ハイスクールP×P 作:鳳凰
紅い結界の中で対峙する俺達。ローブを脱いだイリナとゼノヴィアはボンデージみたいな服装を晒していた。
「にゃははは。教会の女のくせにエロい格好にゃ!」
「………変わった格好」
黒歌さんとゼットンさんはあんたらが言うか、と思わず言いたくなるようなことを言ってる。ライザー先生も見ている。
俺、この人に鍛えられてんだよな。無様な戦いしたら………そう考えると恐ろしい。
木場は………勢いに任せて殺しにかかりそうなほど睨んでいる。
「リアス・グレモリーの眷属の力、試してみるのも面白い。それに、『先輩』とやらも気になるしな」
木場の喧嘩をゼノヴィアが買った。しかし、冷静になるとまさかここまで話が大きくなるとは。部長が止めた時点で俺も止まろうとしたけど、木場が入ってきたせいで、言葉だけでは収まらなくなった。
「赤龍帝、実力で勝ってようと聖剣は悪魔にとって毒だ。あまり受けるな」
「はい!」
「…………イッセーの主人は私なのだけど」
部長がむぅ、と顔を顰めている。すいません、つい反射的に! 後どっちか木場にもなにか言ってやってください!
「木場祐斗……まあ言っても無駄か」
それは言ったに入らないと思います。いや、ある意味言ってないのか。
「………笑っているのか?」
ゼノヴィアが木場に声をかける。木場は何時ものイケメンフェイスとは異なる獰猛な笑みを浮かべていた。
「うん、倒したくて、壊したくて仕方なかったものが、目の前にあるんだ。うれしくてさ。ふふふ、悪魔やドラゴンの近くにいれば力が引き寄せられると聞いたけど、こんなに早く訪れるなんてね」
そこまで憎いのか、聖剣が。どす黒い殺気を纏う木場の過去を知る俺は、何も言えなかった。
「……『
ゼノヴィアの問いかけに答えず、殺気を強める木場。殺し合いは禁止だぞ、試合だけにしてくれよ?
「兵藤一誠君」
俺の相手はイリナだ。形を変えるという聖剣は、普段は紐の形にしているが今は日本刀の形に変えている。
「再会した幼馴染が悪魔になっていた。ショックだったわ」
心底残念そうな表情だ。まあ俺もまさか自分が悪魔になるとは思ってなかったけど、今は結構充実してるんだぜ?
「えーと………紫藤イリナ………イリナでいいのか? 戦わなきゃ駄目か? アーシアの悪口に関しては俺もそちらに言いたいこと言ったしライザー先生は滅茶苦茶悪口言ってたし、バトルしなくてもいいような気がするんだけど」
まあでも、ライザー先生は本音を言っただけなんだろうな。アーシアからは平等に全てを愛する存在って聞いたのに、殺人人数がトップクラスってマジですか?
「可哀想な兵藤一誠君! ううん、昔のよしみでイッセー君って呼ばせてもらうわね。そして、なんて運命の悪戯! 聖剣の適性があって、イギリスに渡り、晴れて主のお役に立てる代行者になれたのに! ああ、これも主の試練なのだわ! 久し振りに帰ってきた故郷の地! 懐かしのお友達が悪魔になっている残酷な運命! 時間の流れは、なんて酷い! でもそれを乗り越えることで私は一歩また一歩と信仰の道を進めるはずなのよ! さあ、イッセー君! 私がこのエクスカリバーで貴方の罪を裁いてあげるわ! アーメン!」
イリナは涙を浮かべつつも張り切った様子で剣先を向けてくる。あれれ? なんか難易度の高い言葉を飛ばしてくるよ? 信仰に酔ってらっしゃる!?
「どっちが勝つと思うにゃ? 私は赤龍帝ちんと破壊の方にゃ」
「……ライザーの弟子だから、赤龍帝と魔剣使い」
「まあ丁度いい見世物だな」
ライザー先生の眷属は賭け事やってライザー先生は酒飲んでやがる!? めちゃくちゃ美味そうな匂いが結界越しにこっちまで!!
ていうか何気に二人から勝てると思ってもらってるのか、俺。
「行くぞ、ドライグ!」
『Boost!!』
「………『
「それって、『
神をも殺すと言われる神器を前に、神に仕える二人は顔を顰める。
「イッセーくんにばかり気を取られていたら怪我では済まないよ!」
木場がゼノヴィアに斬りかかる。聖剣で防いだゼノヴィアは、不敵な笑みを浮かべた。
「『
「僕の力は無念の中死んでいった同志の恨みが生み出したものでもある! この力でエクスカリバーを持つ者達を打ち倒し、そのエクスカリバーを折る!」
木場はやっぱり、復讐を誓っているのか。
「こっちも行くよ、イッセー君!」
イリナがいきなり斬りかかってくる!
あっぶねえ! 今の本気だろ!? あれで斬られたら悪魔の俺は死んじまうかもしれねえんだぞ!!
「まだまだ!」
『Boost!!』
イリナの猛攻を避けながら再び倍化を行う。流れ込んでくる力を感じながら後何回倍化すれば勝てるか必死に考え……………あれ? 避けられるってことは、スピードは互角か俺の方が上?
「っ!?」
イリナの攻撃をギリギリで回避し、剣を振り切ったイリナに拳を振るう。
「つぅ!?」
拳に力を込められなかった。だけど、当たりはした。
教会の戦士に、こんな風に派遣されることから、相応の実力を持っているであろう相手に………。強くなっている、俺!
「なるほど、さすがは赤龍帝か」
「怪我をするといったはずだよ!」
感心したように言うゼノヴィアに木場が炎の魔剣と氷の魔剣を両手に迫る。『騎士』の神速の剣技で四方八方から攻撃するも、ゼノヴィアは全てを防ぐ。
「『騎士』の軽やかな動き、そして焔と氷の魔剣か。だが甘い!」
一振りで木場の魔剣を砕いた!
あれが聖剣の破壊力か!
「我が剣は破壊の権化。砕けぬものはない!」
ゼノヴィアは長剣を器用にくるくる回すという無駄の多い無駄な技術を披露し地面に振り下ろす。
ドォォォォォォォォン!!
地面が激しく揺れ、砂埃が舞い上がる。砂埃が晴れると巨大なクレーターが生まれていた!
あれ、これ誰が直すの?
「これが私のエクスカリバーだ。有象無象の全てを破壊する。
破壊……エクスカリバーの中で一番の破壊力ってわけか! あんなのまともに受けたら木場の魔剣じゃなくても粉々だ!
「真のエクスカリバーでなくてもこの破壊力。7本全てを消滅させるのは修羅の道か」
瞳に映る憎悪の影はいまだ消えず。一本であれだぜ? 全部壊す気かよ!
「もう! ゼノヴィアったら、突然地面を壊すのだもの。おかげで土まみれだわ!」
イリナが毒づきながら土をはらう。
「でもそろそろ決めちゃいましょうか!」
そして再び突っ込んでくるイリナ。俺より速くて、ライザー先生より遅い!
『Boost!!』
3度目の倍化。膨れ上がった力は、元の8倍!
この魔力なら!
ライザー先生にも内緒でこっそり練習した、俺の新しい魔力を用いる技!
半端ないお手本のおかげで湧いたイメージに、ドライグの助言も借りた技が使える!
左腕の竜のオーラと悪魔としての魔力を混ぜ、イメージするは世界を焼き尽くす業火!
「ドラゴンフレアァァァァ!!」
「な!?」
左腕に絡み付くように炎が現れ、拳を突き出すと同時に前方に向かって放たれる炎。地面を焼きながら迫る炎をイリナは慌てて避ける。
「イッセー先輩がまともな技を!?」
どういう意味かな白音ちゃん!?
色々言いたいことは後にして、体勢を崩したイリナに接近し殴りかかる。
「っ! なめないで!」
「ぐっ!!」
しかしやはり聖剣を与えられる戦士。ギリギリで反応し、聖剣を振るう。
っ!? あっつ!
「聖剣のダメージよ。悪魔、堕天使は聖剣の攻撃をその身に受ければ、力と存在を消されてしまう。その傷でも…………え!?」
「なめんな! 俺は毎日毎日力を倍化した十字架つけて走らされてんだよ!!」
俺がまだ動けることが予想外だったのか、固まるイリナは隙だらけ。女の子相手にどうかと思うがライザー先生の眷属という前例を知っているので、加減はしつつも殴りつける。
「きゃあああ!!」
吹き飛び地面を転がるイリナ。立ち上がろうとして、しかし倒れる。
「俺の勝ちだ!」
「大丈夫ですか!?」
アーシアが慌てて駆け寄った。イリナは困惑するようにアーシアを見つめる。
「な、なんで私を………?」
「私は………教会にいた頃から悪魔を癒やしちゃう、愚か者ですから」
「…………………そう」
アーシアの言葉に何を思ったのか、イリナは聖剣を紐の形に戻し大人しく治療を受ける。後は木場とゼノヴィアか………。
「はぁぁぁぁぁぁっ!!」
木場が気合を発し新たな魔剣を生み出す。それは剣という言うにはあまりに大きすぎた。大きく、分厚く、重く、そして大雑把すぎた。それはまさに鉄塊だった。
「その聖剣の破壊力と僕の魔剣の破壊力! どちらが上か勝負だ!」
禍々しいオーラを纏う魔剣を両手に木場がゼノヴィアに迫る。ゼノヴィアが浮かべた表情は…………落胆。
「選択を間違えたな」
聖剣と魔剣がぶつかり合い、砕けた欠片が宙を舞う。砕けたのは、木場の魔剣。ゼノヴィアの聖剣は亀裂一つ入っていない。
「君の武器はその多彩な魔剣と俊足だ。巨大な剣を持つには筋力不足であり、動きを遅くする。破壊力を求める? 君の特性上不要だろう。そんなこともわからないのか?」
ゼノヴィアが追撃しようとして、木場が吹き飛ぶ。
「なっ…」
何時のまに移動したのか、ライザー先生が足を振り上げた状態で木場と入れ替わるように立っている。
蹴り飛ばしたんだろう。あの人の蹴り、とんでもない威力だからな。
「なんだその無様な結果は。誰がお前を鍛えてやってると思っている。魔王眷属より教わった剣技も、俺が鍛えてやった身体能力も活かせずよくもまあ自信ありげに挑めたものだ」
「っ! 僕はまだ、負けて」
「いいや負けだ。お前の負けだ………格下相手に冷静さを失い聖剣の破壊に固執しやがって。だから負けるんだよお前は」
その目に映るのは失望。立ち上がろうとする木場だが、ライザー先生の蹴りの威力に膝が震え立つことすらできない。と………
「そこまで大きな口を効くなら、貴方の力も見せてもらおう」
「んん?」
「我々教会に対する数々の侮辱。貴族悪魔といえど見逃せるものではない。本来なら斬り殺してやりたいところだが、それは勘弁してやろう。受けるか? それとも逃げるか?」
ば、馬鹿野郎ゼノヴィア! ライザー先生の強さをなめてんじゃねえぞ!? いや、俺も人のこと言えないけど下手したら学校が燃えちまう!
「フェニックスの炎とやらを見せてもらおうじゃないか」
「フェニックスの炎? お前ごときに使うわけ無いだろ」
ライザー先生はそう言いながら一本の木に近付き軽く跳ねて枝を折ると、片手でつくった輪をスライドさせ余分な枝や葉を取る。
「くだらん挑発に乗って………相手だけはしてやろう」
「…………その枝はなんのつもりだ?」
「お前の持つ聖剣など木の枝で十分だといったはずだ」
ああ、そういえば木の枝にも劣るって言ってた。え、あれで相手するの? 正気!?
ゼノヴィアも滅茶苦茶キレてる!
「その戯言も、これで終わりだ!!」
破壊の聖剣が振り下ろされ………轟音。
立ち上った土煙から吹き飛ばされる…………ゼノヴィア!?
土煙が中から巻き起こった風で吹き飛ばされる。枝を降ったライザー先生の足元はひび割れ凹んでいるが、ライザー先生も木の枝も無傷!
「馬鹿な、ただの木の枝で……何故!?」
「俺の眷属には仙術使いがいるんでな。世界の気の総量なんざ少なすぎて使う気も起きねえが、内功は中々使い勝手が良い。十分に練って流せば木の枝でも鈍らとなら斬り合える。お前が話に聞くストラーダクラスの使い手ならば、こんな急ごしらえでは斬られていただろうがな」
まじで木の枝で聖剣圧倒してるよあの人。ゼノヴィアは認められないと言った顔で、聖なるオーラをさらに放つ。
「教会の至宝、エクスカリバーが、ただの木の枝に劣るなど…………あってたまるかああああ!!」
「身体能力も上の相手に、真正面から斬りかかるな、馬鹿め」
ギシ、とライザー先生の踏み込みで砕けた地面同士が擦れる音が響く。振り降ろされる聖剣の刃に、正確無比に放たれた刺突。
ゼノヴィアの腕から聖剣が弾き飛ばされる。
「まだ続けるか、小娘」
「…………馬鹿な」
ガクリと膝を突くゼノヴィアを見て、ライザー先生は木の枝を燃やすと背を向け歩き出す。ゼノヴィアはプライドを砕かれたのか俯いたまま立ち上がることも出来ない。
「ああ! せ、聖剣に罅がぁ!」
拾った聖剣を見て叫ぶイリナ。え、木の枝で聖剣破壊しかけたの俺の師匠。流石にやりすぎたと思ったのか、踵を返してイリナの下まで歩くと聖剣を受け取り亀裂を炎でなめる。
ひび割れたという結果が焼き尽くされたかのように、罅が消えた。
「イッセー、校庭はお前が直しておけ」
「……………え」
ライザー先生はそれだけいうと黒歌さん達を連れて去っていった。
俺が直すんですか。聖剣使いに勝ったこととか褒めてくれてもいいのに。いや、木の枝で聖剣破壊するような人にこの程度で褒めてってのは無理な話か。はぁ
……………………あれ、俺今初めて名前で呼ばれなかった!?
悪魔になるのが必然の異端の神器(聖書の神様製)
うーん、すごい矛盾だ
因みに原作ではリアス、イッセーには気をつけるように言ってたけど木場には何も言わなかったんだよね
ライザー(笑)の眷属
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女王(オーフィス)以外原作と同じ
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イッセー入れようぜイッセー
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黒歌だろ
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どっちも
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