竜血濁らずとも腐るべし   作:メラニンEX

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中学生時代に書いていたものを、今になってリメイクしてみました。楽しんで頂けると幸いです。


異端なる天竜人
1.マリンフォードの天竜人


 

マリンフォード海軍本部、最上階。「正義」の2文字を信条とする組織の文字通りトップであるそこは、三日月型をした湾が一望できる絶好のロケーションである。建物の中まで漂う、潮と水の強い香りが充満しており、遠くのほうから荒っぽい海兵たちの怒鳴り声や、腹の底まで届く海嘯が、淡く鼓膜を叩いた。内部は外観や制服と同じように、建物内も潔癖なまでに純白で染め上げられており、足下の絨毯だけが濃く深い海の色だった。入隊後初めて、海軍上級将校たちの執務室が存在する最上階に足を踏み入れたコビーは、しばらくその質実剛健をそのまま表したような内装や高い天井、ぶら下がっている電球を呆けたように眺めていたが、ややあってはっと我に返った。

 

(いやいや、こんなことしてる場合じゃないぞ!早いとこガープ中将を探して判子を貰わないと…)

書類を手にした青年は、なんとも初々しい。白い軍服もどこなく着られているように見えるし、緊張がありありと伺えるような表情を浮かべたまま右足と右手を同時に動かしている。

まだ軍属になってさほど経っていない若き海兵は、豪放磊落かつ自由奔放な上司から期限間近の書類に判をついてもらうべく、普段寄り付くこともない最上階フロアにたどり着いたわけなのだが、どうもあの巨大な気配はないようだ。軍に入ってより朝から晩まで鍛錬を積む彼は多少気配に敏感になっており、それでなくともあの生きているだけで周りの空気の温度が上がりそうな『英雄』の在不在を探るのはそう難しいことではない。

しばし迷った彼はおろおろと視線を彷徨わせたが、ともあれ部屋を除いて不在を確認してから他の場所を探そうと考え、直属の上司であるガープの執務室の扉を開いた。

 

「………!?」

反射で扉をバタンと閉じる。今しがた部屋の中に見えたものがさだかには信じられず、部屋のネームプレートを5回確認してからまた扉を開け、やっぱり閉め、と無駄な動作の繰り返しをしたところで、焦れたように中から声が聞こえた。

 

 

「–––さっきから何をしてるの。扉をそうガタガタさせられると耳障りだから、やめてちょうだい」

「あっ、す、す、すみません!」

か細く静かだが、どこか威厳のある声にコビーはひいっと姿勢をただし、そろそろと何度目になるか分からないほど開閉したドアを軽く押した。音もなく開いた扉の隙間からコビーはそうっと中を覗いた–––が、どう見ても、目を擦っても中で堂々とくつろいでいる人物は、上司のガープではない。軍服も着ていなければ壮年でもなく、筋肉に覆われた巨躯でもなければそもそも男ですらない。年若い、華奢そうな女性である。顔はどこかで見たような気もするが、とにかく海軍所属の人間でないことは確かである。青年の頭に「不審者」の3文字が浮かんだ。

 

女性は覗いているコビーを気に止めることなく、しばらくの間手元の書類に目を落としていたが、ふと顔が上がる。淡い紫のサングラス越しに、吊り目がちの二重がコビーを捉えた。

「そこの貴方」

「はいっ!?」

初対面にも関わらず、上から目線の声色で呼ばれたことにちょっとびっくりした青年を無視して、女はコビーを指差した。正確に言うと、コビーが持っている書類を。

「ガープに用があるのでしょう。あれなら、少し前におかきを買いに出たからもうすぐ帰ってくると思うわ。中で待てば?」

 

部屋の主でないことは確かな女の誘いにコビーは躊躇ったが、ともあれその言葉が本当ならば従った方が良いのは確かだし、ガープはそれくらいで気分を損ねるような人間ではない。コビーは恐る恐る部屋に脚を踏み入れて、女からうんと離れた部屋の隅っこで直立不動になった。ちらりと横目で女の方を伺ったが、女は青年に興味がないようで一瞥もくれず、手元の書類に何か書いていた。

 

(だ、誰なんだろこの人…制服着てないし海軍ではないんだろうけど…ガープ中将が部屋に入れたってことは顔見知りなんだよね?どこかで見た気もするけど、中将をあれ呼ばわりするってことは、身分高い人なのかな…世界政府の人とか)

 

謎の女性は、コビーのいくつか年上と見えた。明らかに染めたと思わしき安っぽい金髪は色落ちしていて、根元の方が特に黒い。耳にいくつものピアスをつけた上に紫のサングラスというのに柄の悪さはあまり感じず、むしろ気品のある精巧なつくりの面立ちだった。対して服の方は、上質なジャケットにドレスシャツ、白いネクタイ、白いロングスカートにコルセット風のベルトという全体にかっちりした格好は、襟元のボタンを1番上まで止めていることも相まってどこかの役人のようにも見える。

 

プリン頭・グラサン・ピアスという、歓楽街の模範チンピラみたいな特徴と、仕立てのよい服装はどう考えても相反するものだが、目の前の女性に限ってはこれ以上ないほどしっくりと馴染んでいた。

粗野なようでいて、優雅。

低俗なようでいて、高貴。

そんな奇妙な印象を抱かせる女性である。

 

「………あのう」

コビーの勇気を振り絞った声に、女は目もくれない。

「………あのう!」

2度目の声かけに、プリン頭の女はようやっとのことで目線を上げてコビーの方を見た。

 

「何?」

「…あの、こ、ここガープ中将の部屋ですよね?」

「そうね」

「貴女はガープ中将…ではないですよね」

「ええ」

「海軍所属の方でも…ない?」

「全くもって違うわ」

「………で、では、貴女はどなたなので…?」

 

女はコビーの震えながらの問いかけに、ずっと動かし続けていた手をそのとき初めて止めて、少しサングラスをずらしてじっと彼を見つめた。ごく淡い、白眼との区別がかろうじて可能なくらいのうすい灰白色の瞳である。人よりもやや、黒目がちなせいか以外と姿は幼い印象があった。からん、と天井のシーリングファンが回る音がひどく響く。

 

「……私を知らないの?不勉強だこと。多分新兵なのでしょうけど、ガープも教えてやればいいものを…まあいいわ。貴方、名前は?」

女の口振りには有無を言わせない力と、相手が自分の意に従うことを至極当然と考える冷然とした傲慢が宿っていた。その静かな圧に押されるようにして、コビーは無意識のうちに踵を揃えて最敬礼の姿勢をとっていた。

「えっ、あっ、はい!私はガープ中将付きのコビー軍曹であります!!先月より本部配属となっております!」

「そう。極めて素朴な名前ね」

 

雨が降る音にも似た、か細い声はひどくつまらなさそうだった。非難や見下しの響きこそないが、どちらにせよあまり興味もないようである。口紅の塗られていない唇が一度閉じられて、また小さく開く。

 

「私の名前は、」

「戻ったぞヨル!!おかき食うか?おっ、なんじゃコビー、お前さんも来とったんか。まあ座れ座れ」

 

女の自己紹介をドアが蹴り開けられる音と威勢のよい大音声が遮った。その大きさと言ったら尋常ではなく、部屋の空気がびりびりと震えるのが直接肌に伝わり、部屋に備え付けられた家具が若干揺れるほどだった。コビーは敬礼したまま床から5センチ飛び上がり、対照的に女の方は驚く様子も見せないまま、ため息をひとつ吐く。

 

その大声の主こそ、この部屋の持ち主でもあるモンキー・D・ガープ中将だった。海軍上級将校が身に纏う白いスーツは、老いてなお分厚い筋肉ではち切れそうなほどであり、その足取りには一分の隙もない。一挙手一投足にまで周囲の温度を上げるような気配がまとわりつくこの男こそ、ゴッドバレー事件や海賊王との因縁で名高い海軍の『英雄』その人だった。ちなみにコビーの直の上官でもある。

 

「ガープ…声量を抑えてちょうだい。新米が床から浮いてたわよ」

「ぶわっはっは、そいつはすまんかったな!」

やはり顔見知りらしい。両者の口振りには、親しさからくる無遠慮がある。見た目通りの開けっぴろげな笑い声を立てたガープは、白いジャケットを脱ぎ捨てながら、ふと直立不動で固まっているコビーとソファに行儀良く座っている女性を見比べて、目線をいったりきたりさせた。

 

「んん?しかし珍しい組み合わせもあったもんじゃな。お主ら知り合いだったか?」

「いっ、いえ」

「初対面よ。彼が貴方の新しい部下だと言うのを聞いたところで、貴方が遮ったの」

「おお!なるほどな!」

 

女の嫌味をスルーして何やらニンマリしたガープは、ソファにどすんと腰掛けて女の華奢な肩を掴むと、わざとらしく片手を口元に寄せた。

「コビー、このお嬢様の顔はここにいれば嫌でも覚えるぞ。なんと言ったってな」

言いかけたガープを今度は逆に女が遮った。細く節だった指がガープの口に押し当てられると、その無礼の極みのような動作ひとつでガープは沈黙し、女が静かに口を開いた。

                    

「私はビヴロスト・ヨルムンガンド。五老星直属諮問機関、六梯席所属のひとりよ。この名前と顔をよく覚えておくことね、新兵」

その名前にようやっと、彼女の顔に既視感を感じた理由を思い出したコビーは、あんぐりと顎が落ちそうなくらいに驚いた。

 

 

世界を作った20人の王の末裔、世界貴族『天竜人』。世界最高の権力者の一角であるビヴロスト一族の長の名前こそ、目の前の女性が名乗ったものに他ならない。『魚類贔屓』『マリージョアの暴走機関車』『厄災』と物騒な異名を持ち、世界各地で良い意味でも悪い意味でも揉め事を起こしまくった海軍の悩みの種である。

–––そして、何よりも。

 

ビヴロスト・ヨルムンガンド宮は、偉大なる王たちがマリージョアに移り住んでからの有史800年間において唯一、聖地を脱走しすぎたことにより、海軍によって顔写真付きの手配書を作られた天竜人である。コビー自身も何度か目にしたことのある彼女の手配書にはこう記されている。

 

『MISSING!!』

『このご尊顔をお見かけしたら、お近くの海軍まで連絡を!当該天竜人が無事に保護された場合、報告者には1000万ベリー!』

 

今まで偉そうな不審者だと思っていた女性がまさかの身分であることに驚愕したあわれな青年は、ふらっと意識を失って顔面からローテーブルに突っ込み、ガシャン、という轟音とともにガープの爆笑が部屋を揺るがした。今日も今日とて平和なマリンフォードである。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

脱走癖のある天竜人、ビヴロスト・ヨルムンガンド。海軍を悩ませる、この世で最も高貴な頭痛の種は、実のところ生活のほとんどを聖地マリージョアではなく、海軍本部のあるマリンフォード近辺のどこかしらで過ごしている。流石に寝るときはマリージョアの邸宅まで戻るが、1週間のうちの約半分程度はマリンフォードが所在地だ。そうでない日は大体、新世界か世界政府の庁舎があるテーチスにいる。

 

当初は世界貴族の一員であり、単独でバスターコールすら余裕で起こせる権力者を本人の望みとはいえマリンフォードに置いておくのはどうかと、海軍本部で会議すら行われたのだが、そうなった彼女はマリンフォードから別の島に移しただけだったので、本部は諦めて彼女がマリンフォードのカフェテリアで安っぽい飲み物を啜っているのを黙認するほかなかった。海軍の目が最も行き届いている場所にいた方が、いざ問題を起こされても多少なんとかなるだろうという目算も多少ある。

 

彼女がこんな生活スタイルをし始めた当初は、通りすがるものは皆『海兵を奴隷にしたい』とか『飲み物がまずかったから死刑』だとか、そういう天竜人あるあるの暴挙をやらないかと緊張しっぱなしだったものの、時折の問題を除いて基本的は静かにしているヨルムンガンドは半ば風景のようにスルーされることとなっていた。

とはいえ。

 

「こ、こちらコーヒーゼリー入りココナッツミルクでございます!」

「ご苦労様。そこに置いて」

流石に監視は必要と判断されているので、ヨルムンガンドの指定席となっている1番奥のボックス型ソファに飲み物を運んできたのは、彼女の護衛でもあるうら若い海兵だった。その他にもカフェテリア近辺には複数の兵士が待機している。ヨルムンガンドは机を埋め尽くす書類と寝ぼけている電々虫と積みかけのジェンガと灰皿を端に追いやって、グラスを置くスペースを空ける。コトン、とガラスが机に触れるときに、軽やかな音が鳴った。

 

それが終わると用事は無くなったようで、ヨルムンガンドはジェンガを積みながら電々虫で誰かと話し始めたので、コビーは黙って席から少し離れた位置でぴしりと待機の姿勢になった。目線を少しだけ動かすと、染めた金髪と黒髪の入り混じった髪の若い天竜人は、大して楽しげでもなさそうに手元のジェンガをちみちみと組み立ていた。時折ふんふんと相槌を打つほかは無言で、ひどく静かだった。見渡せば昼食の時間もとっくに過ぎているせいか、内部にはコビーを始めとした海兵数名とヨルムンガンドの他には誰もいないので、その静寂は耳に痛いほどである。

 

––––どうにも奇妙な天竜人である。

ガープの一言で(本来天竜人の直属は大将が担うものだが、彼女があまりにも脱走するのでいつしか下っ端でも許されている。海軍は忙しいのだ)彼女の見張り当番のひとりとして駆り出されることになってから、まだそれほど時間は経っていないが、それでも彼女はとにかく謎が多かった。見聞きする天竜人との印象とはまるで、本当に、何もかもが違う。

 

 

–––そも、天竜人というものは。

この世の中において、世界政府の上に立つ最高権力者の総称だ。世界の創始者の血を受け継ぐ名誉は、治安維持を司る海軍最高峰すら凌駕しており、その行動と意志はあらゆるものより優先され、許容され、歩む道には民が平伏して通り過ぎることをただ待つのみ。天竜人の1人の声で、世界屈指の戦力である海軍大将すら跪くことを余儀なくされる。

 

道端で気に入った女を無理やり奴隷にし、それに反対した夫を殺した。

天上金と呼ばれる各国への税金を吊り上げ、ひとつの国を滅ぼした。

道端を歩くときに自分の足では歩かず、四つん這いの奴隷に乗って移動する。

一国の王を奴隷として扱った。

己の前を横切ったというだけで、船を沈没させた。

下々と同じ空気を吸わないために、ガラスの被り物をする。

 

これらは全て作り話でもなければ、小さな話が膨らんだわけでもない。この悪行の全ては実際に行われて、そして何の咎めも裁きも下されていないものである。かつては高潔だった王の子孫は、800年の歳月の中で、自らを取り巻く権力に溺れ腐敗し、今や世界の人々から憎しみの視線を持って見上げられていた。何一つ統治せず、責任を負わないままに特権のみが与えられる、歪にして理不尽の権化たる世界貴族。それこそ彼女–––ビヴロスト・ヨルムンガンドが属する天竜人なのだ。

 

ヨルムンガンドはコビーが会った中で一度も奴隷を連れていることも無ければ、ガラス玉を頭に被っていたこともない。大抵同じジャケットにロングスカートやスキニーというシンプルな格好で、咥えタバコをしながらひとりでふらふらと日々を過ごしている。それどころか、ガープに『あのお嬢様に撒かれることがなくなったら一人前じゃ!』と言われた通り、護衛役のコビーたち海兵が目を離した隙に、物凄い瞬足でどこかへ逃げているようなタイプだった。ちなみに追いつけた海兵は、今のところ中将以下のクラスにはいないらしい。

 

 

からん、と。

氷が触れ合う涼しげな音に、ふっとヨルムンガンドの方を見ると、彼女はコーヒーゼリー入りココナッツミルクを飲み終わっており、空になったグラスをぷらぷらと振っていた。さっきまで話していた電々虫も静かになっている。窓側から差し込む光がコップとサングラスに屈折し、白い顔に複雑な紋様を映し出していた。普段海兵たちが何気なく使っている無骨なコップも、ヨルムンガンドのような美女が使うと驚くほど絵になっており、束の間コビーも見とれるほどに美しかった。

もとより、並ぶものなき貴人である。こうして将校ではないコビーが側に寄ることすら、本来出来ぬこと。

 

「…おかわりを持って、参りましょうか」

コビーの声に、ヨルムンガンドは少し考えて、それから黙って首を横に振った。大抵彼女は、海軍のカフェテリアに置いてある妙なラインナップばかり––ゴーヤスムージーとか炭酸抜きコーラとか–––欲しがるのだが、今日はもういらないらしい。

「結構よ。でもコーヒーとココナッツミルクの組み合わせは悪くなかったわね。カフェテリアの人間にそう伝えておいて」

「かしこまりました。…あのう、ヨルムンガンド宮…大変不躾なのですが…」

「許可するわ。何?」

ヨルムンガンドは机の上に散乱した書類を乱雑に鞄に押し込みながら答えた。

「マリージョアには、こう言う海軍の食堂で召し上がるよりおいしいものがある、と僕は思っていたのですけれども…実はそうでなかったりするんでしょうか」

 

ふ、と貴人が首をわずかに傾げた。生白く日焼けあとのない、華奢な喉が面白そうに鳴った。肉のひとかけらまで尊ばれる身分は、例え女が髪の毛をまだらに染めていようと、ピアスをじゃらじゃらと開けていようが、動作のひとつひとつに気品を保ったままである。

 

「マリージョアにはね。ここの飲み物より美味しいものも、海兵の給料一生分使っても飲めないほど高価で希少なものも…この世のほとんど全てがあるわ」

音もなく、ヨルムンガンドは立ち上がった。女性の平均身長である彼女は、立つとコビーと目線が殆ど同じになる。強い光を背にして、炯々と光る灰白色の瞳が少し、瞬く。にこりともしないまま、声だけ僅かの笑みの色が混じった。

 

「でも、私は安っぽくて、変な味がして、大して美味しくもない飲み物が好きなの。聖地には絶対、持ち込まれないものだから。–––というわけで新兵、後片付けはお願いするわ」

 

そして言うが早いか、片手で奥側の窓をガラリと開けたヨルムンガンドはそのままひらりと窓枠を飛び越えて、鞄片手に体重を感じさせないまま跳躍した。とん、とんとん、とリズミカルに、ジグザグに空中を蹴飛ばして一気に加速し、灰色のジャケットはあっという間に遠ざかっていった。

束の間見惚れていたコビーは、3拍ほど遅れて護衛対象があまりにもするっと逃げ出したことに気づいて窓枠から慌てて身を乗り出したが、後の祭り。既に遠すぎる位置まで走り去ったヨルムンガンドには、『剃』を使っても追いつくことは難しい。コビーはしばらく頭を抱えたが、そう言う時にこそ役立つのは、ガープから配られた『ヨルムンガンド宮手取扱説明書』(手書き)である。

 

かくして、逃亡から少しして、海軍本部に位置するスピーカーからは、機械的なアナウンスが大音量で響き渡る羽目になった。

 

『ビヴロスト・ヨルムンガンド宮がたった今、脱走なさいました。方向は5番ドック付近、待機中の海兵は直ちに保護に向かってください。繰り返します、たった今––––』




登場人物
ビヴロスト・ヨルムンガンド
マリージョアから毎日のように脱走しては下界でぶらぶらしている天竜人の異端児。大体マリンフォードの食堂にいるけど、月2くらいでシャボンディとか新世界に無断で行ってる。経路はほんとに謎。戦闘能力はあんまりだが、逃げ足だけならCP勢や海兵たちを振り切れるくらいに速い。最近は彼女が6式を会得しているかどうかで海兵の賭けの対象になっている。海軍上層部と五老星の頭痛の種。26歳。

ガープじいちゃん
ヨルムンガンドが7歳の頃からの付き合いがある。天竜人の中では常識的な部類の彼女を気に入ってる。大体2人の時なら「ヨル」と呼ぶが、元帥にはめちゃくちゃキレられる。
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