この邪神に一目惚れした愚か者に祝福を!   作:ウォルバク教徒

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あと3話くらいで紅魔の里編は一旦終わりですかね

*以下、どうでもいい長文です。
よく作者さんがTwitterやってたり、たまにYouTubeでゲーム配信してたりするじゃないですか。クッソどうでもいいことツイートしたり、別にゲーム自体もトークも上手くもないけど配信したり、それに誰かが反応したり。わたくし、そういうやり取りに憧れておりまして……しかし、しかしですよ。最初は需要がなくとも自己満足でやろうと思ったのですが、いざ配信して誰もいなかったら多分泣いちゃうんですよ私(クソザコメンタル)



このダメニートの恋路に相談を! #前

 

「そんなに恥ずかしい事なのですか? ちょっとぐらい教えてくれてもいいではないですか」

 

「恥ずかしい事では無いから!ていうかダメよ、絶対に他の人には内緒だからって口止めされてるんだもの! だって、友達の秘密は守るものでしょ?」

 

 なにやら、どどんことふにふらと組み、何かを企んでいるらしいのだが、それを2人から口止めされているようだ。それにしても、本当に、この子はなんてチョロい。私とルドがいなければ、将来は絶対に悪い男にひっかかる。私はこうならないようにしよう。

 

「……まぁいいです。あなたの友人達の悪口を言うつもりはないですが、あの2人についてあまりいい噂は聞かきません。何があったのかは知りませんが、少しは疑った方がいいですよ?」

 

「めぐみんが疑り深すぎるのよ。一体どう育ったらそんなに人を疑えるの?」

 

「我が家の家計事情では、まず疑ってかからないと。もし詐欺なんかに引っかかれば、一家丸ごと路頭に迷います。つい先日の話ですが、我が父ひょいざぶろーの作る魔道具が素晴らしいと、偉く褒めちぎってきた店主がいたそうですよ?」

 

「そ、それは……確かに、そこまでいくと私でもさすがに詐欺だと思うけど……でも、詐欺師もいくらなんでも相手を選ばなさすぎじゃない?」

 

 暗にゆんゆんも父の作品を欠陥だと認めているが、これは仕方ない。暗い場所で使えなくなる照明のスクロール等という訳が分からない代物(しろもの)を作るような人だからだ。趣味に生きるのもいいが、家庭を守れるくらいのお金は確保して欲しい。まぁ、私も爆裂(しゅみ)に生きる人間ではあるためそこまで大きな声では言えないのだが……

 

「ね、ねぇめぐみん、誰かいるよ?」

 

「おや? ぶっころりーではないですか」

 

「うおっ?!」

 

 窓から家の様子を伺う不審者は、声をかけられて驚いたらしい。というか、堂々と尋ねればよいと思うのだが。

 

「よかった、待ってたんだよ。実は相談したいことがあってね。といっても、今日はもう遅いから……祝日で学校も休みだし、明日の朝でお願いしてもいいかな? そっちのゆんゆんにも相談に乗って欲しいんだ。若い女の子にしか出来ない相談でさ。あ、もちろんお礼はするよ」

 

「仕方ないですね。私達2人がサクッと解決して差し上げましょう。ただし、報酬はキチンと用意してくださいよ?」

 

「ね、ねぇ。なんでさりげなく私まで巻き込まれてるの?」

 

 

 

 

 

 ✡⃝✡⃝✡⃝

 

 次の朝。私たちは約束に遅れているニートを叩き起すべく、靴屋に訪れたのだった。中に入ると、店主であるぶっころりーの父がいて、声をかけてくる。

 

「おっ、めぐみんじゃないか。らっしゃい!」

 

「ぶっころりーを起こして貰っていいですか? 実は『いたいけな少女である君達に相談があるんだよ、ハァハァ』とか言われまして」

 

「あの野郎!」

 

 ぶっころりーの父は、怒涛の勢いで2階へと駆け上がっていった。

 

「ちょっと?! ぶっころりーさんの言っていた事とは、大体あってるけど大きく違うじゃない!」

 

「人を呼び付けておいてのんきに寝ているニートにはこれくらいしてやらないといけません」

 

 やがて、2階から怒号と悲鳴が聞こえ、ぶっころりーが転がるように駆け下りてきた。

 

「酷いじゃないか! 親父に『このロリコン野郎!』とか怒鳴られていきなり叩き起されたよ!」

 

「時間を過ぎても寝ているからではないですか。ほら、とっとと行きますよ」

 

「ちょ、待ってくれ! 俺まだ着替えてもいないよ!」

 

 ──着替えを済ませたぶっころりーと共に外に出た私達は、里に1つしかない喫茶店を訪れた。

 

「ゆんゆん、好きな物を頼んでください。ぶっころりーの奢りなので遠慮はいりませんよ。あ、私は1番カロリーが高いパフェをお願いします」

 

「それは俺が言うことだろ?! ていうか、お金なんてほとんど無いのに……」

 

「わ、私はお水でいいです……」

 

 テーブルに着いて注文を終えた私達は、改めてぶっころりーの相談に乗ることに。

 

「今日はすまないね。相談っていうのは他でもない……実は俺、好きな人が出来たんだ」

 

「ええっ?!」

 

「ニートのくせにですか?」

 

「ニートは関係ないだろ! ニートだって飯も食えば眠りもするし、恋だってするさ!」

 

 ぶっころりーが抗議してくるが、既に私達の耳には入っていなかった。

 

「こ、恋バナだ! ねぇめぐみん、恋バナだよ!」

 

「まさか身近な人の甘酸っぱい話を聞くことになるとは……というか、相手は誰なんですか?」

 

「その……俺の好きな人は……」

 

 ぶっころりーが片思い中の(ヒト)は、普段は占い屋を営み、修行が好きで、暇な時には1人で山に籠って必殺技の練習をしてたりする、どこにでもいる普通の紅魔族の女性だ。しかし、今回は相手が悪かった。

 

「よりにもよって、そけっとですか……ニートのくせに、理想が高いですね」

 

「ニートが理想を高く持ってちゃいけないのか? いいかめぐみん。人間、理想ってのは高く持つべきなんだ。それは仕事においてもそうで、俺は靴屋なんかじゃなく、もっとデカイ仕事に就きたい……!」

 

「でも、お付き合いしたいなら、お仕事くらい先に見つけてからの方が……」

 

 謎の持論を展開してゆんゆんに正論パンチをクリティカルヒットされたニートについていきながら、私はそけっとについて考える。

 

「相手は、紅魔族で随一の美人にして、必中の占い師。それに対しこちらは、なんの取り柄もない、むしろ将来性も含めてマイナスのダメニート……今日は2人で遊んであげますから、もう諦めませんか?」

 

「冷静に分析しないでくれよ! もしかしたらダメ男が好きな変わり者かもしれないじゃないか。まずは好みのタイプを聞くべきだ」

 

「あの、自分がダメだって理解しているなら、努力して真っ当な人間になるってのじゃいけないんですか? タイプの男性像を聞いてくるくらいなら構いませんけど……」

 

 またもゆんゆんに沈められたダメニートを放置して歩いていると、ついに目的地に到着した。そけっとは、占い屋の前で掃き掃除をしているようだ。

 

「そけっとは相変わらず美人だなぁ……ゴミになって、あの人の足元に散らばって集められたい……」

 

「ニートなんて既にゴミみたいな存在(もの)ではないですか」

 

「ちょっと、めぐみん!」

 

 そんな事を言いながら観察していると、そけっとは大きく背伸びをして店に引っ込んでしまった。そこで閃く。閃いてしまった。

 

「彼女にぶっころりーの将来を占ってもらえばいいのではないですか?」

 

「それはいいかも! 占いでそけっとさんの姿が映れば告白する手間も省けるし、他の女性が映ったのなら何をしても上手くいかないってことだから……」

 

 告白して振られ、当たって砕けるよりかは、傷も浅いだろう。しかし、そんな私の提案に、ぶっころりーは。

 

「ニートなめんな。そんな金があったら毎日通いつめてるさ」

 

「そうですか。では、私達はもう帰りますね」

 

 必死に頭を下げて帰ろうとする私達を引き止めるぶっころりー。しかし、こうなると問題が……

 

「私達が好みを聞くにしても、いきなり訪ねて唐突にそんなことを聞いたら不自然すぎない?」

 

 そうなのだ。私達にとってもほとんど面識のないそけっとに、いきなり訪ねてそんなことを聞けるはずもなく。

 

「仕方ない。ここは1つ、占い代を工面しようか」

 

 

 

 ──紅魔の里周辺には、強力なモンスターが多数生息している。並の冒険者では倒すどころか逃げることすら難しい手強いモンスター達だが、その分、素材は高値で取引される。

 

「ね、ねぇ、めぐみん。本当に大丈夫? いくらぶっころりーさんがついていても、一度にたくさんのモンスターに襲われたら……」

 

「まぁ、ここは大丈夫でしょう。このニートはニートなだけあって常に暇を持て余し、この森にもちょこちょこ入って小遣い稼ぎをしているみたいですから」

 

「ニートニートうるさいよ! それにしても、養殖を最近したからか、モンスターがいないなぁ……と、いたね」

 

 視線の先にいたのは、木の根をほじくり返している一匹の巨大な獣。強靭な前足を使って人の頭を一撃で刈り取ることから一撃熊と名付けられたモンスターだ。

 

「あれの肝は高く売れるんだ……よし」

 

 ぶっころりーは詠唱を始め、そして

 

「『ライト・オブ・リフレクション』」

 

 その姿がフッと消えた。姿を消したまま近付いて不意打ちで仕留めるつもりのようだ。──と、一撃熊が鼻をフンフンと鳴らしながら立ち上がり……思い切り、こちらを向いた。

 

「「ちょっ?!」」

 

 隠れながら見ていた私達とバッチリ目が合った一撃熊は、獲物を見つけた喜びからか咆哮(ほうこう)を上げ、真っ直ぐこちらに向かってきた。

 

「ゆんゆん! 短剣で! あの短剣で! カッコイイ我がライバルゆんゆん! 私のために戦ってください!」

 

「め、めぐみんが! 普段から短剣を持ち歩くなんておかしいとか言うから! 家に置いてきちゃったのよ!」

 

「このボッチは! こんな時になにをやっているのですか! 指輪にしまっておけばいいでしょうに!!」

 

「壊れちゃったらどうするのよ?!」

 

 熊は、速い。地球に生息する普通の熊ですら時速60km弱で走るのだ。逃げるには、一般道を車と並走できるだけの脚力が必要となる。それが魔力によってモンスターと化したなら、その速力は人の域を軽々と超える。

 

「どこですかあのニートは! 早く退治してくださいぶっころりー!」

 

「あああああ!! こっち来ないでえええええっ!!」

 

 一撃熊が間近に迫ったその時

 

「『ライト・オブ・セイバー』」

 

 何も無い空間から突如として現れた光の刃は、ぶっころりーが振るった手刀に沿って、一撃熊の体を走り抜けた。肩から脇までを一閃された一撃熊は、こちらに向かって数歩だけ進むと、2つに別れて崩れ落ちる。

 

「ふぅ……2人とも、どうだった? 倒すタイミングは良かったかな? そけっとが危機に瀕している時に今ぐらいのタイミングで飛び出せば……痛い! 痛い! 悪かった! いや、飛び出すタイミングを計るのは紅魔族なら当たり前のことで……痛い! ごめんよ!」

 

 私達は、無言でぶっころりーを肩パンし続けた。

 

「さて、ゆんゆん。お昼ですし、そろそろ帰りましょうか」

 

「そうね。それじゃあまた明日、学校でね 」

 

「待ってくれ! 2人とも、僕を見捨てないでくれよ! 頼むよぉ! 」

 

 地面に頭をつけて土下座し、顔を歪めて泣く年上のニートの姿は、さすがに同情を誘う。

 

「はぁ……分かりましたから。いい歳した大人が、学生に泣きながら土下座なんてしないでください。もうちょっとだけ付き合いますから」

 

「でも、これからどうするの? そけっとさんのお店にも準備中の札が掛かってるし……」

 

 そんなゆんゆんの言葉を聞き、立ち上がったニートは

 

「そけっとの事なら俺に任せてくれ、なんせ俺とそけっとの仲だからね。まずそけっとは朝7時頃に起きるんだ、健康的だよね。その後シーツを洗濯かごに放り込んでから朝食の準備に移るんだけど、 そけっとは毎朝うどんばかり食べるんだよね、そんなにうどんが好きなのかな?彼女は鍋に水を張ってお湯を沸かしている間に歯磨きと洗顔を済ませるんだ、効率的だよね。顔も良い上に頭も良いよね、そけっと賢いよそけっと。うどんを食べた後は朝食の食器と一緒に昨日の晩ご飯の時の洗い物も済ませるんだよねそけっとは。前日の晩ご飯の食器を浸け置きしておくんだよ本当賢いよね、きっと良い奥さんになれるよね。そけっとはそれからお風呂に入るんだよ、朝からお風呂だよ綺麗好きなんだよね、 夜も入るし朝も入るんだ、だからあんなに綺麗な肌をしてるんだろうね、お風呂から上がると新しく出た洗濯物をかごに入れて洗濯するんだけど、ここだよ、ここが大事なんだよ。彼女は洗濯物をすぐ洗っちゃうんだよ、これって凄く困るよね、いや困らないよ、うん別に困らない、いや困……やっぱり困らないよ、だって俺にはやましい事なんて何もないからね。洗濯が終わった後は散歩に行くんだよ。そけっとは本当に健康的だよね。しばらくウロウロした後に店に行くんだよ。その後は君達も知っての通りさ、まずは店の掃除を始めるんだ。本当に綺麗好きだよね。それに家事全般が上手そうだよね。しばらく掃除した後は店に引っ込んで出て来なくなるんだよ。きっと中で退屈してると思うんだ。本当、お金さえあれば毎日通うんだけどね。その後お客が来なくて退屈したのか店の外に出てくるんだ、それからストレッチしたりお客が来ないかなーなんてあちこちキョロキョロするんだよ、可愛いよね。綺麗なだけじゃなくて可愛いだなんて反則だよ本当に、そけっと可愛いよそけっと。後は店を閉めてどこかに出掛けちゃうんだよね、お店放り出してだよ。こんな奔放なところも素敵だよね、自由すぎるっていうかさ、ほら、俺なんかも自由を謳歌するニートだからね、その辺も相性バッチリだと思うんだ。まぁそれはいいとして、今の時間帯だとそけっとが店に帰ってくるまであと2時間ちょっとってとこかな。このまま待っててもいいんだけどね。どうする?」

 

 と、目をキラキラさせてとびきり濃厚な情報を教えてくれた。

 

「ま、まるでいつも見ているかのような言い草ですね。軽くドン引きですよ……どうしてそんなに詳しいのですか?」

 

「そりゃあ、暇さえあれば、ここに来て色々と調べてるからさ。そして俺は、自慢じゃないが、里の中で最も暇を持て余している」

 

 本当に自慢じゃない。というか

 

「それってストーカーなんじゃ……」

 

「おっと、ゆんゆん。それ以上はいくら族長の娘でも許さないぞ? ……と、いうわけで。行先なら見当がついてる」

 

 自信ありげに頷くぶっころりー。……これで本当にそけっとがいたら、この男はここで背後から襲って埋めておいた方が世のためかもしれない。

 




1万文字くらいになりそうだったので前後編で分けました。

ゆんゆんにも不穏な空気が……
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