転生人後~めだかボックスの箱庭で好き放題に生きる~   作:碧桜琥珀

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死亡、そして転生

天笠 碧人(あまがさ あおと)、平凡な家庭に生まれ、平凡な環境で育ち、平凡な学校で学び、平凡な人生を送っている男。

つまり俺。

俺はいつも通り目覚まし時計に起こされ、いつも通り朝支度をし、いつも通り通学し、いつも通り学校の校門をくぐろうとしたところ……、

 

俺は死んだ。

 

死因は不明。体のどこにも異常はない。事故にあったわけでもない。

まるで魂が抜かれたかのように、健康な高校生だった俺は突然死んだ。

何の前触れもなく、何の予兆もなく、俺は死んだ。

 

 

意識はある。ただ、まるで痺れ薬でも飲まされたかのように体は動かないし、感覚も無い。

死んでるのに体とはおかしな話だが、自由に動ける状態ではないことは理解できた。

「やぁ、急に連れ出して悪かったね」

まったく悪びれていないような少年の声が聞こえた。

「いやぁ、こっちも無理やりな(こういった)手段はあまり取りたくなかったんだけどねぇ」

声がだんだんと近づいてくる。すると、暗闇に光で照らしたように、体の感覚もだんだんと感じることができた。

「ああ、まだ慣れないかな?その体は。もうすぐ慣れるだろし、我慢しておくれ」

やけに怠い体を動かし目を開けると、そこには小学生低学年くらいの少年が立っていた。

金色の明るいショートヘア。子供らしい中性的な顔立ち。それに似つかない堂々とした佇まい。

「目は見えるかい?」

少年と目が合う。髪と同じ色の目が、俺をしっかりと見据えていた。

「ああ……目は見えるよ。なぁ、それよりいくつか質問していいか」

「ダメだよ、君に質問権も拒否権も無い。僕の言葉にはただイエスと答えていたらいいのさ」

明るい声色ながら、絶対的な拒絶を感じる口調で少年は答えると、突然頭に光の輪が、背中に翼が現れた。

「……もしかして、俺は死んで、そんでお前は天使とかいうそんな展開なのか?」

「質問は禁ずると言ったはずだよ。まぁ、理解は早いね。ただ、いくつか間違いをしているよ」

変わらず明るい声色のまま、そいつは俺に近づいて俺の目を覗き込むようにした。

「僕は天使でなく神様だ。そして君は死んだのでなく、僕が殺した(・・・・・)

衝撃の事実、ということは無かった。なんとなく察していたし、別に生に未練があるわけでもなかった。

「…………おもしろいね、君。それでこそ、ぼくに殺された価値があるってもんだよ」

数秒の沈黙の後、神様はにやりと笑って離れていった。

そして今頃ながら、俺は自分の格好を確認する。

学校の制服。しかし俺の通っている学校ではない。どこかで見たことあるが、どうにも思い出せない。

白色のシャツに黄色で縁取られた紺色のブラウス、同じく紺色のズボンに赤色のネクタイ。

肩にはルービックキューブのような箱の模様に、「H」という白い模様があった。

そして俺は思い出した。これは俺の大好きな漫画の一つ、「めだかボックス」の箱庭学園の制服だ、と。

「なあ、神様。この制服って……」

「学習しないなあ君も。今から全部説明してあげるから、少し黙っててよ」

盛大な溜息と共に呆れたようなリアクションをとり、神様は俺の頭に手を置いた。

「ちょっと衝撃がくるよ、覚悟してね」

神様の手が淡く光ると、頭におもりを乗せられたような衝撃が走った。

そして様々な知識が流れ込んでくる。

…………なるほど、全て理解した。

一分ほど経ち、神様が手を離した。

そして神様が指を鳴らすと、青白く輝く扉が現れた。

「わかったよ、神様。じゃあ、行ってくる」

「うん、行ってらっしゃい。期待してるよ」

俺は迷うことなく扉を開け、飛び出していった。

 

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