Vergil in Over lord   作:Crimson Wizard

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作者、年齢1桁の頃からずっと好きだった人振られた後に
誤字報告を使った粘着行為を食らってモチベ消え去ってました。
あんまり酷いと通報します、普通の報告は有難いですが迷惑行為は辞めましょう。
今回はおかしな所や誤字があるかも知れません、ちなみに今回はバージル鬼いちゃん達は出てきません。


第26話(別視点)

 

そこは普段、特段語ることも無いただの草原。

強いて言うのであれば、リ・エスティーゼ王国の城塞都市である、

エ・ランテルから数km離れた地点であり、周辺に幾つかの寒村がある事くらいだろう。

だが今は、まるで巨大なナニカが這いずり回ったかのように荒れ果てていた。

 

 

 

 

「クソっ!一体何がなんだというのだ!?

これではアダマンタイト級冒険者だろうと轢き殺されて終わりではないか……」

 

彼はエ・ランテルの冒険者ギルド組合長であるプルトン・アインザック。

普段通りに仕事をこなしていた所、唐突に地鳴りのような揺れと轟音が鳴り響き、

それは段々と大きくなっていた。

 

早急に浮遊(フライ)を使える魔法詠唱者(マジックキャスター)を派遣し

その正体を確認しようと思っていたのだが、もはやその必要は無かった。

 

今現在、エ・ランテルの関門付近では並んでいる検問待ちの商人や冒険者等が暴動を起こしているらしく

その原因をその目で直接確認しに行った組合の人間により、それは判明した。

 

暴れ回っている冒険者達の話を聞くまでもなく、

チラッと門の向こうを覗くとそこには100mを超える巨大なトレントの様なモンスター。

 

それが今にも城壁を破壊しそうな勢いで此方へと迫っていた。

組員は怒鳴り散らしながら事実を話すが、誰にも信じてもらえなかった。

 

だが、そのあまりの形相にアインザックは周りを一喝し最後まで話を聞いた所で、

本来王都に居るはずのアダマンタイト級冒険者である《青の薔薇》のイビルアイが、

転移魔法により青の薔薇全員を連れて組合へとやって来たのだ。

 

この時点でアインザックは嫌な予感、それこそ国に大きな損害が出るレベルの案件だと確信し、

社交辞令も程々に要件を話すように促した。

 

そこでどう見ても100mはある巨大な魔樹の話を聞き、

やはり先程の組員の報告が正しかったのだと確信した。

 

「……あなた方なら勝てますか?」

 

藁にもすがる思いで問いかけるアインザックだが、

 

「無理ですね。時間稼ぎにもならないでしょう。王国の存続危機の為、

一応国の上層部にも報告し、戦士長を貸して頂くように要請しましたが却下されましたので、

イビルアイに転移魔法で確認を取って貰い、事実を確認した私たちが報告に来たという訳なんです。」

 

即座に断言されたアインザックは天を仰いだ。

王国に二組しか居ない。そして素行の良さなどで有名な青の薔薇の言う事だ、全て事実だろう。

 

「……ここを放棄して逃げ出したところで追いつかれるのは目に見えている。

そもそも、ここを破壊した後でその魔樹とやらが王都に来ない保証はどこにあるのだ、あのバカ貴族共め。」

 

小柄な体格であり、

マジックアイテムにより子供にも年寄りにも聞こえる様な声で

イビルアイは非常事態だろうとお構い無しに日常を過ごすこの国の貴族を罵倒する。

 

「こりゃあ、遂に王国も終わったかも知れねぇな……」

 

普段は漢気溢れる性格で面倒見のいい人物、

まるで大男と見紛う程の筋骨隆々の女戦士であるガガーランも今回ばかりは弱気な態度だ。

 

「この国終わった。」

 

「年貢の納め時。」

 

更に元凄腕の暗殺者であり、チームの索敵などをこなす忍者姉妹、ティアとティナも諦めている様だ。

 

 

そこに追い討ちをかけるように青の薔薇の実質的なリーダーであり、王国貴族でもある

ラキュース・アルベイン・デイル・アインドラが断言する。

 

「私も本来この国の貴族として、そして冒険者としてもこんなことは言いたくないのだけれど

今回ばかりはもうダメかもしれないわね。アレに勝てる人間が居る筈ないわ。」

 

アインザックは思わずその場にへたり込んだ。

……青の薔薇が断言するのであれば、王国で一番強いであろう戦士長でも敵わないのだろう。

 

「……あなた達はどうするの?貴族の私が言うのもなんだけど、

腐っているとはいえここは私の故郷なの。たとえ無謀でも、私はここで国の為に死ぬわ。」

 

「お前……」

 

ガガーランは眩しい者を見る様に自分達のリーダーを見ているが、

 

「…貴様、自分が何を言っているのか分かっているのか!?

お前のその地位と力は、もはやお前だけのモノじゃないんだ!

時間稼ぎでしかないのは分かってる、……帝国に逃げよう。もしかしたら法国の奴らが何とかするかも知れない。」

 

普段は素っ気ないイビルアイだが、今回は猛反対している。

当然だ、こう見えて彼女は仲間思いなのだ。

 

本当の意味で自分を理解してくれる唯一の仲間達を無駄死にさせたくないのだ。

 

「それでどうなるの?アレが王国を滅ぼした後、帝国に来ない保証はあるの?

これは国がどうとか言う問題じゃないの、人類の存亡を賭けた戦いなのよ。」

 

「……っ!戦いにすらならぬのではどの道無駄死にだろうがッ!」

 

 

アインザックは思う。

頼みの綱であった青の薔薇が国を捨てて逃げよう等と言い争っているのに、

まるで他人事のように感じる。

 

……現実逃避していたいが何時までもそういう訳にはいかない。

この立場がなければ俺もさっさと逃げ出したいんだがな。

 

「皆さん、どうか落ち着いてください。言い争っている時間などありませんぞ。

もはやあの魔樹から逃げられないのはわかっています、この都市は終わりでしょうが、これでも

私も元冒険者です。どの道死ぬのなら戦って果敢に散りましょう。」

 

ガガーランは男の意地を張るアインザックについ声を漏らした。

 

「お前さん……」

 

……御伽噺の英雄などいなかったのだ。

彼女達もまた人間、保身に走りたいのも心の底から同意できる。

 

私が死ぬのと、彼女達が死ぬのでは命の重みが違う。

彼女達も言う通り、時間稼ぎでしかないのかもしれないが、

 

ここで彼女達が逃げてくれるならその力で救われる者もまた多くいるだろう。

 

「…ここには青の薔薇など来なかった。皆さんはその力で他の多くを救って下さい。

私も結局の所自己満足です、私が出た所でゴミのように潰されて死ぬだけでしょうが、

あなた方はここで死んでいいような人間ではない。その力でまだ救える命がある筈だ。

……それに、皆さんはまだ若い。年老いた者から死んで逝くのが、世の常です。」

 

アインザックは知らないが、その言葉に心を大きく掻き乱される吸血姫(ヴァンパイアプリンセス)もいた。

 

 

「アインザックさん……」

 

暗にここで死ぬなと言われたラキュースは思う。

……確かに、ここで死にたいのは所詮自己満足だ。

 

私の力があれば他にも多くの人間を救えるだろう。

でも、違う。私の憧れた英雄は守るべき人間を置いて逃げたりしない。

 

「……ダメですね、私の憧れた英雄はこんな事では逃げません。

勿論、御伽噺と現実は違う。ですが、ここで逃げたら二度と私はアダマンタイト級冒険者を名乗れない。」

 

 

 

「……そうですか。」

 

アインザックは思う。

少し気取って男を見せたつもりが、格の違いを見せつけられた。

彼女達のような者こそ、本物の英雄なのだろう。

 

 

「ハッ!おいおい、結局こうなるのかよ、

まぁ、やるからには俺も最期まで付き合うぜ。なぁ?リーダーさんよ。」

 

漢気溢れる女戦士も、ここで死ぬ覚悟を決めたらしい。

 

「ガガーラン……」

 

ラキュースは思わず仲間の名前を呟く。

 

「オーガに負けるのは納得いかない。」

 

「報酬は鬼ボスの体で払ってもらう。」

 

こんな時でも茶目っ気を欠かさない忍者姉妹

 

「ティナ、それにティアも……」

 

ラキュースは正直、彼女達は逃げるかもと思っていた。

信用していないのではなく、共に過ごす中で彼女達のスタンスを知っているからだ。

 

「…フン、長く生きた者が先に死ぬのが世の常ならば、

私にもその時が来ただけの事だ。」

 

相も変わらずツンツンしたイビルアイも、

なんだかんだで一緒に来てくれるらしい。

 

「イビルアイ……」

 

ラキュースは嬉しかった。

自分の我儘なのに共に死んでくれるという仲間がいる事実が。

 

……彼女たちが私の仲間で良かった。

 

 

 

 

「では、私も英雄と共に戦った組合長として後世に名を残しましょう。

……名前どころか、死体すら残らないかもしれませんがね。」

 

アインザックは場を和ませようと渾身のギャグをかますが……

 

「ブラックジョーク。」

 

「空気読め。」

 

忍者姉妹に即座にダメ出しされて撃沈した。

 

「…それにしても何故未だ城壁すら破られていないんだ?」

 

いつまで経っても例の魔樹がここに到達しない事を

疑問に思ったイビルアイは思わず呟く。

 

 

「……まさか誰かが足止めしてるとか?」

 

思わずラキュースは口に出すも

 

「…アレは私でさえ倒せないんだぞ。そんな存在、いる訳が……」

 

急に口ごもったイビルアイにラキュースは問いかける

 

「心当たりがあるの?」

 

数秒逡巡したイビルアイだがこの際、今更だと仲間たちに打ち明ける。

 

「…… 白金の竜王(プラチナムドラゴンロード)

アーグランド評議国に居る、かつての私の友人だ。

他に可能性があるのは、法国が隠している六大神や八欲王、それに十三英雄の血を引くとされる神人だ。

これくらいしか知らん。それと、

ここにいる奴らは仮に生き残ってもこの情報を喋った瞬間法国に消されるからな。」

 

その発言により、話を聞いていた者たちは、

彼女の口にした情報は本来国家機密だという事を理解した。

 

「……とりあえず確認するしかない、一度私が先行する。

問題無ければ合図を出す。死にたい奴らは着いてこい。」

 

そう言ってイビルアイは組合から転移魔法で消えていった。

 

 




うぅ……

バージルのヒロインは誰?(ナザリック勢は無理がある)

  • ラキュース
  • イビルアイ
  • ティア、ティナ
  • レイナース
  • アルシェ
  • 番外ちゃん(作者の推し)
  • クレマンティーヌ
  • カルカ
  • レメディオス
  • ケラルト
  • ネイア
  • んなもんは要らねぇ!
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