言語系チート授かったのでvtuber始めました 作:gnovel
今回は番外編という事で後日談を投稿します! 本編時空のその後ということでご了承ください!
あと来年もよろしくお願いします!
それではどうぞ
「ふむ……それで、今回の任務は南雲家のご令嬢を拉致すればいいのだな?」
「あぁ、そうだ。だがその際にターゲットと親しい関係にあるコイツには気を付けろ」
そう言って男が取り出したのは一枚の写真。
いたって普通の学生服と特に特徴のない眼鏡を身に付け、白色のマフラーを身に付けただけの普通の高校生にしか見えない人物に何を気を付ければ良いのか、と帽子を被った男が問いかける。
「正確にはコイツの父親がかなりの大物だ。それも――国家機密レベルの、な」
「……依頼金は跳ね上がるぞ」
「そこはなんとかして気取られなければ問題ない筈だぞ? まさか出来ないとは言わせないよな?」
「……やってみるとしよう」
はぁ、とため息を付きながら男は写真を手に取る。
高校生の写る写真の他に差し出された写真には――伴野源吾の姿があった。
写真に写る二人はどこか似ている様で、どこか違うといった感じだ。それこそ二人が親子関係であるかのように。
高校生の写っている写真にはどこか気難しそうで、心底めんどくさそうといった表情を浮かべる青年とそれに絡みつくようにしてからかっている様子の少女がいた。
「この青年の名は?」
「――
□■□■
「源司センパーイ! また一人寂しく下校ですかー?」
鈴を転がすような声で不快な内容を叫びながら俺を呼んだのは
学校が終わり、いざ帰宅しようかというタイミングでいつも見計らったように現れては、俺を煽るだけ煽り、そしてそのまま俺の家路についてくる後輩だ。
俺の腰丈位しかない愛華はパタパタと小走りで俺の横に並んだ。
「一人が好きなだけだ。寂しくなんか無い」
「またまたー! そんなこと言っちゃってー! ボクがいなかったらウサギのように寂しくなって死んじゃうんだからー!」
「やかましいぞ……」
「あいたたたたたたたたたたた!! ちょ、ちょっと、すみませんでしたー!?」
幾ら相手が校内一の美少女だとか言われていても、俺からすればただただうざいだけなので、俺を罵倒する為だけにフルスペックを発揮する頭に向けてアイアンクロウをする。何時も親父が調子に乗ったお袋に使用する技だ。……もっとも、それとは別に白い尾で折檻するのが常だが。
親父は俺が生まれるずっと前に人間を辞め、そしてその元凶であるお袋は元から人外。さらに俺の姉である星奈は半分人間の半分宇宙人。
そんな家庭で長男として生まれた俺だが、果たして俺は人間と定義していいのだろうかと常日頃から思っている。
「ぜ、絶世の美少女であるボクにこんな所業をして……内心ニヤニヤしてるんでしょ! このロリコン!」
「ロリコンではない。あと俺はお前のようなちんちくりんよりもケツとタッパ、あと胸が大きい女性がタイプだ」
「きー! このド健全! 鬼畜眼鏡! 根暗ドS陰キャ!」
「二つ目と最後は聞きずてならん」
「ア゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!?」
汚い悲鳴を上げているコイツだが、実家が割と金持ちで所謂ご令嬢として育てられてきたからか、このように傲慢な性格に育っている。初対面の時も「そこの君! ボクの椅子にならないか!」と健気にも足りない身長を見せびらかすように見上げながら俺に言ってきたのが、馴れ初めだ。
そこからはどういう訳か、小学校から始まり中学、高校とまで俺と同じ学校に通ってきやがった。良い所のお嬢さんならもっといい学校があるんじゃないかと言ったこともあったが、「えぇ~? そんなこともわからないんですか~?」と抜かしたと思ったら、俺のことをちらっと見て「弄り甲斐のある玩具が無いとボクの青春がつまらない物になるじゃないですかー! 馬鹿ですねー! 源司センパイは!」と言った。その後何時もの威力二倍マシでアイアンクロウをかましてやった。あの時は最高にうざかった。
ちなみに愛華の家が金持ちだとは言ったが、ぶっちゃけ言うと……全部合わせても親父の方が金を持っていたりする。伊達に世界初のVtuberはやっていない。時々差出人不明の謎の場所から変な機械とか送られてくるが、本当にウチの親父はどこまでコネを持っているのかが気になる今日この頃。
偶にうちに来るアリュカードさんは見るたびに姿が変わっているし、イシノヴァさんは親父と凡そこの地球で聞いたことが無いような言語で会話しているし、時々ベルの音がしたと思ったら親父の部屋からおぞましい何かが現れて、寝ている俺の顔をじっと見つめてギャル口調で喋るし……ホントに俺の親父はなんなんだ。
「話は変わるが、なんで俺に絡むようになったんだ?」
「いったたたたたたた! えっ!? このタイミングでそれ聞きます!? いたたたたたたたた!!」
「少し馴れ初めを思い出していたが、なんで数いる連中の中から俺を選んだんだ? 癪だがそれが気になってしかたない。癪 だ が 」
俺が椅子に選ばれようとした時なんかは、俺以外の同級生何かは他にもいた筈だった。それこそ当時には椅子にしがいのある奴がいた中で、なぜ俺を選んだのかが気になって仕方ない。俺はアイアンクロウを外し、息を整えている愛華の返答を待った。
「ぜー、ぜー……ボクが気に入った理由は……」
ふいっと顔を上げた愛華。その視線は俺の顔に向けられていた。その視線はいつものようにおちゃらけた雰囲気というよりはどこか真剣そうな感情を抱いているようにも思える。俺は思わず息をのんだ。
そして愛華はにやりと笑うと
「弄り甲斐のある顔だなって!」
「三倍マシのアイアンクロウ行くぞ」
「あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛い゛!!」
俺の飲んだ息を返せとおよそ日本語の体を為していない言葉を言いそうになった俺。
「もう! 毎回暴力的なんですから!」
「肉体言語という物があってだな」
「はっ! まさかそれでボクにいやらしいことするんでしょ! 薄い本みたいに! 薄い本みたいに!!」
「頭快○天かなにかか?」
「それは先輩もでしょ! ボク知ってるんですからね!」
「……何をだ?」
何か知られて不味いことがあったか……まさか、俺の両親についてか!?
俺は自分の記憶を掘り起こしながらその事実が露呈した瞬間を必死に模索していたが、見つからず愛華の言葉を待つ。
「先輩は本当はボクのような美少女が性h……」
「良かった。全然違う」
馬鹿の発言を遮るように俺は安堵した。やはりコイツはどこかポンコツな面がある。
「むきーッ!! 外国人観光客からナンパされたことがある癖に!」
「話の論点が可笑しくなってくな……」
「そんで童貞の癖に!」
「この年齢で童貞じゃない方が割と問題では?」
「一度も彼女が出来たこと無い癖に!」
瞬間、俺はキレた。
「そ! れ! は!! お前が毎回毎回俺の告白現場に現れては邪魔するからだろうがぁあああああ!!!!」
そう、この馬鹿は毎回毎回、俺の告白現場に凸してきては邪魔してくるのだ。そのおかげで悉く俺の告白は失敗に終わるのだ。そして質の悪いことにその時に限って何時もの三割増しで整った服装や化粧をしてくる所為で俺が『彼女いるのに他の女に現を抜かすクソボケ』と言われるまでになった元凶なのだ。
しかもどこで俺の情報を仕入れてきているのか、俺も対策を練って違う場所で告白をする時も、毎回必ず「偶然ですね」と現れてはぶち壊してくるのだ。
「あはは! そうでしたね!」
「この栄誉メスガキがぁ……! マジで何で俺に執着するんだてめぇ……!」
「あはははは! え~? そんなのわからないんですか~? そ ん な こ と も ?」
「『●す(ドイツ語)』」
「ちょ、日本語と英語以外で殺意を伝えるのは辞めてくださいませんか!?」
物心ついた時から無数の言語を理解できるようになった俺は癖で、激高すると他の国の言語で話す癖がある。
そんなこともありながら、今日も今日とて愛華に振り回されながら俺は家路につくのだった。
……毎度思うのだが、どうやって俺の行動を毎回把握しているのだろう。あとお袋がたまたま俺の家までついて来た愛華を見て「あっ……ふーん。これは中々……」って言ってたり、親父も「これで気づかないってやっぱり俺の子だわ」とか訳の分からないことを言っていたが、その真意は終ぞ聞けてない。
「……まさかな」
流石に俺に惚れているとかないだろう。ただ俺をからかうだけを生きがいとしているような性格が終わっているあの馬鹿に限ってそんなことは無いだろう。
……無いよな?
伴野源司
主人公こと源吾の息子。
両親の人外っぷりに自分は人間と定義できるのかを考えている。気になった女子に告白をするも全て愛華に潰される。
言語チートは遺伝。何でもできる父にコンプレックスを抱いている。
メスガキに弄ばされる堅物インテリといったイメージ。
南雲愛華
一目見て源司を気に入ったボクッ子系メスガキ
毎回源司が異性と関わるたびにどこからともなくその現場に表れる。
割と良い所の出で結構な金を持っているがそれに靡かない源司を更に気に入った()
……どういう訳か源司の行動を逐一把握している
伴野源吾
前作主人公。相変わらずVtuberをやっているし、時々調子に乗る嫁をしばいている。
裏世界では要注意人物として知られている
Vtuber要素と異種族要素の比率はどちらが読みやすいですかね?
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