グランブルーでハーレムチートなお話(オリ主添え) 作:社畜だったきなこ餅
襲い来るサメに片っ端から弾薬を叩き込み、調子に乗って突出して孤立するユエルを援護し、その戦い方の仕様かサメに狙われやすいソシエを援護し。
持ち込んだ弾薬も投げモノもあらかた使い切ったところで、漸くアウギュステにおけるサメ騒動は落ち着きを見せた。
ちなみに最終的に鈍器として大活躍した愛用のリボルバーライフルは、見事なまでに銃身が直角に折れ曲がってる。
オーバーホールにどんだけかかるやら……と言うかアカンなコレ。
「コレ、どーすんべ」
「うわぁ、派手に壊しちゃったねーラインさん」
「そうなんだよなぁ弾薬撃ち切った後だから良かったけど、片っ端からサメをしばいてたらこんな有様に……」
自分の家がやってる銃工房が作った作品だからと、グランサイファーでメンテナンスを買って出てくれてるククルにどう言い訳したものかとぼやき。
背後から聞こえてきた声に、いやーまいったまいったなんて言いながら振り返れば。
そこにはにっこりと可憐な笑みを浮かべた銃工房三姉妹の二女、ククルが立っていた。
俺はそっと銃身が折れ曲がった相棒を脇に置くとククルへ向き直り、最近ジンから聞いた最上級の謝罪の作法。
その名もDOGEZAを敢行した。
「ラインさんの方も大変だったとは聞いてるからさー、アタシもそうとやかくは言いたくないよ?」
「はい」
「だけどさぁ、ラインさんも銃を使う人なんだから。やっちゃいけない事くらいわかるよね?」
「はい、重々承知しております」
一回りくらい年が離れている少女に平身低頭する俺、情けないと笑わば笑え!この娘がいなきゃ俺の商売道具は碌に仕事をせんのだ!!
いかん、自分で言ってて情けないにもほどがある。
「もー、こんなにガタガタにして……これじゃ一から作り直した方が早いよ?」
「し、新造代は責任を持って支払わせてもらいます」
「もー……そんなに縮こまらないでもいいよ? 新しく造るのと合わせてさ、その、ラインさんに手伝ってもらいたい事もあるし」
さっき脇によけた相棒(大破)をククルが拾い上げると銃を優しくその手で撫で、溜息を吐いて苦笑いを浮かべる。
なんかこう申し訳なさと罪悪感が半端ないので、冷や汗を滝のように流しながら誠心誠意詫びる俺(一桁切り捨てれば20歳)
しかしそんな俺の内心と裏腹に、目の前に立つ銃の専門家と言える少女は怒ってない事に俺内心安堵の溜息である。
「お、おう。俺が出来る事なら何でも手伝うぞ、ククルもそうだけどお前のとこには頭が上がらないレベルで世話になってるしな」
「もー、そんな風に思ってるならもっと大事に使ってよね? ま、まぁ何でもって言うなら色々とお願いしたい事あるんだけどさ」
ほら、そんな這いつくばっていないで立って立ってと言いながら俺に手を差し伸べて立たせるククル、いやぁほんと良い子だわ。
実際故郷の島でもククルにアプローチかけてた男は結構いたしな、何でか全部断ってるそうだけど。
「それにラインさんが銃を派手に壊すの、初めてじゃないもんね」
「俺だって壊したくて壊してるわけじゃないんだけどなぁ……」
今回大破した相棒は実は三代目なのである。
初代はユエルとソシエ、それにコウが関係している九尾とやらと派手にやり合った際に臨終した。
二代目もまぁ似たような案件で派手にぶっ壊したんだが、それはまぁ今は良いだろう。
「あっちでシルヴァ姉やクム坊と一緒に話そ? 今回の騒動で出てきた問題点とか話し合いたいしさ」
「あ、あーーー……ええっと、その」
俺の手を取り、今回の騒動の打ち上げをやってる賑やかな方へ俺を誘うククル。
しかし、その、今回ばかりは非常に間が悪い。いやなんというかこうククルが丹精込めて設計しメンテをしてくれた銃をぶっ壊した俺に選択肢はないのかもしれんが。
「ラインのおっちゃーん、待たせて堪忍なー」
「ラインはん、堪忍ね。ちょっと水着の準備に手間取ってもうて……」
そしてこのタイミングで声をかけてきた、俺が日が落ちた浜辺で相棒(大破)と黄昏つつ待っていた二人の声が響く。
いやね、違うんだよ。言い訳をさせてほしい。
今回ユエルとソシエの二人は、なんか水着を新調したらしいんだがソレを着る前に今回のサメ騒動が勃発。
その騒動こそはまぁ様々な人物の死闘と奮闘で収束したものの……。
ユエルとソシエがなんでか知らんが、このタイミングで海で俺みたいな年上の男と遊びたいなどと言い出したのである。
数日は後始末やら警戒も含めているんだから無理に今でなくても良いだろ、とは言ったが割と言い出したら聞かないユエルはええから待っといて!などと言って走り出し。
無視してどこか行ったら後々面倒になる事は明らかなので、俺は海を見ながら大破した相棒を悼んでいた……と言うワケだ。
「あれ? ククルやん、どないしたん?」
「……むー」
「あ……」
きょとんとした様子のユエル、そしてそんなユエルを見てむくれるククル、何かを察したような顔をするソシエ。
君達だけで完結せず俺に何が起きてるか説明してほしい、何故か物凄くいたたまれない空気を感じているんだが。
だが、昔から俺を危機的状況から救い出してくれた危機察知能力が俺に警鐘を鳴らしている。
ここに居続けたら、間違いなく地獄を見ると。
喧々囂々、と言わないまでも妙な緊張感を発している3人の少女の様子を注意深く観察し、チラチラとこっちを見ていたソシエの視線がユエルの方へ向いた瞬間。
俺は長い傭兵生活で培った隠密能力を駆使し、可能な限り静かにかつ可及的速やかにこの場から離脱を図る。
そして、有耶無耶に出来そうな距離まであと少しと言ったところで。
「あるぇー? ラーさんじゃないっスか、Doしたんです? こんなとこで」
愛すべきチャラ男、ローアインに声をかけられた。
俺、君の事嫌いじゃないし割と好きだけどたまに致命的なところで間が悪いのどうかと思うなぁ!
しかし時は既に遅し、ローアインに声をかけられたことで俺がさっきまで居た所から消えている事に気付いた3人が。
一斉に俺に視線を向けた。 わー、気のせいか頭の上にビックリマークが見えるぞー。
「もー!ラインのおっちゃん! なんでなんも言わず逃げようとすんねん!」
「こらー!話はまだ終わってないんだぞー!!」
「ラインはん……うちらと遊ぶの、そんなに嫌なん?」
三者三様の言葉に俺は縋るようにローアインへ視線を向け……あの野郎逃げやがった?!
結局俺はこの後4人で夜の海で遊んだ後、ユエルとソシエも交えて銃工房3姉妹との銃についてのディスカッションを余儀なくされるのであった。
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「ウボァー」
「ふふ……随分と草臥れた様子だね」
「おっさんは体力がねーです!」
「おっさんではないぃ……」
あの後体力無尽蔵なユエルに振り回され、時にソシエに介抱され。
更にはなんかおっかない空気を漂わせていたククルに、今回の騒動で出てきた銃の問題点の洗い出しに遅くまで付き合わされた俺は……。
見かねた団長に今日は休んでていいよ、と言われる程に疲弊しており今はテーブルに突っ伏していた。
ちなみに同じテーブルには銃工房三姉妹の長女かつ凄腕狙撃手のシルヴァと、三女のクムユが座っている。
余談だがシルヴァとククルはヒューマンでクムユはドラフであり、3人は銃工房三姉妹と呼ばれてこそあれども実際に血の繋がりはない。
まぁ下手な血縁関係よりよほど強い絆で結ばれているから、そんな事言うのは野暮極まりないのだがな。
「ククル姉が丹精込めてお手入れした銃を派手にぶっ壊すおっさんなんて、おっさんで十分ですコンニャロー!」
「こらこらクムユ、ラインだって壊したくて壊したワケじゃないからそんな風に言うものじゃないよ」
机に突っ伏したまま口から魂じみた何かが出る錯覚を覚えながら、しかしクムユの容赦なくも事実としか言いようのない言葉を突っ伏した顔を上げて素直に受け止めていると。
見かねたシルヴァが苦笑いを浮かべながら助け舟を出してくれた、ありがてぇ、ありがてぇ。
「おー、そうだクムユ。お前さんが調合してくれた投げモノ大活躍だったぞー、ありがとなー」
「ピャッ?! そ、そそそ、そんな急に褒めても何も出ないですよコンニャロー!?」
疲労で碌に頭が回ってないがしかしこのちんまいドラフの少女が調合した爆薬を元に作ってくれた炸裂弾が、昨日の闘いの中で幾度も危機を脱する助けになってくれた礼を告げる。
そしたら顔を真っ赤にした手をバタバタさせた後、威嚇する小動物のような様子で言葉を返してきた。
「いや本当だって、ユエルやソシエに迫るサメをまとめて吹き飛ばしたりなんやらと、大活躍だったぞ」
「……このトーヘンボク!!」
「……ライン、昔から思ってはいたが君は乙女心を理解する能力だけは致命的に欠けているね」
素直に大活躍した経緯を言って褒めたはずなのにこの扱い、解せぬ。
しかし何のかんの言って少し疲労も落ち着いてきたので、テーブルの上にある更に積まれたビスケットを齧る。うん実に美味。
「まぁ、そんな君の事が気になっている私も似た者同士か」
このビスケット良いな、程よい塩味と甘味が疲れた体と頭にスーっと効いていく。
と、いかん。なんかシルヴァが言っていたのにちゃんと聞いてなかったわ。
「何か言ったか? シルヴァ」
「……はぁ、本当に君ってヤツは……」
「どうしようもねぇボンクラです」
「酷くない?」
割と長い付き合いである銃工房三姉妹の内二人からの扱いに、思わず呟く俺。
何度も傭兵として同じ仕事をしているシルヴァからは、たまにこんな風にロクデナシ扱いされる事は多々あったが……。
小さい頃から俺に懐いていてくれていたのに、最近なんか妙にツンケンしてきたクムユからも同様の扱いを受け始めている事に心で涙を流すのであった。
《唐突なキャラ紹介》
【シルヴァ】
クール系のヒットマンなスナイパーと思われがちな初見と裏腹に、割と可愛い系の27歳の女スナイパー。
ククルの両親に恩があると共にとても可愛がられており、ククルやクムユの姉として彼女達を見守っている。
主人公とは様々な傭兵仕事で何度もバディを組んだ仲であり、敵中に孤立した状態から二人で生還したりしており、付き合いの長さと共に潜った死線の数の多さからどこか余裕を持っていた、が。
よく見ると主人公の周りに自分達以外の女子が多い事に気付き、最近危機感を抱き始めた。
【ククル】
銃工房三姉妹二女であり、様々な協力や経験を元にしたとはいえ単独で機関銃じみたものを開発した技術チート娘。
同年代である原作主人公にはお姉ちゃんぶる事に定評があるが、この時空では主人公である変態銃使いおっさんに懸想していて妹分みたいな立ち位置にいる。
ちなみに主人公のリボルバーライフルは主人公の危機察知能力を元に、大事故待ったなしな技術検証と実験を繰り返した末に創り出された、ある意味でククルと主人公の愛の結晶(意味深)とも言える。
その為主人公が緊急時には銃を使い捨てるように使う事に想うところがないわけではないが、同時に自分の銃が主人公の助けになり命を幾度も助けている事に悦びを感じてしまっている。
【クムユ】
銃工房三姉妹三女であると共に、ククルの両親の養子なドラフの少女。
ビビりだが虚勢を張りがちな性格から、独特な言い回しをする事に定評がある。
両親はヒューマンなのに自分はドラフだと言う事に疑問は持っていたが、ある日養子だという事を知りショックで家出した時、真っ先に自分を見つけ優しく宥めて家へ連れ帰ってくれた主人公にほんのり重めの親愛の情を抱いている。
なお当の本人は乙女心の乙の字も知らないぼんくらであり、その事に姐達と共にヤキモキする日常を送っている。
【主人公ことライン】
割とあちこちで仕事の流れや人助けやらその場の勢いとノリで、揉め事を解決してきた一般通過傭兵。
サイドストーリーの『メイクアップ&ゴー!』で起きたトラブルに限らず、傭兵を始めたころからククル達の親が営む銃工房で銃やら消耗品やら調達していた関係で、かなり付き合いが長かったりする。
そのせいでククル達に商売道具どころか仕事の成否も握られている首根っこを掴まれた状態であるが、本人は欠片もその事に気付いていない。
最近は銃工房に顔を出すと、親方達に酒を勧められそのままいつの間にか出来ていた自分専用の部屋で寝泊まりしている現状に、漸く疑問を持ち始めている。