モモンガさんが大好きな小さな守護神   作:紀野感無

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「確かか?」

「はい。パンドラズ・アクター、ニグレド、ワルキューレによる捜索で見つかりませんでした」

「……わかった。ご苦労だった」

「勿体無いお言葉です」

リ・エスティーゼ王国の戦争に圧勝し、正式にエ・ランテルの譲渡をされた。
そのため建国に向けて動いていたが、唯一の懸念だったクラン【英雄の集い】のリーダー、宮本武蔵がどこにいるのか探らせた。

が、先ほどの報告通りならエ・ランテルどころか王国、帝国にもいないらしい。

正直不安要素でしかないけど、いきなり襲われるよりはマシか…。

「今後の計画は順調か?」
「問題なく進んでおります。予定通りであれば3日後に」
「うむ。ではアルベドとデミウルゴスに一任するとしよう。任せたぞ」
「ハッ!」



15話 フレーバーテキスト

 

〜ナザリック第九階層 アテナの自室〜

 

「……」

 

「こっちはどうですか?」

「いえこちらの方が…」

「こっちも…」

 

「ね、ねえ…3人、とも。いつもの…服装で、いいんじゃ…」

 

「「「いえ!普段のお姿も凛々しくて素敵ですが、マスターの威厳を示すためにも確りとドレスアップするべきです!」」」

「そうですよアテナ様!ンアインズ様の護衛だと!知らしめるべきでございますッ!」

 

 

あ、はい。

 

 

「で、でもさ。私……そんな、目立つの…好きじゃ、ない…」

 

「パンドラ様、こちらはどうですか?」

「ふむ。それでしたら…」

 

聞いてないねこれ。

ていうかさ、豪華なドレスとか、舞踏会でダンスしてそうなやつとか、こんなの私の手持ちになかったはずなんだけど。

どこから持ってきたのこれ。

 

 

ピピッ

 

 

ん?誰だろ?

 

『アテナさん、今お時間大丈夫ですか?』

『大丈夫ですよアインズさん、どうしました?』

『少し話し合いをしたいので、執務室まで来てもらえますか?』

『わかりました。すぐ行きますね』

『ところで何をされてたんですか?』

『建国の時、エ・ランテルで行軍するじゃないですか。その時のドレスアップ、みたいです』

『あぁー…頑張ってください』

 

その後は軽く言葉を交わして伝言(メッセージ)を切る。

4人にちょっと申し訳ないと思いながらも、アインズさんに呼ばれたからそちらへ向かうことを伝え、部屋を出る。

 

なんの話なんだろう。

 

 

 

 

 

 

「おまたせ、しました」

「来てくださってありがとうございます。…あー、こほん。お前たち、アテナさんと極秘の話し合いがある。私達が呼ぶまで部屋の外で待機、もしくは別の仕事をしててくれるか?」

「「畏まりました」」

 

とメイドの2人が執務室から出払い、アインズさんに言われるがまま正面にちょこんと座る。

 

「(やっぱりアインズさんかっこいいなぁ……)」

「さて、アテナさん。確認したいことがいくつかあります」

「うぇっ?は、はい。なんです、か?」

 

確認したいこと?パンドラとは(まだ)何も動いてないはず。というか、いつにも増してアインズさんの雰囲気が、なんというかこう、神妙な感じだった。

 

「アテナさん、自分自身のプロフィール、フレーバーテキストをどのように書き記したのか覚えていますか?」

 

「え?」

 

フレーバーテキストっていうと、あれだよね。ペロロンチーノさんやぶくぶく茶釜さんやたっちさんとか、みんなでアテーナイ神の神話をもとに作ったやつ。

 

「だいたい、おぼえてます」

 

「覚えてる限りでいいので教えてもらってもいいですか?」

 

「はい。確か……」

 

えーと、何書いたっけあれ。

途中からタブラさんとかが悪ノリしまくってたから色々詰め込んだ記憶があるんだよね。

 

 

〜以下抜粋〜

 

ギリシャ神話における主神ゼウスの娘である守護女神アテーナイの生まれ変わり。

他人に厳しい一面もあるが本来は優しい。

(以下ギリシャ神話におけるアテーナイの出生等のため割愛)

 

都市の守護神、処女神など様々な肩書きで呼ばれている。

 

アテーナイとしての力も記憶も失っていた頃、悪性の人間によって騙されていたところをギルド【アインズ・ウール・ゴウン】に助けられ、それをきっかけにギルドの守護を担うように。

 

普段は温厚で優しいが、仲間が傷つけられた時には豹変し、冷徹な一面を見せる。

だが正々堂々と敵対する相手へは敬意を持って接する。ただしどれだけ力量差があろうと無慈悲に叩き潰しにいく。

 

これは仲間内にも言えることであり、特に自身の命を軽視する仲間にはそれ相応の対応を見せる。

 

荒ぶる神、軍神、暴虐の化身などと謳われる神アレスにすら「あいつ自分勝手すぎる」「なにあいつヤバ、怖っ」と評価されるほどの気の強さ、冷徹さを持つアテーナイの血をしっかりと引いている。

(以下割愛)

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

「こんな、感じだったと思い、ます」

「……」

「あいんずさん?」

「……ハッ、あ、ありがとうこざいますアテナさん」

 

…?どうしたんだろう。何か気になることあったのかな?

 

(え、アテネ神怖っ。何ゼウスの頭をかち割ったら出てきたとか。無慈悲すぎて他の神から引かれてたとか。アテネ神って守護神のイメージしかなかったのに)

 

「あいんずさん?どうしたんですか?」

 

「あー、その…アテネ神って怖かったんだなーって…。ていうか、よくそんな物騒な内容を書きましたね」

 

「たぶらさん、ペロロンチーノさん、茶釜さんにやまいこさんとか、みんな悪ノリ、したです。私も、ゲームだからいいかなって」

 

「一応聞きますが、一番悪ノリしていたのは?」

 

「えーと……」

 

アテナさんが腕を組んで考え始め、それが年相応な可愛さをしていたので「あー娘がいたらこんな感じなのかなー」と思っていたら顔を上げた。

さてと、どうせペロさんあたり--

 

「たぶらさんとたっち・みーさんです」

 

「タブラさんはともかくたっちさんは何してんだよ!」

 

「最初、たっちさんが『こんな感じにしよう』って、アテネ神の怖い逸話から取り始めて」

 

「しかも発端たっちさんかよ⁉︎」

 

「で、可愛い系を入れたかったやまいこさんが『アテナさんみたいな子のプロフィールをなんだと思ってるんだ!』ってチャットで怒ったんです。

で、私が『ゲームだしいいですよ』って。

そしたらたぶらさんが割って入ってきて『ギャップ萌えだな!分かる、分かるぞ!アテナさんもそれが分かるんだな!よし、ここは俺が一肌脱いでやる!』って」

 

「アイツらマジで何してたんだよ!」

 

「それで1時間くらいたぶらさん、ログアウト、したと思ったら急に戻ってきて。アルベド並みに長い文章のファイル、送ってきたです」

 

「でしょうねぇあの設定魔ならやりかねませんね!バカなのか!いやバカだった!ウチの連中が遠慮のえの字もないのは承知の事実でした!」

 

「で、それを見たやまいこさんが、たぶらさんに、一線越えるなって本気でお説教してた、です。その間に茶釜さんたちと頑張って短くしました」

 

「もしやと思ってましたがこれで短くした方ですか」

 

「はい。あ、でも、これだけは消さないで、言われたの色々あるです」

 

「はぁーーーーアイツら……。いやアテナさんがいいならいいですけど!」

 

楽しかったけどなぁ。なんというか、一つのお話を見てるみたいで。

 

けど流石に長すぎたのと途中で色々と「ん?」って内容とかあったみたいで、タブラさんがやまいこさんにボールみたいに殴り飛ばされてたんだけど。言わない方がいい…よね?

 

「でも、フレーバーテキストが、どうかした、ですか?」

 

「あー…すいません脱線しました。それで以前、アテナさんの意思に反して体が動いたりとか、普段ならやらないようなことをやってしまう、みたいなのがあったのは覚えていますか?」

 

「はい。よく覚えてます」

 

「では本題ですが、この世界におけるユグドラシルのアイテムは、ゲームの時の効力に加え、意味のなかったはずのフレーバーテキストの設定が反映されていること、またNPC達の性格もフレーバーテキストに則っている事も確認しています。こちらはアテナさんにも情報共有していたのでご存知かと」

 

「そういえば…でも、それがどうしたんですか?」

 

「これは仮定ですが、フレーバーテキストの影響はアイテムやNPCだけではなく、プレイヤーも少なからず影響を受けている、そう考えています。それならアテナさんの行動についても説明がつきますから」

 

それを聞いてようやく、本当にようやくアインズさんが心配してくれていたと気づいた。相変わらず私の頭は鈍いというかなんというか…。

 

「ここまでは宜しいですか?」

「はい。……ありがとう、ございます。それに、ごめんなさい」

「え?」

「あいんずさん、心配してくれていたのに、気づいてませんでした」

「あー…いえ、俺も忘れていた事ですのでお気になさらず。もし気になるっていうなら、俺のド忘れポカとおあいこ、という事でどうですか?」

 

俺のポカは大やらかしですけどね、と笑いながら言ってくれ、少しだけ肩が軽くなった、気がする。

改めてお礼を言い、話の続きをお願いする。

 

「これからエイ=ユー・オウことユーに、それについて話を聞きます。なので、その場に一緒にいて欲しいんです」

「わかりました。あ、でも。それだとアルベド、デミウルゴスも、いた方がいいんじゃ」

「……余計な心配をかけたくないので、今回は俺たちだけで行きましょう」

「わかりました」

 

そうしてアインズさんがメッセージを含めた色々な魔法を発動させていき、目の前に遠隔視の鏡くらいのモニターみたいなものが浮かび上がる。

 

最初は白黒の砂嵐みたいになっていて、しばらく待っているとファンと音が鳴ってだんだんと鮮明に映像が出てくる。

 

『あー、あー。聞こえるか?』

 

そこに映ったのは、少し前にナザリックに入り込んでアインズさんと戦ったエイ=ユー・オウだった。金髪に紅い瞳、蛇柄の金色刺繍が施されたシスター服をかなり動きやすく改造した服を着ていた。

 

ていうかアテナさん、なんで俺の腕にしがみついてるんですか。いやいいけど。

 

「聞こえています。こちらの声は?」

 

『問題ない』

 

「改めてユーさん、応じてくださってありがとうございます」

 

『その辺はいい。んで、もう1人は?』

 

「横にいますよ。声もちゃんと届いてるので安心してください」

 

『ああごめん。見えてなかった。少しカメラを引いて…うん、オーケー見えた。じゃ…改めて何を聞きたいのか教えてくれ』

 

「貴女は500年前にこの世界へ来た、そして八欲王を含めた多くのプレイヤーと思われる者達を見てきたと、そういう認識をしていますが、合っていますか?」

 

『ああ』

 

「では会ったことのあるプレイヤー、英雄の集いのクランメンバーも含め、ゲーム時代と性格が変わっていると断言できるプレイヤーはいましたか?」

 

『あー……いたな』

 

「では、この世界はユグドラシルのフレーバーテキストが如実に反映されている、ということはご存知で?」

 

『知ってる』

 

「それがもしプレイヤーに反映されていたら?フレーバーテキストに精神が汚染されていたとしたら?」

 

『…………。そういうことか』

 

ユーは言わんとしている事を理解したのか、「少し時間をくれ」と言い、何かを考えていた。

待つ事数分、顔を上げて喋り出した。

 

『結論から言うが、恐らくお前の仮定は当たっている。特に青タイツとバーサーカーは顕著な例だと思う。特にバーサーカーはお前らに喧嘩売ったんだろ?ゲーム時代は酒カスに喧嘩売ることはあっても、赤の他人にはしない奴だったし』

 

「なるほど…」

 

『んで、その話をするってことはお前、もしくは横にいる…えーと、アテネだっけか。どっちかがその状況下になっている、てトコか」

 

「仰るとおりです。ユーさんは余り影響を受けていないように見えますが、何か心当たりはありますか?」

 

『心当たりも何も、私はそもそもフレーバーテキストに興味が無かったからな。汚染の元が無いんだから汚染されようが無い』

 

「なるほど。では先ほど言っていた…青タイツとバーサーカー、と言う方がなぜ汚染されたのか分かりますか?』

 

『さあな、私もさっぱりわからん。てか、そこまで考えたことが無い』

 

「そう…ですか。わかりました。わざわざ時間を割いてくださりありがとうございます。アテナさんは何か聞きたいことはありますか?」

「無いです。ユーさん、ありがと、ございます」

 

『んじゃこれで失礼する。フレーバーテキストが云々は私の方でも時間があれば調べておく。ただ余り期待はするなよ』

 

「わかりました。それでは」

 

『ああ、それと最後に』

 

「ん?」

 

『アテナとやら。私は女だが、アインズにはこれっぽっちも異性として興味ないから安心しろ。むしろこんな骨願い下げだ。そんな抱きついて『私のもの』アピールしなくていい』

「骨呼ばわり!やめて!アインズさんかっこいい、ですから!他の人、惚れてもおかしくない、です!」

『残念ながら守備範囲の外だ』

「むー!」

 

「はーいアテナさん、落ち着きましょうね。ユーさんも爆弾を落とすのやめてください?」

 

『そんだけひっついて嫉妬の目で見られたら煽りたくもなる』

 

アテナを宥めるアインズは、父親のようだったらしい。





ほのぼのを供給しないと…(使命感

とりあえず3期分は作り切れる目処たったので一気に投稿できれば(いいな)と思ってます
頑張る
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