ハイスクールP×P   作:鳳凰

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前回のあらすじ

赤龍帝「やーい、お前の兄ちゃん不死頼り〜!」
妹「は? 殺すわ」




因みにリアスは迫りくる炎を前に咄嗟にアーシアを結界で庇い焼かれました。投了ってリタイアなのに気絶とかしてやられてもそれ扱いなのは、あくまで命をかけないゲームだからなのだろうか


結婚式の乱入者

「………っ!!」

 

 目を覚ます。目に映るのは俺の部屋の天井。なんでここに?

 ボヤける頭で必死に思い出す。俺達は、ライザーとレーティングゲームをしていたはず。

 朱乃さんと白音ちゃんが倒れて、ライザーが現れて木場が燃やされてその後は………?

 

「!!」

 

 部長はどうなった!? 試合は!? ライザーは倒せたのか!?

 俺は、どうしてここにいる!?

 

「目覚めたようですね」

 

 上半身だけ起こした俺に、女性が声をかけてくる。グレイフィアさんだ。

 

「グレイフィアさん! 勝負は? 部長はどうなったんですか!?」

「勝負はライザー様の勝利です。リアス様が投了(リザイン)されました」

「──ッ!!」

 

 思わず言葉を失う俺。そんな、俺は……俺達は負けたのか!?

 何もできなかった。眷属一人落とすことなく、心が折れるまで攻撃し続ければ勝てるなんて甘い夢を見て………! なんで俺はこうも弱い! アーシアの時も間に合わなかった、部長の時も、俺がもう少しうまく神器(セイクリッド・ギア)を使えたら、勝てたかもしれないのに!

 

「現在、お嬢様とライザー様の婚約パーティーが行われています。グレモリー家が用意した冥界の会場です」

 

 木場達もそこにいるらしい。部長が俺のために残してくれたアーシアだけは、ここに居るらしいけど。

 部長、婚約………今頃、パーティーの最中なんだろうな。

 

「………納得できませんか?」

「ええ、勝負の結果だとしても、俺は納得できません!!」

 

 グレイフィアさんの言葉に俺はそう返す。

 

「リアスお嬢様は、お家の決定に従ったのですよ?」

「わかっています! わかっては、いるんです。それでも、俺は──!!」

 

 部長が嫌がっていたことを肯定したくない! 親同士が決めたことを嫌々従う部長なんて見たくない!

 

「ふふふ」 

 

 と、突然グレイフィアさんが笑いだした。この人、笑うのか。もっと冷淡な人かと思っていた。

 

「貴方は本当に面白い方ですね。長年、色々な悪魔を見てきましたが、貴方のように思ったことを顔に出し、思ったとおりに駆け抜ける人は少ないんですよ?」

 

 居るには居るのか。どんな奴なんだろう。

 

「己を鍛えるために家も飛び出して………サーゼクスもそれを面白がりますし」

 

 困った子、と笑うグレイフィアさんはなんとなく楽しそうに見える。

 

「……んん。話がそれました……そんな貴方達を、私の主人であるサーゼクス様は『おもしろい』とおっしゃっておりました」

 

 マジか。魔王様に、部長のお兄様にそんなふうに思われるなんてどんな反応すればいいのか解らない。

 グレイフィアさんは懐から一枚の紙を取り出す。魔法陣が描かれていた。

 

「この魔法陣はグレモリー家とフェニックス家の婚約パーティーの会場に飛ぶためのものです」

「っ!?」

 

 何故俺に、そんなものを? だってそれは、邪魔してこいって言ってるようなものじゃ……

 

「サーゼクス様とフェニックス家の中でリアス様とライザー様の婚姻に反対しておられる方の言葉を伝えます」

 

 フェニックス家にもいるのか。いや、多分部長が不服ってことなんだろうけど!

 

「『妹を助けたいなら、会場に殴り込んできなさい』、『我を通す力がないなら、意地だけでも見せてみろ』………だそうです。その紙の裏にも魔法陣があります。お嬢様を奪還した際お使いください。必ずお役に立つはずです」

 

 

 

 

 

 ライザーは窮屈そうにタキシードを着ていた。部長も婚約者として、その隣に立つ。

 悲しそうな顔をしている。僕らが負けた結果。言い訳のしようもないほどに一方的に………!

 ライザーが不死だとか、眷属の数が負けていたとか、そんな言い訳が一切出来ないほどに。

 

「………ライザーお義兄様、髪切ってる」

「え? あ、ああ……そうだね。あれは敢えて伸ばしてるより放置したって感じだったし、切り揃えられたのかな」

 

 白音ちゃんは、悔しそうじゃない。お姉さんに会いに良くフェニックス家に行って、ライザーとも仲が良いからだろう。

 

「皆様、本日は我がフェニックス家とグレモリー家、両家の繋がりをより強固なものとする婚約式にお集まりいただきありがとうございます」

 

 ライザーは恭しい態度で頭を下げる。記者達がカシャカシャとフラッシュを炊く中、物怖じした様子はない。改めて、彼もまた部長と同じ貴族なのだと解る。だけど、彼は部長を愛していないのだろうな

 

「祐斗先輩………」

「白音ちゃん?」

「イッセー先輩が来ました」

 

 頭に生やした猫耳をピコピコ動かす白音ちゃんの言葉に扉を見ると、勢いよく扉が開いた。

 

「部長ぉぉぉぉぉっ!!」

 

 会場全体に響く大声に、誰も視線を向ける。部長も飛び込んできたイッセー君を見て、一筋の涙を流していた。

 記者達も何事かとカメラを向けていく。

 

「ここに居る上級悪魔の皆さん! それに部長のお兄さんの魔王様! 俺は駒王学園オカルト研究部の兵藤一誠です! 部長のリアス・グレモリー様を取り戻しに来ました!!」

 

 イッセー君の登場にザワザワと騒がしくなっていた会場がさらに騒がしくなる。そんなの耳に入らないとばかりにイッセー君は部長に近づこうとして、衛兵達がすぐに止めようとする。全く、仕方ない……!

 

「イッセー君! ここは僕達に任せて!」

「あらあら、やっと来たんですの?」

「……………にゃあ」

 

 僕と朱乃さん、そして僕達の行動を見て白音ちゃんも衛兵を止める。イッセー君は「ありがとう」と伝えるとライザーの正面に立ち、真正面が叫ぶ。

 

「部長──リアス・グレモリーの処女は俺のもんだ!!」

「……………は?」

 

 イッセー君。君って奴は………ライザーも何言ってんだ此奴、みたいな顔をしている。

 

「どういうことだ、ライザー?」

「おいリアス殿。これは一体………」

 

 身内、関係者達が困惑する中部長のお兄様にして魔王であるサーゼクス様がにこやかに言う。

 

「私が用意した余興ですよ」

 

 ──!

 なるほど、どうやってイッセー君がと思ったけど、そういう事か。サーゼクス様も、やっぱりこの結婚に反対なんだ。

 

「ドラゴンの力を見たくてね、ついグレイフィアに頼んで呼んでしまった」

「サ、サーゼクス様! そのような勝手は!」

「ははは。何、ライザー君からも許可をもらっているよ」

「ライザー!?」

「………宝を奪われたドラゴンは古今東西恐ろしいものです。それが赤龍帝ともなれば、どれほどのものか興味がある」

 

 ライザー自身が、イッセー君が乱入するのを良しとした? 一体、どういうつもりで。

 

「ではサーゼクス、ライザー君。お主等はどうしたいのかな?」

 

 二人に問いかけるのは部長のお父さん。

 

「父上、私は妹の結婚式を盛り上げたいのですよ。ドラゴン対フェニックス。最高の催しだとは思いませんか? 伝説の生物同士が争う、これに勝る演出はないでしょう」

 

 サーゼクス様の言葉に誰もが口を閉ざし、否定を口に出来ない。サーゼクス様がイッセー君を見据える。

 

「ドラゴン使い君。お許しは出たよ」

「!!」

 

 サーゼクス様の言葉にイッセー君とライザーに向けてフラッシュが焚かれる。

 イッセー君は、そんなこと目に入らず、その目は決意に満ちていた。やる気だ! まだ、彼は諦めていない!

 

「ドラゴン使い君。君が勝った場合、対価は何がいい?」

「サーゼクス様!?」

「なんということを!」

 

 一介の下級悪魔に魔王が対価を支払うという言葉に周りの悪魔達が非難の声を上げるが、サーゼクス様は涼しい顔をしている。

 

「悪魔なのですから、何かをさせる以上コチラも相応のものを払わなくては。さあ君、何でも上げるよ。爵位かい? それとも絶世の美女、使い切れぬ財宝かい?」

 

 どれもこれも人の欲を刺激してきた悪魔の誘惑。でも、イッセー君はそんなものに惑わされたりしない!

 

「リアス・グレモリー様を返してください!」

 

 おお、と記者達が騒ぐ。眷属が主を望まぬ結婚から救いに来た、これはそういう美談に見えるのだろう。いいや、決して間違いではないけど。

 

「良いだろう。君が勝ったら、リアスを連れて行くといい」

「ありがとうございます!」

 

 サーゼクス様にお礼を言うイッセー君。サーゼクス様は次にライザーに視線を向けた。

 

「もちろん、この余興に付き合ってくれた君も勝利すれば願いを叶えよう」

「後で言います」

 

 と、そう言うとイッセー君の前にライザーが歩いてくる。

 

「よくもまあ、恥ずかしげもなく美談めいた茶番を演じれるものだ。婚約をかけた試合では無様に負けた。接戦どころか圧倒されていた奴が、俺に勝てるとでも?」

「…………………」

「この婚約は悪魔の未来とかいうものに必要なんだそうだ。たかが小僧が、いかなる理由を持って邪魔をする?」

「………知らねえよ」

 

 ライザーの挑発にイッセー君は睨みながらそう返す。

 

「難しいことなんて俺には解らねえよ! でもな! 部長は自由が欲しいと言った! リアスとして愛してくれる人と添い遂げたいって言ったんだ! 俺は部長の下僕、あの人を守るためなら、貴族だろうが不死鳥だろうがぶっ飛ばす!」

「くはっ………!」

 

 その言葉に、ライザーは吹き出し腹を抱えて笑い始めた。

 

「はは、はははは! そうかそうか! 相手が不死でも、挑むか! 面白い、面白いなぁお前。そうとも、拳を握れ、悪魔(俺達)は力こそ絶対! 貴族だろうと純血だろうと、力で黙らせた時点でお前の勝ちさ!」

 

 貴族悪魔でありながら貴族も血筋も敬わぬその言葉に重鎮達が顔を顰めるが、ライザーは気にもしない。

 

「で? 俺の眷属一人に手も足も出なかったお前にその力があるのか?」

「ある! その力を手にして、俺はここに来た!」

 

 拳を突き出すイッセー君を前にライザーは笑みを深めその身から炎を吹き出させる。

 

「そこまで言うなら吠えやがれ。その咆哮を、知らしめてみせろ赤龍帝!」

「二人共やる気は十分なようだね。では、転移させよう」

「ここで行わないので?」

「ハハハ。伝説の赤龍帝とフェニックス家の才児の戦いをこんな狭い場所でなんて出来ないさ」

 

 サーゼクス様はそう言うと二人に手を翳す。二人の足元に魔法陣が現れ、姿を消す。すぐにパーティー会場の天井各所にイッセー君とライザーの姿が映し出された。




次回予告
やめて! ライザー・フェニックスの炎をで、赤龍帝の鎧を焼き払われたら、鎧の中にいるイッセーの肉体まで燃え尽きちゃう!

お願い、死なないでイッセー!

あんたが今ここで倒れたら、リアスはどうなっちゃうの?

根性はまだ残ってる。ここを耐えれば、ライザーに勝てるんだから!


次回「冥界の一角、赤龍帝と燃える!」デュエルスタンバイ!

ライザー(笑)の眷属

  • 女王(オーフィス)以外原作と同じ
  • イッセー入れようぜイッセー
  • 黒歌だろ
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