ハイスクールP×P   作:鳳凰

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黒衣の眷属達

 とある世界のとある星のとある島。

 炎が燃えていた。木々も、空も、大地も海すら焼く破壊の炎。倒れる2つの影の前に立つのは炎を纏ったライザーだ。

 

「たく、俺はお前等の主だってのにまいどまいど無視しやがって。格好つけたぶん恥かいたろうが」

 

 負った傷を再生させながら赤く輝く岩に腰掛けるライザー。片手をなぐと大気が動き雲を引き寄せる。

 ライザーは炎と風と命を司るフェニックス。大気を操り天候を操作するぐらい朝飯前なのだ。普通のフェニックスには出来ないが、このフェニックスはライザーだ。

 降り注ぐ雨が地面に到達する前に蒸発し雲に戻る。しばらく繰り返し漸く地上に降り注ぐも高温の蒸気が当たりを包む。だが、温度は先程より遥かにマシ。

 

「終わりました、お兄様」

 

 その温度ならばレイヴェルもこの場に来れる。逆に言えば、火を司る家系の彼女ですら、先程の空間では焼け死んでいたかもしれないのだ。

 

火火(かか)、相変わらず容赦ねえ」

「炎に慈悲など不要だ。ただ全てを燃やし尽くすだけ………くく。何時か必ずお前を超えて焼き尽くしてやる」

 

 立ち上がった『戦車』達を見てライザーは面倒くさそうに頭をかく。

 

「その元気余ってリアスとその眷属達焼き殺すんじゃねえぞ」

「雑魚を焼き尽くして何が悪い」

「あれだけの炎を持つお前が他の奴等に配慮するのかよ。もっと猛り狂え、炎のように」

「お前達は今回も俺に負けた。ごちゃごちゃ言わず黙って従え」

 

 ボウ、とライザーの体が炎が溢れ戦車の片方は後退り片方は獰猛な笑みを浮かべる。

 

「………了解した」

「ああ、ああ解ったよ。今は我慢してやる」

 

 これで案外仲がいいのだから、男というのは本当に解らない存在だ、とレイヴェルは肩をすくめた。

 

「リアス様、今頃どのような修行をなされているのでしょう」

「内容次第なら見直してやる」

「どんな内容でもお兄様の勝利はゆるぎませんわ。まあ、私は危険にさらされるかもしれませんが…………最弱ですもの、私」

 

 と、遠い目をするレイヴェル。駒の価値『兵士(ポーン)』3つ分の『僧侶(ビショップ)』であるレイヴェルだが、それは少しでも魔力を底上げするためのライザーの厚意。実際は『兵士(ポーン)』の駒一つで事足りただろう。

 

「まああのリアスだ。案外修行期間中に新人悪魔に悪魔の歴史を教えてたりしてな」

「流石にそんな無駄な時間は使わないでしょう。お兄様はレーティングゲーム無敗ですのよ?」

 

 

 

 二日目の午前中は勉強会だ。俺とアーシアに悪魔の知識を教えることになったらしい。

 

 

 

 

 

 そして決戦当日。

 いよいよ部長の運命が決まる、負けられねえ!

 今回の戦いは部長のお兄さん、それも魔王様々なも見ているらしく、部長はやる気だ。

 フィールドは駒王学園を再現した場所で、地の利は俺達にある!

 部長に膝枕してもらった俺に怖いものはねえぜ!

 

 

 

 そして白音ちゃんと一緒に体育館を占拠しに行く。俺達は旧校舎の部室、ライザーは新校舎の生徒会室が本陣だから、新校舎のルートを確保するのだ。

 裏口から入って演壇の裏側に出る。演壇には幕がかかっていないのでコートがよく見える。そっと中を覗こうとした瞬間………

 

「しっろね〜!!」

「むぎゅう!?」

 

 突然現れた黒い影が白音ちゃんを攫っていく。攫ったのはライザーの『兵士(ポーン)』で白音ちゃんのお姉さん、黒歌さんだ!

 

「ね、姉さま!?」

「んふ〜。こうして抱き締めるのは何ヶ月ぶりにゃん。おっぱいは大きくなったかしら?」

「ど、どこ触って! ひゃん! や、やめ………ふにゃああ!」

 

 ブッ!

 絡み合う美女と美少女。思わず吹き出した鼻血を抑える。白音ちゃんの体に絡みつく白い腕と細い指、白音ちゃんが暴れるたびに形を変える豊かなお姉さんの胸に、羞恥で涙目の赤く頬を染めた白音ちゃん。ごちそうさまてす!

 

「へ、変態先輩! 見てないで、助けて!」

「っ! 白音ちゃんから離れろ!」

『Boost!!』

 

 あれ、いま変態って言われた? いや、今は白音ちゃんを助けるのが先だ!

 

「百合百合しい姉妹のコミュニケーションを邪魔なんて野暮な男にゃん」

 

 殴りかかるもヒョイ、とあっさりとかわされた。身体能力が俺とは比べ物にならない。これで眷属の中では一番駒価値が少ないってのか!?

 

『Boost!!』

「ああ、赤龍帝なんだっけ? でも残念にゃん。4倍でも8倍でも私の相手にならないし、もっと出来たとしても………私に追いつく前に倒しちゃうにゃ」

「っ!!」

 

 すっと獲物を前にした猫のように細まる瞳。ゾクリと背筋に嫌な悪寒が走る。が…………

 

「い、痛い………よ…………やめて、()()()()()

「にゃ!? ご、ごめんね! 痛かった!?」

 

 白音ちゃんが良く契約先でさせられるらしいコスプレの妹キャラのマネをした瞬間、黒歌さんが慌てて放す。隙ができた!

 

「いくぜえええ!!」

『Explosion!!』

 

 掌底を放つも直前で反応され腕で受けられる。たが、触れた!

 

「くらえ! 俺の新必殺技! 『洋服崩壊(ドレスブレイク)』ッ!」

 

 パチンと指を鳴らすとどうじに、黒歌さんの服が弾け飛んだ。そう、下着すらも粉々になり服の下に仕込んでいた符のようなものと一緒に床に散らばる。

 ブバッ! と先程にも引けを取らない鼻血が吹き出す。

 

「はんにゃああああ!?」

「ふはは! みたか! これが俺の技だ! その名も『洋服崩壊(ドレスブレイク)』! 俺は──」

「人の姉様に何しやがるんですかこの変態!!」

「こぽぉ!?」

 

 白音ちゃんの拳が俺の腹にめり込む。地面に転がり、しかし生まれたままの姿になった黒歌さんに目を向けようとしたら馬乗りになった白音ちゃんが頬をつかんで無理やり顔を正面に戻す。

 

「ひょ、ひょっほ、ま──! お、おりゃはみかひゃ!」

 

 頬を掴まれうまく喋れない俺に向かい、拳を構える白音ちゃん。や、やばい! このままじゃ俺がまっさきに脱落しちまう!

 

『イッセー、白音。聞こえる? 朱乃の準備が整ったわ! 例の作戦通りにお願いね!』

 

 ほ、ほら白音ちゃん! 部長もこう言ってることだし、ね!?

 

「チッ」

『え、今、白音舌打ちしなかっ──』

 

 プツンと通信が切れ、白音ちゃんは俺の頬をつかんだまま走り出す。尻がすれる!!

 そのまま中央口から出ると同時にぶん投げられ、一瞬の閃光。刹那──

 

ドォォォォォンッッ!!

 

 轟音とともに巨大な雷の柱が体育館を消し飛ばした。

 

撃破(テイク)

 

 朱乃さんの声が上から聞こえる。振り返るとニコニコ顔の朱乃さんが翼を広げて浮いていた。天に翳した右手がパチパチと紫電を走らせている。

 す、すげえ。でも、まずは一人…………

 そう思った瞬間、ゴゥッ! とどす黒い炎が瓦礫を吹き飛ばす。

 

「にゃはは。仙術使いに不意打ちなんて、効くわけないニャン」

「でも姉様、肩で息してますよ?」

「いきなり素っ裸にされたら誰だって周りおろそかになるにゃ! そういう意味じゃ、ちょっと怪我してたかも」

 

 それでも怪我か。いや、だけどそんなことより……

 

「何で………」

「んん? どうかしたのかにゃ赤龍帝ちん。無傷なのがそんなに不思議? でも、それが私達と貴方達の差にゃ」

「なんで服着てるんだよ!?」

「え、そっち? その、無傷とかこの車輪とか……」

 

 そっちに決まってんだろ!

 後ろで浮いてる黒い炎を纏った車輪とか、無傷とかどうでもいいわ!

 

「白音、こっちに来なさい。その男から離れて………今すぐに」

 

 と、真顔で白音ちゃんを呼ぶ黒歌さん。白音ちゃんは俺から少し距離を取った。

 

「イッセー変態はこれでも……………これ、でも……仲間です、ので」

「あの、ごめん白音ちゃん。その呼び方やめて」

「すみません、変態」

 

 変態が残った!?

 

「朱乃さん、変態……気をつけてください。あの炎は仙術で取り込んだ自然の力を呪いに変えたもの。触れれば肉体、精神、魂まで蝕みます」

「流石にそこまで凶悪じゃないにゃ。必要もないし、ね」

 

 クスリと笑う黒歌さんは、明らかに俺達を見下している。朱乃さんがニコニコしたままだけど、明らかにバチバチと電気を強めている!

 

「あら、まだ遊んでいたの?」

「風乃」

 

 と、不意に聞こえた声。視線を向けるとゴスロリ姿のお姉さんがいた。

 

「『炎の女王』………」

「フフ。そんな名で呟かれているらしいわね。私はただの兵士(ポーン)なのに」

 

 そう笑いながらも、炎が吹き出す。炎を従えるその姿は、正しく炎の女王。

 

「雷よ!!」

「痛みよ」

 

 朱乃さんが放った雷が炎に遮られる。

 

「炎は電気をよく通すのよ。法則を無視して相手に向かう魔法の雷でも、同じ魔力で構成された炎ならその法則に当てはまる。ああ、でも」

 

 風乃さんは瞳をすっと細め、朱乃さんを見据える。

 

「雷光なら別かしら。今の私は、悪魔なのだし」

 

 ……? 雷光?

 よくわからない単語だが、朱乃さんは明らかに忌々しそうに顔を歪めている。

 

「私の前で、その言葉を語るな!」

「あら。それは、大切な主人よりも優先するあなたの痛みなのね。でも、無理よ。わかっているのでしょう? 母型の家系の火ではなく雷を得意としているその理由、貴方が継いだ血は、どちらが濃いのか」

「黙りなさい!!」

「かわいい子」

 

 朱乃さんが激高し放つ雷の悉くが炎で霧散させられる。さらには、炎は届いていないはずなのに朱乃さんが燃え上がる。

 

「朱乃さん!」

「っ! イッセー君、白音ちゃん。ここは任せて、先に行ってください! はああああ!!」

「あら」

「おっとと………自棄糞?」

 

 豪雨のように降り注ぐ雷の雨。炎の壁を力任せに突破し風乃さんに迫るも風乃さんは涼しい顔でかわしていく。黒歌さんも障壁で防いでいる。

 

「先輩、行ってください」

「だ、だけど!」

「先輩に出来ることはありません。ですが、私には出来ることがあります」

 

 と、白音ちゃんが猫耳と猫しっぽを生やし白い炎を身に纏う。

 

「姉さまの相手は、私が」

「あらん。久し振りに、姉妹喧嘩?」

「イッセー先輩、早く! 祐斗先輩と合流を!」

「っ! 絶対、後で合流しよう!」

 

 白音ちゃんに急かされ走り出す。あの場にいて、俺にできることなんてきっとない。畜生!

 

 

 

 木場の待つ運動場へ移動中のことだった。

 

『リアス・グレモリー様の『女王(クイーン)』一名、『戦車(ルーク)』一名、リタイヤ』

「っ!」

 

 構内アナウンスで聞こえてきたグレイフィアさんの声。朱乃さんと白音ちゃんが、やられた?

 ただでさえ人数で負けているのに、差が開く。

 ッ!?

 運動場へ走る俺の腕を誰かが掴む! 敵!? 身構える俺だが、腕をつかんでいたのは木場だった。

 

「何だ、お前か」

「うん」

「………朱乃さんと、白音ちゃんが」

「…………うん。残念だったね」

「……勝つぞ」

 

 それが、俺達がしてやれることだ。

 木場から情報を聞くと、運動場には見張りがいた。それも一人。木場と同じ騎士(ナイト)らしい。

 そっと体育用具入れの影に隠れながら伺うと、長い黒髪の美少女がいた。

 2本の曲がった角に、側頭部の大きな飾り。縞ニーソとミニスカが絶対領域を! くそ、ライザーのやろう! これも彼奴の趣味か!? 和服猫耳にゴスロリ、無表情縞ニーソ絶対領域って! 羨ましい!

 と、不意に騎士が消える。慌てて飛び出す俺と木場。運動場のどこにも………と、背後からピポポポと電子音のような音が聞こえた。




ライザーの眷属
兵士×2時槻風乃(断章のグリム)
異世界観光中、妙な気配を感じたライザーに拾われる。熱は痛みそのもの。人は少しずつ焼かれながら死に向かうから熱を持ち、生とは緩やかな痛み。死は痛みからの開放という独自の考えを持つが、不滅の炎そのもののライザーに出会いライザーが燃え尽きる瞬間を見るために、その炎に巻き込まれるために眷属になる。炎を操る異能を扱う。


騎士×1いったいどこの怪獣な娘なんだ

ライザー(笑)の眷属

  • 女王(オーフィス)以外原作と同じ
  • イッセー入れようぜイッセー
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