モンハンのキリンがウマ娘世界に転生したら   作:キサラギ職員

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※落雷しまくると当然レースは中断してしまいます


7、その雷鳴は天罰か、祝福か

 

「驚愕っ! 何度見ても信じられないが本当に角が生えているっ!」

「ええ、私も資料で読んだときは驚きました」

 

 理事長室。キリンが見たら『ちんちくりん』扱いされそうな年齢不詳なちんまりとした女の子が、双眼鏡を覗き込みつつターフを観察していた。頭には大きい帽子と猫が乗っており、その猫は、空が不審な様子になってきたのを見ると、大あくびをしてぴょんと飛んでどこかに逃げ出してしまった。

 横合いに控えている緑色のタイトスカート姿の秘書は、キリンの履歴書とも言える資料に目を通しつつ、答えた。

 幻住麒麟。ウマ娘名、キリン。ごく一般的な家庭に生まれる。幼い頃から親や近所の手伝い、最近ではウーマーイーツなどの配達で稼ぎ、日本中を旅して回るバイタリティの持ち主。勉強は壊滅的だったらしくギリギリで通過。身体測定では高成績を残す。面接は自信満々なところが評価された。

 

「ケルビという子も生えていたが、しかし、本当に彼女たちはウマ娘なのか……」

「ユニコーンという線も資料には書かれていましたね」

「まあよいっ! ウマ娘であろうが、なかろうが、生徒に道を示すのが我らが使命! 少し、観察させてもらおう」

 

 キリンという子は異例である。まず、元猟師(ハンター)でトレーナーという異例な経歴の持ち主が、入学前に目を付けてスカウトしてきたのも異例だし、角が生えているウマ娘など、ケルビという子以外には聞いたことも無かった。その実力は完全に未知数。

 見ていると、キリンはすんなりとゲートに入った。

 あんなに青かった空は黒いどんよりとした雲がかかっており、今にも泣きだしそうである。

 

「………」

 

 キリンは目を瞑りゲート内で仁王立ちしていた。他の面々が緊張した面持ちに対し、リラックスしている。

 スタート。

 ゲートが開き、そして、

 

 

 

 ―――――ドガァァァァァァァァンッ!!!

 

 

 

「なんとっ!?」

「きゃっ!?」

 

 落雷した。青白い雷が雲の中を次々分岐して、目に残像を焼き付ける。かなり遠かったようであるが、一瞬視界が真っ白に染まってしまうところであった。

 怖気ついてしまった他の走者の中を、一陣の白い閃光が走り抜ける。大幅を使う独特な走法でトップスピードまで加速していくと、猛烈な逃げを見せる。速い、とにかく速い。他の面々が慌てて追いかけるも、全く追いつかない。距離は2000の中距離であったが、半分来ても10バ身は差がある圧倒的な逃げっぷりを見せつける。

 不自然なことに、髪の毛が風をはらんでいるのはそうなのだろうが、まるでたてがみのように大きく広がっており、体全体が輝いている―――ように見える。いっその事神秘的とも言える走り方に、見ているギャラリーは固唾をのんでいた。

 そして、ゴール。あっけに取られるギャラリーに手をぶんぶんと振りながら、クールダウンとしてコースをしばらく走っていくと、横合いで待機していたトレーナーの元に駆け寄る。

 ハンターは、嬉しいような、嬉しくないような、複雑な顔をして腕を組んで待機していた。

 

「どうじゃ! 見ていたかはんたーよ!」

「ああ、見ていたがあれはズルなんじゃないのか」

「ずるではないぞ。自然現象は恐ろしいのう、我らが考えもしないところで牙を剥きよる」

「わかった、わかったが、次からは止めろ。毎回落雷してたら不自然にも程があるだろ。ちなみにバカスカ落とすと今度はレース中止になるんだぞ」

「なにぃ? 雷くらい、日常茶飯事ではないか。のう、はんたーよ。はんたーも毎回食らっていたではないか」

 

 ハンターと呼ばれる存在は頑丈である。山ほど大きい古龍に踏みつぶされても痛いで済んでしまう。キリンの落雷を食らってもしびれてその場に倒れるくらいと言えば、どれだけ頑丈かわかろうものである。

 それでも死ぬときは死ぬのがハンターの定めであるが。

 ハンターはぽかりとキリンの頭を叩くと、説教を開始した。

 

「痛い! 何をするか!」

「常人は食らうと丸焦げになって病院に担ぎ込まれるんだよこの世界では! レースも中止になるからやめろ」

 

 レースを終えて休憩を取っていたケルビとツインターボも寄ってきた。

 

「きききききききききキリンさん! わたし見てましたけど、本当に……??」

「なにあれ偶然? ターボも練習すれば雷呼べる!?」

 

 ケルビはともかくツインターボにこのオカルト染みた現象を伝えるわけにはいかず、ハンターは四苦八苦する羽目になったとか。

 

 などという事情を知っているのは一部だけであり、あの子をこっちのチームに持ってはこれないか、などという話がギャラリーの中で巻き起こっていたのだった。落雷はともかく、足の速さは群を抜いて早かったのは事実であるからだ。たとえトレーナーがついていようが、勧誘してほかのチームに移籍させるということも当然の選択肢として存在する。

 

 一方観客席では。

 

「防御モード、起動」

 

 尻尾を抱え込み団子と化したとあるウマ娘がプルプルと震えながら物陰に隠れていたとか、そうじゃないとか。




副会長「目が! 目が!?」
カイチョ~「いきなりかみなりが……ふふっ……」

誰がライバルになる?

  • チーム ライズそのもの
  • サイレンススズカ
  • カイチョー
  • タマモクロス
  • ゴルシちゃんでーす! まじウマんじ!
  • セイウンスカイ
  • トウカイテイオー
  • サクラバクシンオー
  • ライスシャワー
  • ミホノブルボン
  • フ ル フ ル
  • その他
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