真の実力はギリギリまで隠しているべきだったかもしれない 作:ちぇんそー娘
チートハーレム何もわからないで頑張ってるので面白かったら感想とか評価で褒めてください。
「はーい、それじゃあ実習訓練をしますので2人組を作ってくださいね〜。初めての人もいると思うので、実力とか気にせず同じ学年の仲間と交流を深めるつもりで」
悪魔のような単語を先生が口にし、クラスメイト達の視線が一斉に俺へと向けられる。
「おいあれ……」
「あれが噂の……」
「惟神家の……」
「マジ? 女の子を自分の部屋に監禁して調教してるらしいあの?」
そして向けるだけ向けてみんなザワザワと距離を取りながら各々で2人組を作っていく。なんだよ俺とは遊びだったのかよ。期待だけさせやがって。
カサネ先輩のクソボケ脳筋ゴリラモテモテ必勝法で見事なまでに学院デビューを失敗した結果、俺は今に至るまでほぼ誰にも話しかけられない学院生活を送る羽目になっていた。
ちなみに話しかけてくるのはだいたいカサネ先輩で、それも一言だけ「モテモテ?」とニヤニヤと大成功みたいな顔をして話しかけてくるので血管がぶち切れそうになる。何をどう見たらモテモテに見えるんだよ。半径5mに近づいただけで俺の気配を察知して女子が逃げ惑うんだよ。
「へっ、アイツちょっと強いからって調子に乗っていけすかねぇっすね。俺、アイツと組んでけちょんけちょんにして化けの皮を剥いでやるっす!」
と、そんな俺に近づいてくる三下感あふれる口調のやつが一人現れた。
もうこの際誰でもいいよ。頼むから先生が2人組を作ってと言ってからあ……って顔して俺の方を心配そうにチラチラ見ているこの現状から解放されたい。
「待て、お前はいつも感情的に動き過ぎる」
「兄貴! でもアイツ、なんかムカつきますよ!」
「それもアイツの策略だろう。あのハバキという男、敢えて不遜な態度を取ることで相手の冷静さを奪い、最初から勝負を有利に運ぼうとしているに違いない」
「なっ、あんなに強いのにそこまで考えてるんすか!? 抜かりねぇ!」
「ああ。下手に挑めばまた返り討ちにあうだけだ。ここは様子見をしつつ俺達は2人で組んでおこう」
あの……深読みやめてもらっていいですかね?
兄貴くんと舎弟くんの声がでかいものだから、またみんなが一歩俺から距離を置いてきて、先生が一歩俺に近づいて来ちゃったしさ。
もう「じゃあハバキくんは先生と組みましょうか」という死刑宣告に等しい言葉をかけられるまで秒読としか思えねぇ。
「あらあら、もしかして貴方組む方がいらっしゃらないのかしら?」
そんな俺に対して、間違いなく俺に対してだ。1人の女子生徒が声をかけてきた。
桃色のツインテールと瑞々しい果実のような蒼色の瞳が特徴的な、10人いたら10人が美少女と答えるような、もう美少女としか言いようがない美少女だった。
「なんだか知らないけれど貴方調子に乗ってるらしいわね。ならこの私、
道祖家と言えば、この国では知らないものはいない名家だ。
このシーカ魔道学院を事実上運営する魔導九家の1つであり、代々優秀な雷属性使いを排出している家。そしてその現当主の一人娘こそが彼女、道祖ハツネだ。
彼女の噂は俺もよく聞いている。
顔と能力と家柄以外何もかも最悪の性格ブスとか、身長が低いから常に高所から誰かを見下ろしてる低所恐怖症とか、メスガキとか。まぁこの噂の数々でわかる通りろくな性格をしていない。
家柄と能力にかまけて他者を見下す、典型的な嫌なお嬢様って感じのやつだ。そして趣味は肉弾戦で相手をいたぶること。これでドSであり実際優秀なのだから手が付けられない。
どれくらい自分勝手かと言うと、聞いた話によれば面倒という理由だけで入学式をバックれていたらしい。
つまり俺の前評判を知らずに、周りから聞いたとしても色眼鏡をかけずに普通に、いつも通り他者に接するように見下してくれてるのだ。
「え……やばい、好きになっちゃう」
「これからボコボコにされることに興奮してるなんて相当なドMみたいね! 立場の差を
奇跡的に会話が成立しつつ、俺は周囲に目を向ける。
授業中に今から決闘を始める、みたいな雰囲気になったにもかかわらず先生は何も言えずに固まってしまってる。余程ハツネが恐ろしいのだろう。
実際噂に聞いただけでも、入学前から下手な卒業生をボコボコにしてプライドをへし折ったこともあるくらいの天才らしいし、ご令嬢様ともなると雇われ人である先生は強く出れないだろう。
「貴方、入学式でザコ達相手にイキリ散らして調子に乗ってるらしいじゃない」
「はい!」
「なんかやけに素直に認めるわね……。まぁいいわ! そのねじ曲がった根性をこの私が本物の力というもので矯正してあげる」
顔だけはいいのでついつい元気に返答してしまったが、なかなかにひねくれたことを言いながらハツネは片手に付けていた手袋を天に向けて放り投げた。
あー、そういえばカサネ先輩が前になんか言ってたな。
学院では己の手袋を天に向かって投げて、相手がそれが地面に落ちるのを見届けたら決闘成立だって。
そんな風に思い返していたら、ハツネの紺色の手袋が地面に落ちてしまった。
「
間髪入れず、二節詠唱からの桜色の雷撃が飛んでくるのを察知して俺は防御術式を展開した。
「あら、やるじゃない。噂程度の実力はあるって事かしら?」
防がれたにしては余裕のある表情のハツネ。
二節詠唱をここまでの速度で繰り出してくるのは結構高等技術で、言うなれば銃の早撃ちのようなものなのだがここまでの速度となるとかなりやばい。さすがに冷や汗が伝ってくるくらいにはやばかった。SNSにこの早撃ち技術で風船とか割ってるところ上げたらバズるくらいにはかなりの技術だ。
「まぁ、小手調べですしね。逃げ惑って不様に踊り狂いなさい!
間髪を入れずに雷撃を放つハツネ。
これが噂に聞く春雷。通常の雷属性の一節と言えば
速さに性能を割り振り、命中精度や火力を犠牲にしているはっきりいって『使いにくい』術式なのだが、使い手が相応の実力があるならば話は違う。
「ほらほら! 守ってばっかりじゃ勝てないわよ? それとも何かしら? 自尊心が膨れ上がりすぎて太って動けないの? かわいそぉ〜! ブーブー泣いて謝ればやめてあげなくもないわよ?」
めちゃくちゃに煽りを言ってくるが、実はマジで動けないのである。
俺のチート能力は、端的に言えば『めちゃくちゃ魔力が多い』ことである。だから防御術式の硬度も尋常じゃないし、身体強化で得られる恩恵も大きいし、初級の一節詠唱とかを「今のはメラゾーマでは無い」みたいなことが出来る。
でも……これはちょっと速すぎる。防御を解いた瞬間に被弾してそのまま流れるように崩されるイメージしかできない。
メスガキのくせにマジで強いとか反則だろ。メスガキは負けるものだろ!
しかしこれはある意味好都合かもしれない。
ハツネは実際に実力者であり、彼女に負けるならそこまで違和感もないだろう。多少彼女に付きまとわれて面倒なことになりそうだが、現状の最強すぎて誰も近づいてくれない状況よりは、彼女に負けた方がいい感じに……。
「兄貴、アイツなんで反撃しないんすか?」
「様子を伺っているんだろうな。道祖の雷撃の速さはそれだけに目を当てれば既に敵う者はいない」
「そ、そんな! じゃあアイツ負けるんすか!? アイツもムカつきますけど、道祖はもっとムカつきますよ」
「ふん……ここで負けるならその程度のやつだ。入学式での大言壮語も世間知らずなだけということになる……それに、道祖はヤツの実力に気がついていない様子だったからな。勝負は見えている」
「な、なるほど? ウォー! 道祖のやつをボコボコにしちまえ惟神ー!」
兄貴さん何勝手に信じてるの? 俺達話したことないよね? そんな簡単に人を信じない方がいいよ?
観客達の話し声に耳を傾けてみたが、ハツネの普段の素行が悪すぎる故かほぼみんながハツネがボコボコに負けることを望んでいる節がある。
ハツネさんもう少し周りを省みて行動とか出来ないのかなぁ。おかげでこれ、負けちゃいけない戦いになっちゃったじゃん。
多分ここで負けたらみんなめちゃくちゃガッカリする。あれだけ入学式でイキっておいてこの程度かよみたいな扱いになる。
つまり入学式で暴れた時点で詰みだったってことかよ。なんてことしてくれたんだあのバカ義姉。
いや、まだ諦めるには早いはずだ。
ここでハツネを鮮やかに倒せば、ハツネがヘイトを背負ってくれている分俺は一躍ヒーローになって、ハツネからいじめられてたからやつとかから好感度爆上がり、一気にモテモテハーレムのルートがあるんじゃないか?
よし、それでいこう。ひとまず、このメスガキを
「…………何よ、つまんない。いい加減引きこもってないで大人しくやられろ! 大体なによその防御の硬さ! ノロマで引きこもりとか亀から可愛さ抜いたみたいな気持ち悪ぃ戦い方してるんじゃねぇわよ!」
性格からわかっていたことだが、動き回りもせずに防御で凌ごうとしていた俺に痺れを切らしたのか、ハツネは口調を荒らげて遠距離からの射撃戦から中距離での火力戦に切り替えるように詠唱を変えた。
「
だが、頭に血が上ったからかそれとも彼女生来の性格か。
詠唱速度と威力を両立させた三節詠唱ではなく、四節詠唱で防御を貫く構え。その一瞬の隙に、俺は自らに可能な身体強化の全てを施して、跳ぶ。
「ッ!? 速ッ──────」
「
すれ違いざまに彼女の頭上から、髪を掠める程度に光線を放つ。地面に突き立てられた光の杭。髪の毛がほんの少し焼ける匂い。さすがに、誰がどう見ても今の一瞬で本来なら勝負がついていたことは明白だろう。
「……さすがだよ、僕の『極点』」
誰かが一言声を漏らし、観客である生徒たちが沸き上がった。
うん、とりあえず盛り上げてくれたことはお礼を言うけど今の誰? 僕の、とか言われても誰だか知らないしだからその『極点』って呼び方何?
ハツネもさすがに本当ならその光の杭が自分の体を貫いていたかもしれないことはわかっているのか、何も言わず拳を強く握り締めているだけだった。
クラスメイト達は嫌な奴が見事に負けてスカッとしたのか、心做しか先程までよりも俺に対する目がフレンドリーになってる気がする。どうやら、俺の作戦は大成功らしい。
「……認めない。認めないわよ。私、本気じゃないし。本気でやったら、私は誰にも負けない。負けちゃいけない、負けられないんだから」
だが、道祖ハツネという人間の負けず嫌いっぷりを俺はどうやら甘く見ていたようだ。
手の皮が裂けて血が流れ出すほどに強く握りこまれた手を開き、彼女はある詠唱を始めた。
「──────魔導錬成」
「……は? おま、ちょっと待って!」
とんでもない単語を聞いて、さすがに俺は止めようとした。だが、俺からの制止なんて逆効果と言わんばかりに彼女は詠唱の速度を上げる。
「
先程までの感情の籠ったものではなく淡々と、ゴミを処分するかのように無機質に、無感動に詠唱が紡がれる。既に彼女の周囲には雷鳴が渦巻き、俺が咄嗟に行えたのはそれが周囲の誰かを傷つけないように防御術式を展開することだった。
「
七節の詠唱を完遂し、暗雲の向こうでハツネの手の内に一振の剣が出現する。
「──────理解させてあげる。私をコケにしたその罪を、この『桜雷』で!」
おいおいおいおいおいおいおいおい!!!
マジでこのお嬢様とんでもねぇ性格してやがる!
魔導錬成は、一言で纏めれば魔術の一つの到達点、奥義と言い替えてもいい。
術式そのものを現物質として形を持って出現させ、意思に応じて術式を発動させる強力な武器に変質させる。
もちろん簡単に出来ることではなく、天才と呼ばれるような術者が何年もかけて己の魔力と術式の安定する形を探して、ようやく短剣1本の形で出現させられる程。
だが、それに見合うだけの力を誇りそれだけでも魔導錬成を修得したものは、修得してないものと天と地ほどの実力差が生まれ、周囲からの扱いもこれを修得したものは個人ではなく兵器として数えられる。
とにかく一つ言えるのは、魔導学院の1年生が本来なら使えるものじゃないし、使えたとしても授業中に使うような代物じゃないってこと。
「内臓ぶちまけて、豚みたいに呻きなさい!」
剣の一振に合わせて雷が周囲を焼きながら切り裂き、動きに合わせて小さな氷の槍が幾つも俺に向けて放たれる。あの剣そのものが術式であり、あの剣を振るうことで詠唱を省略して術式の効果を発揮させる。
怒りで我を忘れたように見えて、しっかり雷と氷の複合とかいう高等技術をこなしてるのが腹立つ。才能に対して人格がついていけて無さすぎだろ。
しかしこれはまずい。
このままだと俺だけではなく周囲のやつにも被害が出るし、原因は9割ハツネ本人であるが、1割くらいは俺にもある。というか、人間の感情的に俺のせいだと思うやつも出てくる。
さすがにそれは俺としても嫌だし、ここまで周囲を考えてないとなるとさすがに性格が悪いで済ませるには度が過ぎている。
「ほら、逃げ惑いなさい! 恐怖しなさい! 私を見下ろさず、見下ろされろ!」
「──────
だから、魔力を込めた。
チートとしか言いようのない俺の魔力を、一節詠唱の限界まで込めて、放つ。
暴風雨の具現化、天災の降臨たるハツネの錬成術式『桜雷』に向けて、俺は光の一撃をぶちかます。
「うそ……なんで」
空を覆う曇天のような、雷を纏った暗雲の津波が切り裂かれる。複雑で多彩で高度な術式、編み込まれた芸術品のようなソレをただの一筋の光が貫いた。
通った後には雷は無く、雹は無く、刀身を貫かれへし折れたハツネの剣は、春の夢であったかのように霧散した。
何が起きたか分からない、と言わんばかりに目を白黒させている。
「おい」
「ひっ、いやっ」
「
「え。あ、あ……」
「
ペタン、とその場に座り込んで放心状態になってしまったハツネ。
いやさすがにこれはやりすぎだからね。こんな周囲に人がいる中で魔導錬成は下手したら人が死ぬので、こればっかりは笑い事で済ませていいことではない。
騒ぎを聞き付けて遠くから喧騒が聞こえてくる中で、俺は明らかに俺を見る目が変わったクラスメイトからの視線を受けて、内心かっこよく決まったんじゃないかとガッツポーズをしていた。
「さすがですぜハバキさん! 今度から兄貴2号って呼んでいいっすか? あ、オイラはシャッティっす!」
「俺はアニキスだ。まさか魔導錬成を一節詠唱で真っ向から打ち砕くなんてな。さすがは俺の見込んだ男だ」
「ふっ、おもしれー極点……」
違うんだよなぁ!?
こうじゃない、俺が求めているのはこの野太い歓声ではなくもっと鈴の音のようなものなんだよ。俺を取り囲む3人の男に気圧されてか、それとも普通に俺に近づきたくないのか女子達はみんな距離置いてるし。
そしておもしれー極点って言ってる奴はマジで誰なんだよ。名前くらい名乗れ。
いや、まぁ半分くらい夢は叶ってるよ? 誰も近づいてくれないよりは全然いいけれど……人選! もっと可愛い女の子とかさ!?
シャッティはよく見ると可愛い顔してるけれど喋り方が舎弟すぎるし、アニキスは普通にガタイが良すぎるし目に傷があるスキンヘッドで人相ヤバすぎるし、おもしれーくんはロン毛とマスクで顔がよくわからん。多分全員男だしよ。
「あれだけの力を見せつけられたら、少なくとも目の前で見ていたやつは誰もお前に立ち向かおうなんて思えないだろうな。さすがの俺も現状勝ち目がないと思い知ったさ」
「女子とか普通に強すぎてドン引きしてましたっすね!」
そっかぁ……さすがにやりすぎたか。
でもあそこで止めてなきゃとんでもない被害出てただろうし、納得いかねぇ……。なんやかんやで守ってやったんだからもっとチヤホヤされたい……。
そんな俺の感情を読み取ってなのか、励ますようにおもしれーくんはポン、と肩に手を置いて。
「ふっ、おもしれー状況」
「煽ってんのかテメェ?」
男3人に囲まれながら、俺は普通に泣いた。
自分の力で言うことを聞かせられない相手なんて初めてだった。
生意気なことを言うなら大人であろうとも無理やり言うことを聞かせてきたし、ムカつくやつは誰であろうとぶちのめしてきた。
なんでかと言われたら、そう生きろと言われたからだ。
道祖家の人間は誰かに舐められてはいけない、見下されてはいけない、常に他者を食い物にして勝者にならなければいけない。
それは当然のことで、疑問すら持ったことは無かった。常に誰かを見下し、勝者であった私を家の人はみんな褒めてくれた。
だから自分の周りにいる人達が、私ではなく道祖家とのコネしか見てなくても我慢できた。私には、この家の名前さえあればそれでいいのだから。
「……ムカつく」
さすがに授業中に魔導錬成はやりすぎた。懲罰房の中で私は惟神ハバキの顔を思い浮かべて、むしゃくしゃして壁を蹴っ飛ばした。
言われなくたって悪いことだってくらいわかってんだよちくしょう。良くないことだって、誰も私を好きになってくれないなんてわかってる。でもこれしかやり方なんて知らないし、『それしか知らない可哀想な子』と思われることはもっともっと屈辱的だ。
私の全て、『桜雷』すらたった一節の詠唱にぶち壊されて、今まで積み上げてきたものを一瞬で壊されて、人生の全てを否定されたかのような屈辱。屈辱、屈辱、屈辱……だよね?
「え、あれ……? え?」
屈辱の、はずなのに。
何故か自分がにやけてることに気がついた。頬が熱い、胸が高鳴る。
道祖家の、負けの許されない、失敗の許されないはずの私がなんで失敗して喜んでいるの?
そう考えれば考えるほど興奮してくる。
思えばいつも私は『道祖』と言う名前を背負っていた。
それがどうだろう?
彼は私を負かした瞬間、ゴミを見るような目で見下ろして他の有象無象、まるで私が
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!? おかしい、おかしいおかしいおかしい!」
でも思い返すと胸が高鳴る。
ずっと両親の言うことを聞いて、生まれてこの方誰にも叱られたことの無い私をあろう事か上から目線で説教したあの生意気な男、私を負かした憎たらしい男。
信じられない、この私が下に見られてる。負けて、負かされて、見下ろされて、周りから蔑みの目で見られて。
また懲りずにアイツに挑んで徹底的に負かされて服とかも破られて泣くまでボコボコにされて手足とか折られちゃって靴を舐めるように強制されちゃったりして、絶対に敵わないって魂に刻み込まれて奴隷宣言とかさせられて。
「……興奮してるの、私?」
え、なにこれ?
これってもしかして初恋、なの?
・道祖ハツネ
人をイラつかせる天才。実際めちゃくちゃ優秀。ドMなだけ。
・惟神ハバキ
は?メスガキになんか負けないが?
おい、なんで、メスガキが……負けている……?もう自分が嫌なんだ……モテたい……俺を殺してくれ。