物にし、失墜させてあわよくば自分がその地位に成り代わろうとした彼女の試みは最初こそ上手くいった。

 

 ――最初だけは

 

『なに……こ……れ……』

 

 いざ握手をして能力を奪い、身体中を駆け巡るであろう全能感に酔いしれようとした彼女を待っていたのは、異常ともいえる情報量の暴力だった。

 

『なにこれなにこれなにこれなにこれなにこれ!?』

 

 能力を手にした瞬間に脳の許容量をオーバーするほどの情報が一気に押し寄せたことで彼女は耐え切れず、すぐさま二度目の握手を提案し能力を返上したのだった。しかし未だ身体中を駆け巡る不快な感覚が吐き気となって彼女を蝕んでいたのだった。

 

 これまでの人生で様々な人間から能力を奪い、全能に近づいていると感じていた彼女は理解させられた。

 

 

 ――この世には自分の想像を遥かに上回る正真正銘の化け物だって存在することを

 

 

「あんなの……! ただの人の形をした化け物じゃない……ッ!」

 

 人畜無害で温和そうな雰囲気を出していた源吾、しかし今の彼女には得体の知れない化け物にしか見えなかった。あの柔和な笑みの中で飼っていたのは、今まで体験してきたあらゆる恐怖を凌駕するほどの悍ましい化け物だった。少なくとも常人があんな能力を持っていてまともに生活することは疎か、自我を保っていられる訳がない。そう断言できるくらいには彼女は恐れていた。

 

 あまりにも異常な存在。あの情報量を毎日いや、毎秒処理出来て何ともないのが恐怖でしかなかった。更に言えば

 

「なんだったのかしら……手を握った瞬間に見えたあの褐色の女性は……それに、狐も見えたような……うっ」

 

 ほんのわずかな間に垣間見えた薄ら笑いを浮かべる褐色肌の女性らしき存在(口元が三日月のようになっていた)とこちらを睨みつける狐のようなナニカに疑問が湧き出るが、更なる吐き気でそれのことを考える余裕さえも無くなっていた。彼女の脳は無意識ながらそれらの存在について思索を巡らすことを拒否していたのだった。

 

「……あの人から能力を奪うのはやめね……今回の企画を頑張って、それで関係は終わり……! もうコラボは絶対にしない……関わりたくない……!」

 

 無駄に高いプライドと自己顕示欲も相まってこの業界から立ち去るという考えを持たない彼女だったが、運命が彼女を遊び道具に選んだことは誰も知る由も無かった。

 

 具体的には、初めての顔合わせの際に取った行動とその行動を目の当たりにした周りと当事者から良い反応を得てしまったことによる物――つまりは(葵にとっては望んでない)コラボ企画の増加である。




主人公
肉体年齢が若返りつつある。
自分が人生を二周して漸く手に入れたスキルを一度の人生、それも自分より遥かに年下な少女がスキルを持っていることに素直に驚いた。
一番異常なのはコイツであることは間違いない。あとチートは帰ってきた。

狐子
いいぞぉ……その調子だぁ……どんどん(人外に)近づけ……は? なんだあの女

源野
祖父を見つめる祖母の目が完全に獲物を狙う獣のそれになっているのを見て人外になるまでの過程を知ってしまった。ちなみにレポートは徹夜して全て終わらせて現代を満喫している。

富取葵
外面:滅茶苦茶清楚な美少女 内面:屑中の屑 な人物
なお能力に関してはどこかの女神が暇つぶしにばらまいた特典をたまたま彼女が手に入れただけ
この度源吾の能力を奪おうとしたが、情報量の多さに脳が受け付けず、理解させられた。そして源吾に恐怖するようになったが、あちらからコラボとか持ち込ませられるため、死ぬほど後悔している。

Vtuber要素と異種族要素の比率はどちらが読みやすいですかね?

  • 1:9
  • 2:8
  • 5:5
  • 8:2
  • 9:1
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