突然ですが、お空の変態堕天司と一緒に呪いが蔓延る世界で目を覚ましました。 作:時長凜祢@二次創作主力垢
ハクヤに話を聞くことにより、自身の特徴や、術式に関して軽く理解できた私は、ベリアルに付き合うカタチで再び呪術廻戦の世界を探索する。
そうそう、ハクヤ曰くなんだけど、私の体にある紋様に関しては、まるでわからないと言っていた。
ベリアルと契約したことにより発生したことは確かで、呪霊同様、呪力を持つ人間にしか視認することができないものではあるらしいが、わかるのはそれだけだと返された。
術式ではない何か……と言うことなんだろう。ただ、ハクヤは少しだけこの紋様に嫌な予感を抱いているようだった。
何もなければいいな……とその姿を見て思ったけど、ベリアルは気にしていないと言うか、いずれどうなるかわかっていると言うか、そんな様子がある。
でも、その話を聞くことはできないだろう。自身でも気づけるくらいに手遅れの場所に行くまで明かすつもりはないだろうから。
きっと問いかけても、別に教えてあげてもいいけど〜のくだりになるだけだろうし、黙っとくことにしよう。
そんなことを思いながらの街の探索。現在はまだ、住宅街内を歩いているだけだけど、空の世界にはないような道と構造だからかベリアルは辺りを見渡している。
「どうしたのさベリアル?」
「うん?いや、見たことない景色だからあまりにも新鮮でね。セイカは平然としているけど、こんな景色の世界で生きてたのかい?」
「うん。私が元々住んでいた場所もこんな感じだった。あ、コンビニある。」
「コンビニ?」
「うん。食べ物や飲み物、マスクなんかの日用品や、文房具類。靴下とか冬なら手袋とか……そう言ったものを近隣で購入できるんだよ。わざわざ大きなお店まで買いに行かなくてもいいって感じ。ああ、だからと言って何でもかんでも売ってるわけじゃないよ?生活消耗品を売ってるくらいで、たくさんあるわけじゃない。」
「へぇ……。」
「ちなみに、避妊具とかも意外と売られていたりする。」
「ンッフッ……マジかよ……。」
「これがマジなんだよね。この年代はどうだったか覚えてないけど、私がいた年代では、薄さやサイズもそれなりにあった記憶があるよ。」
「そいつはイイねぇ。しかし、そんな身近なところで売られていたってことは、別にキミの世界の人間に性欲がないわけじゃないのか。」
「だから言っただろう?私がただ特殊なだけだって。」
「らしいな。これは、なかなか堕とし甲斐がありそうだ。」
「はいはい勝手に言ってろ。」
興味津々に辺りを見渡すベリアルが気になるものがあれば答えて、また歩いての繰り返し。
だけど、それなりにベリアルも楽しんでいるようだから、気にすることなく過ごす。
そんな中、不意に私の肩にプリ○ュアのマスコットみたいなぬいぐるみ風のデフォルメハクヤが何かに気づく。
狐耳をピンッと伸ばしたかと思えば、ある方角へと目を向けた。
「ハクヤ?」
『星歌様。どうやらあちらにご友人がいるみたいですよ?会いに行ってはいかがでしょうか?』
「セイカの友人?」
「………あ。」
ハクヤの言葉を聞いて、自身の友人に当てはまる存在を脳裏に描く。そして、ベリアルから手を離してその方角へと走り出した。
背後からベリアルが追ってくる気配を感じる。なんか、小さな声で「普通デート中の相手を放置するか?」と言う文句を言ってるけど気にしない。
この世界の友人……それは、彼しかいないだろう。それなら、出会って損はないはずだ。
しばらく住宅街を駆け抜ければ、1人の男性がそこにいた。年齢は私と同じくらい。身長はかなり高く、ガタイもいい。
その男子は、深い溜息を吐きながら、何かを見つめているようだった。遠目でもわかる。あれは、間違いなく呪霊玉だ。
それにより、目の前にいる存在が、夏油傑であることを理解する。すごいな。本当に登場人物に出会えたよ。
「そりゃ、不味いでしょうよ呪霊なんて。」
「ゲホッ!?え、は?星歌!?」
「何その反応。同じ住宅地に住んでるんだから、友人が姿を現してもおかしくないだろ。」
呪霊玉を飲み込み、表情を不味さに歪める傑の姿を見計らって声をかける。
まさか、背後に私がいるとは思わなかったのか、傑はその場で咽せながら、こちらの名前を口にした。
「いや、その、すまない。まさか、背後にいるとは思わなく……て……?」
「………ん?」
私って傑に下の名前で呼ばれていたのか……と軽く抜けていた内容に少しだけ驚きながらも、傑に視線を向けていると、彼は私の肩に乗っているハクヤに目を向けて固まった。
一瞬、何に驚いたんだこの子……と考えてしまったけど、可愛らしい見た目になってるとは言え、ハクヤは呪霊なんだから当たり前の反応だったと思い出す。
「星歌……その肩に乗ってるのは……」
「ああ、うん。呪霊だね。」
「しかも力がかなりあるような……」
「特級だからね。」
「………なんでそんなもの乗せてるんだい!?」
わー……傑が大声で驚いてる〜……じゃなくて、こちらを攻撃しようとするのはやめてくれ。
「大丈夫だよ。この子は私が創った呪霊だからさ。」
「つく……え……?」
こちらの言葉に驚き、固まってしまう傑。ふむ……様子からして、傑は私の術式のことを知らなかったのか。
「これ、私の術式でね。私の兄さんが呪術師だからわかったんだけど、呪霊創術と言って、自身の呪力を利用することによって、任意の能力を持ち合わせている呪霊を創り出し、使役することができる術式なんだ。まぁ、呪霊を作る際の条件やら呪霊が破壊された際の代償やらまでは説明できないけど、とにかく呪霊を作り出せるんだよ。まあ、傑が持ってる術式のように大量の呪霊を使役することはできないんだけど。」
「な……なるほど……?」
混乱したように、もしくは困惑したように、私の術式の話を聞いていた傑は、呟くように相槌を打つ。
呪霊を取り込むのも大概だけど、呪霊を創り出すのもどうかと思う的な感覚だろうか。
「セイカ。置いて行くなんてひどくないか?」
そんなことを思っていると、背後からベリアルの声が聞こえて来た。あれ?さっきまで後をついてきてなかったっけ?と一瞬考えたが、よくよく考えてみれば、途中から距離が開いていた気がする。
途中で減速したのだろうか?でもそれはなんのために?
「あ、ごめん。」
「……星歌。誰だい彼は?」
脳裏にそんな疑問を浮かべながらも、ベリアルに形だけの謝罪を口にすると、傑が不思議そうな、だけどどこか警戒するような表情をして、ベリアルの方へと視線を向ける。
彼に習うようにしてベリアルの方へと目を向けてみれば、ベリアルは軽く目を丸くしていた。
そう言えば傑のCVは櫻○孝○さんだったな。自分の主人と同僚の声と全く同じ……か、どうかは別として、声帯は彼らと全く同じだった。
多分、それでビックリしたんだろう。似たような声を発する声帯を持ち合わせているから。
「……えーと…………。」
「……ああ、申し訳ないね。ちょっと知り合いによく似た声をしていたから少しだけ驚いてしまったよ。」
無言で自身を見つめてくるベリアルの姿に軽く戸惑いを抱いたのか、困惑しながらベリアルに話しかける傑。
その声により硬直が解かれたのか、すぐにベリアルは心の篭っていない、だけど篭ってるような錯覚を覚えてしまうような演技だけの謝罪を口にして、いつも通りの笑みを浮かべた。
「……星歌。私の気のせいじゃなければ、彼は人間ではない存在だね?」
笑みを浮かべたベリアルを見ながら、傑が私に問いかける。
人間じゃないとすぐに見抜かれるとは思わなかった。でも、もしかしたら呪術を扱える者だからこそ持ち合わせている察知能力があるのかもしれない。
傑のその指摘を聞いたベリアルは、一瞬だけキョトンとした表情をする。
しかし、すぐに不敵な笑みを浮かべて口を開いた。
「大正解。オレは人間みたいな脆い生き物でもなければ、そこらをうろついている呪霊でもない。面識があれば、その時の調子や設定で話を進めるところだが、キミは初対面だからねぇ。あえて誤魔化さず教えてあげよう。オレの名前はベリアル。キミの大切なオトモダチのセイカと契約を結んでる堕天司と呼ばれる存在だ。まあ、こっちの世界では堕天司と言うよりは、悪魔と言う方が通用するみたいだけどね?」
星歌
ハクヤのご友人が近くにいると言う言葉を聞き、すぐに夏油を思い浮かべたのでベリアルをほっぽってそっちに走った転生者。
この世界の住人……さらに言うと知ってるキャラクターとの邂逅にテンションを上げる。
ベリアル
ハクヤから友人の話を告げられ、そっちの方へと走ってしまった星歌を追ったら自身の主人や、旧天司長の声に似た声を持つ青年と出会して目を丸くした。
何者かと問われ、隠すことなく自分の正体を明かす。
ハクヤ
実は呪力を探知することができるレーダーにもなる特級呪霊。
覚えのある呪力に気付いたので星歌に教えたら、すぐに彼女が移動して夏油と顔を合わせた。
特級の位ではあるが、星歌の体に刻まれた紋様に関しては、呪力に似たものが宿っており、呪力を持たない人間には見えないことしかわからない。
だが、その紋様に含まれたギミックには嫌な予感を覚えている。
夏油傑
呪術廻戦キャラ最初の出没者。星歌に呪霊を取り込む姿を見られてびっくりしたが、表情を歪めた様子から呪霊なんだから当然不味いだろと言われ苦笑い。
呪霊と見知らぬ男性を連れてきたことに驚き、呪霊は星歌自身が作った存在だと聞いてさらに驚いた。