ハイスクールP×P   作:鳳凰

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フリード・セルゼン

「げぶぅ!!」

 

 今日も今日とて朝はライザー先生の修行。地面を転がり、踏み付けられる。イリナとの戦いで強くなってると思ったけど、相変わらずこの人には敵わねえ!

 

「き、今日もありがとうございます………」

「最近放課後に歩き回ってるだけあり動きが拙えが、まあ良しとしてやる」

「っ!!」

 

 まあ、バレてるよな当然。でもそれ以外は何もしてこないってことは、見逃してもらってるのか。

 

「力になると決めたなら精々目を離すな。木場祐斗の今後の扱いは、この件が終わってから考える」

 

 また鍛えるかどうか、ってことか。

 

「復讐者はよく見てきた。一人で行おうとする奴がたどるのは、何時だって破滅だ。それはそれで見世物としては上等だがな」

「悪魔ですかあんたは…………悪魔だったわ」

 

 でも、悪いけど木場の人生はライザー先生の見世物にはならない。

 

「俺が絶対止めますんで」

「そうか」

 

 

 

 

 そして放課後。元浜達とカラオケの約束をして、この件が終わったら木場も誘うと心に決め聖剣を持つ堕天使勢力、フリードを探すことにした。

 彼奴は前回も人を殺したクソ野郎だ。しかも貼り付けにしていた……そういやニュースにはなってないな。部長が対処したって言ってたけど、それのおかげか。

 俺達は神父の格好をして町中を歩く。偽物だけど十字架も持ってる。これで教会の追手と勘違いしたフリードを待っているが、数日経っても出てこない。

 そろそろ夕方。昨日までは部長達に動きを悟らせないため夕方しか無理だったが、ライザー先生の助言で仲の良いお得意様に召喚してもらい、改めて集合という方法で時間を稼げる!

 

「今日こそ出てくれると助かるんだけどなあ、会長ちょっと怪しんでたし」

「………喜べ匙。お前の願いは今夜叶う」

「は?」

 

 俺同様に、白音ちゃんと木場も臨戦態勢となり匙もハッと気付く。

 

「上だ!」

「神父の一団にご加護あれ! ラーメン!」

 

 ギィィィン!!

 素早く動いた木場が振り下ろされた剣を弾く。

 

「フリード!!」

「おやおやその聞き覚えのある声は! よおく見たら何時ぞやのクソガキとおチビちゃ──」

「あん?」

「うぉ! 小柄なお嬢さんじゃああぁりませんか!」

 

 白音ちゃんにギロリと睨まれ慌てて訂正するフリード。ヘラヘラとした態度で俺達に殺気を向け続けている。

 

「悪魔が神父って教会の人材不足もここまで来ましたかぁ。今どき儲からねえもんね神父なんて! コスプレみたいで滑稽ですぜ!」

 

 相変わらずやかましい野郎だ!

 だが持ってるエクスカリバーからは途轍もなく嫌な気配がする。

 

「ブーステッド・ギア!」

『Boost!!』

 

 俺の力が倍増し、隠しようのないドラゴンの気配も放たれる。これ隠せるようになれば最初から倍化続けられたんだけど今は後回しだ!

 ためた力を木場に与えて聖剣を壊させる!

 そのためにはなるべく多くためる必要がある。

 

「伸びろ、ラインよ!」

 

 匙が手首にディフォルメされた蜥蜴のような神器を出現させ蜥蜴の舌を伸ばしフリードの足を捕らえる。

 

「うげげげベロベロ! きったねえッス!」

 

 フリードが聖剣で斬ろうとするが実態がないかのようにすり抜ける。

 

「そいつはちょっとやそっとじゃ斬れねえぜ。木場! これでそいつは逃げられねえ、やっちまえ!」

「ああんもう! 人気者はつらいっすわ!」

 

 ふざけた態度ながら木場の攻撃全てに対処するフリード。

 

「うひょひょ! 俺のちょっぱやの剣の前では悪魔の騎士様もかたなしスッよ! ひゃっはー! 悪魔は消滅だ!」

「ぐっ!!」

 

 ふざけた態度だが、やっぱり強い!

 剣の性能も向こうが上だ。木場の魔剣は出しては砕かれる。このままじゃ………

 

「イッセー先輩、蹴り上げます」

「おう! わか…………え、蹴り上げる?」

 

 ゴッ! とケツに衝撃が走り、木場に向かってふっ飛ばされる!

 

「ぐっ! き、木場ぁ、受け取れ!」

「え、イッセーくん!?」

『Transfer!!』

 

 ケツが割れそうな痛みを我慢して木場に倍化した力を譲渡する。複雑そうな顔をした木場だが、直ぐにフリードを睨む。

 

「受け取ったものは仕方ない………『魔剣創造(ソード・バース)』!!」

 

 壁から、路面から、電柱から無数の魔剣がその剣先をフリードに向けながら生えてくる。フリードはチィ! と舌打ちして体を回転させるように魔剣を砕くが、数が多い。対処に意識を割かれ、木場が接近する!

 

「ぬわぁんちゃってえええ!!」

 

 コートの下から新たに取り出された聖剣。振るうと同時に地面から無数の剣が! 木場が慌てて回避しようと下がるが、間に合わない!

 

「ゔぁかめ!」

 

 が、その剣は木場の体をすり抜ける。幻影!?

 二重のフェイントに驚愕した木場に、フリードの聖剣がハサミのように首に迫る!

 

「やらせるかよ!!」

「おわっと!?」

 

 匙が蜥蜴の舌を引っ張りフリードの体勢を崩させる。同時に、蜥蜴の舌が淡く光る。それはフリードから匙へと流れていくようだ。

 

「人から何吸ってやがるエッチな奴め!」

「す、吸う?」

「俺の神器(セイクリッド・ギア)『黒い龍脈』(アブソーフション・ライン)だ! こいつに繋がった以上、お前の力は俺の神器に流れていく!」

「そんなに欲しいなら濃いの飲ませてやるぜ!」

 

 と、フリードが非実体のはずの舌に輝きが増した聖剣を絡める。金色の光が舌を伝って匙に流れ

 

「ぐあ!?」

「聖剣が弱点の悪魔が聖剣使いから力奪おうなんてお馬鹿だね! まずはてめぇから飾り切りじゃい!」

「にゃあ」

「あら可愛い猫ちゃん」

 

 猫耳を生やして一瞬で移動した白音ちゃんの拳を交差した聖剣で防ぐフリード。戦車(ルーク)の腕力でふっ飛ばす。

 

「っ!」

 

 白音ちゃんの腕が焼けただれていた。フリードの奴、咄嗟に聖剣の力を高めて白音ちゃんの拳を本能的に引かせやがった。

 

「お〜いてて。たく、やってくれんなあクソ悪魔共!」

「聖剣を、2本?」

「いやねえ、俺以外の候補、聖剣使いの因子を取り込んだらおっ()んじまってねえ? 仕方ないから唯一適合した俺ちゃんが全部持ってるのさ。解るかい、無機物フェチの復讐悪魔君。みんなでリンチしてたら、お前さんの力でエクスカリバー破壊できる日は永遠に失われるのさ!」

 

 フリードの言葉に顔を歪める木場。ええい、面倒くさいやつだなフリード!

 と………

 

「ほう『魔剣創造(ソード・バース)』か? 使い手の技量次第では無類の強さを発揮する神器だな」

「へー、じゃあこいつ大した事ねえな!」

 

 不意に現れたモジャモジャ頭の老人。神父の格好をした小太りの爺さんにフリードは軽く返す。

 

「貴方は…まさか!」

「ふむ? 私を知っているのかね?」

「バルパー・ガリレイなのか?」

「いかにもぶぅ!?」

 

 と、得意気に笑ったバルパーを白音ちゃんがふっ飛ばす。

 

「祐斗先輩。先輩の仇です」

「え、あ………うん」

 

 突然のことに俺も木場も、フリードも反応できず腹を抑えてピクピク震えるバルパーがなにか叫ぼうとするも声が出ず、白音ちゃんに踏まれる。

 

「俺が言えたことじゃねえけどさぁ、空気読めないってよく言われるでしょ君」

「読めます。読まないだけです」

「なるほどね!」

 

 フリードは納得したように叫びながら幻影を操る聖剣で無数の斬撃を飛ばす。勿論全て幻影………っ!?

 が、白音ちゃんが慌てて飛び退く。その足には、切られた傷が!

 

「人呼んで『透明の聖剣』(エクスカリバー・トランスペアレンシー)!! 俺呼んで、女湯覗きの剣! 面白いっしょ! 幻影、透明化、高速移動合わせりゃこんな事もできるのさ!」

 

 白音ちゃんの代わりにバルパーの背に乗りながら叫ぶフリード。突っ立っていたフリードは幻影だったようで、ユラリと消える。

 

「俺としては悪魔をコロコロ殺せるのはいいけど殺されるのはマジ勘弁なのよ。つーわけで逃げます!」

「逃がすか!」

「危な!?」

 

 俺の横を通り抜け、ゼノヴィアが聖剣を振るう。咄嗟に受け止めたフリードは直様刃を傾け聖剣を流すと反対の手にもつ聖剣を振るう。

 

「っ!」

「やっほ、イッセー君!」

「挨拶は後だイリナ。油断するなよ」

「あらあら脳筋、猪、ブレーキの壊れた暴走車で有名なゼノヴィアとバカ、アホ、おっぱいの紫藤イリナ? 聖剣使いが二人も! 美人デリバリーとかAVみてえだ!」

 

 多分聖剣を奪ってやる、みたいな意味なんだろうな。後美人デリバリーはいいよな!

 それはそれとして、フリードの奴、僅かに後ずさった。流石に勝てないと思ったんだろう。

 

「フリード・セルゼン、バルパー・ガリレイ。叛逆の徒め。神の名のもとに断罪してくれる!」

「俺の前でくっそ忌々しい神の名を出すんじゃねえのビッチ! 処刑せずに追放するからこーなんのさ!」

 

 フリードが光の玉を取り出す。あれは、逃走用アイテム!

 

「ハイちゃらば!」

 

 カッ! と眩い光が辺りを包む。咄嗟に目を覆ったが今度は無数のフリードが妙な踊りを踊りながら周囲に蠕いている。気持ち悪!

 多分幻影なんだろうけど、視界一面を覆われ本物が見えない!

 

「追うぞ、イリナ!」

「うんうん、調子戻ってきたわね!」

「豆腐は斬れた、蒟蒻も野菜も! 私は聖剣を包丁程度には扱える!」

「…………そうね!」

 

 イリナとゼノヴィアはなんとも言えないやり取りをしながら去っていった。

 

「僕も追わせてもらおう! 逃がすか、バルパー・ガリレイ!」

 

 木場も直ぐに走り出してしまう。俺達もすぐに走り出そうとして………

 

「力の流れが不規則になっていると思ったら……」

「これは困ったものね」

 

 その言葉に振り返る。部長と会長が何時の間にか立っていて、白音ちゃんの姿が消えていた。一人だけ逃げやがった!?

 

 

 

 

 そして俺と匙は部長に聖剣破壊計画について話し、二人揃ってケツを引っ叩かれた。魔力も籠もっていた尻叩きはとても痛かった。

 家に帰ると桐生に入れ知恵されたアーシアが裸エプロンで待ってたり、それを見た部長も何やらやる気になってたり。ま、まさか部長まで!? 部長の裸エプロンが見れるのか!?

 

──復讐者はよく見てきた。一人で行おうとする奴が辿るのは、何時だって破滅だ。それはそれで見世物としては上等だがな

 

 …………あれ、俺何やってんの?

 不意にライザー先生の言葉を思い出し冷静に戻れた。そうだよ、木場の奴フリード達を追いかけてんじゃん!

 コカビエル、堕天使幹部だって出てくるかもしれねえのに裸エプロンなんて見てる場合か!?

 いや、見たいけど。ひと目見てからでもいいかな〜って思うけど! ええい、木場! 後で覚えてろ!!

 

「イッセー………ど、どうかしら?」

「すいません、部長。見れません!」

「………え?」

 

 きっと、俺の背後では部長が裸エプロンになっている! 見たい、見たいよ。見れないことが、こんなにも悔しいよ! それでも、それでも俺は、見たら…………一目でも見てしまったら、きっと引き返せない!

 

「俺、木場を探してきます!」

「あ、ちょ! ま、待ちなさいイッセー!」




原作ではこの後二人の裸エプロンを堪能してから一緒に寝てました。木場? さあ、コカビエルから逃げてんじゃない?

ライザー(笑)の眷属

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