大悪逆宇宙皇帝パピエロの悪逆さについての試論です

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大悪逆宇宙皇帝パピエロの悪逆さについての試論

大悪逆宇宙皇帝パピエロは、広大な宇宙空間の中の各地でおのおの成立した独立国家の群をその武によって統一した覇者である。

 

大悪逆宇宙皇帝パピエロの名前はいわゆる「変」であるが、民たちがその名を笑うことは全然許されていない。なぜなら彼はたいへんな悪逆性と嗜虐性を持っていたからである。おそらくわたしもパピエロに見つかればただでは済まないことを理解している。

 

彼の治世は大概大殺戮から始まっている。倫理のかけらも知性の片鱗も見せない傲慢悪辣な思想で、「今日のマニキュアの色はスカイブルーにしようかな」というぐらいの軽さで、生命を奪っていくのだ。

 

「パピエロ様、こちらの銀河でデモが起きているようです」

 

「そんな銀河ほろぼしちゃえ!」

 

「…かしこまりました」

 

このような状態である。しかし、パピエロの臣下が彼に唯々諾々と従っているのには理由がある。なぜなら彼は不死であり、そして単体で持つ武力が他の何をもさしおいてともかく圧倒的なのであった。

 

記憶に新しい「超小小衆愚無知蒙昧宇宙反乱(笑)」というものが以前勃発したのは諸君らもご存知のことだろう。これはこんなレッテルを貼られた名前ではあるが、実際には人民の決死の革命であり、ほとんどすべての人民が参加してパピエロと闘争を行ったという大反乱のことだ。

 

しかし勝算ありだと考えられていたすべての作戦は水泡に帰した。圧倒的な力の前にわれわれができることは何もなかった。99.9999999%以上の人命が失われた。われわれから見てかなりの高度知的生命体たちの精神をあますことなく使い切った全身全霊の闘争は、何の意味もなく失われてしまった。

 

残った人類および高度知的生命体は、急ピッチでの国家再建を余儀なくされた。全人類の隅々のリソースを生贄にして開発と復興を急がなければならなかった。そうしなければ大悪逆宇宙皇帝パピエロの癇癪玉がまた弾き飛びかねなかったからだ。幸いにも「慈悲」により、われわれの遅れている復興は今のところ許されているとされている。

 

しかし慈悲か、慈悲という言葉は全く現実と割に合わない。こんなものは慈悲とは言わない。およそ今残っている生命体というのは利己的精神の集合体のみ(ただしパピエロに対しては従順)である。この世を地獄と形容しないとしてなんと言い表そうか。われわれはかんたんにその生命を終わらせることはできない。「死」という概念は完全に覆っているからだ。

 

遠い過去では、死は終わりであった。意識がなくなって自己存在がこの世に残らないという、凄まじくラッキーな終焉であった。苦痛もなくそこには何もない。いわば終わりがあった。今では「ハピネス死」と呼ばれているものだ。

 

しかし、われわれは自分たちの自由意志でハピネス死を迎えることができない。誕生の際にパピエロから命じられて作られた呪い「パピエロの祝福(笑)ver3.2」を浴びせられるからだ。ハピネス死をしてもわれわれはただ痛いだけで、すぐにハピネス死前の状態に戻るという無間地獄に行くだけだ。もう誰もあえてそういうことをしようとはしない。とても愚かな知性体のみがおこなう。

 

現代の死は、9999億年間ずっと、バラエティにとんだ苦痛を授かりつづけるというものだ。ただし、この期間については「パピエロ軽犯罪取締法」で定められており、毎月生成される乱数から決められる。今月が「9999億年」と決まっただけのものだ。

 

有限の期間になっているのは慈悲によるものだとされているが、実際には「無限」だと無限の大きさがわからない知性体になんの影響も及ばさないのではないかという官僚の危惧からうまれたという仮説もある。

 

ときどき無限になることもあるようだが、実は無限の方が良いとも言われている。苦痛を受けるのが日常的であれば苦痛はもはや苦痛ではなく日常だからである。

 

ちなみに「ハピネス死未遂」も「パピエロ軽犯罪」とされている。

 

そして、われわれがこのような世界で生き続けなければならないというのはもはや意味をなさない。この世に意味はない。そういう諦念が蔓延している。

 

わたしがこの試論を執筆したのは、こうした諦


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