自称天才軍師のチートハーレム主人公活用法   作:はごろも282

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ハーレムに年上おねーさんは必須。ハーレムの意味を調べろ?


世界観の拡張はフラグへの一歩

 推定悪い奴のリンチから命からがら生還して学園になんとか戻ってくることができた。危なかった…。集団リンチなんて常人のやることじゃないぞ?

 

「キミね、医務室を自分の部屋か何かと勘違いしてないかい?」

 

「誰が好んで小煩いババアのトコ行きたがるんです?」

 

「そうかい、ところで私も人間だから処置失敗という可能性もあってね」

 

「麗しい色気むんむんの完熟した女の人と話せてうれしーなー!!」

 

「うーん、なんか気に入らないなぁ……」

 

「大人の女っていうのかな? こう……なんていうか……形容しがたい色気を……あのー、そう! 箱に入ったグニュグニュのミカンのような愛らしさを感じます!」

 

「さてはキミ喧嘩を売っているね? 教師だからといって生徒に害を加えないとは限らないんだぞー?」

 

「何でもないようにとんでもないこと言ってる!?」

 

 俺とそんな会話を交えているのは俺の通う王宮立エルドラ学園の養護教諭であるシオン・G・リグレスタ。長めの黒髪を乱雑に纏めたようなひとつ結びが特徴だ。

少しダウナーな雰囲気が人気の学園のツラのいい担当その1でもある。

 

 そんな彼女と俺がなぜ親しげなのかと言えば、俺が医務室の常連であるからだった。

 

「今回は危険度の低いエリアでの授業じゃなかったのかい?」

 

「そうですね。そのはずでした」

 

「うん、じゃあどうして全身ズタボロで魔力枯渇寸前なのかな?」

 

「転びました」

 

「キミは『転んだ』を怪我の言い訳における万能の返しだと思ってるフシがあるようだけど決してそんなことはないからね?」

 

「けっこうな階段の上の方だったからな〜」

 

「なお突き通そうとする姿勢だけは褒めるべきなのかな? なんにせよ返答のレパートリーは多いほうが良いよ? ウィットに富んだ返しは印象をよくするからね」

 

 確かに会話が続くのはいいことだ。医務室とか理髪店は拘束時間が長い分無言の時間が気まずくて仕方ないから。その点この教師はそんな気まずい思いをしなくていいから楽だ。ソレはそうと初めて会った時からこの人妙に話しやすいんだよな。なんだろう、にじみ出るオーラが元の世界の担任と非常に似ているというか。簡単に言えばそこはかとなく畜生味を感じる。

 

「というか、今回も襲われたんだろう君のパーティ。大丈夫だったのかい? なぜかいつも通りの例の勇者クンは無傷だったけど」

 

「ハイ、合成獣が出現したときは別行動だったし出現後も俺はアイツと合流してませんから」

 

「結果と発言がビックリするほど逆なんだよねぇ……?」

 

「まーあのチビ助もそこそこやるようですからね」

 

「面の皮の厚さは英雄級だよねキミ」

 

「ありがとうございます!」

 

「嘘だろ英雄級ってとこしか聞こえてないのかい!?」

 

 というかここまで会話しといてなんだけど俺一人に時間使ってて大丈夫なんだろうか。暇なのかな? もし忙しいのに相手してくれてるんなら申し訳ないから聞いておこう。

 

「あの、やることないんですか?」

 

「急に刺しにくるのやめてくれるかな?」

 

「いや、なんかずっといるんで……」

 

「もしかして私のこと嫌いかい?」

 

「わりと」

 

「わりと!?」

 

「ハハハ、冗談です。顔よくてスタイル良い女は好きですよ?」

 

「女の子にするには最低の返しきちゃったな……」

 

「女の子って年齢でもないでしょうに」

 

「先生は教育機関で道徳に真っ向から反してるのどうかと思うな」

 

「そんなことないでしょう。現に俺は好きですよ道徳」

 

「道徳心を説かれて好きだと返すのが最高に道徳ないよね。あと私が言うのもなんだけど道徳が好きはおそらく異常者だよ」

 

「そもそも10代に命掛けさせる国で道徳は育たないと思います」

 

「先生はそういう正論嫌いだな。未成年は言われたことを盲目に肯定してればいいよ」

 

「ここにきて一番道徳ない発言が飛んできたな!?」

 

 教育者の風上にも置けない思想持ってるなこの人!? なんで学園で働いているんだ! というか働けているんだ! 

 

 ま、まあそれは一旦おいとこう。なんか怖いし触れちゃダメな領域な気がする。とにかく、今の会話でこの人が暇っぽいことは分かった。だからもう忘れるんだ俺。

 

「というかキミも随分この部屋に慣れたよね」

 

「え? あーそうですね。模擬戦の後はいつもここで目覚めてたんで」

 

「負けるってわかってるのによくやるよね~」

 

「勝てるかもしんないでしょいつか!」

 

「ホントにそう思ってる?」

 

「あんまり……」

 

「だよねぇ。同じ種族とは思えないもんあの子」

 

 唐突に語られだして始まる思い出話。関係ないけど年取ると思い出の話をする回数が増えていくように感じる。あれはいったい何なんだろうか。

 

 それにしても懐かしいな。もう一年もするのか。入学して最初は戦って気を失えばいつもここまで運び込まれていた。今となっては放置されているけれど。

 そう考えれば目の前のこの女性との関係もその時からになるのか。そりゃあ話すようにもなるか。

 

「思い返せばキミの年代には驚かされてばかりだ。知ってるかい? キミの世代は入学前から豊作だって言われてたんだよ。氷のミドウォーターと炎のパガートルのご令嬢、他にも名家のお子さんが多数入学するーなんてみんな大騒ぎで」

 

「いやーそんなに注目されてるなんて照れますね」

 

「誰もがこの世代の顔は彼女たちだと思ってたんだ。田舎の少年2人なんて誰も気に留めなかった」

 

「おっと反応がないのは寂しいぞ?」

 

「唖然としてたよ。名も知らない片田舎の少年が首席で、それも次席と大差をつけていた結果を見てね。そして入学してみれば、その学年の話の大半がその少年であるゼンノートともう一人、同じ村出身のキミだった」

 

「へー、あのハーレム野郎はまだしも俺まで? いったいどんな話を?」

 

「片方は強すぎる生命、細胞から他と違うなんて言われるようになって。ついた異名がノウゼンエネミー、天を凌ぐほど高く登るエミリアスにとっての敵って意味なんだって」

 

「へ、へぇ~。もう片方は異名とかあるんですか?」

 

「うん、力量も把握できないバカ、Mr寄生虫とかいろいろ言われてるね。ついた異名はフェイクジュエル、本物の威光を借りるだけの質の悪い偽物だって」

 

「おかしい、後半だけ絶対おかしい!!」

 

 いくら何でもひどすぎるだろ!! 今まで聞かずに生きてこられたの運が良すぎるだろ!? というかノウゼンエネミーってそんな意味でつけてねーよ!! こっぱずかしい意味こじつけやがって! 

 

 そう、ノーゼンエネミーは俺作だった。しかしノーゼンはゼンノートからとってNO善、いいとこなんて一つもないクソ野郎で俺の計画を邪魔する敵って意味だったのに。大層な理由づけがされている現実に憤りを感じざるを得ない。

 

「どうしてキミはそんなに嫌われてるんだろうねぇ」

 

「今まで少年とか言ってたのについに隠すのをやめましたね? 直球で言いましたね?」

 

「キミも分かってるんだからいいだろう。でもね、明らかに妙なんだ」

 

「……何ですか、妙って」

 

「いやね、おかしいんだよ。冷静に考えて、()()()()()()()()()()のは異常だ」

 

 なんか言い出したぞこの人。ひょっとして陰謀論とか好きなタイプなんだろうか。そうなるといよいよ心配になってくる。いったいどこまでこの人の闇は深いんだろう。俺だけでも今から優しくしてあげるべきだろうか。

 

「勇者クンが戦うときはいつも隠れている、なんて噂が蔓延しているけど本当にそうなのか? 私は襲撃のたびにボロボロのキミを見ているのに、誰もソレに触れようとしないのは何故?」

 

「おー、意外と理屈だってることに驚きを隠せない」

 

「だからね、今日の遠征に向けて私はキミにある仕掛けをした」

 

「へー、仕掛けを……ん?」

 

「魔術でキミの視界を共有してたんだ。今回も襲撃されると思ってね」

 

「なにしてんのアンタ!?」

 

「そうしたら、ビンゴだ。どうやら襲撃のたびに別動隊と交戦してるようじゃないか」

 

「だからちょっと待て!? うそ、いつの間に!? ほぼストーカーじゃないか!」

 

「キミは問いただしてもはぐらかすからね。学園の教師としてずっと見過ごすわけにもいかないよ」

 

「くそぅ思ったよりちゃんとした理由だ! 反論できない!」

 

「愉快だねキミ。私はそういうところ好きだよ」

 

 至極真っ当な反論で閉口するしかなかった。確かにこの人からしたら俺は不可解な存在だっただろう。自分が見た光景と周りの評価がまるで違うんだから。

 

「にしても、キミ固有魔力持ってるんだね。先生ビックリしちゃった」

 

「恐縮です。もっと褒めてください」

 

「あれー!? 隠さないのかい!?」

 

「否定しても信じないでしょ。それなら一旦肯定しといていっぱい褒めてもらいたいなと」

 

「ぬぬぬ……。そう簡単にボロは出ないか」

 

 ボロってなんだボロって。カマかけようとしたっていうのか。俺はそんな小汚い手には引っかからないぞ絶対に。しかし、俺の戦い方を見られたのか。うーん、なんとなく背筋がムズムズとするような感覚。

 

「で、でもビックリしたのはホントだよ? 相手を翻弄する動きに、幻影を使った攪乱だったり。完全に勇者クンの方が片付くまで耐久するつもりだったでしょ?」

 

「アイツらチビが自由になった瞬間いつも退散しますから」

 

「敵にもそんなに恐れられてるのか彼……」

 

「はい、ソレはもう鬼のように。恐れられる超えてキモがられてますね」

 

「もう先生は不憫だよ彼が」

 

 あっというか俺の視界共有してたならエニュミーが固有魔力持ってることも知っちゃったのか。コレはやらかしたか? いやでも俺にはそんなに関係ないからいいや。アイツなら大丈夫だろたぶん。

 

「でさ、キミはボロボロでどうにか耐えきったわけだけど。普通ならこのまま周りにケガがバレるはずだよね?」

 

「……あーそういえば今日は予定があったなーというわけで失礼しますッ!」

 

「はいプレスト」

 

「ぬぁ!?」

 

 なんと俺の身体は上から押しつぶされるような重圧によって押さえつけられてしまった!! 

 ……え、ホントに動けないんですけど? 

 

「それでだね、キミはめでたく級友と合流したわけだが。どういうわけか誰もキミを心配することはない。ミドウォーターも戻ってきてキミの心配どころか隠れたと思い込んで悪態をつく。そしてこの部屋に至るまで誰にも何も言われることはなかった。コレはいったいどうしてだろうね?」

 

「わ、わかんないッピ……」

 

「そうか、キミにも分からないか。私はキミが幻術で傷を隠したように見えたが?」

 

「くっ……分かってるなら最初からそういえばいいじゃないか!! ソレが人に尋ねる態度か!!」

 

「逆ギレ!? 大胆すぎやしないか!?」

 

「さぁ満足か! これで十分だろさっさと解放しろ!」

 

「勢いで逃れようとしてる!? ってそうはいかないぞ。今日ばっかりは譲れないんだ」

 

 ぐッ……バレたか。俺の数ある技のうちの一つである逆ギレからのうやむやにするが通用しないなんて。だけどお説教は短縮できたっぽい。その点はギリギリ及第点といえるな。

 

 しかし、コレは相当本気だ、大人しく答えたほうが身のためっぽい。

 

「確かに俺は襲撃の件は隠していますけどね、別に大した理由なんてないですよ?」

 

「……一応聞いてもいいかい?」

 

「いいでしょう。ご存じの通り、俺はモテたいんです」

 

「ごめん先生わかんなくなっちゃった」

 

「ええ。おっしゃる通り、大ハーレムでチヤホヤされるのが夢なんです」

 

「うん、そんなことは一言も言ってないんだよ」

 

「しかし、俺のそばにはエニュミー・㏍・ゼンノートがいる」

 

「そうだね、彼がモテモテでキミにみんな目もくれないのは確かだ」

 

「俺は思いました。コイツを俺に依存させれば女の子も俺のものだろう、と」

 

「なにをいってるんだい?」

 

「ただ、俺はなぜか異様に嫌われている。だからこう考えました。どこかで好感度上げるターンを作ろうって。塵よりも岩が降ってきたほうがインパクトがある。そこで、この襲撃はしばらく隠すことにしました。自分から言うよりも、誰か発端で公になって連鎖的に一人で尽力していたとバレたときの方が好感度上昇するから」

 

「だからなにをいってるんだい?」

 

「そしてエニュミーに言うんです。『お前に負担を押し付けたくなかった』的なことを。エニュミーは今周りから絶対だと頼られまくってストレスでしょうからコロッといくでしょう」

 

「キミは頭がいいのか悪いのか分からないな」

 

 賢いに決まってるだろう。この穴一つない完璧な作戦で明らかだと思うが……? ここまで先読みした策、並みの存在じゃ破綻するに決まっている。だが、俺には成功の2文字しか見えていない。なぜなら俺は天才だから。

 

「うーん、コレは想定外だぞ……」

 

「なんですか想定外って。言っておきますが他言無用ですからね? 俺はコレに人生掛けてるんですから」

 

「人生をかけるにはしょうもなさすぎるんだよねぇ……。でもなぁ、うーん……」

 

「何なんすかマジで? ちょ、もういいでしょ? 視界共有してたならわかると思いますけどあのクソチビ合成獣倒すときにまた新しい女捕まえたんだ。許せねーよ」

 

「……キミの怒るポイントはそこでいいのか?」

 

「は?他に何があるっていうんです?」

 

「──っ! あるだろう色々! どうして自分の功績がまるで認められないのかとか、彼ばかりがチヤホヤされるのかとか、そういうの!!」

 

 急な怒声に、少し驚いた。

 

 ふざけた話で片付けようとしていたけど、どうやら俺が思っていたよりも重要な話だったようだ。

 俺を見つめる女性の顔は険しい。俺を見極めようとしているのか、それとも純粋に教師として心配しているのか。

 

「──いや、すまない。今のは忘れ「確かに、ちょっとよくわからないことは多いです」──っ」

 

「学園に入学してから、エニュミーの強さはバグった。昔から強かったけれど、攻撃を避けるくらいは俺もできていたんだ」

 

 村ではついぞ当てることはできなかったが、受け流したり避けたりはできたいたのに。いつの間にかそれすら困難になった。

 

「ヘイトが集まりすぎてるのも、俺がいないときに襲撃されるのも、俺がやってることが把握されないのも、まるで──「世界がそうしようとしているみたい」──わぁ」

 

 目の前の女性は、俺が個人的に抱いている感情をピタリと命中させた。今までのような軽快な会話は望めそうもない、この感覚はあれだ、朝帰りした父さんを問い詰める母さんを髣髴とさせる。ああいうときの女の無敵感は異常だと思う。

 

 くそぅ、独身のくせに、なんて圧力だ。

 

「──さて。仮に、その説が正しいとしてキミはどうする?」

 

 この返答が命運を分けると考えた方がよさげだ。どうする、俺?




最終日に物語を広げる愚か者。挙げ句疲れて次話に持ち越そうとする。もう完結できないねぇ?

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