突然ですが、お空の変態堕天司と一緒に呪いが蔓延る世界で目を覚ましました。 作:時長凜祢@二次創作主力垢
「じゃあ、次は術式に関して教えてもらえるかな?」
『かしこまりました。とは言え、
天与呪縛の話や、ベリアルと契約を結ぶことになった理由は知ることができたので、次に術式の説明をしてもらう。
とは言え、天与呪縛と違って、意外と単純な話のようだから、そこまで説明に時間はかかないようだけど。
『
「「【なに/ナニ】やってんだよ【過去の私/過去のセイカ】。」」
『全くもってその通り。星歌様の力により生み出された僕ですら呆れてしまいました。しかも御自身も力の影響を受けるんですから、本当、何やってるんですかね……。』
狐が呆れ顔をするとはよほどである。いや、まあ、私自身が引き起こしたことだし、ある意味で自業自得なんだけどさ。
話を聞いたら、やらかした本人ですら呆れてしまった。本来なら不可能なことをやれる呪霊を作るとかバカだろ。バカだったわ。
『まあ、ですが、過去の星歌様がそのような力を持った僕を作った理由が、仲のいい先輩だった織部美由紀様が命を落としたその日、実は織部家と篠花家は一緒にお出かけしており、自宅に帰ろうとしたところ、目の前で織部家の皆様が事故に遭って亡き者となってしまったことから、そのトラウマが命日のたびに蘇ってしまい、今にも消えてしまいそうな茜瑠様を、少しでも救いたかったと言う理由ですから、呆れはすれど、責めることも問題だと言うつもりもありません。まあ、もう少し御自身を大切にしてくれとは思いますけどね。』
「親のために随分と体張ってるねぇ、セイカ?」
「体張り過ぎでは……?」
「オレだってよく体を張ってるし、問題はないんじゃないか?」
「アンタは規格外過ぎるだろ。何だよ創造主のために世界滅ぼすための準備しようって。」
「それだけファーさんを慕っているだけの話さ。」
なんにせよ、私がハクヤのような呪霊を作るきっかけになった話はわかった。
少しでも母さんのトラウマを軽くするため……上書きするためだったようだ。
まあ……結果暴走しておかしなことになっちゃったみたいだけど、親を思っての行動だったのなら、あまり咎めることはできないかもしれない。
『ベリアル殿の出自はよくわかりませんが、彼も相当なやらかし屋さんだったご様子で。』
「生みの親のために一つの世界を滅ぼそうとした獣。」
『……とりあえず、危険人物であることだけはわかりました。』
ハクヤがマジかよコイツみたいな表情をしながらベリアルを見る。その視線を受ける当本人は、特に気にしていないようだけど。
『さて、星歌様の呆れエピソードはここまでにして……
ドン引きの視線を浴びても気にせずいつもの表情を見せるベリアルにをじっと見つめていると、ハクヤが術式に関して気をつけなくてはならないことに関しての説明をすると言ってくる。
すぐに頷いて話を聞く姿勢を見せれば、ハクヤは静かに口を開いた。
『
まず、生み出せる呪霊の数は特級1、一級4、二級5のうち、5体までがストック可能です。それ以上の呪霊はストックできず、枠を開けることにより別の呪霊をストックできます。
次に、呪霊は一度破壊されたら、二度と同じ特性や能力を持つ呪霊は創れなくなる上、星歌様は破壊された呪霊に与えた呪力分を一気に失います。まあ、失われた呪力に関しては、天与呪縛の影響もあり、休息を取れば取り戻せますが、最低でも1日以上は取り戻すことができません。
そして、失った呪力に連動して、疲労も一気に降りかかりますので、くれぐれも生み出した呪霊を破壊されることなきよう。戦場での疲労は、間違いなく命を落とす引き金となります。』
真剣な声音で伝えられた言葉に思わずゾッとする。創った呪霊を破壊されたら、その呪霊に込めた分の呪力の一時的消失が発生する上、疲労が降りかかるのか……。
じゃあ、特級や一級が破壊されたらしばらく動けないじゃないか。体力も少ないって話らしいし。
『現在星歌様は特級の枠を僕に与えているので、残り枠は四体です。まあ、僕は正直、記憶を破壊したり上書きしたり、抜き取ったりする能力を持っているだけに過ぎないので、戦力になるかはわかりませんが。』
「使い方によったら結構な力になると思うのはオレだけかい?」
「私も思ったからベリアルだけじゃない。」
「だよな。」
小休止のように織り交ぜた雑談で、先程感じた寒気を払拭する。
記憶ってかなり戦闘に関わることがあるから、使い方によっては本当に厄介だぞ。
例えば、戦闘するための知識を破壊する。例えば、何のために戦おうとしたのかを変えることにより味方につけたり同士討ちをさせたりする。
例えば、一部の記憶を破壊して、星歌という人間のために戦おうとしていたんだと言う偽りの記憶を植え付けることで味方につける……など、結構凶悪な力になり得るのではないだろうか?
まあ、余程のことがない限りそんなことはしないけど。
『さて、
創り出せる呪霊の条件ですが、それはマイナスな感情を抱くモノを司ることに限定されます。例えば雷。例えば砂嵐。例えば自然災害。例えば戦争……そう言ったマイナスの印象が強いモノのみ、概念として組み込んで呪霊を創造することが可能になります。しかし、組み込む概念が強ければ強いほど呪力の消費量が上がる上、破壊された時のペナルティーが重たくなるので、あまりおすすめできません。
まあ、記憶に刻まれたあらゆる感情の概念から生まれた僕が言えたことではありませんが……』
「ハクヤがいなくなったら私死ぬのでは……?」
『死ぬことはないと思いますが、動けなくなる期間が長くなる上、これまで僕の力で取り除いたモノが不意に戻り発狂する人物が続出するかもしれませんけどね……』
「ふぅん?つまり、セイカの努力が全部水の泡になるってわけだ。
「おいコラ悪趣味堕天司。面白そうだみたいな反応をするんじゃない。」
うん、ハクヤは絶対壊されないようにしなくてはならない。そうなったら最後、何が起こるかなんて安易に想像がつく。
それを聞いて、ハクヤを壊せば私の努力が意味をなさなくなり、最悪な展開を迎えるだろうと笑ってるベリアルの姿には、ちっとも面白くないと吐き捨てる。
自分たちの計画をパーにされた憂さ晴らしを私でしようとするな。
「そんなこと考えてるわけないだろう?」
「それを信じろと言うのは無理な話だと思うけど?」
ジト目で睨みつけながら告げれば、小さな笑い声が鼓膜を揺らす。
私の反応まで楽しんでやがるなコイツ……。マジで最推しヴィラン過ぎる。このクズっぷりも含めてキャラとして好いてる私も大概だけど。
でも、実際にされそうになったらどうやって対応したらいいんだ……。呪力を利用した防御方法を編み出すべきか?
「……とりあえず、今は続きを聞かせてもらうよ。私の術式のリスクは、他にもあるのかな?」
『いいえ、大体のリスクは話し終わりました。次に、呪霊を失った際、例外的に同じ力、能力を持った呪霊を創り出せる条件があるので、それに関しての説明をします。』
そんなことを考えていると、ハクヤが呪霊を失った際、例外的に同系列の呪霊を再創造できる条件を説明すると言ってきた。
すぐに頭を切り替えてハクヤに目を向ければ、彼は再び口を開く。
『呪霊を失った際、同系列の呪霊を創り出せる条件ですが、それは、星歌様御自身がその呪霊を他人に譲渡した時と、御自身の意思で呪霊を消去した場合の二例のみです。その条件を満たした場合、同系列の呪霊の再創造ができます。まあ、だからと言って無限に創れるわけではありませんけどね。再創造は、最大三回まで可能です。譲渡した直後や、消去した直後はその呪霊を構築していた分の呪霊を失う上、24時間は再創造ができないペナルティーがありますので、これだけは覚えておいてください。』
「なるほど。」
長い説明の末に理解できたことを知らせるための相槌を打つ。なかなかに複雑な術式のようだ。
でも、人に譲渡できる……か……。場合によっては、傑に呪霊を一体譲ることもできるんだな……。
『何か質問はありますか?』
「ん〜……そうだなぁ……あ。もし、反転術式が使えたら、反転術式を持った呪霊も創ることができたりする?」
「……ハンテンジュツシキ……ってなんだ?」
「回復魔術みたいなもの。」
「なるほど。そんな術式もあるのか。」
質問があればしていいと言ってきたハクヤに、ふと思ったことを問いかける。
もし創ることができるのであれば、傑の手助けになるかもしれないから。
『ええ。一応それは可能です。ですが、今はまだ、セイカ様は反転術式は使えないので、現段階で創造することはできません。』
どうやら、反転術式を習得することができれば、反転術式が使える呪霊を創ることができるようだ。
となれば、なるべく高度な反転術式を身につけるための努力をした方がいいかもしれない。
いずれ家入硝子が超高度の反転術式を得ることになるけど、傑は確か、反転術式を持ってなかった気がするから、任務先で怪我をした際の応急処置用に譲渡するにはちょうどいいはず。
まあ、ただの呪霊討伐で彼が怪我をするとは到底思えないのだけど。
「ありがとう、ハクヤ。私が知りたいことが全部わかった。」
『これは僕の仕事の一つですのでお礼など……ですが、せっかくのお言葉を無碍にするのも良くないですね。どういたしまして。』
彼って、呪霊相手に怪我することあるのかな……と少しだけ疑問に思いながらも、ハクヤに教えてくれたことに対する感謝を伝えれば、彼は穏やかな笑みを浮かべながら、どういたしましてと告げてきた。
「話は終わったみたいだし、そろそろ本来の目的を果たすとしようか。」
「そうだね。まあ、私の知りたいことはほとんどわかったようなもんなんだけど。」
「キミはよくてもオレがよくないよ。なんせ、オレにとってこの世界は未知の世界なんだから。」
「……それもそうか。まあ、今帰ってもややこしいだけだし、付き合うよ。」
「じゃあ、デートの続きとイこうか。」
「“行く”が“イク”になってそうなのは気のせいかな?」
そんなハクヤに笑みを返し、話を終えた私は、次に、この世界を見て回りたいと言うベリアルに付き合うことにする。
呪術廻戦のキャラクターに会えないかなー……と言う、ちょっとしたら下心を抱きながら。
星歌
天与呪縛と特殊な術式の二種類を宿して生まれ、使い方や効果を知った転生者。
不安はもちろんかなりあるが、とりあえずはこの世界に適応するための努力をしながら、自身の能力を上手く使って頑張ろうと決意する。
術式
備考
人がマイナスの感情を抱くモノを概念として結びつけ、呪霊を創造し、使役する能力。
呪霊の数や、生み出した呪霊が破壊された際のペナルティーなど、幾らか厄介な決まりや制約が存在しているが使い方によっては、攻撃から回復まで振れ幅が広い。
生み出した呪霊は譲渡が可能。
天与呪縛 【カースドフォルスギフテッド】
備考
身体能力やスタミナ、筋力などを捨て、伸ばせなくなる代わりに莫大な呪力を宿すことが可能になり、制御できる呪力特化の天与呪縛。
これを得ているため、星歌はスタミナが切れやすく、疲労しやすい体質となっている。
ベリアル
天与呪縛により発生した肉体面のステータスを捨てていることを知っていた過去の星歌が、それらの要素を補うために契約を結んでいた狡知の堕天司。
彼が契約対象として選ばれた理由は未だ不明だが、これによりバランスを取ることができた。
ステータスは、間違いなく呪術廻戦の世界ではトップクラス。
ハクヤ
こちらでもチュートリアルマスコットを務めた星歌の呪霊。
記憶の干渉、破壊、上書き、改変など、記憶にまつわる概念に対してかなりの力を持っており、使い方によってはかなりの脅威となる。
当呪霊には、物理的な攻撃のステータスはあまり備わっていない。