チートな幌筵泊地が異世界に転移した結果……   作:提督兼指揮官兼トレーナー

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はい、というわけで、タイトルからお察しの通り、パーパルディア皇国がついにロデニウス連邦共和国に対して仕掛けます。

果たして多元は一体どうなるのか……





パーパルディア皇国戦編
第15話 多元実の暗黒面


 

 

幌筵泊地滑走路

 

「つまり、ドーパ王国からロデニウス連邦共和国国民と見られる旅行客が、第三国を経由してフェン王国に入国した可能性があると連絡が入り、しかも狙い済ましたかのように今までなんの進展も無かったパーパルディア皇国から事実上の大使召喚にあたる出頭命令が出たということか?」

 

 

駐機している機体に向けて走っている多元は、鳳翔から追加の情報をうけとつていた。

 

 

「会談はあと45分ほどで始まります。ヘリにしますか?」

 

「ここから官邸までは直線距離で130kmは離れている、ヘリだと時間的に厳しい、XC97で行く。量産先行機ではあるが、使えるんだろ?」

 

「ええ、官邸のヘリポートも耐熱加工済みなので問題無いはずです。」

 

「行けるな。」

 

「提督の指示を前に準備済みです。それと………」

 

「救出部隊の編成だな。」

 

「はい、ドルメ中将の第七艦隊と、重ミサイル打撃艦隊、それに輸送艦隊はすぐに出れるそうです。その後第一航空戦隊と、その護衛艦隊となっています。」

 

「第七艦隊については、ハンキ大臣の許可が一応必要だが、緊急事態だ、事後承認にしてもらう。」

 

「わかりました。」

 

 

 

轟音を立てて、XC97が離陸する。

 

 

 

幌筵泊地によってオスプレイの後継機として開発されたこの機体は、ティルトウィングのジェットS/VTOL機で、見た目はまんまコスモシー○ル。というか、正式採用された暁にはアース・シーガルという名前が付くのだからもはや狙ってるまでもある。

 

 

 

「あ、靴紐が切れてる……」

 

 

先に起こる不幸を表したかのように紐が切れる。

 

 

 

鳳翔と多元を乗せた機体は、時速800km/hの高速で、わずかな時間で官邸へと向かうことができた。

 

 

 

 

 

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ノイエ・ロデニウス、大統領官邸、特別対策室にて

 

 

 

 

 

「旅行会社との連絡は??」

 

「それが……、人数は多いものの、個人旅行だったようで……」

 

「迂闊でした……、まさか複数国を経由して行かれるとは……」

 

 

第三文明圏外国やムーとの貿易によって急速に経済の発達したロデニウス連邦共和国では観光ブームが巻き起こっていた。

 

国内では、旧ロウリア王国に湧いた一大温泉地がリゾート化され、国内に次々と旅行会社が設立された。

 

一方で、急速に広がりつつある観光ブームからロデニウス連邦共和国政府の対応が後手に回ることもしばしばあり、今回のパーパルディア皇国のフェン王国侵攻に際しても、何とか各旅行会社へのフェン王国旅行の無期限停止命令並びにロデニウス連邦共和国からフェン王国への渡航禁止令は出せていたものの、第三国経由への対応は、関係国との調整も相まって困難を極めていた。

 

 

「外務省、フェン並びにパーパルディア皇国からの連絡は?」

 

「ロデニウス連邦共和国国民を確認したとの報告はまだです。」

 

 

外務大臣も相当に焦っているようで、顔に汗が浮かんでいる。

 

 

 

ちょうどその時……

 

 

 

「多元本部長が来られました!!」

 

「おお、多元殿、緊急ですまない。」

 

「いえ、来る途中で事情は聞いています。今後どうする方針か、軍における実務を預かる身として大事なことですから。」

 

 

改めて外務大臣が一通り話したところでカナタ大統領が多元に問いかける。

 

 

「多元本部長、連邦共和国軍の出動は可能ですか?」

 

 

外交的解決が難しければ軍による救出を検討せねばならない。ましてや、相手はあのプライドだけは列強随一のパーパルディア皇国なのだ。穏便にいくことはまず無いだろう。

 

 

「現在第七艦隊と輸送艦隊に出撃準備を整えさせております。準備に関しては事後承認という形ではありますが、出撃にはハンキ大臣、ひいては大統領閣下の承認が必要です。これに加えて、私が動かせる幌筵泊地所属艦隊が出動体制を整え、待機しています。ご命令があれば非戦闘地域に限りフェン王国の了承を得た上で可能ですが、連邦共和国軍関連法に基づいた<戦闘地域からの国民救出>を行うためには、交戦国双方からの了承を得る必要があります。また、船での救出には最低でも数日かかることはご了承ください。」

 

「航空機は出せないのですか?」

 

「着陸する場所がありません。ヘリを出すにしても航続距離が足りないので、どの道途中まで艦隊を出す必要があります。ティルトローター機や、ティルトウィング機に関しても戦闘地域ではどの道不可能です。」

 

「パーパルディア皇国へ向かった外交官にはこのことは?」

 

「外交官へは私が。」

 

 

と、外務大臣が言った後

 

 

「随伴員には持っているペン型のカメラを取り付け、状況をこちらに伝えるように言っておきました。今開きます。」

 

と、多元がいい、持っていたパソコンを繋ぐ。

 

 

スクリーンに第1外務局の映像が映し出される。

 

 

以降、投影された映像記録となる

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

「会談はこの部屋で行われます。どうぞ。」

 

 

 

第1外務局に通された2人は、そのまま会議室へと入る。

 

 

 

中には明らかに身分が高そうな女性が居たが、その態度はおおよそ外交に向かうものの態度とは思えない。

 

 

「パーパルディア皇国、外務監察官のレミールだ。お前たちの外交担当と思えば良い。」

 

 

おおよそ外交に向かうべき態度ではないが、とりあえず自己紹介から始める。

 

 

「ロデニウス連邦共和国外交官のパトリック・ジェールドです。こちらは随伴員の腰堀二郎。早速ですが、我が国からひとつお願いg…「その前にこちらから話がある」

 

 

話を一方的に遮り、自分の話を通そうとするレミール。この時点で嫌な予感がする。

 

 

「これを受け入れれば貴様らの今後を穏便に済ませてやる。」

 

 

付き添いの者から手渡された内容が以下の通り。

 

 

・ロデニウス連邦共和国には今後、パーパルディア皇国から送られる皇族を王につけ、自国にいる国王ないし、それに類するものは即座に断絶すること

 

・ロデニウス連邦共和国は今後自由に法を定めてはならぬ、またロデニウス連邦共和国で作られた法はパーパルディア皇国が自由に改正、制定できるものとする。

 

・ロデニウス連邦共和国軍は今後パーパルディア皇国の指揮下に入り、勝手に動かすことは出来ない。

 

・ロデニウス連邦共和国は勝手に国交を結んではならぬ。

 

・ロデニウス連邦共和国は自国の資源、魔法技術、その他全てをパーパルディア皇国に明け渡し、毎年決まった奴隷をパーパルディア皇国に納めること。

 

 

以下同様にロデニウス連邦共和国の国家としての機能を剥奪し、パーパルディア皇国の属国として扱うような文言が続く。

 

 

読み進めながらパトリックと腰堀は呆れ、外交官であるパトリックがレミールに対して応答する。

 

 

 

「呆れてものも言えないですね、このような内容を我が国が受け入れるとでも本気でお思いですか?」

 

「やはり蛮族だな、まぁいい、これを見ても同じことが言えるか?」

 

 

レミールが目の前にある装置を説明しながら起動する。

 

 

「これは皇国の進んだ魔法技術の1つで魔導通信を進化させたものだ。この映像付き魔導通信を実用化しているのは、神聖ミリシアル帝国と我が国くらいのものだ。」

 

「(要するにデケェテレビ電話ってことっすね)。」

 

「(まぁ、そんなもんだろうが、嫌な予感がする。」

 

 

小声で話す2人だが、次の瞬間………!

 

 

「これを見るがいい、蛮族共、これを見てまだそのようなことを言い張る余裕があるか?」

 

 

「なっ……」

 

 

2人は固まった。

 

 

なぜなら、そこに写って居たのは……

 

 

 

「ロデニウス連邦共和国国民……!」

 

 

明らかに周辺国とは違う格好をした人々が首に縄をつけられひざまづかされている。

 

 

その数15人。

 

 

「アマノキに居た貴様らの国民だ、全員パーパルディア皇国へのスパイ容疑として拘束している。」

 

「スパイだと!?、ただ単に観光していた観光客が!?」

 

「口を閉じろ蛮族。もう一度聞こう、先程の内容を呑む気はあるか?」

 

 

どうする……、パトリックは考えた。ここで拒絶すれば間違いなく彼らは犠牲になる。しかし、国としてこんな要求を呑む訳には行かぬ。どうすれば……。

 

 

見ると腰堀も難しい顔をしている。彼もまた、どうすればいいのか悩んでいるのだろう。

 

 

(とにかく今は時間を稼ぐしかない!)

 

 

 

悩んだ末、あらゆる手段をとるために時間をかせぐことにしたパトリック。後世でも、この決断は非難できるものでは無いとされ、レミール悪玉論として確実に槍玉にあげられる内容である。

 

 

「私は一外交官です。国の全権を持っている全権大使ではありません。そのため、このような国の方針を決めるための重要な内容に関して決定権を有しておりません。一度本国に持ち帰らせてからでもよろしいでしょうか?」

 

 

フン、と鼻で笑うレミール。この後、信じられない暴挙に出る。

 

 

「蛮族らしく、小賢しく時間稼ぎをする気か?、貴様らに状況を決める権限は無い。」

 

 

 

そう言った次の瞬間……!

 

 

 

「殺れ」

 

 

 

ズシャッ!

 

 

大柄な男が刀を使い、ロデニウス連邦共和国国民を切り裂く。

 

 

「ぎゃああああ!」

 

「助けてぇ!!」

 

「痛いよぉ!!」

 

 

 

「おい!、一体なんのつもりだ!!」

 

 

最早外交儀礼を気にしている余裕はない。腰堀はレミールに対して非道を追及する。

 

 

「フッ、教育だ、貴様らのような身の程知らずの蛮族国家は逆らうとこうなるのだ!!」

 

「どっちが蛮族だ!、一方的に植民地になれと要求した挙句、呑めないからと言ってただ普通に観光を楽しんでいたはずの我が国の国民を虐殺し、これを教育だって!?、ふざけるな!!」

 

 

隣にいたパトリックは声こそ出さなかったが、気持ちは無論腰堀と同じだった。

 

 

声を荒らげる腰堀に対して、苛立ったのかレミールが立ち上がった。

 

 

「蛮族国家の分際で……、皇国を蛮族呼ばわりだと?

 

 

 

ふざけるな!!」

 

 

 

ドゴッ!

 

 

何とレミールは腰堀に蹴りを入れた。

 

 

「うぐッ……」

 

 

女性とはいえ、いきなり、それも格闘技をある程度習得した者の蹴りをくらった腰堀は倒れ込んだ。

 

 

 

「全く、蛮族はこうするに限るな。」

 

 

そして、腰掘を踏みつける。まるで奴隷を扱うが如くに。

 

 

 

それを見たパトリックがついに怒りを露わにする。

 

 

 

「レミール殿!、今ここではっきりと言わせてもらう!、確かに随伴員は外交儀礼を欠いていた、だが、そもそも貴国の暴挙に対して抗議していたのであって、決して貴国が無関係では無い!、しかもそれに対してなんの対応もしないばかりか、我が国が正式に任命した外交担当者に対して暴行を働くなど言語道断!、何故貴女のような外交官がパーパルディア皇国でそのような立場にいられたのかは全くもって理解が出来ない。今回の蛮行も含め、貴国に正式な謝罪を要求する!!」

 

 

 

「うるさい!、蛮族の分際で私に、皇国に要求するな!!」

 

「これはお願いすべきことではない。我が国の国民が不当に殺され、外交担当者へ暴行を働かれた側としての当然の権利である!!。これ以上ことを荒立てるのなら我がロデニウス連邦共和国は総力を結集し、貴国に対してあらゆる手段を通じて責任を取らせる!!」

 

 

パトリックの剣幕に気圧されたように見えたレミールだが、この後、さらなる暴挙に出る。

 

 

「蛮族とはいえ外交官を安易に呼んだのは間違いだったな。貴様らのような身の程知らず国の人間は最早外交官ですらない。」

 

 

そういうと、レミールは拳銃を取り出し。

 

 

「死ぬがよい。」

 

 

 

 

バンッ!

 

「グッ…」

 

「なっ……」

 

 

 

腰堀が、カメラ越しに一部始終を見ていた官邸の特別対策室の全員が固まった。

 

 

 

「パトリックさん!!、しっかりしてください!!」

 

 

カメラには胸元を撃たれ血を流すパトリックが居た。

 

 

 

まさか、外交の場であろうことか一応は列強であるはずのパーパルディア皇国の外交担当者が自分の機嫌しだいで外交官を射殺したのだ。

 

 

 

さすがにこれには腰堀も完全にキレた。

 

 

 

「蛮族らしく、しぶといのぉ、まぁいい、先程から口うるさい貴様も死ぬがよい。」

 

 

レミールのさらなる挑発にもはや体面を気にする必要の無くなった腰堀が行動に出ようとする。

 

 

「んだとォ!」

 

 

 

不測の事態に備え、腰堀含めた随伴員には9mm拳銃が持たされている。この時、完全に頭に血が昇った腰堀は真っ先こいつを抜いてレミールに応戦しようとした。

 

 

 

 

 

 

 

戦場になりかねた応接室を鎮めたのは、ノックだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

コンコンコン

 

 

 

「失礼します。レミール様、陛下がお呼びです。至急宮殿にお戻りください。」

 

 

現れたのは第3外務局のカイオス。

 

 

「陛下が?、わかった直ぐに行く。」

 

 

そうしてレミールは立ち去り際

 

 

 

 

 

「命拾いしたな、貴様。まぁ尤もそいつは助からんが。」

 

「このアマ……」

 

 

ぶっ殺す。明らかにこちらの神経を逆撫でする言葉に再度拳銃を取り出そうとした腰堀だったが、カイオスによって止められた。

 

 

そして、この取り押さえの最中にボタンが触れたのか、音声と、映像が止まったことで、ロデニウス連邦共和国では2人は死亡ないし行方不明という扱いとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが……

 

 

 

「おい、離せ!!」

 

「ダメだ、抑えさせてもらう。」

 

「落とし前付けずに終われるか!」

 

 

完全に頭に血が上っている腰堀に対し、周りが手下と自分だけになったところで声をかける。

 

 

「今ここで命を落として何になる!!、外交官はとりあえず別の場所へ運ぶ!、君は私とともに来たまえ!」

 

 

レミールとは違う雰囲気を感じた腰堀が一旦落ち着く。

 

 

「待ってくれ、その前にパトリックさん……、外交官と話がしたい。」

 

「ここではダメだ。馬車の中で頼む。」

 

「わかった……」

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

一方、外交官と音信不通となってしまったロデニウス連邦共和国では、重い空気に包まれていた。

 

 

 

<観光客の虐殺並びに外交官の射殺>

 

 

 

前者ですら開戦事由になってもおかしくはない内容なのにあまつさえ、外交官を射殺してしまうなど、常軌を逸している。

 

 

ふと、カナタ大統領は多元の方を見た、随伴員は彼にとって相当親しいものだったはずだ、カメラが壊れたのか、カイオスと呼ばれる人物が入ってきたからの様子が不明だが、生死が分からない状況に部下を追いやってしまったことは相当な負担になるはずだ。

 

 

 

「多元本部長……」

 

 

と言いながら視線を向けた先には、ものすごい勢いで、ペンをとり、紙に書いている多元の姿があった。

 

 

 

それは、怒りに駆られて自暴自棄になっている訳でもなく、悲嘆にくれ、絶望する訳でもない。まるで何かアイディアを思いつき、作曲を始めた作曲家のように見える。

 

 

「出来ました、カナタ大統領。」

 

 

ひとしきり書き終えたのか顔を上げ、カナタの元にやってきた多元の顔を見て、大統領補佐官は固まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       驚く程に無表情なのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もはや恐怖すら覚えるその表情をしながら、多元はその紙をカナタ大統領に渡した。

 

 

 

「これは……」

 

 

 

そこに書き上げられていたのは、怒りに任せて作られた作戦なんかでは無い。

 

 

 

細部まで正確に書き上げられ、それでいて繊細

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

確実にパーパルディア皇国を死に至らせる作戦だった

 

 

 

「閣下、作戦実行の承認をお願いします。」

 

「わかりました。ハンキ大臣、あなたも書類へ判を押してください。」

 

 

 

 

そのうえで………

 

 

 

「パーパルディア皇国へ宣戦布告します。この後の記者会見で述べる条件を呑まない限り、我々は実力を持ってパーパルディア皇国に責任を問わせます。」

 

「多元本部長。しっかり職務を遂行するように。」

 

 

多元は顔を上げる、その目にはハイライトが無かったが、しっかりとカナタ大統領を見据えて

 

 

「必ず、職務を遂行します。」

 

 

 

遂に、多元の隠された裏側が明らかになった。

 

 

 






一応言っておきます。私の作品全てで、主人公サイドの主要メンバーは、死にません。不測の事態でも乱数調整されます。


次回、ぶつかり合う2国、ロパ戦争開戦

(恐らく)襲いかかって来るであろう愚帝本土攻撃艦隊をどうやって調理しましょうか?

  • 単艦無双(ヤ○トかな?<すっとぼけ>)
  • 特生自衛隊(特殊兵器多数)出動
  • 航空殲滅(ソ連を超えた!?)
  • 普通に艦隊決戦(まだ常識の範囲)
  • 全部♡‪(愚帝君号泣不可避)
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