転生人後~めだかボックスの箱庭で好き放題に生きる~ 作:碧桜琥珀
地下13´Fから出て、家へと帰った。
「ただいまー」
「あ、碧斗!」
家に入ると、安心院が飛んできた。
長い髪があらぶっている。
「どこいってたのさ!まだ何の話し合いもできてないのに勝手にいなくなって!!」
すごい形相で怒鳴りかかってくる。
安心院の後ろには半纏が後ろ向きに立っていた。
「どこって、学校だよ。学生の本分は勉強だろ?」
「だからって瞬間移動するなよ!?学生なら歩いて行けよ!!」
胸ぐらを掴んで揺さぶってくる安心院を押しのけて、リビングへと向かう。
すると俺について安心院と半纏も中に入ってきた。
「で、なに?なにかご不満でも?」
「不満も何も、なんで同棲なのさ」
ソファーに座った俺を見下ろしていってくる。
「別にいいだろ?半纏もいるしさ」
「そういう問題じゃないんだよ。なんで僕を好き勝手にできるような奴と同棲なんだよ!身の危険だよ!」
「安心しろよ安心院……異世界の奴と子供作ったら色々怖いだろ」
後半は何を言ったかよく聞き取れなかったようで、不満そうな顔で首をかしげている。
俺は立ち上がって、半纏へと近づいていた。
「なぁ半纏、お前は別にいいだろ?お前は安心院が居れば別にどこでもいいはずだ」
返事は無いが、纏ってる雰囲気はNOと言っていなかった。
「沈黙は是なりってことで、これで2:1の多数決で決定だ☆」
「…………わかったよ、もういいよ好きにしろよ……」
疲れ切った表情で、ソファーに倒れこんだ。
俺はシャワーを浴びて、ベッドルームで眠りについた。
「おい、起きろよ碧斗。朝だぜ?」
安心院に体を揺らされ、起こされた。
「……ん、おはよう」
「はいはい、おはよう碧斗」
ベッドから這い出て、リビングへと向かう。
リビングでは半纏が目玉焼きを頬張りながらテレビを見ていた。
「おはよう半纏」
返事の代わりに、左手を上げて応じられた。
ほんと喋らないのな。
「ほら碧斗、ご飯食べてさっさと学校行ってきなよ」
キッチンでエプロン姿の安心院が料理を運んできた。
白飯と目玉焼き、味噌汁、サラダという典型的な朝食だ、
「昨日はあんなに同棲に反対してたのに、のりのりなんだな」
「僕は一度決まったらそれに尽くすタイプでね」
テーブルに並べられた料理を食べて、身支度を整える。
「行ってらっしゃい、碧斗。あまり遅くならないようにするんだよー」
安心院と半纏に見送られながら、俺は学校へと向かった。
学校で十四組の教室に向かい、荷物を置いた。
時刻は8時。まだ一時間目は始まっていない。
今日は六月の末。競泳部編も終わったころだろう。
「じゃあ、主人公に会いに行くとするかな」
会いに行くといっても、隣の教室なんだがな。
十三組の扉は閉められていた。
俺はノックもせずに、扉を開けた。
「黒神めだかは居るかー?」
まぁ、十三組は自由登校だし、めだかくらいしか登校していないと思うが。
「……私が黒神めだかだ。貴様は天笠転入生だったか?こんなに朝から何か用か」
教室のど真ん中に座っていためだかは立ち上がって、俺の方へと向かってきた。
「いやな、この学校の生徒会長様にご挨拶でもっとと思ってな」
「ふむ、そうか。それは殊勝なことだな。何か困ったことがあればいつでも目安箱へと投書するがよい」
それだけ話して、俺は教室へと戻ろうかと思ったが……
「ちょっと確認してみるか」
俺はそのまま、風紀委員室へと向かった。
朝だし、誰もいないと思ったが、扉は開いていた。
「おいおい、ノックぐらいしろよ」
中には風紀委員長、
風紀委員長特有の白い制服が目立つ。
「風紀委員長ともあろう者が、学校にゲームなんか持ち込んでいいのか?」
「バーカ、俺たち十三組はそこら辺は認められてんだよ。自由登校の時点で気付けよ」
にやにやと笑いながら、罵倒してくる。
なんだこのガキ。現実だとこんなにうざいのか。
「で、お前は誰だよ。風紀委員になんか用か?」
「俺は天笠碧斗、一年十四組に編入してきた。いやなに、ちょっと確認したいことがあってな」
ゲームから顔を上げ、睨んでくる。
「十四組だぁ?……ふん、まあいい。で、確認したいことって何なんだ?」
「黒神めだかをどう思う?」
突如、顔が険しくなる。
口元は笑ったままだが。
「黒神……黒神ねぇ。俺は嫌いな奴だぜ。あんなタイプの奴は大嫌いだ。
あいつは聖者みたいなやつだろ?聖者と正義は相いれねぇんだよ」
携帯ゲーム機を握りつぶした。
「あーあ、まだやりかけだったのによぉ」
ゴミとなったゲームを床に捨て、扉から出ていった。
「そろそろ授業が始まるぜ?教室に戻っとけよ」
そう言うと、冥利はどこかへ行ってしまった。
「……自由登校だってば」
つぶやきながらも、俺は教室で時間をつぶすことにした。