言語系チート授かったのでvtuber始めました   作:gnovel

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閲覧ありがとうございます!

言うまでもありませんが、この小説はフィクションです。

それではどうぞ!


自覚した、させられた日

 午前九時の朝。

 

 いよいよ明日には源野君が帰るという事で、ここ一週間はずっと源野君のリクエストの料理を振舞ったり、足らなくなった白髪染めを買ったり(今月五本目)、人生初のカラーコンタクトを買うことになったりしていよいよ以て自分の身体に起こっている異常についてそろそろ危機感を覚え始めた。

 

 医者に行っても

 

『私にもわからん』

 

 と、とうとう医者が匙を投げやがりくださったので、俺は帰りに白髪染めを買って帰る。そんな日々を送っていた。

 

 十中八九、狐子が関係していることは目に見えているが、狐子も分かっている筈だ。流石に日常生活に支障をきたすレベルでの変化はしないだろうと、良くて髪と瞳の色の変化か身体能力の変化とかくらいなら許容は出来た。

 

 

 だが、そうも言ってられない出来事が今日起こったのだ。

 

 

「それで? 何か言いたいことはある?」

「妾悪くないもん」

「『うすうす気づいていたけどまさか人間を辞めさせられたとは思わなかったよ。それも勝手に。俺に黙って』」

「古代日本語で圧を掛けてこないでくれんかのう!?」

 

 現在、我が家のリビングでは居間に正座させている狐子とその眼前に同じく正座している俺の姿があった。

 居間の空気はいつもよりも張り詰めていて、狐子も少しプルプルと震えていた。幸いにも星奈は学校に行ったし、源野君は少し遠出をすると言って家にはいない。俺と狐子の二人きりであるがある一点を除けば、特に平凡な一日の始まりの場面だったのだが……。

 

「それでさ……これ――」

 

 そう言いながら俺は立ち上がり――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を指さす。……そう、尻尾である。普通の人間にはない、尻尾である。

 

「どうやって消すの?」

 

 朝起きた時にやたらフワフワした感触があって目を覚ましててっきり狐子のかと思っていたら、既に狐子は先に起きて朝食を作っていたのだ。

 じゃあ、これは何だと思って後ろを見たら――まさかの俺から生えていたという。一種のホラーを体験したのだ。

 

 若干金が混じったような白色の尻尾は、本当に俺の腰から生えているらしく、自分でも操作が出来てしまう。今の俺の心情を表しているかの如く、床をペシンと叩いている。

 昨日の夜までは何ともなかったのにまさか一晩で腰から地面に着くくらいの大きさの尻尾が生えるとは思いもしなかった。というか誰も予想できないし、これを予想できる奴がいたら大人しく競馬か宝くじを買うことをお勧めしたいくらいだ。

 

 そしてこの尻尾を取り外すにはどうすれば良いかを狐子に聞いたら狐子は、

 

「無理♪」

 

 てへっ、とでも言いたげな表情と声色で無慈悲な宣告をした狐子に対して、俺はアレを行使した。

 

「『■■(伏せ)』」

「あべしッ!」

 

 一言だけでも喉の痛みを伴うアレこと――『全言語』と名付けたチート――を行使。瞬間、狐子は地面に突っ伏すことになった。

 

「お……おっほぉ……まさか、其方が妾に並びつつあるとは……あ、あとその尻尾は取り外せないが、見えなくさせることはできるぞい……」

「まぁ、それは良いt、いや良くはないんだけどさ。何で俺に黙っていたの?」

「……いやー、そのー……害がなければ何も言わないから……そのままの勢いで尻尾も生やせばいけるんじゃないかって……」

「『■■(伏せ)』」

「フォックス!」

 

 奇妙な声を上げながら再び床にべちゃっと音を立てながら伏せる狐子。

 

「まぁね? 俺も髪の毛を白くされたり、目を赤くさせられたり、身体機能が向上したり、寿命が消えたりしてもね? まぁ、それくらいのことは許容は出来たんだけどね?」

「うちの旦那許容範囲広すぎ……?」ボソッ

「黙らっしゃい」

 

 この後何とかして尻尾だけは消すことが出来た。その際狐子が「大体九割といった所じゃの……」とか言ってたが、まぁ、大丈夫だろう()

 

 

「ちなみに何で俺を人外にしようとしたの?」

「だって……ずっと一緒に居たかったから……」

「……」

 

 逆を言えば俺以外は死ぬんだな。と思ってしまった。

 

 

(これが、人間を辞める、ことなのか……つらっ……)

 

 

 外はザーザーと土砂降りだった。

 

 

 

□■□■

 

 

「――という訳で、本日のコラボ相手としてアオリさんが来ております」

「皆さま、ごきげんよう。アオリです~」

 

 リスナー:来たぁあああああ!

 リスナー:ついに来たか……! 万能同士のコラボが!

 リスナー:オッスオッス!

 

 今日は待ちに待った葵さんもといアオリさんとのコラボ。巷では既に『万能教室』とか『最強のふたり』等と言われていたこともあってか、いつもより多くの視聴者さんが来てくれている。

 

 結局人間を辞めさせられることになった俺だが逆に考えて、何時までもこの活動を続けられるのではないか(混乱気味)という考えに至り、気にしないことにした。

 

「あ、因みに後で多国語の字幕を付けたりするので安心してください」

「私も手伝いましょうか?」

 

 リスナー: い つ も の

 リスナー:多言語対応が二人いるとこうなるのか……

 リスナー:絵面が仕事手伝う部下と上司なんよ

 

「ははは、それはさておいて今回は二人で『ACE Heros』をやっていきたいと思います」

「FPSは得意ですので、楽しみですね」

 

 リスナー:あっ……(察し)

 リスナー:あかん(確信)

 リスナー:プレイスキルが可笑しい二人がペアを組む……?

 

「じゃあ、ランクマッチ行きましょう」

「お手柔らかに、お願いします……!」

 

 リスナー:残りの一人可哀想……

 リスナー:こんなのFPSじゃないわ! ただのキャリーよ!

 リスナー:だったらダメージ稼げばいいだろ!

 

 俺はコントローラーを握り締め――本気を出した。

 

 

 数時間後

 

 

【最高ランクに到達しました】

 

 

「あっ」

「あっ……」

 

 リスナー:は、はやくないすか……(震え声)

 リスナー:さっきから勝ち続けてたから……うん……

 リスナー:ちょ、二人の順位が一桁なんだが!?

 

 ランクがリセットされた段階つまり、だいぶ低いランクから始めたのだが……これまでに類を見ないスピードで最高ランクに到達してしまったのだ。

 

 この数時間の間に起こったことと言えば、ランク潜りながらそれぞれのVtuber始めた時のきっかけや他愛のない話をしながら、コメント返しをしていたのだが、気づいたら最高ランクに到達していた。

 なまじ俺と葵さんのプレイスキルがやたら高いことで、苦戦せずにここまでこれてしまったのだ。また最後の一枠に参加した日本人はもちろん、外国人にもボイスチャットを使った積極的な会話によるチームワークが取れたことも要因として挙げられる……と思いたい。

 

 リスナー:二人の連携がえげつなかった

 リスナー:即席で外国人とのパーティーを作れるの良いな

 リスナー:俺も英語がんばろうかな……

 

「ま、まぁ良い時間なので。これで終わりにしますか」

「ふふっ、先生。今日はお疲れさまでした」

「えぇ、お疲れさまでした。次のコラボでもよろしくお願いします」

「……………………え、あ、あっ、はい……よろしくお願いします……」

 

 若干歯切れ悪そうに返事する葵さん。何か具合が悪いのだろうか?

 俺は葵さんを心配すると共に、視聴者さんに向けても体調管理を促した。人外に片足突っ込んだ俺が言っていいのだろうか……とちょっと思ってしまった。

 

「さて、次は何にしましょうかね……先程のコメントを参考にして英語教室を行いましょうか……アオリさんその時はよろしくお願いします」

「……はい」

 

 リスナー:英語教室ヤッター!

 リスナー:アオリちゃんも来る!?

 リスナー:期末テスト対策助かる

 

「それではごきげんよう」

 

 

□■□■

 

 

 源吾が『全言語』による「『■■■■(光あれ)』」を詠唱した、二日後のこと

 

 

「――それは、本当か……?」

「間違いない。あの日、あの時間帯に、全世界の聖書から光が僅かに漏れ出したそうだ」

 

 重苦しい雰囲気が漂う場所にて数人が席を囲んで会議をしていた。円卓の中心にはガラスケースに収められた一冊の古めかしく分厚い聖書が開かれていた。

 

「教会の神父数名と、関係者、そしてなにより教皇猊下が目撃なされたのだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、と」

「それが本当だとしたら……」

「――そうだ。救世主、あるいは……神の降臨を意味する」

 

 室内にどよめきが走る。

 

 この場にいる誰もが驚愕し、互いに顔を見合わせながらそれぞれの混乱を口にしていた。周囲がざわめきに包まれる中、

 

「静粛に。確かにこれらは紛れもない人類が長年見ることが出来なかった『神秘』の証明に他ならないのは確かである」

「ぎ、議長! では、あれを引き起こした存在をお迎えに行かなければ……」

「そ、そうだ! 少なくとも我々人類が待ち望んだ存在なのかもしれん! で、あればすぐに場所を特定して――」

 

「ならぬ」

 

 議長が一言そう告げる。それに対して困惑した様子の男は議長に強めの口調で疑問を投げかける。

 

「なぜです!?」

「もし、その迎えの時にその御方の機嫌を損ねることになればどうなる? また、その御方を迎える場所はどこになる? アメリカか? エジプトか? それともエルサレムか? 少なくともそこで宗教的衝突が起こってもおかしくないのは確かであろうことを認識したまえ。君はあの十字軍を再結成させ、国家間を巻き込んだ宗教戦争を勃発させる気かね? それこそ――第三次世界大戦の引き金を引くことと同じだ」

「む、むぅ……」

 

 不服そうに唸る男。

 

「【神が存在する】――その事実がどれだけの危険性を内包していると思うかね? よってこの事実を露呈することは非常に危険極まりないことだと判断する」

「議長!!」

「では、私はこれにて失礼する」

 

 

 

 反対と賛成の意見が綺麗に分かれ、議論という名の暴言が飛び交い始めた部屋から退室した議長。彼は周囲に誰もいないことを確認すると、懐から一本の電話を取り出した。

 

「私だ。多少の不安要素はあるが、“バベルの塔”もとい彼について知られずに済んだ。彼らが平和主義的な考えを持っていて助かった」

『了解。こちらも既に民間における情報操作を開始した。本格的に不味いことになる前に動けたのが正解だったな。今も議論をしている連中の中に同胞たちが入り込み、泥沼化させているのなら問題ないだろう』

「あぁ……今回の件は本人にとっても恐らく何か予期しないことがあり、結果としてアレを引き起こしたのだろう。まったく……現人神にでもなるつもりか彼は」

 

 そう漏らした議長の眼は――爬虫類特有の眼をしていた。

 

「ではこれにて失礼する。引き続き、SNS上における監視と宗教組織の監視も頼んだ」

『了解。そちらも気を抜くな。一歩間違えれば彼を巡っての戦争が起きかねん。それこそもし彼が死ぬことになったとしたら……この星は勿論、外の連中の全てが人類に刃を向けることになるぞ』

「はぁ……ここが現状にとっての最前線だろうな。何とか会議を泥沼化させ、空中分解させるとしよう」

 

 

 ため息交じりに電話を切った議長は、これから自分がやるべきことの課題について考え、実行に移すべく行動を開始した。

 

「……彼の居場所を知られる訳にはいかんな……やれやれ、ここまでの重労働は初めてだ」




主人公
尻尾生えた。白くて、大きくて、ふわふわの。
色々言いたいことはあったが、既に手遅れなことを察して狐子を許した。SAN値が今まで一番減った。

狐子
だって……ずっと一緒にいたかったんだもん


……次って、何?

議長
いつもの爬虫類。彼らが動かなければ全人類滅亡RTAが始まる所だった。とうとう彼らの胃に明確なダメージが発生した

Vtuber要素と異種族要素の比率はどちらが読みやすいですかね?

  • 1:9
  • 2:8
  • 5:5
  • 8:2
  • 9:1
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