チートな幌筵泊地が異世界に転移した結果……   作:提督兼指揮官兼トレーナー

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「防衛戦で最も活躍したのはMCVと61式だ。やはり機動力や、ある程度防御のある火砲が火力支援を行えば、それだけで敵は崩壊する。」



(アルタラス王国陸軍、戦車師団長の言葉)



アルタラス王国防衛戦Part2です。



MCVの実力はいかに?





第21話 アルタラス王国防衛戦②

 

 

 

 

アルタラス王国第一防衛線司令部

 

 

 

 

「いいか、歩兵にとって最も脅威なのは地竜だ。火炎放射は例え最新のボディアーマーと言えど脅威になる。一応これについてはアルタラス王国の61式戦車が応戦するが、撃ち漏らす可能性もある。これと敵兵の盾となる可能性もある揚陸艦を含め、16式MCVで機動力を活かして相手を撹乱しろ!、地竜は先に始末するんだ!」

 

「了解!、隊長、ボートに乗って上陸する敵兵は?」

 

「歩兵は重機関銃と榴弾で対応!」

 

「了解!、もう1つ質問をよろしいでしょうか?」

 

「許可する!」

 

「ひとつ心配なのは敵の揚陸支援です。情報筋によれば、フェン王国侵攻の際に、曲射を行う揚陸支援艦がいたとの事です!」

 

「心配するな、敵の砲撃支援はアルタラス海軍が抑えてくれる!」

 

「了解!」

 

「ただ、念の為MSPは陣地移動を行うように。建物にいる兵士も、何かあったらすぐに隠れるようにすることを徹底させろ。」

 

「了解!」

 

 

 

 

 

 

司令部で、こう指示が出ている間も、アルタラス王国の浜に上陸しようとしているパーパルディア皇国に対して、熾烈な反撃を食らわせているロデニウス連邦共和国軍とアルタラス王国陸軍。

 

 

 

 

 

元々、パーパルディア皇国侵攻に際して、ロデニウス連邦共和国とアルタラス王国軍は3つの防衛線を展開、状況に応じて対応することとしていた。

 

 

 

 

第1防衛線

 

海岸の浜辺に塹壕などを掘り、61式を固定砲台とした上で、沿岸部の建物に観測兵や歩兵を配置、MCVの機動力が機動力を活かして火力支援を行い、上陸阻止をはかる。

 

 

 

 

第2防衛線

 

沿岸部の建物が最前線となり、建物を盾にしつつ、61式が簡易的で移動可能なトーチカとなって道を塞ぎ、MCVの火力支援を受けつつ、本土からの増援まで持ちこたえる。途中ゲリラ戦なども仕掛けることで相手に出血を強いる。

 

 

 

第3防衛線

 

沿岸部を放棄し、平原まで後退、本土戦車師団などの到着をもって反撃、戦闘ヘリを駆使しつつ、沿岸部まで敵を押し返す。

 

 

 

 

 

 

 

 

現在は、冒頭の通り第1防衛線での戦闘が行われており、61式は固定砲台として地竜へ対処し、揚陸艦の撃沈は、火力の高いMCVが行っている。

 

 

 

 

 

 

 

第1防衛線左翼部分

 

 

 

 

 

揚陸艦が乗り上げ、中から地竜が出てくる。

 

 

 

 

「正面、地竜が出てきたぞ!!」

 

「徹甲弾よりも炸薬の多い榴弾にして発射!!」

 

「撃てぇ!」

 

 

ズドーン!

 

 

 

 

命中した榴弾は直ちに炸裂し、地竜を肉片へと加工する。

 

 

 

 

一方、上陸した揚陸艦を撃破するために、アルタラス王国軍からロデニウス連邦共和国軍のMCVに要請が届く。

 

 

 

「左翼側に新たな揚陸艦!、支援を求む!!」

 

「MCV4台とIFV2台を回せ!、それと付近の建物にジャベリンとハチヨンを持たせた歩兵も展開させるんだ!!、射撃支援も行え!!」

 

 

 

 

 

要請を受けた司令部は近くにいるMCVを向かわせる。

 

 

 

アルタラス王国は、ロデニウス連邦共和国との国交開設後、急速に発展が進み、道路舗装や、街並みの更新なども行われた。

 

 

 

 

「MCVが通過します!、道路に飛び出さないで!!」

 

 

 

戦車や自走砲が通ることを前提として、道幅の拡張などを行ったため、MCVは街中を疾走して移動することができる。

 

 

 

 

「海岸線に出た!、目標右40!、弾種HEAT、目標揚陸艦!!、撃てぇ!」

 

 

 

道が開け、海岸線に飛び出たMCVはそのまま目標の揚陸艦に向けて105mmライフル砲の照準を合わせる。

 

 

 

 

ズドーン!!

 

 

 

 

10式にも搭載された高性能の射撃管制装置によって正確に揚陸艦を撃ち抜く。

 

 

 

複数のMCVが同時に砲撃し、これをまともに食らった揚陸艦は大爆発を起こし、沈む。

 

 

 

「目標撃沈!」

 

 

 

しかし、それでも尚、ボートに乗ったパーパルディア皇国兵が上陸を試みる。

 

 

 

「重機M2!、掃射開始!!」

 

 

 

ボートなどで上陸してきたパーパルディア皇国兵士に対してM2と同軸機銃で歩兵対処をIFVと行う。戦闘はまだ長い、MCVの105mmライフル砲は強力だが、揚陸艦以外に使うには弾が足りなくなる。まだまだ敵の数は多いのだ。

 

 

 

「中央がいちばんは激しいらしい、掃討はIFVに任せてMCVはそのまま中央の防衛に回れ!」

 

 

M2を操作してした隊員が中央を見ると、確かに複数の揚陸艦が上陸を試みようとしている。

 

 

 

「了解、MCV全車転進!」

 

 

 

8輪の装輪戦闘車が速度をあげて再び市街地を経由して今度は中央に出る。

 

 

 

見れば、まもなく接岸するところである。

 

 

 

「1号車と3号車は左手に、2号車と4号車は右手にそれぞれ別れろ、旋回完了次第射撃!」

 

「撃てぇ!」

 

 

 

 

ズドーン!!

 

 

 

 

「こっちも加勢しろ!、中央防衛線ロクイチ4両攻撃初め!!」

 

「撃てぇ!」

 

 

 

ズドーン!!

 

 

 

 

MCVと61式の砲撃を受けて、また一隻、揚陸艦が沈む。

 

 

 

しかし、それでもなお、ボートで上陸を試みる兵士が多数いる。

 

 

 

 

 

MCVと61式が同軸機銃とM2で対応するが、如何せん数が多い。

 

 

 

「くっそ、数が多いぞ!、同軸機銃の弾あるか?」

 

「ダメです、後1回斉射したら無くなります!」

 

「MCV各車へ、APCがこっちに来るらしい、上陸した敵兵はそっちで対応するらしいからMCVは交代するように。」

 

「了解!」

 

 

 

優れた後退速度を活かして、素早く撤収、そのまま補給地点に行き、弾薬を補給する。

 

 

 

「おい、お前ら、今のうちに飯食え。」

 

「了解!」

 

 

 

弾と簡単な点検の合間に食料と水を補給し、次に備える。

 

 

 

 

 

その間、ボートで上陸しようとしていた中央防衛線では……

 

 

 

 

「APC到着!、歩兵展開始め!」

 

 

 

 

16式機動戦闘車を改造した、現実世界では採用されなかった兵員輸送車型が中央の戦線に到着し、素早く歩兵を展開する。

 

 

 

 

 

「上から重機で援護する!」

 

「了解した!、マスケット銃に注意!」

 

 

 

乗ってきた車両を盾にしつつ、APC搭載のM2の援護を受けながら、89式小銃を構え、射撃する。

 

 

 

練度だけでなく、銃自体の命中精度も上回るロデニウス連邦共和国軍の歩兵部隊がパーパルディア皇国観察軍を圧倒する。

 

 

 

「ウグッ……」

 

「グハッ……」

 

 

 

それでも尚、数にものを言わせるパーパルディア皇国に、今度は建物の上から攻撃が降り注ぐ。

 

 

 

 

「ハチヨン、榴弾、撃てぇ!」

 

 

 

84mm無反動砲を持った歩兵が建物の屋上から、パーパルディア皇国兵を狙って攻撃する。

 

 

 

コミック版でもブルーオーガを葬るために使われたこの無反動砲の威力は強力で、大きめのボートごと消し炭になる。

 

 

 

 

「重機M2、射撃開始!!」

 

 

 

 

 

ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!

 

 

 

 

 

 

また、別の建物からはM2ブローニングが濃密な弾幕を張り、パーパルディア皇国兵をこれでもかと言うほど肉片にする。

 

 

 

 

「敵全滅!」

 

「全員APCに戻れ、後退する。」

 

 

 

 

隊員を収容したAPCは戻り、61式が次なる脅威に備える。

 

 

 

 

この一連の攻撃で、パーパルディア皇国は次々と揚陸艦と兵士を失っていった。

 

 

 

 

 

それでも尚、侵攻意欲を失わないパーパルディア皇国に対して、更なる追い討ちが空からかけられる。

 

 

 

 

 

「全機突撃!!、サメ共の餌にしてやれ!!」

 

 

 

 

 

轟音を上げながら戦闘空域にやってきたのは、爆弾やロケット弾で武装したアルタラス王国空軍F-5戦闘機(輸出名Mig-28)とF-1支援戦闘機である。

 

 

 

 

 

当初は第118航空団とともに制空戦となるはずだったが、アルタラス王国海軍による竜母艦隊攻撃が予想以上に上手くいったため、制空戦を第118戦術航空団に任せて対地攻撃兵装に切り替えたのだ。

 

 

 

 

 

「ロケット弾発射!!」

 

「爆弾投下!!」

 

 

 

 

幌筵泊地や、ロデニウス連邦共和国のそれと比べると命中精度に関してはお粗末にも見えるが、ひとたび命中すれば落とされる爆弾や、放たれるロケット弾は疑いなく強力だ。

 

 

 

 

ドカーン!

 

 

 

 

揚陸艦に巨大な水柱が上がり、真っ二つに折れる。

 

 

 

 

 

 

その様子を見て、更に別部隊が動き出す。

 

 

 

 

 

「アルタラス王国空軍が攻撃を始めた模様!」

 

「こっちも揚陸艦を狙うぞ、装填しろ!」

 

「装填用意よし!」

 

「発射!!」

 

 

 

 

 

追加で、市街地に潜伏していた120mm迫撃砲搭載の16式改良型MSPも砲撃を始める。

 

 

 

 

本来彼らは、第1防衛線が突破された事態に備えて海岸線一帯を攻撃する役目ではあったが、第1防衛線での上陸阻止が順調に進んでいるため、その射程を活かしてアルタラス王国空軍とともに揚陸艦攻撃に回った。

 

 

 

 

 

ズドーン!!

 

 

 

上から降り注ぐ120mm迫撃砲弾により、揚陸艦が大破する。

 

 

 

 

普通科が持ちうる最大火力の120mm迫撃砲の威力の前には、木造の巨大揚陸艦も脆いものである。

 

 

 

 

 

 

 

「再装填!」

 

「再装填用意よし!」

 

「発射!!」

 

 

 

ドーン!!

 

 

 

「発射地点移動!!」

 

 

 

 

一応訓練通り、事前に想定された発射地点の特定を避けるために一旦場所を変え、別の場所から攻撃する。

 

 

 

 

 

「屋上の観測兵よりデータ受信!」

 

「調整よし!」

 

「発射!!」

 

 

 

ズドーン!!

 

 

 

今度はボートを狙う迫撃砲弾。

 

 

 

 

 

この攻撃でボートごとパーパルディア皇国兵8人が一気に消し飛んだ。

 

 

 

 

 

ロデニウス連邦共和国とアルタラス王国は、今までの演習通りに戦闘を進め、着実に戦力を削っている。

 

 

 

 

 

 

一方、未だまともに上陸すら出来ていないパーパルディア皇国はと言うと……

 

 

 

「リージャック様!、もうこれ以上は無理です。降伏しましょう!!」

 

 

 

 

相次ぐ攻撃を前に戦意を失い、降伏を訴える部下。

 

 

 

 

「降伏だと!?、降伏手段を知らない我々が降伏できると思っているのか?」

 

 

 

自らのプライドが邪魔をして降伏の検討の余地すら与えなかったフェン王国侵攻部隊に比べれば理性的な発言を行うリージャック。彼の物言いは尤もであったが、最早議論している暇は無かった。

 

 

 

 

「上空に鉄竜!!」

 

 

 

 

見れば一際鋭い鉄竜が襲いかかろうとしていた。

 

 

 

 

「喰らえパーパルディア皇国のクソ野郎共!!」

 

 

 

 

バシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュ!

 

 

 

 

ロケット弾の攻撃が揚陸艦を蹴散らす。

 

 

 

 

事実上の総司令官(海軍司令官は既に死んだ)を失ったことで、いよいよパーパルディア皇国軍は混乱を抑えられなくなる。

 

 

 

 

なんせ、ここにはもう揚陸艦しかいないのだ。

 

 

 

戸惑えばMCVからの砲撃か、120mm迫撃砲の攻撃を食らって沈む。

 

 

 

何とか陸に上がっても、90mmライフル砲の榴弾か、IFVの機関砲、歩兵の軽機関銃によってなぎ倒される。

 

 

 

 

沖に逃げるものには戻ってきたフリゲートが砲撃を喰らわせる。

 

 

 

 

そして、更に………

 

 

 

 

「メビウス4、ロケット弾発射!!」

 

 

 

 

すっかりワイバーンを肉片に加工し終えた第118戦術航空団がロケット弾に武装を切り替え、今度は揚陸艦に襲いかかる。

 

 

 

 

F-1や、F-5とは比べ物にならない程の兵器搭載量を誇るSu-35の航空攻撃は、アルタラス王国のそれと比べ長く、強力かつ、確実にパーパルディア皇国軍の残存勢力を削る。

 

 

 

 

 

船を捨て、命からがら陸に上がっても、例え迂回して上陸しても彼らに希望は無い。

 

 

 

 

 

「居たぞぉ!」

 

「逃がすなぁ!」

 

「国民に手は出させないぞ!!」

 

 

 

 

 

装甲車に乗ったアルタラス王国兵士がアサルトライフルを持って駆けつけ、直ちに制圧される。

 

 

 

 

 

中にはマスケット銃がたまたま当てることができてしまう者もいるが、そう奇跡は何度も起こるわけが無い上、弾込めの最中のところをそのまま撃たれる。

 

 

 

 

 

 

海岸線はパーパルディア皇国軍の兵士たちの血で赤く染まり、海には大量の木材と人だったものが浮かんでいる。

 

 

 

 

 

「こんなことが……、こんなことが……、こんなことがあるはずが無い……ぐわぁあぁぁあああぁあぁぁあぁぁあぁあぁぁ!!」

 

 

 

 

 

最後に残った揚陸艦は悲惨だった。

 

 

 

「残り1隻だ!」

 

「照準合わせ!」

 

「俺達も狙うぞ!」

 

「装填用意よし!」

 

 

 

 

 

「「「「「発射!!」」」」」

 

 

 

 

 

残っていたことが仇となり、射程内になっていた各MCVと61式、MSPと歩兵のジャベリンからいっせいに攻撃されたのだ。

 

 

 

 

 

大型船とはいえ、木造の船に過剰なほどの火力が注ぎ込まれる。

 

 

 

 

結果、戦場に巨大な火柱が上がる。

 

 

 

 

これでもう決着は着いた。

 

 

 

 

 

 

「逃がすなぁ!!」

 

 

 

 

別の場所から上陸し、市街地へ入り込もうとする敵兵や、アルタラス王国の更に奥へと向かおうとする敵兵ももちろん逃がすわけがなく、APCや軽装甲車、バイクなどを駆使して追い詰める。

 

 

 

「ヒッ、ヒィィ!!、く、来るなぁ!!」

 

 

 

来るなと言って来ない奴はいない。

 

 

 

 

震えた手でマスケット銃を撃つが当たる訳もなく、あさっての方向に飛ぶ。

 

 

 

 

 

「撃てぇ!」

 

 

 

 

ズババババ!!

 

 

 

 

 

残った最後のパーパルディア皇国兵が歩兵の小銃で容赦なく撃ち殺される。

 

 

 

 

もちろん、最初の頃に降伏の手段について教えていた以上、ロデニウス連邦共和国にもアルタラス王国にも降伏手段を知らないからと言って慈悲は無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果、パーパルディア皇国は無惨な結果をフェン王国に続いて引き起こすこととなる。

 

 

 

 

 

 

 

パーパルディア皇国側 投入戦力全滅

 

アルタラス王国側 負傷者12名

 

ロデニウス連邦共和国側 損害無し

 

 

 

 

 

 

アルタラス王国、ロデニウス連邦共和国連合軍の完勝である。

 

 

 

 

 

そして、ロデニウス連邦共和国とアルタラス王国はパーパルディア皇国を揺さぶる更なる一手を打つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

アルタラス王国、沿岸部

 

 

 

 

魔信を手に取り、ルミエスが話し始める。

 

 

 

「アルタラス王国王女のルミエスです。今日は皆さんにお伝えすることがあります。我が国は、パーパルディア皇国からの侵略を受けていました。しかし、我が国はロデニウス連邦共和国とともにこれに立ち向かい、倒すことが出来ました。我が国はこれまでも不当な要求を受けており、属国になりそうになったこともありました………」

 

 

 

 

一旦一呼吸おいて話し出す。

 

 

 

 

「パーパルディア皇国の不当な支配に苦しむ皆さん!、今こそ立ち上がり、パーパルディア皇国の支配を終わらせようではありませんか!!、パーパルディア皇国は決して無敵ではありません!、この間各地にばらまかれたビラをご覧になった方はお分かりでしょう!、彼らはフェン王国で20万人の将兵を失い、ここアルタラスでも15万人の兵士を失っています!!、パーパルディア皇国は2度も負けているのです!」

 

 

 

続けて

 

 

 

「ですが皆さん。まだ動くのには早いです。どうか皆さん、力を蓄えてください。アルタラス王国とロデニウス連邦共和国は近々大規模な攻撃をパーパルディア皇国本土に行います。この攻撃を受ければ、パーパルディア皇国は瀕死となります。皆さんが独立するチャンスです。どうかその時まで力を蓄え、パーパルディア皇国から独立を勝ち取りましょう!!」

 

 

 

 

 

として放送は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

そう、これこそがロデニウス連邦共和国、ひいては幌筵泊地が考えた揺さぶりのための一手。

 

 

 

 

ビラを撒くだけでなく、魔信を通じて、パーパルディア皇国のあらゆる地域に呼びかけることで、内乱を誘発させ、内外から崩壊させようとする算段である。

 

 

 

 

原作とは違い、アルタラスが独立を保っているため、若干効果は薄れてしまうものの、女性や、子供が必死に訴える様は男性が行うそれよりもよく届いてしまうというのが現実。

 

 

 

 

(実際、ナイラ証言なんてものが存在するのだから地球世界でも間違っては無い)

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ………」

 

 

口を抑えるルミエス。

 

 

「ルミエス様………」

 

 

 

護衛のリルセイドが近寄りそっと支える。

 

 

 

目の前に広がっている光景は、さすがに年頃の女性が直視するのにはあまりにも惨い光景だ。

 

 

 

 

 

それが例え、侵略してきた者の死体とは言え、綺麗な浜辺は大量の血で赤く染まり、海も赤く色づいている。

 

 

 

 

海の上には死体が浮かび、揚陸艦だった木片が辺りを漂い、燃える炎が人のものか、地竜のものかも分からぬ死体を焼き上げ、人を焼いた時に臭う、独特の鼻につく嫌な匂いが辺りに漂っているのだ。

 

 

 

 

 

「姫様、やはりここに来るのはよした方が……」

 

 

 

ここに来る前から慎重意見を述べていたリルセイドにそう言われるも、首を振るルミエス。

 

 

 

「いえ、王女として、この国で起きた出来事は例えどんなものであっても直視していかなければなりません。この戦いから目を背けては我が国のために命懸けで戦っていた兵士たちや、我が国を救うべく戦ってきたロデニウス連邦共和国の兵士たちに失礼です。どんなに辛い光景でも、私個人の感情で目を背けて直視しないことは許されません。」

 

 

 

 

 

 

 

 

強い。そばにいてロデニウス連邦共和国軍即応機動師団の団長は感じた。

 

 

 

 

 

 

 

(この女性のような方がこの国の中枢にいる限り、国民は決してこの国を見捨てないのだろう…………)

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

ロデニウス連邦共和国、大統領官邸地下

 

 

 

 

「即応機動師団より入電!!、<パーパルディア皇国アルタラス王国侵攻部隊の撃滅に成功!!>やりました!!」

 

 

 

 

うぉぉぉ!、と歓声が上がる。

 

 

 

「そうですか……、隊員の皆さんの働きのおかげですね。」

 

 

 

カナタ大統領の言葉に頷く国防大臣のハンキ

 

 

 

「幌筵泊地は何と?」

 

「既に次の作戦の発動の許可を申し出ています。」

 

「次の作戦……、L作戦ですね?」

 

 

 

 

L作戦とは、パーパルディア皇国軍における外征能力の重要な要素である海軍を完全に仕留めるための作戦である。

 

 

 

 

LとはLeyte(レイテ)のことで、大日本帝国海軍が事実上の艦隊消滅をしたことから、パーパルディア皇国の艦隊戦力の消滅を狙う作戦である。

 

 

 

 

「作戦参加部隊は?」

 

「我がロデニウス連邦共和国軍からは新編された第1艦隊より第1空母打撃群、第1、第2駆逐戦隊が参加、幌筵泊地からは赤城、加賀、金剛、比叡、榛名、霧島、高雄、愛宕、摩耶、鳥海、アトランタ、阿賀野、能代、矢矧、酒匂、長良、五十鈴、名取、由良、阿武隈、特型駆逐艦10隻と、涼月、冬月、フレッチャー、睦月、如月、弥生、卯月です。これに加え、上空警戒のため、早期警戒管制機が3機交代で参加し、その護衛機として第1航空団が付くそうです。」

 

 

 

 

「本気だな……、この後の全土空爆、その後のメギドの炎作戦、作戦コード310、更にニュー・ダウンフォール作戦も控えているのにこの戦力とは……」

 

「我が国とて、負けてません。新編された第1艦隊には新鋭空母であるロデニウス級航空母艦の1番艦、「ロデニウス」が編成され、更には幌筵泊地協力の元、完成に漕ぎ着けた国産機「F-101 アルバトロス」や、大型艦上多用途機である「M-3 オールラウンダー」などを搭載しており、バックウィング級とミドル級は、最新のイージスシステムへと更新されています。」

 

「それは陸軍も同じです。ニュー・ダウンフォール作戦に備え、第1段階で36万人を派遣する体制を整え、海兵隊と合わせて40万人の戦力を整えてあります。」

 

 

 

 

 

 

ロデニウス級航空母艦。

 

 

幌筵泊地から提供された資料と、アルタラス王国との交流によって得られた潤沢で良質な魔石と、転生者の異常なまでの魔法適応(分析ができるとかそういう意味)、クイラ地方に完成した超大型ドックなどによって実現した、ロデニウス連邦共和国初の正規空母。

 

 

 

 

その巨体は凄まじく、外見は完成することのなかったウリヤノフスク級航空母艦である。

 

 

 

全長 330m

最大幅 78.3m

速力 33ノット

艦載機 戦闘機60機、大型艦上機8機、回転翼機×6

武装 40mmCIWS×4、30連装対空ランチャー×3、Mk41(32セル)×1、極超音速巡航大型対艦ミサイル発射用VLS(8セル)、その他舟艇対策用兵装を複数搭載。

動力 核融合炉

 

 

 

また、スキージャンプでも大型機を発艦させるために魔導発艦補助装置という風神の涙をスキージャンプ前方に配置し、大型のジェットブラストディフレクターを立ち上げ、艦首から後方にかけて強い気流を発生させることで発艦効率を向上させる一種の合成風力装置を搭載。これにより、従来のスキージャンプ方式よりも効率よく発艦できることとなった。

 

 

 

 

これらの戦力を叩きつけることで、パーパルディア皇国の軍事力を根こそぎ奪う方針だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「作戦開始を承認します。」

 

 

 

カナタ大統領が承認した。

 

 

 

 

 

 

次回、艦隊集結

 







発展速度の速さについては今更感があるのでツッコミは無しでお願いします。

(恐らく)襲いかかって来るであろう愚帝本土攻撃艦隊をどうやって調理しましょうか?

  • 単艦無双(ヤ○トかな?<すっとぼけ>)
  • 特生自衛隊(特殊兵器多数)出動
  • 航空殲滅(ソ連を超えた!?)
  • 普通に艦隊決戦(まだ常識の範囲)
  • 全部♡‪(愚帝君号泣不可避)
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