織斑に優しいオレっ娘オリ主の話

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おかしい…息抜きのために書いた3000文字以下の短編だったはずなのに…


オレをヒロイン扱いするな

…まるで客寄せパンダだな。

周りの視線を一身に受けているこのIS学園唯一の男子生徒(・・・・)を見ながらそうぽつりと思う。

彼の名前は織斑(おりむら)一夏(いちか)、女にしか使えないはずのISを起動させたとかなんとかでこの学園にやってきた。

しかもあの織斑(おりむら)千冬(ちふゆ)の弟らしいじゃないか、血ってやつかね。

とは言っても流石に皆の視線にひたすら晒されるのは辛いだろうと、実は隣の席にいたオレは椅子をそいつの目の前に持っていき座る。

織斑はびくっと驚き周りの視線が私にも刺さった。

 

「よぉ有名人、パンダになった気分はどうだい?」

「えっ、あっ...」

空野(そらの)流香(るか)だ。あんたの隣だよ」

「あ、織斑一夏だ」

 

すると織斑の視線が動きオレの席へと向けられ椅子がないことであぁ、と声をあげる。

 

「あまりにも居心地悪そうだから気になってな」

「そ、そりゃそうだろ。男俺だけだぞ」

「ま、しばらくはキャーキャー言われることになるだろうぜ。女の園の男一人だ。男性教員すらいねぇからな」

「は? いないのか」

「ISの学園だぞ、教師もISを使えるやつで纏めるに決まってるだろ」

 

それもそうかと納得した声をあげる。周りの視線も少し少なくなって余裕が出てきたのかもしれない。

もう少し話していたいところだけどもうそろそろ時間である。

 

「悪いがここまでだ、もうすぐ先生が来るからな」

「あぁ、サンキュな」

 

と椅子を戻して席に座ると同時に扉が開き、山田先生が入ってきた。

それはいいのだけどなんかめっちゃポニテの女子生徒から殺意レベルの視線が刺さる。何だいったい、確か篠ノ之…だったかな…。なんだほんとに。

 

 

 

担任マジで織斑千冬じゃん…オレでも知ってるし憧れだぞ…すげー。

周りみたいに声を上げたりはしないが見惚れはする。

にしても自己紹介失敗した織斑とは対称的だな、堂々としてる。というか圧が凄い。

あ、オレ? 無難に終わらせたよ、趣味プログラミングと機械いじりって言ったら意外そうな顔されたけど。

 

いやまぁ分かるけどさ、ギザ歯だしめっちゃ目付き悪いし裏路地とかにいそうとか言われるしさ。

まぁいいか、というか織斑急にこっちに来るの決まったんだよな? ISの知識とかねぇだろ。

 

 

 

参考書間違えて捨てるとかマジかあいつ。

 

 

 

休み時間、織斑に要点だけをまとめたやつ渡したほうがいいのだろうか。

あーダメだ、つい世話焼いちまう。男尊女卑? 知るか、気のでかい女が勝手に言ってるだけだろ。

 

「わたくしを知らない!? このセシリア・オルコットを!?」

「うるさ」

 

隣からめっちゃでかい大声が聞こえてきた。横向くとキーキーしてるお嬢様がいる、オルコットやん。

話を聞く限りどうやら話しかけられて織斑が「誰?」ってやったらしい。

 

「わたくしは…!」

「待てよオルコット」

 

オレが声をかけると二人の視線がこちらに向く、オレは足を組みながらオルコットに話しかけた。

 

「織斑はいきなりISに触れていきなりここに入れられたんだぞ、ISのことすらよく知らなかったのに代表候補生のこと知ってるわけないだろうが」

「あなたは空野さん…」

「な、なぁ空野…代表候補生って…なんだ?」

 

思わずついていた肘ががくっとなる。そりゃ知らねぇか。

オルコットがヒートアップしそうになってるのを止めて言葉を続ける。

 

「代表候補生って言うのは簡単に言えば国家の代表に一番近い奴のことだ、オルコットはイギリスの代表候補生だから将来はイギリスの代表ってこと。エリート様だな…つまりこのクラスで一番強い、代表候補生はこのクラスにオルコットだけだからな」

「ふふんっ、その通りです! つまりわたくしのような存在といられるのは幸運なのです!」

 

褒めると上機嫌になった、チョロイなこいつ。

 

「まぁ希少性で言えば唯一の男性操縦者の織斑と一緒の方が幸運なのかもしれんがな」

「うぐっ!」

 

思わず呟くとリアクション大きく返してくれた、その後教官を倒したーと言っている。

あーオレ倒せなかったんだよなぁ…、教官も「とても惜しかったです」って言ってたし。

オレ銃火器系苦手なんだよ…。

 

…え、この騒ぎまたやんの?

 

 

荷物を置いてとりあえず部屋に帰る、充電していたノーパソのコードを抜いて着替えるかなーと思いながらなんとなく廊下に出ると織斑が廊下で倒れ込んでいた。

 

「何してんだお前」

「あ、いや…い、色々あって…」

 

ルームメイトの湯上り見ちゃった? あぁ、なるほど。

 

 

 

 

 

「これよりクラス対抗戦の代表者を決める」

 

うわーめんどくさい、まぁオルコットだろ。

…え? 織斑? いやいやダメだろ、オルコットは…あっ、推薦待ちだわしゃーねぇ。

 

「オレはオルコットがいいと思いまーす」

 

そう推薦するとオルコットがめっちゃキラキラした視線を向ける、いやオレは普通に勝てた方がいいと思うから推薦しただけだよ。

 

…あっ、おいオルコットちょっとボルテージ上がり過ぎだ。織斑も乗るな。

………。

 

「この極東の…」

「オイ」

「「-ッ!」」

 

オレがちょっと凄んで言うとオルコットの言葉が止まる。

流石にそれ以上言わせるわけにはいかない、頭に血がのぼってるからだろうがその言葉はオルコット以外を敵に回すセリフだ。

ここでその台詞は最高戦力の織斑千冬すら貶す羽目になる、流石に孤立されるのは後味悪い。

 

ここは日本だ(・・・・・・)

「-ッ! …失礼しました」

「納得できないならISで戦って決めることだ、第三アリーナで行う。以上」

 

オレの言葉にオルコットは気づいたのか謝罪をして織斑先生がまとめる、先生聞いてるんなら止めてください。

 

 

 

「なぁ空野、俺にISについて教えてくれないか」

「は?」

 

決闘することが決まった放課後、織斑はいきなりオレの所に来て上のセリフを言った。

なんでオレ? というかさっきオルコットも来たし、来た内容はさっきのことはお礼だったけど。

 

「なんでオレ?」

「いや空野は結構いろいろ知ってるし教えるのも上手そうだなぁって…」

「…言っとくがISの操縦とかは教えられないぞ」

「え、なんでだ?」

「あのなぁ…オレは別に代表候補生ってわけじゃねぇし専用機とかもおいそれと出せないんだよ。ISの貸し出しは早いもの勝ちだ、今からじゃとれねぇよ」

 

多分2~3週間ぐらい先まで埋まってるだろうし。

 

「え、じゃあ…教えてくれないってことか?」

「…バァカ、誰も教えねぇとは言ってねぇだろ。まずは理論を叩き込む、お前は理論とか感覚より一度やらないと覚えねぇタイプだろうしな」

「…!! ありがとう空野!」

「言っとくが毎日は無理だからそこは幼馴染ちゃんにでも教えてもらえ」

 

ちょっと前にあの篠ノ之に呼び出されて知ったが織斑の幼馴染だったらしい、ははーんこれは片思いってやつだな。馬には蹴られたくねーし。

 

「あ、あの…だな。そ、空野も一夏のこと…」

 

ちげぇよ。

 

 

 

 

 

「で、ISのことだがお前はどのぐらい知ってる?」

 

放課後、オレは自室に織斑を招いていた。ルームメイトは外に遊びに行ってるから門限までが制限時間だ。

織斑の手元にはあの電話帳参考書の重要な部分だけを要約したまとめがある。まぁそれでもそこそこ分厚いが。

 

「悪いけど俺は全然分からないんだ…そもそもの発端が」

「……ブッ、アッハハハッ! 学園間違えて受けてIS起動させるとかコントかよ!」

 

腹を抱えて笑う、藍越学園に行こうとしたらIS学園の案内にのっておまけに迷子になってISに触れて起動って不運なのか幸運なのか分かんねぇな。

 

「わ、笑うなよ!」

「あーわりぃわりぃ、つまりなんも知らねぇってことでいいんだな」

 

つまり基礎からが必要だな。

 

「ロジカルじゃねぇがISには意志があるって言われてる」

「意志?」

「あぁ、だから搭乗者が気に入らなければいつまでたっても合わねぇし合うやつは即座に慣れる。対話、所謂乗ってる時間が長ければ長いほど機体に馴染む」

「乗ってる時間が長いほど強いってことか…」

「そうだ……だからオルコットは強いぞ」

「…」

 

織斑がうつむく。まぁ勢いで受けたけど正直勝つことは無理だろうとは思ってる。

オレがやってるのは今後楽になる様に道を作っているだけだ。まぁひたすら戦闘訓練するよりはましだろ。

 

 

 

2日後、昨日は出来なかったので幼馴染ちゃんに頼んだ。今日は軽く体を動かすようにしようかなとか思ってたらその幼馴染ちゃん…篠ノ之に呼ばれた。

 

「…は? これからは全部自分がやる?」

「…そうだ」

 

内容はこれからクラス代表までの指導は自分がやるとのこと。

それは別に構わねぇんだが気になるのは内容だ、とのことで聞いてみるとまさかの剣道オンリー。思わず目が点になった。は? ISについての知識の勉強もなくひたすら剣道…?

織斑が昔剣道をやっていたことは雑談で聞いた、だが…。

 

「…ふざけてんのか?」

「わ、私はふざけてなどいない! 私は」

「それなら勝ちの目は万に一つもなくなる、お前は織斑を勝たせる気がないのか」

「そんなつもりはない! 昔の感を思い出せば…!」

 

…ちょっとイラっとした。

 

「剣道を極めればISでも勝てる…とか、浅ェことおもってンじゃねェだろうなァ?」

「-ッ! いや…私は…」

 

オレは背を向ける、正直こいつはずっと頭に血がのぼっているような状態だ。

このまま言葉を浴びせるのは簡単だが意味はない。

 

「…このまま指導は続ける。織斑を取られるかと心配してんのかもしれねぇがそんなつもりはねぇ」

 

そういやぁ篠ノ之って篠ノ之束と同じ苗字だな、姉妹か? ってことなら孤立しててもおかしくない…知り合いの織斑への依存も分からなくねぇかもしれねぇ。

 

 

 

「来たな」

「お、おう。でもなんで道場に?」

 

来たのは昨日も来たであろう剣道場、そのせいかちょっとびくびくしてる。

オレは後ろに置いてあったものを手に取り織斑に放り投げ、自分も同じ物を持つ。

 

「おっとっと…これは…スポンジの…剣?」

「チャンバラ剣とかチャンバラマスターとか呼ばれるがまぁそれはいい。今日はこれで軽く体を動かす指導だ」

 

内容は実に簡単、これで殴り合う。実にシンプル。

剣道とか方に嵌った動きよりも自由に戦うのがISだ、こっちの方がいいだろ。

 

「これでチャンバラするってことか?」

「そうだ、ISは宙に浮いて自由に動く。じゃあ早速行くぞォ!!」

「うおっ!?」

 

姿勢を低く剣を横薙ぎに足元を狙うように振るう。織斑は何とか避けるがそのまま切り上げたオレの剣で左腕を叩かれる。そのまま大きく後ろに下がるが距離は開かせない。そのまま10発ほど織斑にぶつける。

 

「うおお…痛くないけどなんかへこむ…」

「動きが硬ぇ、ISはさらに三次元的な動きだから剣道よりこういうやつのほうがいい」

「もしかして空野、滅茶苦茶強い…?」

「これでもオルコット以下だ、オルコットは射撃主体だから相手としては意味がないがお前の武装には刀ぐらいあるだろ」

「え、なんでだ?」

 

お前が織斑千冬の弟だからな。

 

 

 

 

クラス代表決定戦当日、あの後幼馴染ちゃんと何かあったらしいが詳しくは知らね。

 

「ねーねーるかるかー、おりむー勝てると思う?」

「あぁ? まぁ無理だろ」

「ぶーぶー、そこはおりむー応援しないとー」

 

当たり前だが控えの方にはいけないので観客席で見てる。

一応基礎は固めたが…まぁ1~2撃当てれば上出来だな

 

 

 

あー、惜しいな。一次移行(ファースト・シフト)までいってあとちょっとだったのに。

というかなんで急にエネルギーが削れたんだ? あの剣か?

 

 

「よ、お疲れさん」

「空野っ」

 

オレが声をかけると織斑は笑顔でこちらを向く、何故か隣にいる篠ノ之はちょっとむっとした顔してる。

 

「残念だったな、一撃でも入れば上出来とは思ったが」

「あぁ、あとちょっとで勝てると思ったんだが」

「まぁ代表候補生にあそこまで迫れただけでも上々だ。ま、クラス代表決定戦も終わったしこれでお役御免だな」

「え? これからも教えてくれないのか?」

 

は、これからも教えなきゃいけねぇのか…まぁいいか

 

 

翌日、何か織斑がクラス代表になってた。

あとオルコットも何か織斑に惚れてるっぽい。何が起きた。

 

「そ、空野さんっ!? ああああなたも一夏さんを!」

 

だからちげぇって言ってるだろ。

 

 

 

 

何かまた織斑の幼馴染が隣のクラスに来たらしい。チャイナか、どう見ても織斑に惚れてる。

なんだこいつ、どれだけ女に粉かけてるんだ。

 

「そ、空野…助けてくれ…」

「オレに頼るな」

 

しかも代表候補生ってことは専用機持ちか、面倒だな専用機相手は。

 

なんか鳳から呼び出された。

「あんた一夏のなんなのよ!」だそうだ。

「クラスメイト」って言って帰った。なんか後ろで色々言ってたが知らん、めんどい。

 

織斑から部屋に突撃されたと相談された、だからなんでオレに相談するんだ。

 

 

 

ようやくISの使用予約が待ってきてISの訓練が出来るようになったからアリーナで打鉄という訓練機の調整をしていると織斑がいた。

 

「なんでいるんだお前」

「いやぁ、空野がIS使えるようになったって聞いたから…」

「準備万端じゃねぇかお前」

 

ISスーツまで来て準備万端である、まぁいいけどさ。

 

その後打ち合いしてたらなんか鳳が参戦してきた。代表候補生とか無理に決まってるだろ。

何か明らかに遠距離攻撃してそうなやつがこっち狙ってたから避けてたらなんか驚愕してた。

 

「空野ってやけにISの操作上手いよな」

「そうか?」

「あぁ、セシリアと同じぐらい上手い感じがするぜ。その耳飾りもISの待機状態っぽいよな」

 

視線を向けられたので右耳に付けているチェーンみたいなイヤリングに触れる。

 

「さァな」

 

 

 

 

クラス代表戦の日になった、一回戦で鳳と戦うらしい。

あぁ? 展開が速い? 知らね。

 

鳳のISは青龍刀と何かを飛ばす砲、戦うなら接近戦になる織斑は不利だな。

 

 

 

突然の乱入者に思わず右耳に手を当てる…が、すぐに手を離した。

大丈夫だ、ここにはブリュンヒルデもいるしな。

 

 

 

なんとか乱入者を倒したらしい、ひやひやする。

まぁその後に敵のビームに突っ込んで行って倒しはしたが気絶していた。

今保健室に到着し扉を開けたところ、何か鳳がいた。

 

「無事か織斑」

「空野、心配かけいってぇっ!」

 

バチコンって音が鳴りそうなデコピンをかます。

「一夏に何してんのよー!」と鳳が言うが無視する。

 

「結果的に良かったが一歩間違えばクラスから席が一つ消えていた。勇気は認めるがそれに自信を持つな」

「…そうだな、悪い」

「話はそれだけだ、ゆっくり休め」

 

手を振って保健室から出る、すると何故か鳳も一緒に来た。

 

「ねぇあんた」

「空野流香だ」

「じゃあ空野…あ、あんたも一夏のこと」

「ちげぇよ」

 

こいつら頭少女漫画かよ、なんでも恋愛につなげるな。

 

 

 

 

「空野、体調はどうだ」

「…問題はねぇっす」

 

とある人気のない教室、オレは織斑先生と密談をしていた。

なんでかっていうとまぁオレにも秘密があるってことだな。

 

「そうか…無理矢理入学させておいてなんだがお前にも学園を楽しんで欲しいと思っているからな」

「じゅーぶん楽しませてもらってますよ、弟さんがオレに絡んできたのは驚きでしたが」

「ふふっ、お前は面倒見がいいからな……それとだ、本日より緊急時の起動が許可された」

「……チッ、対象は絶対守れってことか」

 

チャリッと耳飾りが鳴る、あーめんどくせぇ。

 

 

 

 

「今日は転校生がきまーす」

 

いきなりだな、織斑に取り入る他国からの政治的な干渉か?

そこから扉が開き一人の生徒が入ってくる。その生徒を見た瞬間、教室の音が止んだ。

その生徒は長い金髪を後ろでくくり、男子の制服を着た(・・・・・・・・)人物であった。

 

「シャルル・デュノアです、フランスから来ました」

 

 

…フランス、編入できるってことは代表候補生…でも確かフランスの代表候補生は…女だったはず。

名前は………ダメだ、パソ見ないと分からねぇ。教室内だと歓声でうるさいがオレは思考の海に沈んで…。

 

「騒ぐな、静かにしろ」

 

…あっ、やべ。確かIS実習だったな。織斑はデュノアの手を引っ張り教室を出て行った。オレも早く着替えないと。

 

 

 

授業としては織斑には姿勢制御についても教えないとな。ということになった、面倒だけど。

それとデュノアが専用機持ちというのも分かった、つまり代表候補生確定だ。

デュノア社製ってことはその辺のコネの可能性もあるが…そこまでIS学園も緩くないだろう。

 

 

 

そして昼、さてさてと飯を食うかと立ち上がると同時。織斑に声をかけられた。

 

「空野、これからみんなで昼飯食うんだけど一緒に屋上行かないか?」

「オレ食堂だからパス」

 

ぜってぇ鳳とかも呼ぶだろ、そんな修羅場の巣窟にいけるか。

 

 

 

授業が終わり帰宅後、オレは即座に着替えてノーパソを開いた。しばらくカタカタと動かして行くと一枚の資料が現れる。

 

「...やっぱりか」

 

現れた資料には今日転校したデュノアに非常によく似た【シャルロット・デュノア】という少女の写真が貼られていた。フランスの代表候補生であり専用機も持っている。

 

「間違いなく織斑に近づくために来たな、白式のデータ収集とかその辺か? 織斑先生にも共有しておかないとな。知ってるかもしれないが」

 

他国が転入までさせてきたか。他の国から送られて来るのも時間の問題かも知れねぇな。

 

「イギリス、中国、フランス、判明しているところで同じクラスに送られて来そうなのはドイツ、オランダ、タイか」

 

くっそ…めんどくせぇ…。

もういいや飯食って風呂入って寝よ。

 

 

 

……は? 今日も転校生?

…露骨すぎんだろ。思わず織斑先生に視線を向けるとあきらめろ、みたいな顔をされた。

ドイツか、しかもボーデヴィッヒってことは専用機持ち。しかも軍人だったはずだ。

 

「貴様が…」

 

…チッ。

 

織斑に向かっていきなり振るってきた裏拳を掴んで止める。

 

「オイ、随分な挨拶じゃねぇか。ドイツでは人の頬を張るのが一般的な挨拶なのか?」

「…ちっ」

 

ボーデヴィッヒはオレの手を払うと何か織斑に捨て台詞吐いて席へと向かった。

…これあとで織斑先生に聞かなきゃいけないやつだな。

 

 

 

ISの稼働授業だが数には限りがあるため一部の生徒は待機というか暇だ。

オレはもう終わって専用機持ちの様子を見てるのだが…。

 

「ずばーんとしてどんって感じだ!」

「こんな感じにすれば分かるでしょ!?」

「ですからここで17度傾けることで…」

「全然わからん!」

 

…頭痛くなってきた。

擬音、感覚、細かすぎる。やりながら説明しないと分からない織斑に分かるか。

 

 

その後ボーデヴィッヒが突っ込んでくるし織斑は男友達がやっとできたとテンション高くてうるせぇし…。

早くどうにかしてくれ

 

 

 

 

そして放課後、いつもの教室で織斑先生と密談である。

 

「…あぁ、やっぱり織斑せんせーは知ってたんっすね」

「あぁ、流石に言えないがかなり面倒な事情があってな。あとでどうにかはなるとは思うが」

「それにボーデヴィッヒも…過去に教官をしてたんですね」

「あぁ…ドイツにいた頃な」

 

絶対騒動起こすだろアイツ。

 

「いざという時は即座に使え」

「りょーかいっす」

 

 

 

ちょっと遅めに教室に着いたらなんか学年別トーナメントまで私闘禁止だそうだ。

はえーよボーデヴィッヒ。

あとなんか織斑とデュノアの距離感変わったか? もしかして気づいたか?

 

 

そんなこんなで学年別トーナメント、オレのコンビはまぁ同室のやつだ。

一回戦は織斑とデュノア、ボーデヴィッヒと篠ノ之の二組。普通に何か起こりそうである。

一応最前列ですぐに出れるようにはしているが…何事もおこらないといいな。ボーデヴィッヒの機体はシュヴァルツェア・レーゲンで直訳は『黒い雨』か指定した範囲に触れた物体の動きを強制的に停止させる能力……へー、集中力が必要で多方面からの攻撃に弱いか…。

 

 

 

…は、なんだあれ?

優勢になったと思ったら突然黒い液状のものにボーデヴィッヒの機体が包まれた。

その瞬間、右耳に付けていたインカムから音声が流れる。

 

「レベルDの警戒態勢を敷く、お偉いさん方の視界は塞ぐから行け。空野」

「あー畜生、了解っと!」

「あれ!? 空野さん!?」

 

突然アリーナの観客席から乗り越えてアリーナ内に飛び降りたらそりゃ驚くだろう。

観客席から地面はそこそこの高さがある。後ろからは悲鳴が上がるが問題も無く地面に着地し。織斑達の所に向かって走る。

 

「えっはやっ!」

 

後ろからそんな声がかかるが無視した、まぁ200m以上離れてるのに5秒もかからず織斑達の所に到着すれば驚くわな。もちろん種があるわけで到着した瞬間足首のそれ(・・・・・)を解除する。

 

「無事か織斑にデュノア」

「そ、空野!? なんでここに!?」

「いまのって…」

 

こちらへ移動している最中に話は聞いた。VTシステム、また面倒なものを…。

 

「細かい説明は後だ、要約して伝える。オレが時間を稼ぐから織斑、お前は零落白夜を発動させてあの装甲を切れ」

「えっ!? で、でももうエネルギーが…」

「デュノアのISならエネルギーを送ることが出来るだろ」

「え、で、出来るけどなんでしって…」

「細かい説明は後だと言ったはずだ」

 

VTシステムの起動が完全に終わったようで武器を構えてこちらを睨んだ。どことなく織斑先生に似てる…ってValkyrie Trace System(ヴァルキリー・トレース・システム)なんだから当然か…。

 

「でもお前代表候補生じゃないんだろ!? 専用機持ってないんじゃ…!」

「バァカ、代表候補生じゃねーとは言ったが」

 

チャリっと右耳のイヤリングが答えるようになった。

 

「専用機を持ってねーとは一言も言ってねぇよ…来い! エア・スクデット!

 

右耳のイヤリングが光り、オレの身体に装甲が覆われる。

色は青と黄色が主体、所々黒が混じっていて足の装甲は細身ながらもしっかりと動きやすそうになっており半面上の装甲は少ない。

腕の装甲はほぼ籠手に近い、そばには直径60cmぐらいの盾がISを中心に回転している。

 

「こ…これが空野の専用機」

「…オラァッ!」

 

オレは盾を蹴り飛ばしボーデヴィッヒの機体へとぶつけようとするとVTシステムは持っていた黒い剣で弾く。

なるほど、停止システムは今の状態では使えないのな。

オレはそのままVTシステムには突っ込んで行く

 

「そ、空野! 武器は!?」

「そんなものはねぇよ!」

 

地面を蹴り、跳躍してVTシステムに蹴りを放つ。VTシステムは剣で受け止めようとするがオレは足のジェットを噴射し逆方向に回転してVTシステムの頭部に蹴りを入れる。

そう、オレの武装と呼べるものはオレの周りを跳んでいる盾と足だ。盾で受け止めたり盾を蹴ってぶつけたり直接蹴りに行ったりかなり機動力の高い機体だ。

VTシステムは織斑千冬の動きを模倣するもの。近接型であるオレとは相性があまりよくないよ思われるが…。

 

「───!!」

「おっと」

 

振るわれた剣を盾で受け止め、そのままジェットで加速した足を頭部に何度か叩き込むがどうやら頭部への攻撃はあまり意味がないらしい。

無理に叩き込む必要はないな。足止めだけでいい。

盾で相手の剣を防ぎ盾を蹴飛ばして足止めを続ける。

 

「おいまだかよ!」

「もうちょっと…出来た!」

 

後ろを見ると零落白夜を起動した織斑がいたが…。

 

「おい装甲は?」

「エネルギーが足りなくて…」

「ちっ」

 

仕方ねぇあんまり使いたくないが…。

VTシステムを思いっきり蹴り飛ばし織斑のそばへと立つ。

 

「大技放って隙を作るからその隙に切れ、ちょっとかかるからデュノア。援護射撃頼むわ」

「分かった!」

 

デュノアが銃でVTシステムを気を引き逃げ回るのを見ながら両腕を先へ伸ばすようにクロスさせ盾を右腕に取り付ける。

取り付けると同時に盾が真ん中から割れて右腕に装甲のように変形しプラグが伸びて右腕に接続された。

バチバチと赤い雷が全身を駆け巡り両手を外側に開きながらエネルギーを右腕に貯める。

 

「すげぇエネルギーだ…」

 

右腕に収束した後右腕の盾をVTシステムに向け左手で右手首を掴み支える。

 

「いくぜぇ…レッキングバーストォ!!!!!」

 

盾から赤黒いレーザーが発射されVTシステムに直撃し、VTシステムは動作不良を起こし動きが鈍る。

 

「いけぇ! 織斑!」

「おうっ!」

 

その後、織斑がVTシステムの胸部を切り裂きボーデヴィッヒを救い出した。

 

 

 

 

 

「えぇーっ!? 空野が俺の護衛!?」

「あァ、そうだよ」

 

色々の処理が終わった後、織斑先生+ボーデヴィッヒ以外の専用機持ち+篠ノ之で集まりオレについての説明をしていた。

簡単に説明するとオレは織斑の護衛としてIS学園に通っている、そのために専用機持ちだし子供の頃から訓練しているのだ。

 

「な、なんで俺に…?」

「…お前自分のこと全く知らねぇのか…男は使えねぇって言われてたIS動かしてんだぞ、世界中あんたに注目してるし世界中がお前の身体を研究したくて仕方ねぇんだよ。お前は自分が普通の人間だと思ってるだろうがIS動かせる時点で普通じゃねぇんだ」

「だから空野と部屋とか席が近かったのか」

 

そだよ、お前の言うことに結構頷いてたのもそれな。まさか訓練するほど近くなるとは思わなかったが。

 

「で、でしたらあなた結構お強いのでは…?」

「あァ、少なくても一対一なら負ける気はねぇ」

「で、でも教官には負けてたって聞いたわよっ!」

「銃器まともに使えねぇんだから仕方ねぇだろ、オレのエア・スクデットは近距離型なんだからよ。遠距離には盾飛ばすかレッキングバーストしかねぇ」

 

レッキングバーストも使ったらエネルギー全部使うからそれから戦えねぇし。

色々説明したがとりあえず護衛ってことは伝わったと思う。

 

 

 

 

翌日、デュノアが女として再転校してきた。おまけに昨日は大浴場が使える時だったらしく鳳がキレてIS起動させながら突っ込んできた。校内でのIS使用は原則禁止なのであとで鳳は目一杯説教されるといい。

 

「織斑!」

 

護衛だし流石にこれは命にかかわるために無理やり間にISを起動しながら織斑をかばう。

盾で防いだが無理な体勢だったため背中に衝撃を受けながら織斑と共に倒れ込んだ。

 

思ったよりいってぇ…というかなんか変な…

 

「キャー!!!」

「そ、空野さん!?」

 

…あ?

 

眼を開くとオレの口が織斑の口に触れていた。どうやら倒れ込んだ拍子にぶつかったらしい、初めてだが別にキスぐらいはどうだってことない…オレはだが。

織斑は口を離すと顔を真っ赤にして後ろへと後ずさった。

鳳に視線を向けると鬼の頸を取ったようにオレに指を向ける。

 

「や、やっぱりあんたも一夏を狙ってたのね!!!!」

 

…(ぶちっ)

 

「てめぇのせいだろうがァッ!!!!」

 

オレは鳳を蹴り飛ばし、のちに織斑先生に全員怒られた。




織斑に優しいだけのオリ主を書く予定だったのに属性がめっちゃついた。
何故…
あとアニメ1期までやる予定だったけど長くなりそうだから無理だった

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