チートな幌筵泊地が異世界に転移した結果……   作:提督兼指揮官兼トレーナー

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「罪の意識を味わうまで貴様らには死すら許さぬ」

(反省のない犯罪者に向けた裁判長の一言)


のっけから物騒ですが、とりあえず始めます。


物騒なのは序盤だけなのでご安心を




第38話 戦犯への審判と、国際情勢

 

 

 

 

ロデニウス連邦共和国最高裁判所内、特設裁判所

 

 

通称パーパルディア裁判と呼ばれる、パーパルディア皇国の戦争首謀者を裁く裁判が始まった。

 

 

「被告人、前へ」

 

 

囚人服の全身オレンジの服に身を包むのは、パーパルディア皇国の皇帝ルディアス。

 

 

「旧パーパルディア皇国皇帝ルディアス。あなたはアルタラス王国と我が国への直接侵攻を行い、同地に対する治安と秩序を破壊しようと企てました。これは、我が国の法律における内乱罪に該当します。本来ならば死刑が妥当である。しかしながらあなたには罪の意識が欠けているため、処刑を無意味と判断。よって、離島へ流刑の後、労役を課した上で基本的に死刑とします。尚、自殺や病死はさせない為、常に監視します」

 

 

もちろん、税金で養って肥えさせる訳では無いので、生きるために農作業や漁業をさせた上で、刑務作業に従事させる。

 

まだ若い皇帝にとって、その残りの人生全てを他者から監視され、搾取され続けるという最悪な流れを作り出した。

 

 

「ルディアス、何か言うことは?」

 

「蛮族共が……」

 

「口を開けば蛮族と罵るが、領土意欲から、他国を根絶やしにしようとし、大国の権力者として節度ある君主でないあなたの方が蛮族だ。まだ先祖の代の方がまだマシだったといえます」

 

「巫山戯るな!」

 

「静粛に」

 

 

なおも喚くルディアス。しかし、両サイドにいた警備が塞がらない口を閉じるために、持っていたアサルトライフルの銃床で殴る。

 

 

「ガッ……」

 

 

話の通じない輩にはこれが一番だ。

 

 

「連れていきなさい。次!」

 

 

ボロボロになったレミールが連れてこられた。

 

 

「皇族レミール。あなたにはフェン王国にて行われた虐殺の首謀者であり、我が国の外交官の殺害、及び随伴員への暴行が確認されています。人数的にも死刑が妥当ですが、罪の意識無いまま殺しても意味が無いので、ルディアス同様、離島へ流刑の後、労役を課した上で基本的に死刑とします。尚、ルディアスと同じ島には送りません」

 

「このような恥辱……、断じて許さぬ!」

 

 

ロデニウス連邦共和国に引き渡される前に、監視の兵士から何度も○された体はボロボロであり、囚人服の上からでも未だに傷が残っていた。

 

 

「被告人、発言は許可していません。それに、あなたが○辱されたのは旧パーパルディア皇国での出来事であって、我が国ではありません。パーパルディア皇国は 一 応 先進国扱いされていたようですが、犯罪者とはいえ、抑留中の人間に対する扱いがぞんざいだったからそのような目にあったのでは?、あなた方は武力で他国を侵略する前に、先ず自国の国民を教化した方が良かったと私は思いますが?」

 

「巫山戯るな!」

 

 

今にも掴みかかろうとしたレミールもまた、銃床で殴ることで押さえつけ、連れていった。

 

 

尚、これはレミールだからある意味見逃されたことではあるが、パーパルディア皇国の犯罪者に対する扱いは下劣なもので、男なら殴る蹴るは当たり前、女なら陵○も平気で行われていたということらしい。

 

 

(大衆にもその姿を記憶されていた皇帝ならまだしも、たかが皇族ごときでは監視達がストレスのはけ口にすることぐらい、造作も無いことだろう)

 

 

無論、エストシラント公国ではこのような扱いはさすがに問題視されていたため、ロデニウス連邦共和国に習った新しい犯罪者の扱い方へと移行することとなる。

 

その他、各種犯罪者の裁判はスピーディかつ淡々と行われ、その一部始終は国外に向けても発信された。

 

 

 

 

そして、それは敗戦国であるエストシラント公国にも届くこととなる。

 

 

 

 

 

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エストシラント公国、首相官邸

 

 

 

かつての王宮の一角に用意された執務室では、カイオスが書類の海に溺れながら激務をこなしていた。

 

 

「クソっ……、人手が足りん……」

 

 

おびただしい犠牲によって終結したロパ戦争は、パーパルディア皇国に深刻な人材不足を引き起こしており、カイオスの頭痛のタネとなっていた。

 

 

「陸軍は決起した部隊の指揮官なんかを集めてとりあえずは固めたが、海軍に関しては人が居なすぎる……、誰か優秀な人材は居ないのか……」

 

 

榛名の艦首陽電子衝撃砲によって消し飛ばされた海軍本部には、海将バルスをはじめとした高級士官が多数含まれており、その喪失はかなりの痛手となっていた。

 

 

「カイオス様、失礼します」

 

「皇帝みたいに呼ぶんじゃない、総理と呼べ」

 

「はっ、失礼しました。カイオス総理、例の男についてはどうしましょうか……」

 

「例の男?」

 

「レミールを捕まえたシルガイアという男です」

 

「おぉ……、そういえば忘れていたな……」

 

 

と、ここでカイオス、あることに気づいた。

 

 

「シルガイアという男、仕事は何だ?」

 

「昔は海軍にいたようですが、今は掃除夫だそうです」

 

「海軍時代の資料は?」

 

「こちらに」

 

 

資料を読んだカイオスの頭に電流が走った。

 

 

「彼だ!、彼こそ我々が求めていた人材だ!」

 

 

 

 

数日後………

 

 

 

 

「シルガイア殿。貴殿はパロウル地区において、第1級指名手配犯を、手傷を負いながらも検挙した。その功労は特に多大であるため、これを賞すると共に、我が国の海軍立て直しのために、実力のある貴殿を海軍将校として採用することを決定する」

 

 

シルガイアからすればただ襲いかかる女をとっちめただけなのに、あれよあれよという間にすごいことになっていたようなものだから、ただただ萎縮するだけだった。

 

しかも、再び海軍に入り、かつてのバルスのように将校として働くこととなるとは!!

 

シルガイアは後に著作「人生は運」という本を出版することとなるが、これが国内外問わずベストセラーとなり、映画化までされることとなる。

 

そして、シルガイアは、バルスとかつて出世を争ったほどの優秀さであることから、エストシラント公国は、速やかに海軍戦力を立て直すことに成功するのだった………。

 

 

 

 

 

 

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一方、ムー国

 

 

「観戦武官はいつになったら戻るんだ!」

 

「申し訳ございません、彼ら曰く<戻ろうとしても次々に新しい情報が手に入ってしまうから一向に戻れない>と言っており……」

 

「ロデニウス連邦共和国……、一体どれほどの国なんだ、資料は見ているが、イマイチピンと来ない」

 

「少なくとも、資料によれば、我が国を遥かに上回る技術力と、強大な軍事力を保有しているそうです」

 

「それはそうだが……、ん?、君の持っているその時計はなんだね?」

 

「これですか?、ロデニウス連邦共和国の時計で<R-SHOCK>と呼ばれているものです。すごいですよ、海水に沈めても動きますし、落としても平気です。しかも、電波で時間を自動で修正して、太陽の光で無限に動き、暗くなると文字盤が光るんですよ」

 

「頑丈だな」

 

「しかもこれ、ロデニウス連邦共和国だと普通に売っている代物なんですよ」

 

「何!?、軍事用では無いのか!?」

 

「はい、若者を中心に人気の時計だそうです」

 

「ここまでの性能が民需向けなのか……」

 

「恐ろしい技術力ですね……」

 

「話が逸れたな、それで?、ロデニウス連邦共和国が一体何をしでかしたというのかね?、戦艦でも進水したのかね?」

 

「それが……、戦艦が推定10隻程度進水したそうです、空母と護衛艦艇も一緒に……」

 

 

ブーッ!

 

 

統括軍司令は飲んでいた紅茶を噴いた。

 

 

「そんなに!?、我が国ですら、ラ・カサミを数年かけて建造したのに、ものの数ヶ月で10隻!?」

 

「これで、ロデニウス連邦共和国の空母は10隻、戦艦も10隻です」

 

「化け物め……、しかし、その程度なら駐在武官からも送られてくるだろ?」

 

「それが………、例の泊地が絡んでいるようで……」

 

「ホロムシロか……」

 

 

 

 

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幌筵泊地訓練用滑走路

 

 

<<こちらコールサイン:アドミラル、アドミラルより管制塔へ、着陸許可を>>

 

<<こちら管制塔、アドミラルへ、着陸を許可する>>

 

 

T-50がランディングギアを下ろして着陸する。

 

その動きは綺麗で、訓練生としてはかなり優秀な部類に入る腕前だ。

 

 

「訓練完了、提督、お疲れ様」

 

「ありがとうカウント」

 

「何、トリガーが俺を指名したんだ、しっかりやらせてもらうさ」

 

「また後で頼む」

 

「ああ」

 

 

パイロットスーツを脱ぎ、着替えてマイラスとラッサンの元に行く。

 

 

「すまない、待たせたね」

 

「いえ、ここに来ると毎回様々な技術を見せてもらえるので、なんてことはありませんよ」

 

「そうか、国に帰らなくて大丈夫か?」

 

「統括軍司令からは<いつまでそっちにいる気だ!>なんて言われてますよ、ただ、やっぱり例の国が気になるみたいで……」

 

「グラ・バルカス帝国か」

 

「ええ、我が国より進んだ技術力を持つ国であることは把握しているので、我が国としてもロデニウス連邦共和国の技術力は欲しいんです。本来なら観戦武官の仕事を終えたら帰らなければならないのですが、ちょうど幌筵泊地の提督が休職中だと言うんで……」

 

「無理やり延ばしてもらったってことか」

 

「ええ、幌筵泊地で色々教わりたいですからね、昨日教えてもらったことはノートにまとめましたよ、小玉さんから教わった<空間装甲>と<避弾経始>、<成形炸薬弾>、こっちには一昨日真多さんから学んだ<バルバスバウ>、<ハリケーンバウ>、<カタパルト>、今日は多元さんの番ですよね?」

 

「ああ、俺からは<ジェットエンジン>と<金属製航空機>の設計に関わる内容を教えようと思う」

 

「いよいよジェットエンジンですか!」

 

「ああ、もし、国が許せば、ジェット戦闘機の輸出とエンジンのライセンスも渡す予定だから、きっちり学んでくれよ」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

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「もう既に、マイラスとラッサンは、各種資料と幌筵泊地からの助言を元に、新型戦車、航空機、駆逐艦、空母、戦艦、センスイカンの設計図をまとめているようです」

 

「すごいな……、もうまとめきったのか」

 

「ええ、ロデニウス連邦共和国も、グラ・バルカス帝国については懸念を評しており、政府の交渉次第で、兵器輸出もするそうです」

 

「輸入だけでは不味いな、マイラス達の設計した兵器については幌筵泊地から何か言っているのか?」

 

「手本として作ってくれるそうです」

 

「随分と協力的だな、彼らが同じ惑星出身ということもあるのか?」

 

「ええ、おそらくは」

 

「それで?、マイラス達は何を作ったんだ?」

 

「とりあえず戦車だけだったのですが、書類だとこのようなものです」

 

 

 

ムー国新型主力戦車

「ラ・ガマフ」

 

全長 7.0m

全幅 3.6m

重量 55t

主砲 105mmライフル砲

副武装 12.7mm重機関銃×1基、7.62mm同軸機銃×1基

装甲 均質圧延装甲

乗員 4名

エンジン 空冷ディーゼル

最高速度 45km/h

 

 

「イレール砲並の主砲を持つ戦車だと!?、あんなものが戦車に乗っかれば、どんな敵でも粉微塵だろう……」

 

「これ以外にも、多種多様な装備を計画中との事です」

 

「なんという……」

 

「しかし、問題は過激派ですよ……」

 

「ああ、そういえばそうだな」

 

 

ムー国内には第2文明圏の列強として、自分たちが最強だと過信し、グラ・バルカスとすぐにでも戦おうとする連中が一定数いる。

 

彼らはグラ・バルカスの実力を甘く見ており、統括軍などの良識派の頭痛の種となっていた。

 

 

「彼らに言わせれば、<ロデニウス連邦共和国など足元にも及ばない、兵器を輸入するなど以ての外>なんて適当なことを言っていますからね……」

 

「そう、だが、彼らを黙らせるために我々も手を打つという訳だ」

 

 

そう言って統括軍司令が取り出したのがとある資料。

 

 

<ムー国海軍観艦式>

 

 

ムー国をはじめとした第2文明圏の海軍と、ロデニウス連邦共和国、アルタラス王国が参加する大規模な観艦式であり、ロデニウス連邦共和国も大々的に艦隊を派遣すると通達していた。

 

 

 

「マイラスとラッサンについてはしばらく向こうに派遣しておこう、しかし、その分きっちり仕事はさせないとな」

 

 

 

マイラス達の技術に対する熱意にはある程度寛容な統括軍司令だった………

 

 

 

 

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グラバルカス帝国

 

 

第2文明圏、列強国ムーのさらに西にある大帝国であり、突如としてこの世界に現れ、瞬く間に周囲の国を制圧、ついには第2文明圏のパガンダ王国すらも落とし、さらに列強レイフォルをたったの1艦で倒すという伝説級の戦果を挙げた国。

 

 

 

この世界の人々にとって、それは恐怖であり、一部では、神聖ミリシアル帝国よりも強いとすら噂される。

 

そんな世界の注目を集める国、グラバルカス帝国、帝都ではその繁栄を自室から眺め、考えにふける男が一人。

 

 

 

帝王グラルークスは、栄華を極めし帝都を眺める。

 

 

「この世界は我々に何を求める?」

 

 

国ごと異世界に転移するなどという、バカげた事が現実となった。前世界、ノルースと呼ばれた星で最大の勢力を誇ったグラバルカス帝国。前世界では、始世の国、ミルーク神を祭りしケイン神王国と世界を2分し、戦争を行っていた。

 

資源力、生産力、そして軍事力、そのどれもを比べても、グラバルカス帝国が戦争に勝利する事は、誰の目にも明らかだった。

 

豊富な資源、圧倒的な生産力、世界最高の技術力があった。

 

しかし、あまりにも突然起こった転移と呼ばれる現象により、本土のみがこの世界へと来てしまう。

 

広大な土地を失ってしまったが、敵国への本格侵攻、上陸作戦準備のため、大部隊を本土に一時帰国させていた時に転移が起こったため、外国駐在陸軍基地を除き、戦力のほとんどは失われなかった。

 

 

ライバルたるケイン神王国は消えた。

 

 

変な星に転移し、一時帝国は混乱したが、東を向くと眼前には広大な土地と貧弱な武装を持つ現地人たち。

 

 

彼我の優劣は明らかであり、皆歓喜した。

 

 

当初、周辺国はグラ・バルカス帝国に対して攻撃的であるにも関わらず、あまりにも弱く、あっさりと制圧した。しかし、それらの弱小国を支配する事で、この世界には文明圏と呼ばれる、上位の共同体があることが判明する。文明圏がどの程度の国か、当初は解っておらず、全く未知の世界であるため、慎重な意見が相次ぎ、話し合いによる国交の設立といった融和政策が模索された。

 

 

 

手探りによる外交。

 

 

 

しかし行く国行く国、噂と比べてもあまりにも能力が低く、にも関わらず文明圏外国と侮られ、外交は全く進まない。しびれを切らした融和政策の代表格たる皇族が、わざわざ足を運んで交渉したにも関わらず、

 

 

「世界の事を全く知らない蛮族」

 

 

 

と罵られ、同皇族は反論したところ、不敬罪で殺されてしまう。

 

 

この1件で、この世界で融和政策を推進しようとする者はいなくなった。

 

 

前世界と同様、武力による統治、及び領土拡大政策が推し進められる事になった。

 

 

まずは皇族を不敬罪で殺すといった大罪を犯した国、パガンダ王国を強襲制圧。これをあっさりと落とす事に成功する。その後、帝国は第2文明圏に宣戦を布告し、世界の5本の指に入ると呼ばれた列強国レイフォルも、あまりにもあっさりと降伏、この世界において、文明圏外国家も列強国もグラ・バルカス帝国の前では弱小国に過ぎない。

 

「全く……おもしろき世界よ。」

 

 

帝王グラルークスは世界を統治する夢を見る。

 

 

だが、そのためには相手を知らねばならない。

 

 

帝国の情報局では、列強のムー、ミリシリアルの他に、ロデニウス連邦共和国もその対象になっていた。

 

 

 

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グラバルカス帝国 情報局

                                          

 

薄暗い部屋、鳴り響く電子音、まるでモールス信号のような音が鳴り続ける通信室の隣にある茶色を基調として格式高き部屋、その部屋に1人の男が報告のために訪れる。

 

男は上司に報告を行うため、ドアをノックする。

 

 

「入れ。」

 

 

中から低い声、命令を受け男は中に入る。

 

 

「閣下、ロデニウス連邦共和国に潜入している諜報員から情報が手に入りました」

 

「ほう、聞かせてもらおうか」

 

「はっ!、ロデニウス連邦共和国とパーパルディア皇国はつい先月終戦し、ロデニウス連邦共和国は直轄地を統治し、それ以外は統治せず、諸国を独立させました」

 

「ほう、それではさほど国力は無いのか?」

 

「いえ、そうとは言いきれません」

 

「何?」

 

「我が国は調査目的で、複数の潜水艦を送り込んでいたのですが、そのうちの一隻が近海で行方不明になりました。最後に送られた電文によると、ロデニウス連邦共和国海軍に見つかったとの事です」

 

「我が国の潜水艦を探知できたのか!?」

 

「はい、また、建造速度も驚異的です」

 

「建造速度もか?」

 

「ロデニウス連邦共和国海軍は、空母を10隻保有していますが、これらが就役したのはわずか一年に満たない期間です」

 

「大きさは?」

 

「グレードアトラスターどころか、建造中の新型戦艦すら上回るとの事です」

 

「何!、そこまでの大きさなのか!?」

 

「はい、こちらに関しては写真もあります。ロデニウス連邦共和国の進水式の様子が、映像資料であったので、これを送ってもらいました」

 

「どれどれ……」

 

 

そこに映されていたのはロデニウス級航空母艦である。

 

 

「デカイな……、これだけ大きいと200機は載るんじゃないか?」

 

「具体的な数は不明ですが、軍港めぐりのクルーズ船もあり、そこでも確認できたので間違いないかと、今度、民間に軍事力を載せた図鑑が載るそうなので、買いに行かせます」

 

「しかし、ロデニウス連邦共和国は何故そこまで軍事情報を明らかにするのだ??、陽動では無いのは明らかだろう」

 

「軍事力を明らかにすることで、戦わずして勝つつもりなのでしょう」

 

「なるほど、だとするとあまり予算に余裕は無いかもしれないな」

 

「ええ、後、各軍事施設は警備こそあれど、基地祭などがあり、時には解放はされているようです、ですが……」

 

「ん?」

 

「1箇所だけ、立ち入りすら行われない場所がありました、とある離島群です」

 

「なんだねそれは」

 

「ホロムシロ泊地という場所です。立ち入るには許可証が必要らしく、そもそも入る手段がありません」

 

「そんなにか」

 

「はい、観光客として潜入させている以上、これ以上無理は……」

 

「非合法滞在に切り替えろ、要注意国家だ」

 

 

 

グラ・バルカス帝国の情報収集は続く。

 

 

 

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神聖ミリシアル帝国 帝都ルーンポリス

 

 

誰もが……世界中の誰もが認める世界最強の国、神聖ミリシアル帝国、その他とは隔絶した栄え方、そのあまりにも高度な発展を前に人々は『世界の中心』という意味を込め、帝国の存在する大陸を中央世界と呼ぶ。

 

 

 神聖ミリシアル帝国は

○世界で最も高い魔法技術

○国の基礎を安定して支える高度な政治システム

○広大な国土と優秀な物質の量産化システム

○優秀な学問体系

 

 

これらが高度に入混じり、この世界の文明圏国家や、列強国と比べても国力の優位性は疑いようがない。

 

 

帝国は、国土の所々に残る、古の魔法帝国の遺跡を解析し、高度な技術を支えてきたため、地球の歴史を基準にすると、軍事技術はいびつな発展をしている。

 

 

帝都ルーンポリスにある外務省、その建物の1室で、2人の男が会談をしていた。

 

 

「しかし……まさか、第3文明圏唯一の列強国、パーパルディア皇国がロデニウス連邦共和国にコテンパンにやられてしまうのだからな……、しかも、あれは元々、国土は広くとも、食料と人口だけが取り柄だったはずの文明圏外の国に……。未だ信じられないよ。」

 

 

外務省統括官リアージュはつづける。

 

 

「我が国の魔導船団をもってすれば、パーパルディア皇国など、吹けば飛ぶような軍隊、しかしそれでも第3文明圏の技術水準から考えれば、皇国の軍事力は付近の国よりも隔絶していた。ロデニウス連邦共和国、興味の沸く国だな。」

 

「はい、ですから是非早期使節団の派遣を……。」

 

「アルネウス君、情報局長である君が、話題のロデニウス連邦共和国の情報を集めたいのは解るが、我が国は世界最強の国だよ?、ただ単に国交樹立を目的として、我が国側から打診し、使節団を派遣するなど……しかも、列強国ですらない、文明圏外国に。」

 

「リアージュ様、ロデニウス連邦共和国は今後、第3文明圏の列強に代わって第3文明国……、いえ、それどころか東方大陸国家群の代表的存在であり、列強の1つになると思われます。我が国の開く先進11か国会議にパーパルディア皇国の代わりにロデニウス連邦共和国を呼び、それらの準備すべき事柄の指導という形で、国交樹立の準備も含め、使節団を派遣するといった形ではいかがですか?」

 

「うーん、それならば、あのプライドの高い議員の方々も納得するかもしれないな、検討と、根回しをしてみよう。」

 

後日、神聖ミリシアル帝国は、ロデニウス連邦共和国へ使節団の派遣を決定した。

 

 

 

 

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一方、幌筵泊地空母艦載機ハンガーにて

 

 

「おう、それで?、今の提督の飛行機の進捗はどんなもんだ?、もうジェットに行ったか?」

 

「それが……、もう高等練習機に乗ってて……、飛行も問題ないレベルです」

 

「嘘だろ!?、如何に仕事が無いとはいえ、そこまで早いのか!?」

 

「空母計画の海自側の意地として派遣されただけあって伊達じゃないですね………」

 

「それに、乗る機体も決めてるらしいですよ」

 

「何持ち出す気だ?、F-3Aか?、F-22か?」

 

「F-3Cっていう新型機です」

 

「提督が作る予定だったっていうアレか?」

 

「はい、モックアップの復旧から、試作1号機の製造に向かっているみたいです」

 

「やる気だな……、それでいい。俺も腕を磨かないとな……」

 

「隊長、勝てますか?」

 

「勝てるさ、如何に成長速度が早くたって、向こうは高々一年やってるかどうか、俺はレシプロ時代や、人間の頃からカウントすれば、30年は飛んでる大ベテランだぜ?、一世代上の機体を使われようが、負けるわけが無いだろ?」

 

 

部下相手に大見得を切った鳳翔航空隊隊長

 

 

(だが、提督の熱の入れようは本物だ。あの機体、パッと見ただけでわかるが、かなり強い。そして、提督の練習相手はあの第118戦術航空団だ。生半可な覚悟じゃ勝てない。だが、俺だって鳳翔航空隊の隊長だ。そう簡単にお艦を渡す訳には行かない)

 

 

 

鳳翔の立場をめぐり、男達は戦いの準備を整える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







はい、なんか後半物騒な話が出ましたが、とりあえず今回はここまでとします。次回から数話ほど幌筵泊地関係のお話を続けた後、ミリシリアルや、外伝の国々との接触を書いていこうと思います。




(恐らく)襲いかかって来るであろう愚帝本土攻撃艦隊をどうやって調理しましょうか?

  • 単艦無双(ヤ○トかな?<すっとぼけ>)
  • 特生自衛隊(特殊兵器多数)出動
  • 航空殲滅(ソ連を超えた!?)
  • 普通に艦隊決戦(まだ常識の範囲)
  • 全部♡‪(愚帝君号泣不可避)
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