自分で自分を止めれなくなったブチ切れ転生ルナガロンと過去の罪滅ぼしとしてルナガロンを止めたいおっさんハンターと何も知らないカムラの里のハンターのお話。

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 気晴らしで書いた自己満です。せっかく書いたんだし載せようか感覚です。人によっては後味が悪かったり、不快になるかもしれないので、あ、やばいと思ったらブラウザバックをお願いします。
 後はこれは無理があるだろ……と思っても気にしないでください。

 それでもいいぜ!という人はどうぞ。


転生ルナガロンとおっさんハンター+α

 死んだ。それから神様に会って異世界ものあるある展開を通って転生した。転生は一回だけと言われたがもう一度生きれるならいいやと了承した。

 しかし転生先が人間ではなくモンスターハンターに出てくる氷狼竜ルナガロンだった。世界もモンスターハンターだった。

 当時は混乱したっけな。俺はてっきり人間として再スタートすると思っていたからだ。けどカッコイイ両親の姿を見てこれはこれでアリだと前向きに捉えた。

 優しい両親や可愛い弟と触れ合っていくうちに俺の中ではずっとこのまま養って貰えないかなと思う時があった。けれどある日、父親が帰って来なくなり、その考えは甘かったということがわかった。

 母親は俺たちが寝ている時に悲しげな声を出していたが、俺たちが起きている時は決して悲しい声も雰囲気も出さなかった。

 狩りも俺たちの世話も全て自分一人で行い、常に凛々しく、俺たちが憧れる母親の姿を見せてくれた。

 そんな母親を見ているうちにこの世界で生きていく覚悟が決まっていくのを感じた。俺も成体になったらあんな風になって家族を作って生きていくんだと。

 ………結局その覚悟に意味はなかったが。

 

 

 ある日、ハンターが俺たちの巣に来て母親を殺した。ハンター側では母親の狩猟依頼が出されていてそれで討伐しに来たのかもしれない。人間の都合で母親を殺されたことに思うことがないと言えば嘘になるが、それがこの世界の流れだというのなら我慢しよう。だけどハンターの狩りかたには我慢出来なかった。

 そのハンターは母親を徐々に傷つけてなぶり殺したのだ。俺たちがいるせいで逃げるに逃げれない母親を。それがハンターの狩りかたなのか?笑いながら、ゲームをしているような感じでモンスターを殺すのが?

 母親があまりにも強くてそうするしかなかった?そんなはずが無い!確かに母親は強かったがあのハンターの動きなら母親を殺すことは容易かったはずだ!それに母親が死んだ後、弟まであんな殺しかたをする必要は無かったはずだ!

 今でも弟がバラバラにされて殺される姿は鮮明に思い出せる。あいつは最期の瞬間まで死んだ母親に助けを求めていた。それをあのハンターは笑って見つめていた!!

 あいつが死んだ後、俺はあのハンターに捕まった。てっきり殺されるのかと思ったが檻に入れようとしたことから何処かに売るつもりだったのだろう。だから抵抗した。

 片目を斬られて見えなくなっても、前脚を一本斬り飛ばされても、俺は止まらなかった。

 どうせこの命は貰ったものだ。俺は本来なら死んでいる者。今更生き足掻こうなどと思うつもりはない。そんな思いでハンターに襲い掛かり、一矢報いることに成功した。

 地面に叩きつけられ、薄れていく意識で見たのは呆然としながら血を流す片目を抑えているハンターの姿だった。

 

 

 結局、俺は生き残った。意識が回復した時には周りには誰も居らず、斬り飛ばされた前脚の出血も寒冷地帯ということもあって凍結し、止血されていた。

 ハンターはどこに行ったのか?何故俺は殺されなかったのか?疑問は尽きなかったが、それも死んだ家族の姿を見て一気に吹き飛んだ。

 さまざまな感情が湧き上がり、一番強かったのは怒り。手当たり次第に暴れまくり、このまま後追いで死んでやろうかと考えたが、やめた。生き残ったのだから俺は家族の分まで生きなければならない。

 まだまだ親の保護を受けながら生きていくはずの身なので外で生きていけるかは不安だがやるしかない。家族は全て食べた。死骸が残っていると戻ってきてしまいそうだからだ。

 

 その日から殺し殺されの生活が始まった。本来なら親の保護を受けているはずの幼子。肉は柔らかく、力もない。更に前脚が一本なくて片目も見えない。周りの肉食竜からすると俺は格好の獲物だったのだろう。

 毎日を必死に生きた。幸いにも俺は転生者。危機管理は出来るし、何よりこの身体はどんな動きが出来るのか知っている。大型からは隠れ、隙をついては大型の巣に置かれている肉や親の帰りを待つ雛を貪る。漁夫の利をする事で獲物を奪い取ることも覚えた。

 死にかけて諦めそうになっても無残に死んだ家族の姿を思い出せば頑張れた。そんな俺に俺の身体は応えてくれた。

 成長するごとに扱う冷気は従来の個体より遥かに強力になり、貧弱な肉体は強靭に進化した。

 やがて成体になり、最低限の肉体は確保出来た。ならば今度はどんなハンターやモンスターが襲い掛かってきても勝てるように強くならなければならない。

 目に入った生物全てに襲い掛かった。沢山戦って、戦って、戦って、殺して、殺して、殺した。生物がいなくなれば違う地域へ、そしてまた戦う。

 あの頃からずっと燻っていた怒りが爆発したのを感じた。いつまで経っても消えない家族の死に様を怒りの炎に焚べて、敵を殺す。

 そんな俺を危険視したのかハンターが討伐しに来たこともあったが全て返り討ちにした。

 あまりにもハンターが多くなったことで流石に対処しきれなくなった時は泣く泣く未踏の地に逃げた。だけどそこでもやる事は変わらない。目についたもの全てに襲い掛かる。相手が古龍だろうが関係なかった。

 もちろん、返り討ちにされることもあった。だが諦めない。四六時中張り付いて隙を探し、消耗させ、殺す。スタミナには自信があるから出来る戦法だ。

 そうやって殺し続けていたある日。ふと冷静になった。そして俺が何故こんな殺戮を繰り返しているのだろうと考えてしまった。

 力が欲しかったはずだ。だが今では古龍相手にだって善戦出来るし、やりようによっては勝つことも出来る。もう充分じゃないか?

 並の相手では相手にならないし、このまま何処か静かなところで生きていけばいいんじゃないか?

 そう考えても止まらない。止まれない。生物を見つけると怒りのままに襲い掛かってしまう。無意識のうちに生物のいる所へと移動してしまう。

 これではただの殺戮者だ。俺は強くなりたかっただけでこんな殺戮をしたかった訳じゃない。

 家族を守ろうとした火竜を家族ごと殺した。負けを悟り、逃げ出した盾蟹を追いかけて殺した。戦うつもりがない剛纏獣に無理やり戦闘を仕掛けて殺した。同族にも会ったが何も感じずに殺した。

 違う、殺したくない。なのに生物を見ると頭の中が怒りに染まり、冷静になった時には生物が死んでいる。

 誰か、誰でもいい。俺を…………止めてくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「迅竜の討伐……素早い動きやしなやかな尻尾には気をつけないとね。」

 

 狩猟地域に移動中、軽く迅竜の動きを思い出し、シミュレーションを行う。カムラの里からずっと行ってきた狩りの前のルーティーンだ。これを行う事で私の狩りの成功率はかなり上昇する。

 しかし今回はそうと言えないかもしれない。何故なら、今回の狩猟地域にギルドも予想していなかったモンスターが乱入してくる可能性があるからだ。

 

「特殊個体のルナガロンねぇ……。」

 

 

 

 

 始まりはフィオレーネさんからの呼び出しだった。いつものようにチッチェ姫からクエストを受けて、準備が完了した時だった。

 みんなが集まっている騎士団指揮所に行くと、そこは物々しい雰囲気だった。誰も彼もが口を閉ざし、事の重大さがこの時点で伝わってくる。

 

「えっと、呼び出されたので来ました……。」

 

「よく来てくれた。猛き炎よ。」

 

 フィオレーネさんが倒れた時以来の雰囲気に少しビクビクしてしまったがガレアス提督が反応してくれたことにホッと息を吐く。これで無視されたら絶対気まずくなるよ。

 

「さて、人数が揃ったので開始する。今回召集をかけたのは密林に現れた特殊個体のことだ。」

 

 フィオレーネさんの言葉に騎士たちが騒めく。それも仕方ない。特殊個体は何らかの原因で特殊な変化を遂げた極めて強大なモンスターの総称だからだ。

 なら今回の召集は特殊個体の討伐になるだろう。

 

「では、ガレアス提督。お願いします。」

 

「うむ、今回現れた個体は一時期ハンターたちに大きな被害をもたらした後に姿を消した個体。怒り溺れるルナガロンだ。」

 

 怒り……溺れる?なんというか、微妙にドジな気配を感じる特殊個体ね。騎士たちもその名前に困惑している。

 

「その……なんでそんな名前なんですか?」

 

 ある騎士が疑問の声を出した。確かに脅威になるモンスターならそんな名前になんてしないだろう。例えば怒り狂うとかそんな感じの方が良くない?

 ジロリとガレアス提督が発言をした騎士を見る。その姿に今この場ではする質問では無かったと緩くなった雰囲気が再び引き締められる。

 

「……そのモンスターの存在は、ギルドの罪だからだ。」

 

 ボソリと呟かれたその言葉は私と近くにいたフィオレーネさんにしか聞こえなかったのだろう。目を見開いてガレアス提督を見つめるフィオレーネさんだが、ガレアス提督の出す気配で追求するのはやめたみたいだ。

 ギルドの罪?それは一体どういうことなんだろう?そんな疑問が浮かんできたが、ガレアス提督の咳の音に意識を戻される。

 

「今回現れた個体は極めて危険な存在だ。更に間が悪いことに密林で商隊が迅竜ナルガクルガに襲われて立ち往生している。」

 

 そんなところに特殊個体のルナガロンが合流すれば商隊の明日は無くなるだろう。現状の悪さに数名の騎士が思わず顔を顰めてしまう。

 

「そこでだ。貴殿には速やかに密林に向かい、迅竜ナルガクルガの討伐をして貰いたい。」

 

「ナルガクルガを……ですか?ルナガロンではなくて?」

 

「奴は確実に仕留めたい。先に商隊を救助し、完全に包囲を完成させてから貴殿に討伐を依頼する。」

 

 ガレアス提督がそこまで危険視するモンスターなのか。思わず身震いをしてしまうが仕方のないことだろう。

 

「ルナガロンが乱入する可能性を考え、貴殿には最低でも一人は盟友を連れて行って欲しい。以上、解散!」

 

 

 

 

「盟友といってもなぁ……。」

 

 ヒノエさんやミノトさんはカムラの里にいるから緊急性のあるこのクエストには間に合わないし。知らぬ間にいるウツシ教官は今日に限っていないし。アルロー教官は最近訪れた友人の相手をしているので除外。フィオレーネさんやジェイくん、ルーチカさんには声を掛けづらい。コミュ障だって?うっせぇわい!

 

「ど、どうしよう?誰も居ない……。」

 

 こうなれば私の必殺技、スーパー翔蟲ダッシュ転がり懇願アタックをフィオレーネさんにするしか「おーい!猛き炎よ!」こ、この声は!

 勢いよく振り返ると私に向かって手を振っているアルロー教官がいた。その横には鎧に包まれた大柄な人がおり、恐らくアルロー教官の友人だろう。

 

「アルローしゃぁぁぁぁあん!!!」

 

「うおっ!どうしたそんな顔をして。」

 

「あ、あの、あの!わ、私と一緒にクエストに、い、いきましぇんか!?」

 

 吃って噛んでしまった。クエスト中だとこんなことにならないのにぃ!!

 顔を真っ赤にして俯く私を見てアルロー教官は友人と顔を合わせた後にまた私を見る。

 や、やめて!せめてなんか言って!!そんな微笑ましい目で私を見ないで!

 

「あー、それで?何に行くんだ?」

 

「ナ、ナルガクルガです。それで、ルナガロンの特殊個体が出たらしくて、危ないから誰か連れて行くように……ってどうされました……か?」

 

 ルナガロンの特殊個体と話したあたりから二人の雰囲気が変わった。

 

「そのルナガロン、なんと呼ばれていた?」

 

「はひぃ!?え、えっと、怒り溺れる……です。」

 

 ずいっと前に出てきたアルロー教官の友人に思わず変な声が出るが、キチンと答えることが出来た。

 

「アルロー。」

 

「いいのか?リグレット?」

 

「あぁ、やっときたチャンスだ。逃すつもりはない。……嬢ちゃん。そのクエストへと同行は俺が担おう。よろしく頼む。」

 

「へ?あ、よろしくお願いします。」

 

 思わず差し出された手を握ってしまったが私この人のこと知らない!?あ、待って!行かないでアルローさん!アルローさぁぁぁん!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てな感じで一緒に来ちゃったよ。」

 

 あの後、なんとか断ろうとしたが無理だった。今まで使ってきた実力が必要という最強の断り理由は私よりランクが高いギルドカードで粉砕された。

 しかもアルロー教官からも連れて行ってやってくれと言われればもう何も言えない。一緒に行くことになった。

 ナルガクルガ討伐のシミュレーションを行いながらチラチラと彼の方を見てみるが、彼はじっとしていて頭装備に隠された顔は何を考えているのか全く分からない。

 

(は、話のネタがない!気まずいぞぉ!)

 

 知っている人なら気にならないが全く知らない人だと気まずくなる現象って何なんだろうね?

 こうなれば私から話を振るしかない!よし、話すぞ〜、話すぞ〜。

 

「きょ、今日はいい天気ですね!」

 

「もうすぐ雨が降りそうだがな。」

 

 ………会話終了!!全然続きません!!えっ?これどうするの?私にこれ以上の会話ストックなんてないよ?

 前にミノトさんに相談したら狩りの流れを相談すればいいと言われたけど私は全部感覚でやっているから相談なんて出来ないよ!

 いや、待て、待つんだ私。一つだけあった、それもとっておきのやつ。

 

「そ、そういえば今回のルナガロンってなんでギルドの罪なんて言われているんですかね?もしかして理由を知っていたりしませんか……なんて、はは……。」

 

 私の言葉に今まで微動だにしなかった彼の顔が私を見た。いきなり顔がこちらに向いたので声が漏れそうになったが気合いで耐えた。

 

「…………長くなるが、聞きたいか?」

 

「是非!」

 

 この気まずい空気が無くなるならと、私は勢いよく頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あー、そうだな、馬鹿なハンターの話をしよう。ルナガロンじゃないのかだって?まぁ、聞いてろ。

 そのハンターは、俗にいう天才ってやつだ。どんな武器だって大体の使い方は触ってみると分かったし、モンスターを見ればどんな攻撃が得意か理解できた。

 それは狩りの大きな助けになった。当たり前だろう?どの武器種も得意でモンスターの動きもわかる。なら討伐対象のモンスターに有利な武器を使えばいいんだからな。そんな作業染みた狩猟の毎日にそのハンターは次第に物足りなさを感じてしまった。

 そんなある日だ。ハンターはあることに気付いてしまった。弱ったモンスターが必死にもがく姿を見て、楽しいと思ってしまったんだ。

 そこからハンターは変わっちまった。今までの狩りとは一転して相手を徐々に弱らせて殺すやり方に変わっちまった。

 草食竜を動けなくして、わざと見晴らしのいい場所に放置して襲い掛かる肉食竜の餌食になるまいと必死に抵抗する姿を見て楽しんだり、大型飛竜の雛を殺してから巣に小型肉食竜の死骸を置いて、怒り狂った親が小型肉食竜の巣に襲い掛かるのを楽しんだり、なんなら動けなくなった親の目の前でじわじわと雛を殺したりもした。

 ………あぁ、そうだな。普通ならギルドは対処、状況次第では処分しなければならない。だがそのハンターの親がギルドの重鎮でな。他に話が行く前に全て握り潰しちまった。そのハンターに実力があるのもいけなかった。そのせいで処分するに出来なかったからな。

 さて、そういう事情があってそのハンターは自分の気分が赴くままにモンスターを殺していたわけだが、ある日、ハンターに直接依頼が来た。

 内容は密猟。とあるコレクターがルナガロンの子供を欲しがっているとのことさ。ハンターは依頼を受諾。

 そこからはいつもと同じ流れだ。親をいたぶるように殺してから子供も依頼者は一匹しかいらないと言っていたから残りは殺した。残虐にな。

 後は残った一匹を捕獲して終わり……だったんだが、その子供が大暴れしたのさ。依頼者からは生きてれば良いと言われていたから抵抗を止めさせようと片目を斬っても、前脚を一本斬り飛ばしても、その子供は止まらなかった。まるで何かに突き動かされるように暴れて、遂にはハンターに傷をつけちまった。

 油断もあったんだろうさ。こんな子供に自分を害せるはずがないってな。傷つけられたハンターは怒りのままにその子供を殺……せなかったんだ。

 攻撃をもらった時にハンターはその子供の感情を感じちまった。怒り、嘆き、悔しさ。そこで馬鹿なハンターはやっとモンスターたちも自分たち人間と同じで感情がある生物だと気づくことが出来たんだ。

 結果、ハンターは逃げた。何から逃げたなんてわからねぇ。ただ遠くへ離れたかったんだ。

 気持ちが落ち着いた後でせめてもの罪滅ぼしとしてルナガロンの巣に赴いた彼が見たものは、骨だけになったルナガロンの親子だけだったのさ。

 自分の今までの行いを理解してしまったハンターはそれはもう酷いもんだった。家に引きこもっては自分で自分を傷つけて、いっそのこと自殺しようかと考えたが自分がモンスターに与えてきた苦しみはその程度じゃないと思い直して、再び自傷を繰り返す日々さ。

 ハンター業も実質引退したようなもんだ。緊急依頼などは受けていたがそれ以外は全てキャンセル。ハンターの変わりように周囲は困惑するしかなかった。

 そんな日々を繰り返していたハンターにある転機が訪れた。ルナガロンの討伐依頼さ。当時のハンターは断ろうとしたが、特徴を聞いてすぐに考えを改めた。

 一緒だったのさ。片目が失明していて前脚が一本無いルナガロンなんてあの日の子供以外いるはずがなかった。

 彼は断罪してもらうためにルナガロンの討伐に向かった。死ぬつもりだったんだよ。当時のハンターの頭には自身が生み出してしまった罪に殺されることしか考えていなかった。

 そんな考えは対面して変わった。そのルナガロンは、感情に振り回されるがまま暴れていた。あの日から生きるために必死に戦って、戦い続けて、止まれなくなったんだ。何故ならそのルナガロンはそれしか生きる方法を知らないから。

 ハンターは自分の考えが甘かったことを悟った。あのルナガロンは自分が生み出してしまったものだ。奴が暴れているのは自分のせいだ。それを放っておいて何故自分は先に死のうなんて思ったのか。

 ルナガロンを止めなければいけない。そんな思いでハンターは討伐に挑んだ。ブランクが長すぎて死ぬギリギリで逃げることしか出来なかったがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その日からハンターの目的は変わって、罪滅ぼしをするために必死ってわけよ。」

 

「あの……、結局ルナガロンはなんでギルドの罪なんですか?」

 

「ギルドがしっかりとそのハンターを取り締まっていれば誕生しなかった個体だからな。ギルドの一部の上層部は戒めとしてそのルナガロンのことをギルドの罪って呼んでるのさ。」

 

 長年、未踏の地に逃げていたから今の若い者は知らない奴の方が多いがな。と彼は締めくくった。

 

(聞くんじゃなかった!空気が余計重くなっちゃったよ!助けてガルク!アイルー!)

 

 相棒に救いを求めて振り返れば、耳を倒して顔は別の方向を向いている。知らんぷりである。もう片方の相棒であるアイルーはチラチラとこちらを見ていてその目は自分で蒔いた種なんだから自分でどうにかしろと物語っている。

 

(無理に決まってるでしょぉぉぉん!!!私にそんなスキルがあれば今頃盟友ウッハウハよ!!)

 

 装飾品にコミュニケーション上達のスキルはありませんか?あ、ない?そうですか……。

 こうなりゃやけよ!女は度胸!今まで討伐してきたモンスターに比べれば会話ぐらいなんとかなるわ!

 

「あ、あの「すまんな、歳を取るとどうにも話が長くなっちまう。疲れが残ると大変だから今日はもう休め。」あ、はい。」

 

 言い出す前に彼に話を被せられて返事をしてしまう。寝ずの番は彼が最初にしてくれるみたいなので大人しくキャンプに入って横になる。あ、ガルク。やめてそんな目で見ないで辛くなる。

 

 

 

 

 

 

 

 そんな感じで次の日、目的地の密林に着いたが、いつもとは様子が違った。

 

「何……これ……?生物の気配がしない?」

 

「………遅かったか。」

 

 静かだった。いつもなら聞こえてくる生物の声が何一つ無く、ただただ静かな密林がそこにはあった。

 狩猟に必要な道具のみを準備し、索敵のフクズクを飛ばそうとしたがリグレットさんに止められた。

 仕方がないので歩いて索敵を行うが、目を疑うような景色が広がっていた。

 モンスターがみんな死んでいるのだ。首を切り裂かれて死んでいるルドロス。踏み潰されて中身をぶちまけて死んでいるヤオザミ。群れを守るために必死で戦ったであろう傷だらけのロアルドロス。切り離された自身の牙を突き刺されて死んでいるブルファンゴ。頭がないランポス。

 環境生物だって例外ではない。いつもならそこら中にいるヒトダマドリは一匹も見当たらないし、毒液を垂れ流して死んでいるドクガスガエルもいた。

 

「こんなの……普通の死にかたじゃない……。」

 

「これが特殊個体のルナガロンが持っている性質の一つだ。」

 

 しかもどれもこれも食べた形跡が一つも無い。ただ殺しただけだ。ガレアス提督が必ず討伐したいと言っていた意味に今更気づいてゾッとした。これはダメだ。野放しにしているとあまりに危険だ。

 

「ギュルガァァァァァァァアアアアア!!!」

 

「!!この咆哮は!」

 

「ナルガクルガだな、行くぞ!」

 

 咆哮が聞こえてきた洞窟に向かって走る。やがて漆黒の体毛に覆われた後ろ姿が見えてくるが様子がおかしい。咄嗟に物陰に隠れて様子を見る。するとナルガクルガが徐々に二本足で立ち始める。

 

(二足歩行!?いや、違う。これは……持ち上げられている?)

 

 ナルガクルガが持ち上げられたことで別の何かがいることに気づき、目を凝らす。洞窟内は少し薄暗いが目が慣れてきたのかその姿が見えた。

 ナルガクルガを咥えて持ち上げているのはルナガロンだった。しかし姿が従来の個体と全然違う。その個体は前脚が一本無く、片目も常に閉じられていることから失明しているのだろう。さらに特徴的なのが一回り大きな全身の至る所に出来た傷。大きさの違う爪痕や、角で切り裂かれた跡、炎に焼かれた跡などから数多のモンスターと戦ってきたことがわかる。ルナガロンの爪は多くの獲物を仕留めるほど深みのある朱に染まると聞くが、あのルナガロンは爪どころか脚や上半身も朱に染まっている。一体どれほどのモンスターの返り血を浴びればあそこまで朱く染まれるのだろうか?

 そんなことを考えていたのがいけなかったのだろうか?無意識のうちに前へと進んでしまい、足元にあった石を蹴飛ばしてしまう。

 音を立てて坂を転がる石。それにルナガロンが反応しない訳が無く。咥えていたナルガクルガを端に投げ捨てると、独特な構えをしてこちらを見据える。

 

「バレちまったな。行くぞ。」

 

「も、申し訳ない。」

 

 一度引くのも手だと思うが、リグレットさんにそのつもりは無さそうだ。ズンズンとルナガロンの前に行く彼を慌てて追いかける。

 ある程度進んだリグレットさんが止まる。その位置は不自然で、ルナガロンの攻撃範囲的にもう少し進んでもいいと思う。

 もしかして彼は後衛をするつもりかと思い、私が前に進もうとすれば肩に手を置かれて止められる。

 

「止まれ、ここは既に攻撃範囲だ。」

 

「確かにルナガロンは二足歩行状態ですが、この距離は流石に遠すぎですよ?」

 

 これはガンナーの距離だ。剣士である私だと何も出来ない。そう文句を言おうと口を開きかけた時、勢いよく突き飛ばされた。

 

「きゃっ!?いきなり何──」

 

「ふん!!!」「グルォオ!!」

 

 彼の行動に疑問の声を出そうとするが、それも途中で金属が擦れる音で中断される。ルナガロンが貫手を放ってきたからだ。それに反応したリグレットさんが盾でいなした。

 訳が分からない。私は片時もルナガロンから意識を外していない。なのに気付かなかった。私だけだと既に痛手を負っていただろう。

 

「猛き炎よ。お前さんにはナルガクルガの討伐を任せる。コイツの相手は俺がする。」

 

「な、何を言っているんですか!?私も一緒に「お前、さっきの攻撃に気付けなかっただろ?」……っ!!!」

 

「別にお前が邪魔だなんて言っていない。役割分担だ。このままナルガクルガが逃げると、また被害が出る。それは避けたい。」

 

 ルナガロンの攻撃を防いだリグレットさんがルナガロンと距離を取った隙に私に別行動を指示する。ナルガクルガの方を見るといつの間にか立ち上がったナルガクルガが洞窟の外へと逃げ出していた。

 

「…………行くよ!ガルク!アイルーも!」

 

「ワン!」「了解ニャ!」

 

「先に言っておくが、操竜出来たとしてもこっちには連れてくるなよ。あのルナガロンならお前だけを狙うことも出来る。」

 

「分かってます!」

 

 悔しいがリグレットさんの言い分は理解できる。ならば私に出来ることは速やかにナルガクルガを討伐し、リグレットさんを援護することだ。

 

「リグレットさん!気焔万丈!ですよ!!」

 

 ガルクに跨ってナルガクルガを追いかける最中、リグレットさんに里のみんなが使っている言葉を放つ。それを彼は手をヒラヒラさせることで受け取ってくれた。

 

 

 

 

 

 

 

「さて、久しぶりだな。ルナガロンよ。」

 

 カムラの里のハンターが去った後、ルナガロンに呼びかける。あの日から色々あった。何度も死にたくなった。だが俺は生きている。あの日、決めた俺の目的のために。

 

「お前は俺の罪、俺がいなければそのまま普通の生活を送れたかもしれない。」

 

 あの日のことはいつでも思い出せる。まだ幼い身ではあり得ないほどの怒りを持って俺に襲い掛かってきたお前の姿が。

 

「俺はさっきまで悩んでいた。また痛手を負って未踏の地に逃げてくれればそれでも良いかと思っていた。」

 

 俺の一人語りをルナガロンは静かに聞いている。しかしいつでもさっきの貫手が襲いかかってくる可能性があることを忘れてはならない。

 

「だがお前の目を見て決心がついた。お前を殺す。逃しはしない。殺して、止めてやる。」

 

 一度目は幼体、初めてみたお前は無邪気な顔から怒りと憎悪に染まった顔だったな。

 二度目は成体、俺が討伐を決意した瞬間だった。あの時のお前は怒りに染まっていて、周囲の生態系を危惧しての決意だった。

 今回の三度目、お前の目は後悔に染まっていた。怒りもあるが、それ以上に苦しんでいるのが分かった。

 きっと止まりたいんだろう?だが止めれないんだろう?なら、それは俺の役目だ。俺がお前を止めてやる。

 

「さぁ、来い!ルナガロン、俺の罪よ!この日のために俺は俺の才能全てを使って鍛えてきた!安心しろ!死出の旅へは俺も付き合ってやる!道案内は任せな!」

 

「ウルゥォォォォオオオオアアアア!!!!」

 

 ルナガロンが咆哮する。その咆哮は従来の個体が行うものとは違い。家族の悲惨な結末に対する悲鳴や嘆きにも聞こえてくる。

 

「怒り溺れる……。この咆哮を聞けばそう思うやつも出てくるかもな!」

 

 ルナガロンが氷を纏う。あの氷も従来の個体とは強度が桁違いなはずだ。愛用のランスを構える。ここから先は一瞬の気の緩みが死へと繋がる。俺が死ぬのはコイツを止めてからだ。それまで死ぬことは許されない!

 ルナガロンが再び貫手を放つ、それを盾で受け流して戦闘が始まった。

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、年寄りにはキッツイなぁ!」

 

「グルァアア!」

 

 ルナガロンの後ろ蹴りを身体を傾けることでギリギリ躱す。躱せる攻撃は可能な限り躱さないと死ぬ。盾で受けるのはどうやっても躱せない攻撃の時だけだ。ルナガロンの攻撃は全て重く、盾で受けていればあっという間にひしゃげてしまう。

 

「またその攻撃かよ!」

 

「ォォオオオ!!」

 

 ルナガロンが地面に前脚を突き刺し、勢いよく俺に向けて振り払う。俺に向けて飛んでくる氷刃、石礫、そして衝撃波。どれを受けても致命傷だ。攻撃範囲が広く、盾で受けるしかない。その間にも攻撃を終えたルナガロンは側面に移動しており、容赦のない追撃を加えてくる。

 その全てを鎧が掠るギリギリで躱し、お返しとばかりにランスで反撃する。

 

「翔蟲はまだダメか!?」

 

 周囲一帯をルナガロンの冷気で冷やされたため、翔蟲の復帰が遅い。翔蟲はあくまでもサポートだ。鉄蟲糸技は使えない。

 このルナガロンはかなり賢い。鉄蟲糸技も知っているため、決まった動きしか出来ない技なんて使ったらカウンターされてあの世行きだ。

 さらに絶えず攻撃を仕掛けてくるためカウンターをするしか攻撃手段がない。そのカウンターすらも後隙が少なすぎるせいで狙いづらい。

 

「はぁ、どうすっかな?はぁ、手はあるにはあるんだが。」

 

 殺す方法はある。チャンスは一度だけのとっておきのやつだ。だが失敗すれば俺は死ぬし、仮に生きていてもすぐに殺されるだろう。

 回復薬にはまだ余裕があるし、もう少し動きを見たい。回復薬を飲みながらジッとルナガロンを見つめた。

 

 

 

 

 

 

 

 あれから更に戦闘を続け、とうとう回復薬が底を尽きた。つまり、覚悟の決める時がきた。

 息を勢いよく吸って、吐く。ランスを強く握りしめ、その時が来るのを静かに待つ。

 

(………来た!!)

 

 ルナガロンが後ろに下がり、地面に向けてブレスを放つ。放射状に広がっていくブレスは当たれば瞬時に凍りつき、動きを制限することだろう。

 その氷をあえて受ける。脚が凍りつき、鋭い痛みが走るが歯を食いしばって耐える。

 

(目をかっぴらげよ!俺!これを逃せば終わりだぞ!!)

 

 白のブレスの奥でルナガロンが体勢を低くしているのが見える。地面を破壊するほどの力を込めて、弾丸のように俺に向かって飛び出してくる。

 

(攻撃は貫手!場所は胴体!当たれば致命傷だが問題ない!狙うは胸!ねじ込めぇ!!)

 

 状況判断が終了したので盾を投げ捨てて両手でランスを力強く握りしめる。全てがスローモーションになり、ルナガロンが目を見開くのが見えた。奴は既に攻撃モーションに入っており、止めることはできない。

 俺の鎧を容易く破壊し、胴体に奴の爪が侵入してくるのを感じる。それと同時に奴の胸に俺のランスが突き刺さっていくのが見える。

 

「うぉぉぉぉおおおおおおお!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「思ったより時間がかかっちゃった!リグレットさん、無事でいて!」

 

 ナルガクルガの討伐は成功した。しかし逃亡を続けるナルガクルガに追い付くのにかなり時間がかかってしまった。

 洞窟から聞こえてきた咆哮はとっくに聞こえなくなっている。それは戦闘が終了したことを証明している。

 

「リグレットさん!無事です……か?」

 

 洞窟に飛び込むように入り、私の目に入ってきた光景は倒れ伏したルナガロンとそれにもたれかかるリグレットさんだった。

 

「よぉ……、ナルガクルガは……討伐出来たようだな。」

 

「リグレットさん!傷が!早く回復を!」

 

「無理だな……。もう回復薬は何も……持っていないし、何より……致命傷だ。助かりゃしねーよ。」

 

 洞窟の中はボロボロで無事なところが何処にもない。辺りをよく見ると瓶や袋が散乱しており、リグレットさんの言う通り、もう何も持っていないのだろう。

 

「なら私の秘薬を使ってください!」

 

「だから……無理だって……入るところがないんだから……治る訳がないだろ。」

 

 秘薬をリグレットさんに飲ませようとするが、リグレットさんはそれを断って震える指でとある場所を指差す。それを追っていくと、そこには赤い何かがあった。

 

「俺の……胃さ。最後に……引き抜かれちまった。何処かに……腸も……転がっていると思うが……流石に分からん。」

 

 自分でも何故まだ生きているか分からんと笑う彼に絶句する。何故そんな笑顔でいられる?死ぬのが怖くないの?そんな疑問に彼は気付いたのか、途切れ途切れで話し始める。

 

「はは……。痛いさ。だがそれ以上に……終わったんだな……って、清々しさすら……感じるんだ。……馬鹿な人生……だったが……俺は……。」

 

 そんな彼の語りを聞いていると洞窟が揺れ始める。地面にヒビが入り、端の方から崩落が開始する。

 

「な、何ですか、これ!?」

 

「仕掛けが……作動した……ようだな。もうすぐここも……崩れる……から、早く……逃げるんだな。」

 

「でも!リグレットさんが!」

 

「俺は……コイツと約束が……ある。アルローに……伝えてくれ……誓いは果たした。俺は行くってな。」

 

 そう言って彼はより深くもたれかかった。話は終わりということだろう。それを認めたくなくて彼を担ごうとするが、手をガルクに咥えられて止められる。

 首を静かに振るガルク。分かっている。このまま彼を担いでいけば崩落から逃げれなくなることぐらい。天井からも岩が降り注いでおり、一度巻き込まれてしまえば、私も危ないかもしれない。

 この下には大きな川がある。海に合流する大きな川だ。ここで彼が崩落に巻き込まれると、川に流されて見つけることはほぼ不可能だろう。

 

「…………っっ!!!ごめんなさい!」

 

 ガルクに跨ってその場から素早く離れる。私の我儘でガルクやアイルーを巻き込むわけには行かないからだ。かなりギリギリだったようで、通路に入った途端、天井から降ってきた岩がエリアを塞いでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「行ったか……。」

 

 岩に塞がれた通路を見つめる。彼女は最後の最後まで俺を見捨てるつもりが無かったようだが、将来が有望な若者をこんなおっさんの我儘に付き合わせるわけにはいかなかった。

 

「グルゥ……。」

 

「お前さんも……もう休め。」

 

 相槌を打つように唸り声を出したルナガロンを撫でる。怒りに染まっていた目は、今は穏やかに命が尽きる瞬間を待っている。

 

「心配するな。お前は……静かに眠らせてやる……。海に流されれば……ギルドもお前を探そうとは……しないだろうよ。」

 

 コイツの素材は有益だろうが、俺からすればコイツはもう静かに眠らせてやるべきだ。ギルドにやるつもりは全くなかった。だからわざわざ致命傷を負った身体に鞭打ってこの洞窟を崩落させる仕掛けを置きに行ったんだからな。多分その時に腹からはみ出して千切れかけていた腸が落ちたのだろう。

 そんな俺の言葉を聞いてからルナガロンは安心したかのようにもう一鳴きすると目を閉じ今度こそ動かなくなった。

 

「さて……。あまり待たせるのも……悪いし、俺も……逝くとするか……。」

 

 俺がいた場所にもヒビが入り、浮遊感を感じる。特に思うことなくそれを受け入れ、俺はそっと目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何処かといえない謎の空間。そこに一匹の氷狼竜がいた。一回り大きく、身体が傷だらけなそれは目の前にある看板を見ながら右往左往していた。

 

『おう、どうしたんだ?』

 

 そんな氷狼竜の後ろから一人の男性が声をかける。その男性は全く恐れる様子を見せずに氷狼竜の横に並んで看板を見つめた。

 

『なんだ、道案内じゃねーか。もしかして読めなかったのか?』

 

『わふ。』

 

『分からないって?……当たり前か。』

 

 男性が呆れた目を向けてくるが、氷狼竜はタジタジするだけだ。そんな氷狼竜に男性は頭を掻く。

 

『はぁ、しょうがねぇ。俺も行くからお前も来い。』

 

『……!ウォン!』

 

『いいに決まってんだろ。俺もそこに用があるし、道案内をする約束もあるからな。』

 

 男性が歩き出し、その後ろに氷狼竜が付き従う。少しずつ彼らの姿が薄くなっていき、やがて完全に姿を消した。

 

『ウォン?』

 

『そうだな。最初はお前の同族のところにいくか。それでそうだな、取り敢えず、ぶっ飛ばされようと思う。』

 

『ワフ!?』




この後はちょっとした設定と個々のその後です。

あの世……謎空間からしばらく歩くと辿り着く。導きの地を超巨大にした感じ。それぞれのテリトリーが決められており、基本そこでみんな暮らしている。
 他のテリトリーに侵入することは可能だが、テリトリーの主に出ていけと念じられると強制的にはじき出される。
 あの世なので他種族同士でも会話が出来る。ここで死んでも一定時間で復活する。

転生ルナガロン……おっさんハンターに連れていかれて家族と再会した。感動の再会を……と思ったら母親がおっさんハンターをいきなりぶっ飛ばしてすっごいビックリした。止めようとしたが母親からおっさんハンターがあのハンターと言われて二度目のビックリ。
 でも俺を止めてくれたし……となったがよく考えたら俺がこうなったのもお前のせいじゃねーかと根性貫通コンボを決めた。が、結局許した。
 この後、おっさんハンターと一緒に色んなところに行ってごめんなさいをした。基本どのモンスターも俺が弱かったのが悪いとすぐに許してくれた。中には謝罪は受け取ったからリベンジするんやで!と突貫してくるやつ(主に黒狼鳥・金獅子)もいたが、しょうがないなぁと瞬殺した。
 謝罪を受け取られる度に返り血や傷跡が消えていき、最終的に瑠璃色の甲殻に戻る。謝罪の旅が終わると家族のいる場所に戻って平和に過ごしている。
 実はメスで性転換している。後書きだけだし性転換タグは……まぁいいか。いいよね?
 親にパートナーを見つけたら?と言われてパートナー探しをするが、しっくりくるのがいない。どうせなら自分と同じくらい強いオスがいいなとテリトリー内を探したが見つからなかった。
 これは不味いと危機感を感じていた時にとあるテリトリーで他種族同士のカップルを見つけてしまった。
 あ、ふーん。転生ルナガロンはとある場所を目指して走り出した。

リグレット……宣言通り母親ガロンにぶっ飛ばされた。その後に弟ガロンにもみくちゃにされて、ほっこりしていたら転生ルナガロンから即死コンをくらった。復活に三日かかった。
 その後にルナガロンファミリーから許されたので各地に謝罪の旅に出た。転生ルナガロンがついてくることにはビックリしたが事情を聞いて納得した。
 基本一回はぶっ飛ばされたが最終的に許してもらえた。たまに謝罪の姿を見て全く関係のない赤の他人が悪意を持って近づいてくるが転生ルナガロンがニュッと出てきて、そんな、ここは穏便に暴力で……とばかりに蹴散らしてくれて助かった。
 謝罪の旅は順調だったが古龍のテリトリーで何度も死にかけた(既に死んでるが)。転生ルナガロンの助けがなかったら古龍に会うことすら出来なかったかもしれない。
 旅が終われば人間のテリトリーには行かずに静かな場所で小屋を建てて静かに過ごしている。朝のモーニングコーヒーがお気に入り。
 朝のコーヒーを楽しんでいる彼だが、その数分後に生物除けの罠を全て突き破った転生ルナガロンが来て拉致られるとは思っていない。

両親ガロン……自分たちの娘があんなに立派になってるとは思わなかった。パートナーを探したら?と言えばまさかのあのハンターを連れてきてビックリ。
 まぁあの世だし、そういうのもあるかと思っていたが、娘から前世であんなに激しくやりあった仲じゃんとカミングアウトされて既に事後と言うことを知る。(勘違い)
 これはぁ……責任取らないとダメですねとばかりにハンターをテリトリー主のところに引きずってこのテリトリー所属にした。ハンターに拒否権はなかった。

カムラの里のハンター……コミュ症。里のみんなとは普通に話せるが、外に出るとダメ。クエスト中は普通に話せる。転生ルナガロンの攻撃に反応出来なかったことをかなり気に病んでいて、再びウツシ教官の下にいって鍛える。
 リグレットが死んだことでかなり落ち込んでいたが、いつの間にか入れられてきたリグレットからの手紙を読んで立ち直った。
 彼女が英雄になるまであと少し。

アルロー教官……そうか、アイツは誓いを果たして笑って逝ったか……。

その他

ルナガロンテリトリー……高低が激しい寒冷地帯。子供の面倒はテリトリーのみんなでみる。
 隣のジンオウガテリトリーによく遊びに行く個体が多いためテリトリーの境界はよく雷鳴が鳴り響いている。

人間テリトリー……沢山の人間が住んでいる都市。前世と対して変わらない。一応ハンター職はあるが、ここではライダーの方が人気。

古龍テリトリー……大災害。世界の終わりかと見間違うレベルで天気が荒れている。身体を動かしたい古龍同士が争えば更に天気が荒れる。古龍級生物もここに突撃するのは躊躇うレベル。
 人間で入ったのはリグレットが初めて。彼が二度と入りたくないと語るレベル。
 ラージャンがおやつを求めてよく侵入するが、目当てのものがテリトリーの真ん中寄りにあるため、おやつを食べれるのは歴戦の個体のみ。
 他は仕方がないのでアイルーのテリトリーに行ってマタタビと交換している。

アイルーメラルーテリトリー……他のテリトリーに入って要らない物や争った時に折れたり切れたりした部位を回収しているため、ここに来れば欲しいものは大体ある。
 基本物々交換。マタタビはテリトリー内になく、海テリトリーの小島にしか何故か生えていないため、マタタビを出せばなんでも交換してくれる。

ラージャンテリトリー……修羅の国。ラグビーしようぜ、お前ボールな!

イャンガルルガテリトリー……ヤンキーの国。一歩歩けば即戦闘。

スーパー翔蟲ダッシュ転がり懇願アタック……翔蟲を贅沢に二匹使って加速。そのまま転がりながら相手に近づき、相手の足を両手で掴んでうつ伏せのまま大声でクエストに行きませんか!?とお願いする技。
 決まれば相手はドン引きしながら許可を出すという……。

怒り溺れるルナガロン……今作オリジナル。氷衣揺らめくとか氷月煌めくとか色々考えたけど、それだと何か噛み合わなくなったのでこの名前に。
 従来の個体より一回り大きな身体と全身の傷。爪以外にも上半身や脚も朱色に染まっており、最大の特徴が一本だけの前脚と失明した片目。常に二足歩行形態で活動しており、戦闘時には素早い動きで相手を翻弄しつつ、凄まじい膂力で仕留めに来る。
 本来なら誕生するはずがなかった個体で、ギルドの一部では自身らのミスで生まれてしまった罪と言う者もいる。
 その性格は極めて残虐で、目に付く生物全てに襲い掛かる。これは親の保護を受けるはずの期間で単身で生きることになり、外に順応するためにそうなったと思われている。
 ハンデを背負った状態で生き延びた個体なので、かなり強い。恐るべきは強靭に発達した脚部で、本気を出せばワープみたいな加速を見せる。
 ハンターがこの個体を見つけても決して一人で挑まず、仲間を集めてから挑むことだ。

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