Vergil in Over lord 作:Crimson Wizard
勿論こっちも書きますが、とりあえず向こうを本編まで書きたいので一応書いときます。
あの後、恐らくすぐにバージルさんは意識が戻ったのだろう。
そして今、自分の力が相手に吸収されている事に気がついたみたいだ。
「クソっ!何故
俺の目の前で仲間が殺されるかもしれない…!
なのに助けに行けないっ!
「っ、なんなんだ!あの霧の壁は!お前たち、心当たりは?」
知るわけないとは思うが、一応聞いてはおかないと…
あんなもの、ユグドラシルにもなかった筈だ。
「申し訳ありません!モモンガ様、私共に心当たりは御座いません…。」
「……まあ、そうだよな。」
…っ、アルベドに八つ当たりしても意味はないんだけどな。
「あの霧の壁を超えるのは不可能だと思うが、一応直接シモべを派遣しておけ。」
「畏まりました、すぐに手配致します。」
理解不能な現象が多発している。
……仕方ない。このままでは俺は冷静を保てない。
俺は
「モ、モモンガ様、その御姿には何かリスクがあったのでは?」
「その通りだ。だが、人間時の私は精神が脆い。
バージルさんを助けるためにはナザリックを動かす必要がある。
リスクなど考慮するに値しない。ナザリックの支配者である私は部下たちを危険に晒すのならば、相応の責任を果たす必要がある。
私は、組織のトップに立つものとして精神を抑制してでも的確な指示を出さなくてはならない。」
この姿も久しぶりだ。
一応、勘違いが起きないように言っておかなくてはならない。
「この姿になったところですぐに何かがある訳ではないのだ。
長期的に見ると問題があるのは間違いないがな…」
「なるほど、では姿を戻すことで御身に差し迫った危険がある訳ではないのですね?」
「その通りだ。」
さて、抑制されるせいか先程よりも物事を冷静に考えられる。
現在、バージルさんは魔樹と戦う準備をしているようだ。
あの霧の壁は向こうからも抜けられそうに無いしな。
「さて、私はバージルさんの実力を信用してはいる。
……だが、レベル80の存在がレベル100を超えた相手に勝利する確率は如何程だ?
それも、相手はワールドエネミークラスだ。少なくとも、本来複数人で相手をするもの。」
ニグレドは口を噤んだままだ。
「…正直に申し上げますと、バージル様が勝利する可能性はほぼ皆無であると言わざるを得ません。
あの、シャルティア戦の時の能力がそのままのレベルで使えるなら話は別ですが……
80レベルともなればまともにダメージを与えるだけでも一苦労でしょう。
それにあの魔樹は姉さんの分析によるとかなりの体力特化、
それにモモンガ様へダメージを与えた謎の状態異常攻撃もあります。」
アルベド程の頭脳を持つものが言うのだ。
……バージルさんが勝てる可能性はほぼ皆無だろう。
「……今すぐ霧の壁近くにパンドラズアクターを派遣しろ。
彼なら蘇生を使えるメンバーに変身できる。
周りからは察知されぬように隠密系のスキルを付与できるシモべも同行させよ。
もっとも、バージルさんがやられたとしてあの霧が晴れるかは分からないがな……」
仮に、バージルさんを蘇生できなかったら……その時は、
彼に乗り移った者には生まれてきた事を後悔する程の苦痛を与え、死すら生温い地獄へと叩き落としてやる…!
常に抑制されながらも今後の事を考えていると、バージルさんが魔樹へと攻撃を仕掛けた。
「……どうやら戦いが始まったようだ。」
「ええ、そのようですね。」
彼は素早く魔樹へと接近して攻撃を仕掛けているが……
「やはりと言うべきか、
バージルさんの動きは鈍くなっているし殆ど魔樹にダメージは通っていないな。」
……それでも、80レベルとは思えない動きをしてはいるが。
「ええ、レベルの割に、武装を上手く切り替えながら戦っているようです。」
「ニグレドよ、魔樹の体力は?」
レベル差が20以上はある攻撃だ。
大したダメージは期待出来ないが……
「……モモンガ様、これはどういうことでしょうか。」
そういって魔樹の体力を見せられる。
「なっ、レベル差20以上はあるのだぞ!?」
おかしい。ほぼワールドエネミークラスの相手に対する、
それも20レベル以上は差がある相手へのダメージの通りではない。
隣でアルベドが、ニグレドの魔法で表示している魔樹の体力を覗き込む。
「なっ!?……既に1割近く削ったのですか!?」
「……そういえば、彼はユグドラシルの法則に縛られてはいなかったな。」
そうだ、思い出した。
転移不可のナザリックで
「これは、勝つ可能性が出てきたぞ。」
我ながら甘い見通しだ。
まだ相手の体力は9割以上残っているというのに。
「モモンガ様、それは些か早計かと……」
即座に否定しようとするアルベドに重ねて言う。
「分かっている。だが、お前は彼が倒れ伏した姿を想像してみろ。
……全くもってイメージが湧かないのだ。それに、彼はまだ一度も攻撃を受けていない。」
そう。レベル以上の戦いとか、そんな次元じゃない。
ユグドラシルではこんなことは有り得ないのだ。
「お前はレベル100だが、彼と同じ事をしろと言われたら可能か?」
すると悔しそうな顔をするアルベド。
「悔しくはありますが……私には不可能です。
恐らく、あのレベルの相手に一度も被弾せずに戦いきる事はシャルティアでも不可能かと、」
それが普通なのだ。
「そう、それでいい。実際、私にも不可能だ。」
「そんな!?御身に不可能な事など……あ」
やっぱり、NPCは俺を神聖視しすぎだ。
きっと俺が何を言っても無駄なんだろう。
「アルベドよ、私が全知全能ならばそもそもこの様な事態は起きていない。
私はただ、事実を述べただけだ。」
あくまでナザリック所属ではないバージルに、
自らの主が欠片でも劣る箇所があるというだけで許せないのだろう。
「……申し訳御座いません。」
「良いのだ。さて、未だ一度も被弾無し、か。」
これは案外、何とかなるかもしれない。
「モモンガ様、質問しても宜しいでしょうか?」
「構わん、言ってみろ。」
さっきまで黙っていたニグレドが質問してきた。
……なんだ?
「バージル様は、近接職のようですが時々魔力を使う様子が御座います。
攻撃する度に少しずつ減っていくのでは、その内魔力が枯渇してしまうのでは?」
……ああ、なるほど。
でも、彼の魔法で幻影剣以外というと……
「あの、ベオウルフ、だったか?
篭手と具足を使った攻撃の事か?」
俺はあれ以外だとそれくらいしか知らない。
「そうですね。それとあの、遠距離からの斬撃は魔力を消費しないのですか?」
「ああ、確か次元斬、だったかな?あれは彼と、彼が魔具と呼んでいた刀による技だ。
それに、スキルでもないらしい。使用するのに魔力が必要だという話も聞いた事がないな。」
改めて口に出すとかなりの規格外だな……
「それで、ニグレドよ。かなりの時間戦っているが魔樹の体力は?」
「現時点で、既に7割を切っております。」
おお!これは本当に勝てるかも知れない。
……ん?
「おい、ニグレドよ、もっと映像を拡大してくれ。」
すぐ映像を見やすいように調整してくれるニグレド。
「…これで宜しいですか?」
「……ああ、助かる。」
なんだ……
先程とは明らかにバージルさんの動きが変わっている。
「ニグレド、もう一度彼のステータスを確認するのだ。」
「……?分かりました。」
これで、俺の予想が正しければ……
「これは、能力全般にバフが乗っているようです。」
「……やはりか。」
2人に凄くキラキラした目で見られる。
いつもなら嬉しいが、今は素直に喜べない。
「どういう理屈なのでしょうか?」
アルベドが質問してくる。
俺も、詳しくは分からないが……
「簡単な事だ、彼にはユグドラシルとは別の法則が働いている。
彼はそれに則って行動を起こした結果、その法則とやらが働いて彼にバフが掛かっただけの事だ。
……レベル差のある魔樹相手にダメージを与えられているのもそれが理由だろう。」
「流石はモモンガ様!一瞬で」
アルベドには悪いが、今は賛辞を聞いているような状況じゃない。
「世辞はいい。とりあえずは常にバージルさんと魔樹の体力を確認しておけ。」
「はっ、了解致しました。」
……本当、見たまんまを言っただけで何故ここまで褒められるのか。
その後も、俺はバージルさんの戦いを観ていた。
もう、ここまで来て彼が負けるとは思わない。
俺ははやくも彼を迎えに行った時の事を考えていた。
……元々、俺が軽率にルプスレギナを庇ったせいで彼を置いていくことになった。
ちゃんと謝らないと。
「っ、モモンガ様!」
「うおっ!ど、どうしたニグレドよ。」
俺は唐突に声を上げたニグレドに驚き、
彼女が出している魔法の映像に釘付けになっているのを見るとすぐに自分もその映像を確認した。
「なっ……」
……まさかここまでとは。
あれが彼の話していた真魔人化というものか!
レベルにして、凡そ20〜30くらいは上昇している。
それにしても破格の性能だ。使うには条件が有りそうだが……
バフとは違うみたいだが、
あれを通常時に使われると彼に勝てる相手なんていないだろうな。
「……これは、彼を迎えに行く時間が少し早くなったかも知れないな。」
「っ、まさか本当に……ゴホン!そのようですね。」
アルベドも流石にレベル80クラスの相手が、
レベル100をオーバーした相手に勝つとは欠片も考えられなかったらしい。
それとも形態変化による異常なまでの強化状態に驚いているのか。
……まあ、どっちにしろ分かるわけないよな。
「そうだ、アルベドよ。この映像を保存しておくのだ。
……お前たちNPCは、外部の存在を過小評価する傾向がある。
これを見せればシャルティア戦を見ていない者もそれを理解せざるを得ないだろう。」
アルベドは悔しそうな顔をすると、
「…実は、最初からそのつもりで映像を記録するスクロールを使用しております。
業腹ではありますが、ナザリックでバージル様に敵う存在などルベドか第八階層のあれらくらいなものですので、
外部の者を侮る事が無いようにと事前に記録しておりました。」
別に敵対する訳じゃないんだが……
まあ、ナザリックの者としては正しい反応だ。
「そうか、お前には後で褒美をやろう。
そういえば、これで2つ目になるな。まだ前の褒美は受け取っていないだろう?」
「そうですね、よく考えて決めようかと……」
まあ、こいつらは忠誠心で生きてるからな。
適当に決めて後悔しないようにしたいんだろう。
「……一つは私が決めてもいいか?」
「はい、畏まりまし……え?」
う、やっぱり嫌だったか……
「いや、別に無理に」
「いえ、違うのです!是非、是非御身が選んだ御褒美を!」
……至高の御方の言葉を遮るのは不敬じゃなかったのか。
まあいいけど。
「ゴホン!分かった、一つは私が選ぶとしよう。」
「ありがとうございます!」
さて、バージルさんの方は……
「あっ!」
「攻撃を喰らったようですね。」
落ち着け、……大丈夫だ。
今の彼なら一撃でダウンすることは無い。
それにしても、何故稚拙とはいえ魔樹がバージルさんの幻影剣を真似出来たんだ……?
しかも爆発するなんて。
「……真魔人化状態が解けてしまったようだな。」
「彼は生い立ちが特殊なだけの人間では無かったのですか?」
そうか、ニグレドは知らないのか。
「アルベドは、彼の種族を知っているか?」
「いえ、興味が有りません。」
……え?
「そ、そうか。」
えー、まだ二人は険悪だったのか。
「……私は気になりますね。」
あ、そういえばニグレドの質問だったな。
彼女が気にするのは赤子だけだと思ってたけど……
「ゴホン!えー、確かネフィリムと人間か何かのハーフだった筈だ。」
「……私の知るネフィリムとは随分と容姿が違うようですが。」
……確かに。
あれ?真魔人化って言うくらいだから、あれがネフィリムの状態って事だよな?
「……まあ、本人もあまり詳しくは知らないらしい。
ここで私たちが何を言おうと所詮考察の域を出ないな。」
「ええ、まあ……。」
確かに気になるのも分かるけど……
「……え?」
「あれは……見た事がないな。」
なんだろうか、幻影剣というのは分かるが……
まさか、時間に干渉して相手を拘束する効果がある技を持ってるとは。
「あれは……」
「シャルティア戦で、彼女の体力を削りきった技ね。」
敗れた魔樹は、映像越しにも丸太や木片となって周辺にバラバラと落ちている。
その後、霧の壁のような物は消失し、魔樹のいた場所には謎の葉を付けた枝と
蒼い剣が鎮座している。
バージルさん…!本当に勝ってしまった。
にしてもなんだあの剣!欲しい!
コレクターとしての血が騒ぐが、まずはバージルさんだ!
俺はすぐに
「お待ち下さい!モモンガ様!」
……また護衛か?
「そのままの御姿では、現地の人間が騒ぎ出します。」
あ、忘れてた……
「すまない、アルベドよ、助かった。」
人間に戻った俺はそう言って再び
バージルさんのもとへと急いだ。
高評価よろしくです!
バージルのヒロインは誰?(ナザリック勢は無理がある)
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