突然ですが、お空の変態堕天司と一緒に呪いが蔓延る世界で目を覚ましました。 作:時長凜祢@二次創作主力垢
「………あっさり。」
「全く手応えがなかったな。」
「星晶獣の力ってそんなに強いわけ……?」
「ん〜……まあ、普通に能力値は高いかな。」
「それだけでこれか……」
「ただ、呪霊が弱かっただけって可能性もあると思うぜ?」
「なるほどね……」
あまりにもあっさりと勝負を済ませてしまったベリアルに、軽く唖然としていると、唖然とする私を気にすることなく、こちらの質問に答えてくれるベリアル。
確かに、呪霊が弱かったのだとしたら、ベリアルがあっさりサクッとやってしまう可能性もあるわけだ。
気配的に重々しい感じがしたけど、気のせいだったのだろうか?
『あれのどこが雑魚呪霊だと言うのですか。あれは準一級レベルでしたよ。』
「「………ん?」」
そんなことを思っていると、不意に第三者の声が辺りに響く。驚いて声の方へと目を向けてみると、白銀の狐のような存在がいた。
何やら呪力により顕現しているようだけど、このお狐様はいったい……?
「……キミも呪霊のようだが、敵意を感じないな。誰だ?」
困惑しながら白銀のお狐様を眺めていると、ベリアルが誰だとお狐様に問いかける。
彼の言葉に同意するように何度か頷けば、お狐様は私の前にぴょんと飛び降り、深々と頭を下げて来た。
『僕としてはハジメマシテではないのですが、現状からするとハジメマシテとしか言いようがありませんのでハジメマシテ。僕の名前は記憶干渉呪霊、ハクヤと申します。呪霊階級は特級。あらゆる生き物の記憶に干渉し、あらゆる変換、または不要な記憶の破壊など、記憶に関する力を持ち合わせております。我が身を生みし創造主は星歌様です。』
「え……?」
「おいおい、セイカ。キミ、全く知らないって顔をしていたのにガッツリとこの呪霊に関わってるじゃないか。何であんな反応をしたんだ?」
「え、いや、待って!全然わからないんだけど!?」
「そんなことないだろう?この狐は、キミを創造主だと口にしていたじゃないか。」
「本当知らないんだって!!」
ベリアルから関わりあるじゃないかと言う指摘をもらうが、全くと言っていいほど覚えがないため、否定するように首を振る。
だって、本当に自分の術式は知らないし、呪霊を生み出した記憶もないのだから。
こちらの否定的な姿勢に、ベリアルはよくわからないと言うように首を傾げる。
嘘を飼い慣らしている存在だからこそ、私が嘘を言っていないことがわかるのだろう。
だから疑問を浮かべる。全く知らないと言うのは事実だが、それなら創造主と慕うこの狐は何なんだと。
ここまであからさまに疑問を抱いてますって表情をするベリアルも珍しいものだ。
「……って、彼女は言ってるんだが、ハクヤは何か知ってるのか?」
『ええ。もちろん知っております。』
どうやら、私に全く記憶がないことを彼……彼………?声はどこぞの人ラブな情報屋さんっぽいから彼でいいのか?
……とにかく、ハクヤは知っているようだ。
では、その理由はいったい何なのか……ハクヤから教えてもらえるだろうか。
「ハクヤ。私がこうなってる理由って、教えてもらえるのかな?」
『ええ。もちろん。むしろ、僕はそのためにこうして姿を現しました。まあ、星歌様とベリアル殿にしか今は視えていないので、側から見たら変な二人組にしか見えないかもしれませんが。』
「「それを早く言ってくれないか?」」
思わずベリアルと言葉が被る。しかし、ハクヤが言っている言葉は正論だ。
視えない何かと話している二人……側から見たら、確かに変な二人組にしか見えないだろう。
もしくは、薬でもやってるのかと疑われてしまうような状況かもしれない。
流石にそんな認識をされるのはごめん被りたいものである。
『では、一旦移動いたしましょう。住宅街から離れた位置に、綺麗な川が流れている山がありますので、そこに向かいますよ。そこって、結構マイナーな場所ですので、あまり人は来ませんから。』
ハクヤの言葉に小さく頷けば、彼はにこっと笑顔を見せては、どこかへと移動を始めた。
私はそんな彼についていく。自身の能力を知るために。
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しばらくハクヤについて行けば、住宅街から離れた山中へとたどり着いた。
一昨日辺りに降ったらしい雨の影響で、少々地面が湿っていたり、濡れた落ち葉がそこら中にあったりして、滑りそうな状況だったけど、なぜかベリアルがその状況を見て、私を抱えて移動してくれたことで転けることはなかった。
何で私を抱えたのか聞いても、オレの気まぐれとしか返してくれなかったけど。
そんなやり取りを繰り返しながら移動すること数十分。
たどり着いた場所は、とても静かな場所で、ハクヤが言っていたように、川が流れていた。
『連日の雨で少しイメージが違いますが、落ち着いている時に来るととても綺麗な場所なんです。まあ、それに関しては今は置いときましょう。』
確かに、景観としては悪くない、と思いながら辺りを見ていると、ハクヤが私たちに向き直る。
そして、再び口を開いた。
『まず、星歌様が僕のことや術式のことを忘れているのは当然であると言わせてもらいます。なんせ僕は、星歌様がハジメテ創造した特級クラスですので。人と呼ばれる存在は、記憶と呼ばれるメモリーを持っています。それはもちろん、良いことも悪いことも全部含まれている。ゆえにこそ、僕は記憶と呼ばれる喜びも恐怖もひっくるめた感情を基にして生み出されました。ですが、記憶に含まれるマイナスの感情はあまりにも莫大であるがために、暴走してしまった。その結果、星歌様はベリアル殿と目覚めた今日から前の記憶を失った状況下にあります。その記憶にまつわる何かに触れたら思い出すこともありますが、基本的にその記憶は戻りません。しかし、記憶と呼ばれる感情の塊の概念より生まれた僕は、星歌様の記憶を保有しております。なので、星歌様の術式などもわかります。』
記憶と言う感情の塊、その概念を基に生まれたというハクヤ。
目を丸くして彼を見つめていると、彼は静かに私の術式を口にした。
『星歌様が使用する術式は、
星歌
ベリアルがあっさりと呪霊を消してしまったことにポカンとしていたら、自分が生み出した呪霊を名乗る白銀の狐と出会った転生者。
自身の力の暴走により、ベリアルと共に呪術廻戦の世界で目を覚ました時以前の記憶を失っていた。
一応、自身の記憶に関係あるものを見たり、触れたりしたら記憶を取り戻すことがあるが、ほとんどは思い出せない状況下にある。
術式『
その名の通り呪霊を創り、使役することができる能力。概要はまだ不明。
天与呪縛『カースドフォルスギフテッド』
概要はまだ不明だが、呪力にまつわるもの思わしき呪縛。
ベリアル
星歌がマイナス感情を司る呪霊を創ることができると知り、ファーさんとはまた違ったタイプの創造主だったのかと考えた空の世界からの訪問堕天司。
雨のせいで濡れている落ち葉や地面を見て星歌を抱えたのは、明るい色の服やパンプスを身につけている星歌に泥汚れなどをつけさせないためだったのだが、本堕天司はそれを伝えるつもりは毛頭もないので気まぐれと返した。
記憶干渉呪霊・ハクヤ
白銀の毛並みと赤い瞳を持っている狐型の特級呪霊。星歌が初めて創った特級だが、込められた呪力が大きく、なおかつ記憶と言うあらゆる感情の概念や恐怖、マイナス感情から生まれた存在だったため、力が暴走し、結果、星歌の記憶が一部消失してしまった。
星歌曰く、CV.神○浩○声で、高さ的にはどこぞの人ラブな情報屋っぽい感じらしい。