蒼穹の花嫁 ~ドラゴンクエストⅤ:parallel~ 作:イチゴころころ
こんばんは。イチゴころころです。
海編こと第4章が始まって数日経ち、『これ、ごく自然な流れで水着回やれたんじゃね?』と今更のように思い至りました。しかし本編はイイ感じに引き締まってきているのでもう遅し……。
水着回やりてェーーーー。フローラにあぶない水着着てほしいなァーーーーー(欲望の権化)。
いつか幕間みたいなノリで差し込みます。絶対。
乗組員が襲撃された翌日、イーサンたちは早速聞き込み調査を開始した。
「あ、船長。それに姐御も。どうもお疲れ様です」
真っ先に向かったのはもちろん、第一発見者のパーシーの元だ。
「……パーシー君。お聞きしたいことがあります」
「ええ、わかってます。ゆ、幽霊の事ですよね……。僕も、昨日はよく眠れなくて、次に自分が襲われたらと思うと……」
「余計な言の葉は結構です。聞かれたことだけに答えてください。どこで、何を見たというのです?」
「え、ええっと……この辺です。た、確かあのマストとマストの間をこう、すーって横切ったんです。白い影が」
「証言が不明瞭ですね。そんな不確かなことだけで、幽霊だと吹聴して回ったというのですか?」
「え、ええっ!?」
「第一発見者はすなわち、容疑者でもあるということです。返答次第では、貴官を捕縛しますからそのつもりで」
見かねたイーサンがふたりの間に割って入る。
「待ってアイナさん! 初っ端からなんでそんなに喧嘩腰なの!?」
「……彼が容疑者だからですが?」
「そんな圧迫感満載な聞き方したら彼だって萎縮しちゃうでしょ!」
「容疑者を庇うというのですか? でしたら貴方も……」
「客観的に見て! 頼むから! 今、この場で一番タチが悪いのは誰!?」
アイナは少し目を見開き、バツが悪そうに視線を落とした。
「とにかく聞き込みは俺がやるから。パーシー、もう一度聞かせてくれないか、君が見たっていう幽霊の話――」
イーサンがゆっくり語り掛ける様子を、アイナはメモを取りながら観察していた。パーシーと別れた後も、彼はテンポよく聞き込みを続ける。
意外にも、『謎の白い影』の目撃証言は多くあった。どこそこを横切った、視界の端に映ったなど、見かけた船乗りはそれなりにいるらしい。幽霊だと気にしているのがパーシーというだけで、みんな帆や布と見間違えただけだと思っていたらしい。……もちろん、昨日の事件が起きるまでは、だ。
医務室に運ばれたザックとリッキーの様子も見に行った。彼らは命に別状はないらしいが、やはり声が出せず、体の自由も利かない状態だ。さらに謎の痙攣は収まっておらず、体力を消耗する一方だという。鎮静剤を打ち、救護係が付きっきりで様子を見ている。
完全にメモ要因となったアイナは、イーサンについて考える。
彼女は根本的に男性というものを信用していない。主であるルドマン氏は例外だが、部下である他の船乗りたちのことも、ビジネスパートナー以上のことを思っていない。先ほどパーシーに言った通り、この船、引いてはルドマン家に不利益を被る輩を発見したら、問答無用で牢に入れるつもりで乗船している。
そしてこの、フローラの夫になった男のことも、結婚式を経た今でさえ信用していなかった。フローラに言い寄る男は誰もが、ルドマン家の財産かフローラの容姿のみに惹かれたくず人間に違いない、男とはそういう生き物なのだからと、そう思っていた。加えて魔物使いの旅人という彼の経歴。彼女が敵意を向けるに十分である。だからこうやって船旅に出たのも、何か悪辣な思惑があるに違いないと、自ら名乗りを上げて航海士の任に就いたのだが。
「――さん、アイナさん?」
「えっ」
「どう思う? この幽霊の正体。あ、俺が犯人ってのはナシでお願い。話が進まないからね。船乗りの中に犯人がいるのか、はたまた魔物の仕業なのか。それとも、本当に幽霊がいるのか、とか」
「え、ええ。……少なくとも本物の幽霊の線はないでしょう。あれは小説の中だけに出てくる代物です」
「うーんどうかな」
首を傾げるイーサンに、アイナは疑念の視線を向ける。
「昔、会ったことがあるんだ、幽霊。それも呪いで魔物になったとかじゃなくて、亡くなった人の魂が本当にそこにいるのを」
「ばかばかしいですね」
「レヌール王国、聞いたことない?」
「……数十年前に滅びたという、北の大陸の国ですね」
「そこの王様と王妃様、彼らの幽霊に会ったことがある。廃墟のレヌール城は魔物の棲みかになってしまってて、安らかに眠りたい彼らは困ってたみたいなんだ」
「レヌール領は今や誰も寄り付かない地と聞きました。そんな場所に、わざわざ旅に出向いたというのですか?」
「実はこれ、子供の頃の話。お化け退治に行ったんだよ。ちょうどレヌール領のすぐ近くに街があって」
「おひとりで、ですか?」
「いや、幼馴染と」
「なるほど、さすがに幼子ひとりでは危険が過ぎます。ふたりになったところで危ないのは否めません……が……」
アイナは我に返る。いつの間にか、彼の話に耳を傾ける自分がいた。
「余計な話は結構です! 私は幽霊なんて信じません。犯行の手口からして、魔物の線で捜査を進めるのが良いでしょう」
「うん、だよね。俺もそう思ってたところ」
「なっ……」
じゃあ今の話は何だったのかと睨み付けたら、イーサンは悪戯っぽく笑う。
「船に魔物が忍び込んでるってなったら、それはそれで大問題だ。行こうか、アイナさん」
「行くって、どこへですか」
「心当たり。というか、わかりそうな人を知ってるからさ。人? 袋? うーん……」
* *
船倉最下層。船乗りの居住フロアを抜けた先の貨物室が、イーサンの仲間モンスターの寝床だった。本当は客室に専用の部屋が用意されているのだが、慣れ親しんだ馬車とパトリシアと一緒にいる方が落ち着くと、みんなここに集まっていた。
「ニャア……なんだが久しぶりニャ、ご主人……」
積み上げられた毛布の上に、顔面蒼白のリズが横たわっていた。マービンは隣に座り、本を読んでいる。
「リズ。ちゃんとご飯食べてるか? 体調が悪いからって、最低限は摂らないとだめだからな」
イーサンが首を撫でると、リズは気持ちよさそうにゴロゴロと鳴いた。
「大丈夫、だ……。それに旦那が買いそろえてくれた本のお陰で、オレも先輩も、退屈せずに済んでいる……」
「それは良かったよ。ふたりとも、まだまだ先は長いけどよろしくな。……で、ロランはどこに行った?」
「あの新米は……いつも動き回っている……今もどこかで、遊んでいるだろうさ……」
イーサンは肩をすくめた。まあ、だろうね。
その後、トレヴァに協力してもらい彼の姿を散策。しばらくして廊下をぴょんぴょん跳ねるロランを発見した。
「……ふと思ったんだけどお前じゃないよな、幽霊の正体」
「ナリ?」
しかしロランには船員を襲う動機も手段もない。
「魔物には可能だと思いますが? 船員の動きを封じることなどたやすいのでは」
「ロランの習得呪文はメダパニ・ラリホーマ・マヌーサ・マホトーンだ。あんな症状引き起こすことはできないよ。……白い影だけなら、こいつの可能性もあるけどね」
「英雄 ロラン は 無辜 の 民 を 傷つけない ナリ!」
「……まあ良いでしょう。それで若旦那様、彼が犯人に繋がるとは、どういうことなのですか?」
「よし。ロラン、この船全体で、妙な魔力反応がないか調べてくれないか?」
ロランは魔力に敏感だ。恐らくは彼の自我、能力が魔力そのものであるからだろう。実際、トレヴァに次ぐ索敵要因として普段から役に立ってもらっているし、山奥の村にいるイーサンを見つけたのも、彼がイーサンの魔力を辿ったからである。
ロランは快く引き受けると、目を閉じてふるふると身を震わせた。だがしばらくして目を開け、申し訳なさそうに顔を伏せた。
「魔力 反応 ナシ ……。 異常 検知 できず ……」
「え、本当? ちゃんと隅々まで見た?」
「マスター リズ マービン トレヴァ フローラ パトリシア あと ニンゲン たくさん 以上 ナリ」
当てが外れたか……何か魔物が潜んでいたり、本物の幽霊だったりした場合、ロランのレーダーに引っかかると踏んでいたのだが。
「よしわかった。ありがとうロラン。君もなにかわかったらすぐ教えてくれ。あ、それと、船乗りたちを脅かしたりするなよ? 幽霊に勘違いされるかもしれないからな」
「了解 ナリ!」
ロランは楽しそうに跳ねて去っていった。ともあれ、捜査は振り出しに戻るのである。
* *
陽が傾くころ、ベッドに横たわるフローラは夫の顔を見て歓喜した。イーサンがこの部屋を訪ねるのは通算2回目である。理由は言わずもがな。アイナは部屋の入口に立ち、その目を光らせている。
「イーサンさん! 来てくれたのですね!」
「フローラ……なんか悪化してない?」
彼女は恥ずかしそうに、毛布で口元を隠した。
「どうしても波の揺れに慣れないのです……。今は大丈夫ですが、頭痛も少しあって……」
「そっか……。まあ、無理しないようにね」
「実はここ数日、波が荒れ始めています。無理もありません。お嬢様を責めるのは筋違いではないかと」
「わ、わかってるって。ていうか大丈夫なの? 嵐でも来るの?」
「予兆はあります。が、潮の流れから鑑みるに、直撃を回避することは可能です。ご心配なさらず」
「すごい、一等航海士みたいなこと言ってる」
「紛れもなく一等航海士ですが?」
ばちばちと視線を交わしていると、フローラがくすりと笑う。
「ど、どうしたのフローラ」
「いえ、なんだか嬉しくって。ふたりとも、いつの間に仲良しになったのです?」
「「仲良しに見える?/お嬢様、お戯れを」」
抗議の声が重なる。その様子に、フローラは再びくすりとした。
「はあ……わたくしも体調が万全でしたら、イーサンさんと一緒に捜査ができましたのに……。ねえ、わたくしに何か手伝えることはありませんか?」
「いや、無理しなくていいからね?」
「嫌ですわ……せっかくわたくしにも、イーサンさんと一緒にお化け退治ができるチャンスが巡ってきたのに……。これを逃したら、今度いつお化けが出てくるかわからないのですよ……?」
「そう簡単に出てこられても困るでしょ……。フローラは、自分の健康第一で」
「うぅ……嫌ですわ……あんまりですわ……」
ごねるフローラをあやし、一行は部屋を後にした。
* *
甲板に戻ると、船首に人だかりを見つける。イーサンは嫌な予感がした。
「船長、姐御!」
駆け寄ると、昨日と同じ症状に倒れる船員を発見した。しかも、4人。
「こいつら、ここで水嚢の運搬をしてたんだ……。でも、少し目を離したらこうなってて……。なあ、幽霊は夜しか現れないんじゃなかったのか!? 複数人でいたら大丈夫なんじゃなかったのか!? どうなってんだ……どうなってんだよこれ!!」
「落ち着け!」
イーサンの声に、不安げなざわめきが収まる。
「医務室、まだ空いているな。はやく連れて行ってやれ。……それと、今日はもうみんな部屋に戻ろう。鍵をかけて、部屋の中でも交代で見張りを立てつつ休んでくれ」
「でも船長……このままじゃ――」
「わかってる。航海の続行に支障が出る。俺とアイナさんでどうするか話し合って、今夜中には答えを出そうと思う。みんな、これ以上の被害者が出ないよう護身に勤めてくれ……。アイナさんもそれでいいね?」
彼女は傍らで、強張った表情のまま震えている。
「アイナさん?」
「う……え、はい。そうしましょう。みなさん、片づけを済ませ次第、各自部屋に戻るように」
ざわざわと、船乗りたちが散っていく、その足取りはどれも重い。不安を煽るように船が揺れた。いつもより落ち着きのない波音が、乗組員たちの胸をねっとりとくすぐった。
そして夜。イーサンはロラン、トレヴァと共にアイナの自室に集まっていた。ゆらりゆらりと、船が不快に揺れている。
「嵐が近い……。これ以上の進行は厳しいです。引き返すしか、ありません」
「回避できるというのは?」
「的確に船を動かすには航海士全員の協力が必要不可欠です。幽霊騒動でそもそもの人手が不足している上、士気も低下しています。とても、嵐を回避できる余裕があるとは思えません……」
アイナが悔しげに目を背けた。
「でも引き返すとなると相当な時間を食うわけで、物資や食料の貯蔵量からして……ポートセルミまで戻らなきゃならない、そういうこと?」
赤い羽根帽子の航海士は俯いた。肯定と捉えて良いだろう。
イーサンとしても、それはなるべく避けたかった。既に出航してから10日近く経過している。ここまでの苦労と時間を、水の泡になどしたくはない。
「それに……このまま進むとして、もうひとつ気になることが」
「うん?」
アイナは海図を開く。これまで数多の船乗りたちが記録してきたのだろう、海域ごとに色分けがされていて、魔物が出やすい海域ほど、濃い色が使用されているようだ。
「失礼。……“フローミ”」
アイナが魔力を海図に注ぐ。現在地を示すその呪文が発動すると、暗めの赤色に染まった箇所に、光る点が浮かび上がった。
「これが今、我々のいる場所です。……本来ならば、とっくに魔物の出やすい要注意海域に突入しています。しかし、
イーサンの頬を、冷や汗が伝うのを感じる。アイナはさらに、現在地の少し西側、何も色付けされていない箇所を指さした。
「そして……ここが先日、“マーマン”の襲撃にあった場所です」
「……!」
「明らかにおかしい。魔物の生息域が、我々の知るものと違っています」
「この海図、大昔のものなんだよね? 航路の記録が失われる前の……。時代が変わって、生息域も変化したっていう可能性は?」
「無いとも言い切れません。しかし大陸全体で魔物が活発になっている近代の海洋理論において、沖の方が安全というのは不自然が過ぎる……。仮に嵐がなかったとしてもこの先に進むのは……リスクが高すぎます。せめて、せめてこんな幽霊騒動さえなければ……!」
アイナは感情的に机を殴りつけた。彼女は一等航海士だ。領主であり自らの主でもあるルドマン氏に認められた船乗りとして、プライドがあるのだろう。
……そしてその怒りは、歪にねじ曲がり目の前の男へと向けられることになる。
「……いい加減に、してください」
「え……?」
「貴方がっ、この幽霊騒動の犯人だ! 証拠も証言も出尽くした、もう他に考えられない!」
彼女は怒りに顔を歪ませ、イーサンに詰め寄る。
「私を、私たちを弄んで何が楽しい! こうやってひとりずつ船員たちを襲っていって、私を精神的に追い詰める算段か!? ああ!!」
「違う。そんな根拠はどこにもないだろう。アイナさん、君だってわかってるはずだ」
「わからないから困っているのだ!」
アイナは声を張り上げる。その剣幕に、ロランもトレヴァも硬直していた。
「……頼む、頼む。落ち着いてくれ、アイナ!!」
イーサンが彼女の肩を掴む。その瞬間、びくりと彼女の体が震えた。
「――、――………」
アイナの顔が青ざめる。ぱちぱちと、嫌な記憶が呼び起こされる。
「触らないで!!」
咄嗟にイーサンの手を振り払った。その様子にイーサンは少し驚く。ついさっきまでの取り乱し方と、何かが違う気がした。
「触ら、ないで……。貴方は、お嬢様と結婚するべきではなかった、この船に、乗るべきではなかった……。自分の利益と、快楽しか頭にない、腐れきった男の分際でぇっ!!」
支離滅裂な叫びにイーサンは目を丸くする。彼女の声には明らかな怯えと、悲痛さが入り混じっていた。
「――撤回しなさい、アイナ!!」
突然の怒声に振り返ると、開かれたドアの向こうにフローラがいた。不規則に揺れる船内で彼女の顔色は悪く、今も柱に寄りかかっている状態だったが、その視線ははっきりと、戸惑うアイナを見据えていた。
「おじょ――」
「これ以上、わたくしの夫を侮辱する言葉は許しません」
「し、しかし、こいつは――」
「
フローラの声は小さく、しかし圧倒的な凄みを感じさせるものがあった。
「アイナ、なぜ? 貴女はわたくしが幼いころから、ずっとお世話をしてくれた。お父様のお仕事の手伝いをしながら、わたくしのことも見守ってくれて……。貴女は何でもできる素晴らしい女性です。それはひとえに……周りを見る目に長けているから、わたくしはそう思っていました」
静かに、フローラは語りかける。アイナの震えが少しずつ大きくなっていく。
「でも、なぜなのです? 今の貴女は……イーサンさんを”見ていない”。彼を通して、別の何かを見ているようにさえ思えます。アイナ……彼はこんなにも、わたくしたちとこの船のことを考えてくれています。ずっと寝込んでいただけのわたくしにだってわかるのです。でも今、貴女のその慧眼に、イーサンさんはどう映っていますの?」
「それは……いえ、これはお嬢様のためで――」
「やめなさい」
つい口が滑り、アイナはどきりとする。フローラはこのフレーズが嫌いだ。それは分かっていたはずなのに。
「わたくしを言い訳にしないで。確かにわたくしは、守られるだけの女でした。こうやって船に乗るだけで体を壊し、未だに呪文すら満足に扱えない。でももう支えてくれる、いえ、一緒に支え合えるお方ができました。……お父様や、貴女に守られる幼い少女では、もうないのです」
「……っ!」
「わたくしは、幽霊騒動のことを良く知りません。誰が犯人かなんて見当もつかない。でも彼が犯人じゃないことだけは、胸を張って断言できますわ。証拠は……ありませんけどね」
フローラはおどけて肩をすくめ、姉同様に慕ってきたアイナを再び見据える。彼女は短く唸り、頭を掻きむしった。立派な羽根帽子が、ふわりと床に落ちる。
「――ごめんなさい、お嬢様……!」
涙声だった。アイナは顔を伏せたまま駆け出し、部屋を飛び出していった。
「あ、アイナ!」
「待ってフローラ」
追おうとしたフローラの腕をイーサンが掴む。直後めまいに襲われ、そのまま彼にもたれかかった。
「あ……ぅ……」
「体調も万全じゃないのに無理するからだよ。でも……ありがとう。嬉しかった」
「イーサンさん……」
「あとは俺に任せて、部屋で休んでいて。トレヴァ、看病をお願い」
『任せて マスター』
「……それからロラン」
『ナリ ??』
きょとんとするロランにあることを耳打ちし、疲れ切った様子のフローラを再び見る。
「イーサンさん、アイナは……」
「うん。今度は俺が、彼女と話さないとな」
フローラは額に汗を浮かべながらも優しく微笑み、トレヴァと共に自室へ戻っていった。
「……アイナ」
イーサンはゆっくりと息をつき、階段を降りていく。
この勝負に、決着をつけるときが来たようだ。