言語系チート授かったのでvtuber始めました   作:gnovel

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ACの新作が来るとのことで、身体が闘争を求め始めました。


ここに至るまでの、追憶

 あれから俺はひたすらに、今回の件で良からぬ動きを見せている組織を片っ端から潰していった。

 

 俺の前には誰も嘘を付くことが出来ず、また隠そうとしてもそれを全て暴く。

 だけど誰も死傷者は出していないし、俺以外に血は流していない。弾丸なんかは、避けようと思えば避けられるのだが自分から当たりに行った方が相手の隙を突けるからだ。

 

 そうしたこともあって、ここ1週間はまともに家に帰っていないし、スマホも充電切れでAiはとっくに機能していない。狐子とも、星奈とも、葵さんとも、社長とも、そして家族とも連絡を取っていない。俺は、一人で何とかするつもりだ。

 

 そしてこの先、また同じような組織に忍び込んだら、後は相手の対応を聞く前にこちらから、全言語を使用して有無を言わさない。なぜならそいつらは、悪意ある対話という手段を以て善人を騙し、被害を顧みない連中だったからだ。

 

 

 ……だけど、なんで全言語を使用する度に、俺の心が悲鳴を上げるように締め付けられるんだろうか。相手は悪人の筈なのに、なんで?

 

 今も

 

■■■■■■(嘘を付くな)

「ウグッ……!?」

「お前の同業者はいるか」

「い、いる……」

 

 観念した様子の男から携帯を受け取り、相手方の住所と場所を覚える。次の場所は……

 

「――かかったな! 死ねェ!」

■■■(止まれ)

 

 相手が何かをしてきそうになったが、それに合わせて全言語を使用する。すると男はピクリとも動けなくなり、手に持っていたであろうバールを手から落とした音が響く。俺はというと既に潜む組織の場所を探り当て、男に対して再び全言語を使用、そして証拠を残すことなくその場を後にした。

 

 

 辺りはすっかり夜が更けっていて、先ほど潰した組織のアジトが森林の中にあっただけに、木々の間を縫うように差し込む月の光と、ガサガサと草を掻き分ける音と微かに聞こえる動物の声が聞こえてくる。前方にこちらを見つめる2匹の犬がいた。

 

「ワ……ワフ……ゥ……『おい……何だよ……あれ……』」

「キャ……ウゥン……『お、おい……逃げようぜ……!』」

 

 どうやら相当怖がられているようだ。恐らく俺の身体に付いた(自分の)血の匂いがキツいのだろう。しかし俺にはやることがあるのでそいつらに構うことなく素早く目的地に向けて一直線で進む。

 

「カー『あれは……ヤバい!』」

「カー!『逃げろオォオオオオオオ!!』」

「ワンワン!『ヒィイイイイ!』」

「ニャー!『逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ!!』」

 

 ……ところで、どうやら狐子の加護が切れたのか、俺の腰からは九本の尾が生えていた。――しかし、それは普段目にしていた白色ではなく

 

 

「……赤、か」

 

 まるで地獄を体現したかのような色合いの濃い赤色の尾が九本、ゆらゆらと揺れていた。

 俺が歩くたびに、周りの動物が誰の目から見ても分かるほどに恐怖しているのがわかる。真夜中の森林なのにも関わらず、それが判る辺り既に俺の目も人外のそれになっているんだろう。

 

「カー!『おい、アイツ気づいてないのかよ!?』」

「カァーッ!『いいから逃げろ! あれは……人間でも、狐でもねぇ! ましてや神でもねぇ!――ただのバケモンだ!!』」

 

 

 あちこちから聞こえる動物の恐怖に満ちた声と、ずるり、ずるりと俺の足元から聞こえるぬかるみを踏み締める様な音を聴きながら、俺は思う。

 

 ――本当にこれで良かったのか、と。

 

 俺が引き起こしたことだから、俺が責任を以て始末を付けなきゃいけない。責任逃れをしようとして周りに迷惑をかける様な連中にはなりたくない。そして俺には金でも、権力でも解決できない程の『力』を持っている。

 この事態を収束できるのは俺しかいない。いくら世界をある程度コントロールできるレプティリアン達でも、強大な力を持つ宇宙人、人外の連中だろうと出来ない。俺が、俺だけが、何とか出来る。

 

 ――だから、俺一人が、何とかしなきゃいけない。

 

 日本の事態を収束したら、次は海外。

 何年かかるか分からないけど、それが終わったら……やっと、終わりにできる。もしかしたら精神が摩耗してしまうかもしれないけど、その度に思い出せ、耳が聞こえないままに親からの虐待を受けていたあの子を、何も知らなかったが故に、騙され利用されていくだけの自分に悲嘆にくれるしかなかった人たちの顔を。真面目に生きてきたのに、馬鹿を見ることになった人達を。

 

 そうした人達を救ったら、次は……

 

「……なん、だろうな」

 

 何か大事なことを、忘れている気がする。

 

 

 

 

 暫く進んだ後に、漸く目的地付近に到着したことを知る。どこかで見たような駅名が書かれた看板が見えた。だけど名前が思い出せない。

 周りを見渡すと、やはり既視感があるというか、懐かしささえも覚える。

 

「方向は……あっちか」

 

 1時間ほど歩いた。

 周りには田んぼと畑しか無く、まさに田舎といった所だろう。しかし辺りはまだ夜明け前で人なんかはまだいない。今の内に到着しなければ。

 

「……ん? 雨……?」

 

 ふと顔に冷たい物が当たったかと思い、空を見上げると、満天の星空なのに関わらず雨が降り出していた。

 

「こういうのを……何て言うんだったか……」

 

 しかしいくら考えても、単語が出てこなかった。

 考えるだけ分からなかった為、俺は足を進め、目的地へと向かう。……心が、更に締め付けられるようだった。

 

 

 そしてまた暫く歩いていると、木々に囲まれた自然のあぜ道の向こうから誰からが向かってきていることに気づいた。俺は全言語を使用しようとして――思わず絶句した。

 

 向かい側から歩いてきている人型は、紛れもなく幼い頃の俺を背負った狐子だったからだ。しかし背丈や恰好からも、俺と出会った時のまんまだった。

 思わず声を掛けそうになったが、どういう訳か俺のことを認識できてない様子で、道のど真ん中にいるはずの俺を見向きをせずに通り過ぎようとしていた。

 

 しばらくその光景を見ていると、突然二人が立ち止まった。

 

「ところで源吾、お主の夢はなにかの?」

 

(夢……か、何だったか……)

 

 幼い頃の俺に優しい声で問いかける狐子。その問いかけに俺が答えられないでいると、背中に背負われた幼い頃の『俺』は元気よく答えた。

 

「ぼくね! みんなと一緒になりたいの!」

「ほう、それはどういうことじゃ?」

「うーんとねぇ……ぼくは……」

 

 

 ――たしか、この後にいう言葉は、

 

 

「「世界中のみんなと、楽しくお話したいな」」

 

 

 ――あぁ、そうだった。

 

 

 

 

「――思い出したかの。自分がかつて願っていた『夢』を」

「……狐子」

 

 俺の背後には狐子が、かすかな微笑みを浮かべて佇んでいた。




主人公
自分がなぜ言語系チートを受け取って翻訳家ではなく、なぜVtuberとしての道を広告を見たからとは言え、最終的にその道を決断したのか。その大本たる過去を思い出した。

狐子
迎えに来た。

Vtuber要素と異種族要素の比率はどちらが読みやすいですかね?

  • 1:9
  • 2:8
  • 5:5
  • 8:2
  • 9:1
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