突然ですが、お空の変態堕天司と一緒に呪いが蔓延る世界で目を覚ましました。 作:時長凜祢@二次創作主力垢
まずは天与呪縛について。
「
「呪霊を創るって、さっきの変な奴をセイカは生み出すことができるってことか?」
『はい。その通りです。まあ、術式により生み出すことができる呪霊は、星歌様の思うがままの姿にできるので、あのような怪物ではなく、僕のような動物型のモノや、可愛らしい姿をしたマスコット型のモノ、先程の怪物型のモノなど、いろんな姿にすることができるのですが。』
「ふぅん?」
『まずはどちらを説明しましょうか……。星歌様は気になる物がありますか?』
「正直言ってどちらも気になるけど、まずは天与呪縛に関して聞こうかな。」
『かしこまりました。では、天与呪縛・【カースドフォルスギフテッド】について、まずは説明いたしますね。』
まるでゲームのチュートリアルだと思いながらも、説明をしてくれるらしいハクヤに視線を向ける。
術式の詳しい概要も気になると言えば気になるけど、まだある程度予想はつくから後回し。
聞いたことのない天与呪縛の方をまずは聞くとしよう。
『天与呪縛・【カースドフォルスギフテッド】とは、天与呪縛・【フィジカルギフテッド】と真逆の効果を発揮する天与呪縛でして、いくら鍛えようとも筋力や体力が付くことはなく、武器を持つことや近接攻撃などが不可能になる代わりに、莫大な呪力を会得し、制御することができる呪縛を示すモノです。この世にこれまで生まれたことがあるのか、また、どれくらいの確率で生まれ落ちるのか……これらの情報を調べるには御三家レベルの方に聞くか、呪術の専門校である呪術高専に潜り込まなくては調べることができないのでわかりませんが、かつて、呪術高専に通われており、現在も在住している京助殿を通じて天与呪縛の名前や効果は聞いているので間違いはありません。』
【カースドフォルスギフテッド】と呼ばれる天与呪縛は、どうやら【フィジカルギフテッド】とは真逆の天与呪縛だったようだ。
筋力はつかない……近接攻撃をすることはできないと言われて、妙に手に力が入らない理由がよくわかった。
呪力を持ちすぎた結果、筋力がつく普通の人なら当たり前の体質が失われていたからだったようだ。
『この天与呪縛は、本当に必要最低限の力しか会得できません。まあ、日常生活を送れないよりかはマシですが、これから先、身長や体型は歴とした女性として成長してくれるでしょうが、筋力はさほど伸びないと思います。だから、重たいものはまず持てないでしょう。学校に持って行く教科書やノートの束はギリギリもてても、それを超えたら運べなくなる……運べたとしてもすぐに疲れて地面に下ろすの繰り返しになる可能性が高いです。つまり、御自身の筋力は当てにならない……おそらくですが、呪術師の中でもそれなりにハンデを負った状態になると思われます。その上、疲れやすい体質になっているので、繰り返し任務へと赴くことは難しいかと思われます。』
「おっふ……」
「呪力が莫大である代わりに筋力と体力を捨てた体質ねぇ……。確かに、それじゃあ任務?って奴に出向いて歩くだけでかなり疲れちまいそうだ。耐えられるのかい?ほら、体力を使わないといけないことは沢山あるだろう?それに、姦淫やソドミーなんかをする時もすぐにへばる可能性があるんじゃないか?」
「アンタはすぐにそれに結びつけるんじゃない!!」
ベリアルの下品な指摘に対してツッコミを入れながらも、【カースドフォルスギフテッド】と呼ばれる天与呪縛の効能に少しだけ表情を歪める。
身体能力とスタミナ、そして筋力を捨てる代わりに、強大な呪力を保有することができる……聞くだけだと呪力に特化してるのだから呪術を使い放題じゃないかと言いたくなるような力だけど、呪術廻戦の漫画を読んだことがあると、手放しで喜べるものじゃない。
なんせ、呪術廻戦に出てくる呪霊は、高確率で物理攻撃を仕掛けてくる存在ばかりだ。
そんな世界で、身体能力やスタミナ、筋力を捨てると言うのは、かなりのハンデを負っているような状態なんじゃないだろうか?
つまり、現場に出たら呪霊にとっての恰好の餌……莫大な呪力を宿している御馳走に過ぎない。
「もしかして……その結果のベリアルとの契約か……?」
「うん?」
そこまで考えて、私がベリアルと契約を結ぶことになってしまった要因を口にする。
これなら彼との契約も頷ける。まあ、だからと言って契約を結ぶ対象が彼になった理由はわからないけど。
『そうなりますね。ベリアル殿と契約を結んだタイミングはつい最近のことです。僕が創られた少し後で、彼を見た星歌様のお母様が、明彦殿と見間違えました。本来の記憶では、明彦殿が死んでることもわかっていたのですが、ちょうどベリアル殿と星歌様が契約をした日が、織部家の皆様の命日だったこともあり、精神がやられていたようで……。それを見た星歌様が、記憶に干渉し、消したり壊したり塗り替えたり上書きしたりすることができる僕に呪力を注いでその記憶を変えようとしたんです。ですが、ハジメテの使い方だったため、その力が暴発……結果、今のような状態になられました。』
丁寧に説明してくれたハクヤに、そうなんだと相槌を打つ。
力の暴発による記憶の喪失、そして上書き……結果的に母さんの辛い記憶が改変されたようだ。
まあ、でも、織部家の大人組は命を落としてしまったため、そこまで辛さは軽減されてないかもだけど。
あれ?じゃあ、なんで兄さんはその影響を受けてないんだ……?
『京助殿が影響を受けていないことに疑問を覚えておりますね。簡単な話ですよ。先程も言ったように、星歌様の力は未完成でした。そのため、呪力を持ち合わせている京助殿には影響がなかったんですよ。使いこなせるようになれば、呪力を持ち合わせている方にも通用すると思いますが……』
どうやら、呪術師か非術師かで、未完成の術式の影響範囲が違ったようだ。
だから、兄さんはハクヤの影響がなかったのか……。
「天与呪縛の話はわかった。ベリアルと契約を結ぶことになった理由もね。ベリアルが選ばれた理由は……まあ、どうでもいいか。」
「オレの扱い雑じゃないか?」
「キノセイダヨー……」
「カタコトなんだが?」
もう少し関心を持ってくれてもいいじゃないかと軽く拗ね気味のベリアル。
気にならないわけではないのだけど、それより先に自分が扱える能力に関してのことを把握していたいから、少しだけ我慢してくれ。
星歌
天与呪縛により身体能力やスタミナ、筋力を全て捨てることになった代わりに、莫大な呪力を保有し、制御することができるようになった転生者。
後方支援向きの呪縛ではあるが、身体能力を捨てている以上、現場に出たら呪霊たちの恰好の餌になってしまうことを危惧した過去の彼女がベリアルと契約を結ぶことにより、そのリスクを軽減させていたことを知る。
ベリアル
天与呪縛による身体的ハンデを補うために過去の星歌が契約を結んだことを知る。
反射的に彼女の攻撃を痛いと言ったが、実際はそこまで痛くなかったのはこう言うことかと納得した。
天与呪縛のせいでスタミナも捨てることになっている話を聞いて、オレ体力かなりあるけど大丈夫かこの子?と下世話な思考をしていたのは言うまでもない。
ハクヤ
星歌に能力を説明する様はまるでゲームのチュートリアルを進行するマスコット。
しかし、星歌のことを一番知っているのはハクヤであるため、この立場は既に確立されていた。