本作で取り扱われるすべての事象や名称は実在のものとは無関係です。
それだけではなくマブラブの本編と一切の関わりを持ちません。
また、マブラブのネタバレを多分に含んでいるため、本編未プレイの方が読まれることは推奨していません。
くれぐれもこの事を念頭に置いた上でお楽しみください。

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pictSQUAREにて7月31日開催のマブラヴシリーズのオンライン即売会・展示会(所謂webオンリーイベント)
「白陵柊マブラヴファン文化祭」
https://pictsquare.net/th9jxg82bn5oncaylu4cye9awisnxodh)にサークル参加で掲載するマブラヴSSです。
現在パイロット版の短編となっていますが、書き溜めができたら連載になる……かも?


プロローグ

まずはじめに目を覚ましたのは『宇佐美にさみ』だった。

知らないはずなのに知っているという矛盾した部屋で目が覚めて、見覚えのある2人の美少女。そう、美少女だ。1人は黒髪でいかにもJKといった雰囲気の。もう1人は金髪で小柄な。美少女が2人、横に寝ているという状況にパニックを起こしフリーズしてしまった。

 

次に目を覚ましたのは『真庭花梨』だった。

目に入ってきたのは金髪小柄な美少女の寝顔。小柄な顔の口元が開き、わずかによだれを垂らしている姿が小動物じみていて可愛い。寝ぼけながら周りを見渡せば、魂が抜けているといった風にベットに座ったまま呆然としている白に近い水色髪をツインテールにして片目を眼帯のように包帯を巻いた別の美少女。

意識が覚醒してくるとともに自分の置かれている状況に疑問が湧いてくる。

 

「えっ、にさみさん!?」

 

「かかかかか花梨しゃん」

 

花梨の声に意識を取り戻すにさみ。

 

「えぇ!?何これ、夢!?!?!?」

 

「しゅしゅしゅいましぇん、わかりましぇん……でもこれ、たぶん…オルタでしゅ」

 

もはや口癖なのか、呂律が回っていないだけなのか。サ行を噛むような口調であわわわとしながら、にさみは窓を指差す。

そのにさみの姿に男心……?ともかく、自身の中に存在する男心を刺激され、庇護欲を掻き立てられてキュンキュンしながらも、どうにか視線を窓へと向ける花梨。

 

「っっ!?!?!?!?!?」

 

その窓から見えたのは壊れた戦術機と呼ばれるロボットの上半身。

それは激震と名称された戦術機の残骸で、本来なら画面越しにしか目にすることのできないそれを見て花梨は声にならない悲鳴をあげた。

 

そして最後に目を覚ましたのが『琴音リナ』

寝ぼけ眼に映る何やら慌てている様子の黒髪と薄水色髪のコントラストを成した2人の美少女を眺めながら「初手てぇてぇ」と謎の言葉を発するも、頭が働いておらず二度寝しようと瞼を閉じた。

 

「ちょっ、リナちゃん寝ないでぇっ!」

 

リナのこぼした言葉を聞き取った花梨は、二度寝しようとしているリナの上半身を引き起こし、そうはさせまいとがくがくと揺さぶる。

よほど眠気がひどいのか、低血圧なのか、はたまた三半規管が異常に発達しているのか。揺さぶられて首がガクンガクンとしているにも関わらず寝ぼけたままのリナの姿はちょっと怖い。

 

「ぅ~ん…まだ眠いよぉ、かりんりん…………かりんりん?」

 

が、流石に揺さぶられて意識が覚醒してきて、自身の寝室、のはず。に花梨がいることに疑問を覚えて一気に目を覚ますリナ。

 

「へ?にさみさん?え、なに、向こう?………………はぁ!?」

 

リナはガチ恋距離の花梨のドアップの端に見える部屋の様子が自分の部屋でない風景に「おやぁ?」と疑問を発しながらも、目に写ったにさみがすぅっと片腕を上げて指差す姿に、起き抜けで理解が追いつかないまま、その方向へと視線を向けて素っ頓狂な声を上げた。

 

 

 

「こほん。それでは第一回マブラヴVtuber会議、はじめます」

 

「はいっ、かりんりん隊長」

 

「なんですか、リナ少尉?」

 

「意味がわかりませんっ!」

 

「私もわかりませんっ!」

 

ようやく3人共に目を覚まし、この訳のわからない状況について話し合おうと仕切り直して始めたものの、開始早々コントのようなやり取りを繰り広げる花梨とリナ。

言うまでもないことではあるが、彼女たちは至って真面目である。ただちょっとポン……失礼。混乱から回復できていないだけなのである。

 

「あの…とりあえず落ち着いて、これからどうしたらいいか皆で考えようって事になってでしゅね……」

 

起き抜けのカオスな状況に巻き戻っては耐えきれずに口から虹を噴出してしまうと、実際喉元までせり上がってこようとするモノを耐えながら軌道修正に口を挿むにさみ。

 

「「にさみ隊長、進行お願いします!!」」

 

「ええぇっ!わわわわわ私でしゅかぁ!?」

 

「大丈夫、にさみさんならいける!」

 

「だよね、考察とか凄い当ててたもんね」

 

が、そのにさみ姿は、未だ自身の置かれた状況の混乱から抜けきれていない花梨とリナの2人には自分たちよりかは遥かに落ち着いた様子に目に写った。

……落ち着いている?

いや、先にも言ったように、にさみは落ち着いてないどころか不安で今にも倒れそうな精神状態だ。

自分独りではなく花梨とリナの2人が一緒にいるという事実に、僅かながらではあるが安心を感じることができて正気を保っているというのが実情。

もし独りだったら、間違いなく口から虹を出してパニックから立ち直れず、熱を出して寝込んでいたことだろう。

しかし、人目を気にするにさみは自身の内実とは関わらず、ガワを保つ技術を養っており、その姿が花梨とリナからすれば自分たちよりは落ち着いて見えてしまった。

普段の2人ならにさみが無理をしているのを察することができただろうが、この非常識事態では無理からぬことだ。

とはいえ、2人もにさみに丸投げするつもりは毛頭なく、一旦主導権を預けて状況を整理したいというのが偽らざる心境であった。

にさみはといえば、自身が進行役を勤める事にさらなる不安と重圧を感じはしたが、花梨とリナの2人もにさみに頼り切りにはしないと励まし、にさみも自分にできることがあるのならばとそれを受け入れて進行役を引き受けることとなった。

 

「それじゃぁ、私、宇佐美にさみが進行役を務めさせていただきます。

 それで、このあからさまに怪しげなスマホなんですけど……」

 

話し合いを再開したにさみは、先程までパニックになっていたにもかかわらず、いや、なったが故にか、部屋のあちこちへと視線を飛ばしたときに目に入った勉強机の上に置かれた1台のスマホについて言及することにした。

それは本来この部屋に置かれているべきゲームガイの代わりに置かれていた。

 

「スマホ?」

 

「いやいやいや、おかしいでしょ。エクストラだったとしても2001年ってスマホ無いんじゃないの?」

 

言葉に発することで確定してしまうのを恐れて、いまだ誰も口にしないようにしているが、彼女たち3人共、ここがBETAの存在する世界線だということは、不本意ながら理解している。

その世界にスマホは存在しないし、何よりもその画面に映し出されているのは2001年。

もはや、自分たちが暮らしていた時代よりも20年前なのには今更すぎてツッコミはしないが、その年代にスマホが存在していたのかに疑問を覚えてリナがそのことにツッコんだ。

 

「そこは私もわからないんですけど、私達が武ちゃの部屋にいる時点で謎現象なので置いておきましょう。

 それよりもこのスマホ、電波が届いてないのはある意味当然として。電話アイコンすら無いのに、1つだけアプリがあるんですよ」

 

「このアイコンてあれだよね。私達が配信してるサイトの」

 

「いやでも名称が『Muv-Tuv』って……もうちょっと、こう。捻りとかなかったのかなぁ?」

 

「私も色々ツッコミたいことありますが、私達が3人がいて配信アプリだけが登録されたスマホが置かれているのって、この状況を配信しろってことだと思うんですよ」

 

「「あー……」」

 

本当に色々とツッコみたいことばかりだよ。という意識を3人で共有して話を更に進める。

 

「コメントで皆からアドバイスもらえるなら希望が見えてきそうな感じ?」

 

「でもスイーターも無いんじゃ開始スイートとか出来なくて辛くない?ていうか、チャンネル名とかどーなってるの?」

 

「『確率世界のV3』ですね」

 

センスの欠片も感じられないネーミングに辟易とする3人。

ちなみに、地の文は仮面のバイク乗りたちを連想させるかっこよさで、なかなかのものだと思っている。異論は認める。

 

「ねー…V3って。なんかさー、もうちょっとこう…ねー?」

 

「リナちゃんの言いたいことわかる。てかさ、これじゃ私達ってわかってもらえなくない?」

 

「そこはタイトルにマブラヴと私達3人の名前を入れればいいと思いますし、初回は仕方ないとしても、配信最後に次回の告知をするのとリマインダー設定である程度の人は来てくれると期待しましょう。

 それに夕呼先生も『色々理由をつけて尻込みする奴は、一生結果を出せないのよ』っておっしゃっています」

 

「……だね!」

 

「やるっきゃないかぁ!」

 

不安や疑問。そもそも自分たちが何故この場所にいるのかという根本的な問題を含めて飲み込み、彼女たちは行動することを選択した。

たかがゲーム、されどゲーム。

マブラヴをプレイして得たことは、確りと彼女たちの中に根付いていた。

 

 

 

配信アプリ『Muv-Tuv』に付属されているサムネ編集機能を使い、窓から見える激震の残骸をバックにして3人が写ったサムネを作り、動画配信を開始する。

 

 

▶ ▶❘ ♪ ・ライブ
 
 ⚙ ❐ ▭ ▭ ▣

【マブラヴオルタネイティブ?】衛士の皆さん助けてください【宇佐美にさみ/真庭花梨/琴音リナ】

 0 人が視聴中・10分前にライブ配信開始
 
 ⤴0 ⤵0 ➦共有 ≡₊保存 … 

 
 確率世界のV3 
 チャンネル登録 

 チャンネル登録者数 0人 

 

 

待機画面は用意せずBGMも流さずに、サムネと同じ構図をリアルタイムで流す。

そもそも人が来るのかもわからないし、『Muv-Tuv』が彼女たちが本来配信していたサイトと継っているのかすらもわからない。

それどころか電波すら継っておらず、本当に今いる場所がマブラヴの世界だったとしたら次元を超えて元の世界と継るなんてことがあり得るのか?

もっと言えば推定ではあるが今3人がいる時代は2001年で、元いた世界は2022年である。

それらが可能ならばこのスマホは次元跳躍やら時間移動やら、なにがなんだか訳がわからないがとにかく凄い機能を持った機器ということになり、なにそれ怖いと思ったところで、このスマホはそういうものなんだと3人共受け入れることにした。

そういった不安を言葉にして吐き出すことによって一人ひとりで抱え込まないようにしながら話すこと十数分。

ついに1人のリスナー(以降、リスナーを衛士と呼称する)がやってくる。

 

:こんにちわ。突発コラボですか?あとチャンネル名が変だけどお三方だよね?

 

うわあああぁぁぁ~~~っっっ!!来てくれてありがとぉーーー!!!!」

 

「ありがとー!ホントにあ”り”か”と”~~~っ

 

「いらっしゃいませー。私達3人共、貴方様が来てくれたことを本当の本当に感謝してます」

 

:鼓膜無いなった

 というか3Dモデル化してる!?マジでこの放送ってなに?

 

やってきた衛士に3人が口々に状況の説明をする。

それは憶測ばかりの説明と混乱を抜けきれていない話しぶりで、マブラヴを知らない者からすれば全く意味がわからない話であったが、幸いにもやってきた衛士はマブラヴ全シリーズプレイ済みで3人以外のマブラヴ実況配信者の動画も自分の自由な時間をすべて配信、アーカイブを視聴しているという古参衛士であったため、3人の置かれた状況を正確に理解した。

 

:なにそれ怖い

 とりまスイターとデスコで拡散してくるわ

 

お願いしますっ!!

 

衛士が他媒体で拡散して配信コメントに戻り、3人がいる推定オルタ世界と衛士の現実世界の時間のズレの確認やスマホの他に白銀武の部屋に本来ない物が他にもないかの確認をしているうちに他の衛士たちもやってきて、朝方のゲリラライブだというのに数十人が集まってきた。

 

:とりあえず今まででわかったことまとめたほうがいいんじゃない?

 

「そうだね。日にちはスマホの表示だと2001年11月6日でそっちとズレてるけど、時間は同じ」

 

「どうなるかわからんから部屋から出てないけど、窓から見える壊れた激震と廃墟でアンリミかオルタ世界っぽい」

 

「スマホ以外には怪しい物は無いみたいです」

 

:当たり前だけど意外なほどわかったことが少なかった

:11月6日ってゲーム始まってるね。どのへんだっけ?

:武ちゃんより遅くスタートって鬼畜度が上がってる

:なんで11月6日なんだろうね?

:総戦技演習よりかは前だった気がする

:確認した。11月6日は3人が同じ日にマブラヴ配信した日だった。それから11月2日が美琴が怪我から復帰した日で、8日が武ちゃんが夕呼先生にBETAの新潟上陸を伝える日だった。

 

美琴~~~ぉっ!!!!

 

:優秀

:確認班何者だw

:花梨ちゃんが限界化したw

:草

:いつもどおりで安心したw

:そうするとスタートダッシュは出来なかったけどそこまで致命的に遅れたわけじゃないのか?

:オルタ世界で2週間の遅れが致命的でないとでも?

:先生が配信にコメントできないってスイートしてるぞ

:同日配信かー。それでスタート日に設定されたのかね?

:マジだ!?

:先生もよう見とるw

 

「うわー、先生!!」

 

「先生!マジ助けて!!」

 

「原作者様のアドバイスお願いしましゅぅっ」

 

:だめだ。先生のコメント転載しようとするとコメントできない

:なんだこれ?まじで転載できないぞ

:やばい。転載どころか先生がコメントしたことを言葉を変えてコメントしようとしてもできない

:ハードモードじゃなくてヘルモードだた件

 

原作者の間接的な登場で光明が見えたかに思えたが、アドバイスや設定などを別の媒体で発言すると、それに関連したことが配信でコメントできなくなるという事実が発覚した。

それは、今までマブラヴ配信をネタバレ厳禁でしていたことが影響されているのではないかという考察がなされたが、すでに公式から発表されているネタバレになる設定などについてはコメントが出来るため混乱をよんだ。

そして、無用に長引かせてはコメントできなくなる事柄が増えるだけと考えられ、わずかに検証されただけであるのものの、いまだ公開されていない公式設定となるネタバレが書き込めないと結論を出し、以後、原作者は配信を見守るのみで発言をしないことになってしまった。

これは非常に重大なデメリットとなり、3人を意気消沈させた。

とはいえ、すでに周知されているネタバレについての規制はなく、集合知によるアドバイスが出来ると衛士たちの懸命な慰めと応援で3人はどうにか気持ちを持ち直し、今後の方針を模索することとなった。

 

:と言っても横浜基地一択しか無いんよね、やっぱり

:3人は衛士になるのは嫌なんだよね?

 

「無理無理無理っっっ!!!!」

 

「絶っっっ対嫌!ていうか衛士とかそれ以前に、体力ないし演習クリアーできるわけがない!」

 

「確かに……私はグラウンド1週で虹を出します。

 あの、それよりも、そもそも横浜基地にたどり着けるのでしょうか?ゲームでは武ちゃが自動で移動してくれましたけど……道がわかりませんよね?」

 

あっ!

 

しばしの話し合いで、オルタネイティヴ4の完遂が最良の未来であるため、やはり白銀武が向かったのと同様、横浜基地へ赴き、香月夕呼を頼る方向へ話が進んだ。

そんな中、白銀武が訓練兵になることでこの世界での立場を確保したように、3人の立場をどうするのかの話も出たが、過去の配信の折に触れて、死の8分を乗り越えるどころか1分で戦死する未来しか想像できないと明言していたため、当然のように衛士となることは否定された。

そして、続いたにさみの言葉で目的地への道筋がわからないという根本的な問題点が浮上する。

 

「えーーー!?なにこれ!?いくらなんでもハードモード過ぎない!!??」

 

「目的地までの道がわからなくて家からスタートすらできないって……完全に詰んどるやん、これ」

 

…………しゅ…しゅみましぇん、虹が出そうでしゅ

 

「落ち着いて、にさみさん!?深呼吸、深呼吸だよっ」

 

「大丈夫だよ!衛士の皆もいるし、横浜基地に行けるよね、皆?ね?」

 

:こんな事もあろうかとかつて購入した聖地巡礼マップ同人誌を引っ張り出してきた

 配信しながら移動してくれればナビできると思うよ

 

何度目かわからぬパニックでカオスとなりかけたが、1人の衛士のコメントがまたもや光明を差し込むことになった。

 

「すごい!!!!」

 

「古参衛士凄すぎ。さすえい」

 

「あ”り”がとうございましゅぅ~」

 

それから更に話し合いがなされる。

まずは横浜基地へ赴き香月夕呼へとコンタクトを取る。

その際に、香月夕呼の興味を惹くために、この世界にはないと思われる物を白銀家からかき集め持参する。

無事、香月夕呼と接触できたら3人の置かれた状況を包み隠さずに話し、配信と視聴している衛士たちの存在も明かして集合知による助力が出来るというメリットを告げ、保護と協力を求める。

という行動指針が決められた。

また、2001年11月6日に間違いがないかと白銀武が存在しているのかの確認。

UNLIMITEDとオルタネイティヴのどちらの世界なのかの確認。

それらの確認が取れてからのさらなる行動方針になるが、3人が元の世界に戻る方法を探すのは無論。

原作よりもより良い未来を勝ち取る。全員生存のハッピーエンドを目指すことを決めた。

 

「やっぱりさ、花梨としてはこの世界に送られたことは重要な意味があると思うワケよ。

 絶対ジェットコースター展開が何回もあるってわかってるけど、それでもリナちゃんとにさみさんと衛士の皆も一緒だからなんとかなるよ!!!!

 それにさ、美琴がいるんだよ!生美琴だよ!!絶っっっ対幸せにするしかないでしょ!!!!……BETAブッコロス」

 

思い込んだら猪突猛進。ある意味、白銀武よりも主人公っぽい言動をしばしば発する真庭花梨が鎧衣美琴に会えるという事実に限界化しながらも、少々物騒な言葉を残した決意表明をする。

 

「だよね!推しに会えるとかありえないよね!はぁ…生たま愛でたい。

 それでもさ……リナは途中で絶望したり挫折したりするのが予想できすぎて正直怖くてたまらんけど、皆が一緒だから頑張るっ」

 

元気な姿を全面に押し出しながらも心に弱さを抱えた、最推しである珠瀬壬姫と内面と身長も似ており、2人で並べばセットで愛でられること受合いの琴音リナが不安を押し殺して前へ進むことを宣言する。

 

「私は物陰から生武ちゃを観察してニヤニヤしたいでしゅ。

 ……それに、マブラヴは私の人生に転機をくれました。

 だから今度は私が、この世界にご恩返しできるように精一杯やりたいです」

 

脳内で白銀武の掛け算を妄想しながらも、宇佐美にさみは自分に欠けていた大切なことを気づかせてくれたこの世界を、本編よりもより良い未来へと進めるように努力することを諦めないと誓う。

 

それは、その道筋すら見えておらず、原作をクリアーしていれば到底不可能とすら思える目標であった。

だが不思議と3人も配信を見ている衛士たちも、それが困難を極める地獄の道程であることは理解しながらも、不可能事だとは思わなかった。

 

 

 

宇佐美にさみも、真庭花梨も、琴音リナも、なぜ自分が、自分たちがこの世界にやってきてしまったのか皆目わからない。

生きて明日を迎える事ができるかすらもわからない、この過酷な世界で何かを成せるのだろうか?

そして、3人がこの世界へとやってきたのと同様に、今後オルタ初見実況配信をクリアーする他のVたちが、この世界に送り込まれることはないのか?

何もかもが謎のまま、ここに新たな確率世界が誕生した。


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