チートな幌筵泊地が異世界に転移した結果…… 作:提督兼指揮官兼トレーナー
ロデニウス連邦共和国、某所
ここでとある会議が開催された。
「それではこれより多国間相互援助条約会議を始めたいと思います。」
多国間相互援助条約
通称MMAT (Multilateral Mutual Aid Treaty)と呼ばれるこの同盟は加盟国に対する軍事侵攻などに対して、加盟国全体で対処することを前提としてロデニウス連邦共和国が大東洋諸国会議にて提唱し、同国の友好国との間で締結された。
現在の加盟国は以下の通り
・ロデニウス連邦共和国
・アルタラス王国
・ドーパ王国
・ネーツ王国
「アルタラス王国です。まずは先日の武器支援第1陣に関して深く御礼を申し上げます。」
こう発言したのはアルタラス王国の王女ルミエスだ。
アルタラス王国は以前、パーパルディア皇国第3外務局アルタラス担当大使カストからとんでもない要求を受けたのだ。
○アルタラス王国は魔石鉱山シルウトラスをパーパルディア皇国に献上すること。
○アルタラス王国王女ルミエスを奴隷としてパーパルディア皇国へ差し出すこと。
魔石鉱山シルウトラスはアルタラス王国最大の魔石鉱山であり、国の経済を支える中核であり、世界でも5本の指に入るほどの大鉱山である。
これを失うと、アルタラス王国の国力は大きく落ちる。
さらに、王女の奴隷化。これはパーパルディア皇国に全く利の無いものであり、明らかにアルタラス王国を怒らせるためだけにある。
はなから戦争に持ち込ませる気しかないパーパルディア皇国に対して、アルタラス王国は表裏を問わない外交の末、ある程度地位の高い、それも稀に見るまともな人間を呼ぶことに成功したのだ。そして、視察の最中、隙を突いて、予め録音しておいたカストの音声を聞かせたところ…………
・蛮族相手とは言え、私利私欲のために皇帝陛下の名を使うなど言語道断
・厳罰に処することとし、カストは死刑、財産没収
という成果を挙げ、とりあえず当面の間の平和は保たれたのだ。
だが、昨今のパーパルディア皇国の周辺国に対する要求は目に余るものがあり、アルタラス王国もいつまた同じような要求をされるかは分からない。
そこで、ターラ14世は先の大東洋諸国会議において、援助を打診。これに応える形でロデニウス連邦共和国から軍事支援を受けることとなったのだ。
その内容が以下の通り
・AK47
・M2ブローニング
・84ミリ無反動砲
・LAV
・迫撃砲
・T-55
・BMP-1
・F-5戦闘機
・マイハーク級フリゲート
・スティンガー
・その他各種必要装備
東側装備となってはいるものの、西側装備にも対応できるように改造されているため、問題は無い。
「いえいえ、同盟国に対し、援助するのは当然のことであります。アルタラス王国は我がロデニウス連邦共和国とムー国との間の通商路の監視なども行っていただく必要もありますので、当然の措置であります。」
ロデニウス連邦共和国側の代表が話す。
「そういえば、ルミエス殿、父上はどうされているのか?」
ドーパ王国の大臣の問にやや渋い顔をしつつ……
「<私もまだまだ現役だ!>と言って兵士と混じって訓練しています……」
(なんか地球によく似た国王が居たような……)
「ま、まぁ、そうやって国王自ら積極的に新しいものを取り入れようとする精神が、国民からの厚い支持を受けているのでしょう。」
「危ないのでやめて欲しいのですがね……」
実務をほとんど任されつつあるとはいえ、未だ王の座にある父親を心配したくなる気持ちはどこも同じようなものである。
「ドーパ王国です。まだ我々は多くの武器を受け取ってはいませんが、それでもあなたがたと同盟を組んで心から良かったと感じています。」
ドーパ王国が受け取ったのは機関銃や、無反動砲などの歩兵火器に留まるが、魔物との戦闘において相当役にたったようだ。
その後も順調に会議は進み、ロデニウス連邦共和国からのさらなる追加援助を元に軍の再編を進めていくことが加盟国内で確認された。
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パーパルディア皇国某所、ホテルにて
「それにしても、パーパルディア皇国との国交開設交渉は全く進みませんねぇ。」
「まぁ、彼らのプライドの高さはエージェイ山よりも高いのでね、治外法権を認めない云々の内容では受付時点で門前払いされてもおかしくはありませんよ。」
愚痴っているのは幌筵泊地の転生者である腰堀と、ロデニウス連邦共和国の外交官であるパトリック・ジェールドだ。
2人とも年の差はあるものの、お互いのことを話し合ういい仲であった。
「全く、どうして先輩もこんなめんどくさい国との国交開設交渉なんかに僕を参加させたんだか……」
「まぁまぁ、落ち着i……、ゴホッゴホッ。」
「大丈夫ですか?」
「全く、長年タバコを吸っていると肺がやられてしまいますねぇ。」
「国交開設交渉中に倒れるとかやめてくださいね?」
「大丈夫ですよ。」
そう言いながら彼は懐から1枚の写真を取り出す。
「息子さんでしたっけ?」
「ええ、今度結婚式を挙げるんです。一人息子でね、ようやく結婚するとわかってからは花束やプレゼント、生まれる子の名前の候補なんかをずーっと考えてて、今だってここに……」
そう言いながら彼は懐から紙を取り出す。
「結婚式で読む予定のスピーチを書いた紙を持ち歩いているんです。いつもこれに元気を貰って仕事をするんですよ。」
幌筵泊地が転移して以降、ロデニウス連邦共和国には様々な地球文化が入ってきており、その一つが大規模な結婚式である。
「良いですねぇ、僕も招待してくれませんか?」
「ええ、もちろん。同僚として招待させていただきます。」
ところで………、とパトリックは話題を変える。
「腰堀さんは彼女とかはいらっしゃるのですか?」
「ええ、幌筵泊地に所属する艦娘の中にいますよ。」
「名前は?」
「建御名方って言うんです。」
「どうですか?進捗は?」
「お互い色々忙しくて………、でもこの間、ようやく旧ロウリア王国に湧いたっていう、流行りの温泉街でデートできたんですよ。」
腰堀は建御名方と共に言ったロウ・ハコネ温泉を思い出す。まだ新幹線が全線開通する前だったので、在来線を進んでいく予定だったのだが、多元が気を利かしてくれたおかげで、基地の間を移動する定期便に乗せてもらい、ロウ・オダワラからロウ・ハコネユモトまで特急に乗り、温泉巡りを楽しんだ後、日本式の旅館で1泊してきたのだ。
(ちなみに、その夜めちゃくちゃうまp以下略)
↑あんまり言うと引っかかってしまうからね
「あの夜の建御名方は凄かった……」
「良いですねぇ、若いってのは。」
妻とあった頃を思い出しますねぇ、とパトリックは遠い目をしながら続ける。
「実は、この仕事が外交官として行う最後の仕事のつもりなんです。この仕事が終わったら、妻と2人で空気の綺麗な田舎でゆっくりすごすつもりなんですよ。」
「そうですか……、いつか呼んでくださいね?」
「もちろん、いつでも歓迎しますよ。」
そう言いながら、2人は仕事に戻った。
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その頃、パーパルディア皇国第3外務局にて……
「全く、この国は腐りきっている!!、そしてあまりにも調査が杜撰過ぎる!、しかもこのまま進めば、間違い無くパーパルディア皇国は滅亡するぞ!!」
そう憤るのはパーパルディア皇国で稀に見るまともな人材である第3外務局長のカイオス局長だ。
以前アルタラス王国において外交官カストによって行われた蛮行を偶然知ったカイオスは、彼を処罰した後、監察軍が敗退したという謎の新興国、ロデニウス連邦共和国について調べていた。
彼はもとより商人であった関係から、他の商人とも関わりが深いため、よく他国の商品などを買い、独自の視点から他国の軍事力や、技術について測っていた。
そんな彼が驚いたのはロデニウス連邦共和国から輸出されたという腕時計だ。
時計と言えば、ムー国のものが有名だが、これはそれを軽く凌ぐものであった。
それは、ムーのものより洗練され、水に落としても動き続けるうえ、暗闇では文字盤が光り、仕様書によれば、ロデニウス連邦共和国近辺ならロデニウス連邦共和国から送られてくる電波というものによってズレが修正される上、そもそもこの時計自体が長い年月を経てもズレないという代物だといい、オマケに太陽などの光によって半永久的に動き続けることができるという。
(こら、Gシ○ックとか言わないの)
しかも、これが量産されていることに気づいた。
となれば、少なくともムー国より高い技術がある国家が確かに出現してしまったということになる。
そして、極めつけはムー国の情報雑誌だ。
ムー国は情報収集能力が高く、その情報はたとえ民間発祥であっても馬鹿にできない精度を誇る。
そのムー国から発行された「ロデニウス連邦共和国陸軍、その強さに迫る」、「ロデニウス連邦共和国海軍の全て」、「ロデニウス連邦共和国空軍とは?」、「ロデニウス連邦共和国に存在する海兵隊について」と書かれた本を取り寄せたカイオスはロデニウス連邦共和国の戦力についてパーパルディア皇国の誰よりもよく知ることとなり、間違っても戦争をふっかけるべきではない国でないことを感じていた。
しかし、しかしだ!
「最近、レイフォルを陥落させたグラ・バルカス帝国との関係は無いとみて良い」
「文明圏外国としては強いが、恐るほどでは無い。」
などと的外れも甚だしい解釈が第1外務局や、軍部より出された結果、カイオスが用意した情報は全く共有されることはなかった。
更には……
「カイオスよ、ロデニウス連邦共和国との外交は、第3外務局ではなく、第1外務局が行う事とする。外務局監査室から私が第1外務局へ出向するという形をとり、私が行う事とする。カイオスよ、敵の欺瞞情報に踊らされ業務を停滞させていたとはいえ、今回処分されなかっただけでも、ありがたく思え。」
外務監察官であり皇族のレミールがこう言い放つと、カイオスから権限を剥奪したのだ。
「あんな女がロデニウス連邦共和国と外交なんかしたらこの国は滅んでしまう!!」
プライドの塊であるパーパルディア皇国を体現するかのようなあの忌々しい女がロデニウス連邦共和国の外交担当となれば、間違いなく戦争だろう。
「とにかく、ロデニウス連邦共和国との外交ルートを……、個人的な関係でもなんでも確保しなければ……」
つい先程、ロデニウス連邦共和国侵攻に際してその前段階であるフェン王国侵攻が決定されたのだ。
残された時間は少ない。パーパルディア皇国がフェン王国を制圧する前までに外交チャンネルを確保しようと動き始めたカイオスであった。
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それから少し経ち、フェン王国西部のニシノミヤコにて
パーパルディア皇国と戦争になった場合、そこは最前線となるであろう場所のため、特別な訓練を受けた武人が約2千人常時配備されており、更には早期警戒のためニシノミヤコの約3km西側には人の住めない小島を利用した監視塔があり、警戒のため武人が2名常駐していた。
「その日」は良く晴れたその日、波は穏やかだった。
極僅かなそよ風が吹く。
音といえば波と風、そして虫と鳥の鳴き声くらいのものだ。
心地よい風が吹く中で見張り員の目にけし粒のような小さな黒い点が多数見える。小さなけし粒は徐々にその姿を大きくし、それは自分たちに絶望を与えるものだと理解する。
「つ、つ、ついに来たぞ!!!!!!パーパルディア皇国軍だ!!!狼煙あげろ!!!!」
国家に対する攻撃の可能性がある場合のみに使用される最上級の警戒色、赤い狼煙が島からあがる。
「あ、あれは!!、ふ、笛を鳴らせ!!!」
赤い狼煙を見たニシノミヤコの監視員は即座に通信用の笛を鳴らす。
「ピーーーッピーーーッピーーーッ」
その笛を聴いた武人たちは、さらに伝播のために笛を鳴らす。
ニシノミヤコの町全体に笛の音は鳴り響き、フェン王国の人々は何が起こったのかを理解し、事前の通達通り避難し始めた。
ニシノミヤコの港から内陸方向に約5km地点にある西城では、すぐに戦の準備が始まる。ニシノミヤコの港付近にある兵の詰め所でも武人たちが戦いの準備を進めていた。
ついに、覚悟はしていたが、列強パーパルディア皇国軍がやってきた。彼らがとてつもなく強いのは理解している。
しかし、タダでは負けない自信があった。
何故なら、あの監察軍を退けたロデニウス連邦共和国からパーパルディア皇国の戦い方や、その対策について書かれた本をこっそり買い集め、このニシノミヤコに集まる武人を中心に訓練させていたのだ。
「来るなら来い!!、パーパルディア皇国!!」
フェン王国軍は覚悟を決めるのだった。
一方、パーパルディア皇国軍はと言うと……
「まずは、港近くの敵兵の詰所に艦砲射撃を行い、これを破壊する。続いて海岸に設置された木製の防壁を砲で破壊する。破壊後に、第一次上陸部隊として1000人の歩兵を上陸させ、海岸を確保した後、地竜や主力軍の陸戦兵器の揚陸を行う」
「はっ、蛮族に我が軍の恐ろしさをとくと見せつけてやりましょうぞ。」
「うむ。」
そう言うと、戦列艦が次々に砲撃を開始し、ニシノミヤコの街並みを瓦礫の山へと変えてゆく。
ドゴーン!
ドゴーン!
ドゴーン!
砲撃が起きる度に土や木が吹き飛ぶ。
あらかた破壊し尽くしたパーパルディア皇国軍は満を持して上陸を開始したのだが……、
<<ここからがパーパルディア皇国にとっての地獄の始まりだった。>>
「切り込め!」
「でやー!」
「Урааааааааааааа!」
上陸したパーパルディア皇国兵に対して、砂浜に隠れていたフェン王国兵士が切りかかる。
「不味い、銃k……」
ザシュッ、グサッ、
切り伏せられたパーパルディア皇国兵が倒れ、フェン王国兵士は次の相手に飛びかかる。
「1箇所に固まれ!」
「隣のものが切られても弾を込めて撃て!」
パンッ!、パンッ!
パーパルディア皇国兵が1箇所に固まったところで射撃が始まり、フェン王国兵士が倒れる。
だが、それこそがフェン王国の狙いだった。
「敵が1箇所に固まったぞ!」
「よし、砲撃開始!!」
ズドーン!
ズドーン!
ズドーン!
フェン沖海戦にて沈められたパーパルディア皇国監察軍の魔導砲が引き揚げられ、パーパルディア皇国に向けて襲いかかる。
「ぎゃああああ!」
「散れ!、散るんだ!」
「ワイバーンを呼べ!、森を焼き払え!」
散開し、砲撃を回避するパーパルディア皇国兵士。直後にワイバーンが来て、森を焼くが、そんなことはフェン王国側も織り込み済み。
「所定の場所に隠れろ!」
酒などを置いていた地下室などを利用した退避施設に身を隠す。
「とにかく森を制圧しt……」
「煙玉だ!!」
あたり1面を煙が立ち込める。
「再びフェン王国兵士!!」
「何ィ!?」
ザシュッ、ザシュッ!
捨て身の攻撃で固まらせ、その後砲撃。これによってパーパルディア皇国は、上陸戦力の半分以上を失い、一時的に上陸を断念せざるを得なかった。
「くそっ、こうなったら徹底的に砲撃して、更地にしてくれるわ!!」
数日後に再開された砲撃によってフェン王国沿岸防衛部隊及び森林に隠れていた部隊は壊滅。パーパルディア皇国は当初より大幅に遅れながらも、上陸場所を確保したのだった。
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一方、それから少し経った幌筵泊地。
「フェン王国は善戦するものの、ニシノミヤコを占領され、苦しい立場に置かれています。」
幌筵泊地の地下にて行われていた転生者達による今後の方針を決めていく会議。
通称
「転生者会議」
が開かれていた。
今回の議題はもちろんフェンとパーパルディアの戦争についてだ。
「しかし、思ったよりもフェン王国が善戦してますな。」
「多分うちから書籍を輸入したんだろ、それにサルベージした大砲も送ってあるし。」
「まぁ、何はともあれ事態をこのまま静観しt………」
コンコンコン!!
「どうした?」
「提督、緊急事態です!!、至急官邸に向かってください!」
次回、パーパルディア皇国の蛮行
第5話 多元実の暗黒面
次回より少々作風が変わります。
(恐らく)襲いかかって来るであろう愚帝本土攻撃艦隊をどうやって調理しましょうか?
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単艦無双(ヤ○トかな?<すっとぼけ>)
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特生自衛隊(特殊兵器多数)出動
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航空殲滅(ソ連を超えた!?)
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普通に艦隊決戦(まだ常識の範囲)
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全部♡(愚帝君号泣不可避)