Vergil in Over lord   作:Crimson Wizard

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他作品との同時投稿はそこそこ疲れますね……
良ければ他の作品も読んで見てください。
……それと高評価よろしくです(ボソッ)


第34話

 

 

「ぐっ……」

 

う、身体痛てぇ。

……そっか。何とかザイトルクワエを倒したんだった。

 

にしても、こっちの世界で次の日まで身体の痛みが響いたのは初めてだわ。

間違いなく力を吸い取られてたせいだよな。

 

それと、ミラージュエッジ!!!

……早く触りたい!

 

「早く受け取らなくては……」

 

なんか枝みたいなドロップアイテムもあったしな……

さて、モモンガさんのとこ行くか。

 

 

 

 

「おい、モモン…ガ……」

 

……え?

 

俺は一瞬、脳がフリーズしたかと思った。

 

「や、辞めるのだアルベドよ。」

 

「もう一つのご褒美は私が選んでも良いと仰っていたでは無いですか!

それとも焦らしプレイの方がよろしいのですか!?」

 

……俺はこんなのに殴られてダウンしてたのか。

モモンガさんも、満更でもなさそうだし。

 

「……おい、モモンガ。ミラージュエッジを寄越せ。

乳繰り合うのは構わんが、俺はギルドへの報告を済ませてくる。」

 

何の躊躇も無く間に挟まり、口を挟むのがバージル(鬼いちゃん)クオリティ。

……もう慣れたよ、この身体にも。

 

「バ、バージルさん!違うんです!これは別にそういうのじゃなくて……!」

 

「いいから寄越せ。」

 

何が悲しくて友人の情事を見なくちゃいかんのだ。

いくらモモンガさんでも勘弁してくれ。

 

「あ、はい。……ミラージュエッジってこれの事ですか?」

 

そう言ってモモンガさんは蒼い剣を取り出した。

……絶対鑑定とかしてるよなぁ。

 

「……ああ。それとその枝についている葉は、万能薬の材料になる。

くれてやってもいいが、栽培が可能なら増やして一つ寄越せ。

組合に提出する。」

 

本当は王国なんかに渡したくないけど、栽培が可能なら話は別だ。

勿論出来ないならあんな国に……というか組合には渡さないが。

 

「……え、貰ってもいいんですか?かなり貴重ですよ?特にこの葉の部分。」

 

だからあげるってば、栽培可能かどうかを聞いてるんだよ。

 

「栽培出来なくとも、元より俺には必要の無いものだ。

それと乳繰り合うのもいいが、貴様も早く組合に顔を出せ。

実力もバレている。……期間を開けるほど面倒になるぞ。」

 

モモンガさんはふむふむ言っている。

……本当に分かってんのか?

 

そしてアルベドはずーっと真顔で此方を見ている。

……怖いわ!

 

「おお、ありがとうございます!

早速マーレにでも渡してみるか……」

 

話の後半聞き流してないよな?

まあいいや。

 

俺は無言で転移門(ゲート)擬きを開くと組合の建物まで直接転移した。

……もうバレてるしな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リ・エスティーゼ王国内の城塞都市、エ・ランテルの関所前では、

かつてないほどの大騒動が起きていた。

 

「お、おい!マジで倒しちまったのか!?」

 

「じゃあなんで居ないんだよ!?もしかして相打ちか?」

 

実は先程、というか昨日まで城ほどの大きさを持つ魔樹が暴れ回り、

この都市どころか王国自体が滅びの危機に直面していたのだ。

 

あれから一晩経ったがあれ程の脅威を見た者の中で、大人しく睡眠を取れる程の馬鹿は居なかった。

 

「落ち着きなさい!」

 

そこにアダマンタイト級冒険者、蒼の薔薇のリーダーである、

ラキュース・アルベイン・デイル・アインドラの声が響き渡ると騒がしかった声は次第に聞こえなくなる。

 

「……魔樹と戦っていた冒険者の安否はともかく、あの魔樹が討伐されたのは間違いないはず。

でも、少なくとも一度はかなり強化されて復活していたし油断は出来ないわ。

故に、アダマンタイト級冒険者である私たちが直接確認を取ってくるわ。」

 

すると所々から声が上がる。

 

「いくらあんた達でも辞めといた方がいい。

あんなの、近づいて復活でもしちまったらこの国は終わりだ。

アダマンタイトだろうとなんだろうと、逃げる時間も稼げねえよ。」

 

「そ、そうだ。アレを倒した冒険者が帰ってくるまで待っといた方がいいって!なぁ?」

 

勿論、その意見には一理ある。

……だが、それでは何時来るかも分からない脅威を先延ばしにするだけ。

 

この国の愚かな貴族と同じ判断は出来ない。

 

「……無理よ。あの魔樹を倒した冒険者が生きている保証は何処にあるの?

そもそも、どう見ても死んでるけど実際に確認が取れるまで誰も安心出来ないじゃない。

まともに睡眠すら取れないんじゃ、モンスター以外の脅威に対応出来なくなるわ。」

 

その言葉に、反対していた者達は黙り込んだ。

 

「それで、あの冒険者達の名前を知るものは居ないかしら?」

 

ラキュースが周りの冒険者達に尋ねると、ちらほらと声をあげる者が現れる。

 

「ああ、それなら知ってるぜ!確か、黒い鎧を着てた男がモモンガ、

それと、片刃の剣を持った銀髪の男はギルバ。それと、あの赤髪の女は……」

 

名前が出て来ず、男は言葉に詰まる。

すると、今まで黙り込んでいたイビルアイが唐突に口を開く。

 

「……レジーナ、というらしい。

第六位階の大治癒(ヒール)が使えると聞いている…。」

 

「何よ、イビルアイ。知っていたの?」

 

ラキュースはじゃあなんで黙っていたのかを問おうとするも、

イビルアイの悲痛そうな顔を見てそれを辞めた。

 

「……どうしたの?」

 

「……最初、あの魔樹が謎の復活を遂げるまでは、モモンガと呼ばれる男が相手をしていた。

だが、倒れたはずの魔樹がいきなり強化された状態で復活し、レジーナと呼ばれる女に襲い掛かった。

モモンガとやらはその女を庇って魔樹の攻撃を受けると、鎧越しにも関わらず何らかの状態異常を受けたようだった。」

 

他の者には何が起きていたかすらも分からなかった為、流石アダマンタイト級冒険者だという声も上がるが……

 

「それをギルバと呼ばれる男が何らかの術を用いて何処かへと逃がし、私も逃げる時間を稼いで貰ったんだ……

はは。何がアダマンタイト級冒険者だ。何も出来ないどころか、私はアイツの足を引っ張っただけだ……。」

 

アダマンタイト級冒険者の独白に、同じように無力を感じていた冒険者達は無意識に歯を食いしばる。

 

「……仕方ないわ。イビルアイ、普通はあんな化け物を相手に出来る訳ないじゃない。」

 

「普通じゃない…!」

 

イビルアイを気遣ったラキュースだが、何故だかイビルアイは余計に悔しそうな顔をしている。

 

「え?」

 

「だから!私たちアダマンタイト級冒険者は世間からして普通の存在なのか!?

実際、アイツらは相手など関係なく戦っていたではないか!」

 

その言葉に、無意識に諦めていた事を悟ったラキュースはイビルアイの言葉の意味を理解した。

 

「そういうことね……

私たちも、知らず知らずのうちに慢心していたのね。確かに、そもそも悔しくない方がおかしいのよ。」

 

ラキュースは、意味が分からないであろう冒険者達に言葉の真意を説明する。

 

「確かに私たち冒険者は、モンスターを相手にする傭兵的な意味合いが強いわ。

他に選択肢が無いからという理由で、仕方なく冒険者という職業に就いた人間も居るでしょう。」

 

皆が、アダマンタイト級冒険者の言葉に耳を傾けている。

 

「でも、それだけじゃないでしょう?幼い頃、英雄譚を読んでこんな英雄になりたいと。

こんな冒険者になりたいと思ってこの職業に就いた人間もいる。

……でも現実を知ってしまって、不可能だと諦めてしまった。」

 

実際、ほとんどの冒険者は言われた通りだ。甘い見通しで冒険者になり、

現実を知ると冒険などせずゴブリンなんかを相手にしてちっぽけな報酬で満足する。

 

後は酒場で一晩を過ごすだけの、つまらないその日暮らしだ。

彼らは御伽噺の英雄など存在しないと自分に都合の良い言い訳をして、

努力しない日々を送り続けてきた。

 

「私は、あの冒険者達が羨ましくて仕方ないわ……。

だって、確かに私は死ぬ気であの魔樹を止めようと思った。

でも実際は、止められないことなんて分かりきっていた。

……つまり、体のいい自殺よ。」

 

確かにその身を犠牲に時間を稼いだといえば聞こえはいいが、

アダマンタイト級冒険者であるラキュースは他に取れる選択肢が沢山あったはずだ。

 

「イビルアイに指摘されてようやく気づいた。

普段からもっと努力していれば。そう思ったわ……」

 

努力をしていたつもりではあったが、思い返せば

アダマンタイト級になってからは昔のような無理はしていなかった。

 

「だって、これじゃあモンスター相手の傭兵としてすら機能してないじゃない…!

あなた達は悔しくないの?御伽噺の英雄に憧れたんじゃなかったの!?」

 

ティアやティナ、そしてガガーランなども悔しそうな顔をしている。

 

「私はこの件が落ち着いたらまた一から鍛え直すわ。

……このくらいの脅威なら、私たちだけで何とか出来るように。」

 

「ったく。いつの間にか腑抜けてたみたいだ…!勿論俺も着いてくぜ!」

 

戦士としての才能が限界に近いことを理由に、

少し臆病になり過ぎていたとガガーランは言う。

 

「私も、悔しくない訳ない。」

 

「何も出来なかった。」

 

ティアにティナも、今回の件でプライドを傷付けられたらしい。

 

「……私もそうだな。努力なんて、最後にしたのはいつだったか覚えていない。

これでは、リーダーに怒られてしまうな。」

 

この場にいる全ての冒険者達が、まるで指揮官系のスキルでも使われたかのように昂っている。

全て言われた通りだ。

 

既にアダマンタイト級冒険者の人間がまだ上を見続けているというのに、

才能を理由にして努力すらしないのなら英雄になんてなれる訳ないだろう。

 

その場の士気も高まった所で、ラキュースは再び魔樹の死体を確認しに行くと言おうと思ったが……

 

 

 

突如、目の前の空間に二度剣閃が走ったかと思うと、闇に包まれた空間が展開される。

 

謎の現象に、その場にいる冒険者達全員が臨戦態勢をとる。

だが……

 

「大丈夫だ……。」

 

蒼の薔薇のイビルアイがそう言ったことで、場の空気が困惑に包まれる。

 

するとその中から……

 

 

「……なんだ?」

 

先程話題に上がった魔樹を討伐した冒険者が何食わぬ顔をして出て来た。

 

 

 

……ちなみに蒼の薔薇のリーダーは闇に包まれた謎の空間をみて興奮していたという。

 




前半と後半の温度差w

バージルのヒロインは誰?(ナザリック勢は無理がある)

  • ラキュース
  • イビルアイ
  • ティア、ティナ
  • レイナース
  • アルシェ
  • 番外ちゃん(作者の推し)
  • クレマンティーヌ
  • カルカ
  • レメディオス
  • ケラルト
  • ネイア
  • んなもんは要らねぇ!
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