チートな幌筵泊地が異世界に転移した結果…… 作:提督兼指揮官兼トレーナー
お久しぶりです。作者です。更新できず申し訳ないです。
「ここからは私が洋上の「剣」までお連れします」
「貴方は……?」
「私は鳳翔航空隊隊長、岩岬敬浩と申します」
そう、皆さんご存知鳳翔航空隊隊長さん。何とネームドキャラに昇格しました。名前の元ネタはお察しの通り伝説の自衛隊パイロットである。
「貴方には我が国……いえ、我々の提督の考えをお伝えしたいと考えています」
「どうして……私に?」
「説明は後ほど、先ずはこちらの機体に乗り込んで頂きます」
「これは……」
ロデニウス艦載機であるアルバトロスとは違った見た目をした艦載機……、大型で、機体形状はカモノハシに近い。
「艦上対潜哨戒機の試作モデルです。どうぞこちらに」
「マイラスから聞いた話だと何か着ていたとのことですが必要無いのですか?」
「ええ、この機体は与圧されていますので」
「与圧?」
「山を登ると次第に気圧が下がり、空気が薄くなるように、航空機が高い高度で飛ぶと、空気が薄くなり、呼吸がしずらくなります。そのままだと危険ですので、マイラスさんは酸素マスクをつける必要があったのですが、この機体は地上と同じ気圧で保たれており、マスクをつける必要が無いのです。長時間の飛行が前提の機体ですので、快適に過ごせる工夫が施されています。インスタントですがコーヒーもどうぞ」
後ろのポッドでお湯を沸かす。読者諸君はだいたい察していると思うが、こちらはSu-34をベースとした対潜哨戒機である。
「ひとまず発艦しますのでベルトをしっかりして手すりに掴まってください」
カタパルトから射出する前に最終確認を行い、発艦。高度を上げオートパイロットに切りかえたところで、ポッドのお湯も沸いた。
「どうぞ、幌筵軍オリジナルブレンド<タ○ノ○ムレット>です」
(ちなみに薄々名前を察した方もいるかもしれませんが、タニノギムレットという名前のブレンドコーヒーは実在します)
「まさか爆撃機の中で出来たてのコーヒーが飲めるとは……」
「インスタントですがね」
広い方とはいえ、ガチガチの爆撃機に比べればさほど広くないこの機体の中で温かい飲み物が飲めることに感動するラッサン。
「見えてきました。アレが我が幌筵軍最大の艦艇にして提督座乗艦「剣」です」
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「平河さん、ラッサンさん連れてきたぞ」
「ご苦労さま。試作機の記録もよろしくね」
「ああ、○ordで書いておくよ」
岩岬が退出する。
「はじめまして、ラッサンさん。私はロデニウス連邦共和国幌筵特別行政区行政執行官兼ロデニウス連邦共和国国防省国防技術研究所特別顧問兼ロデニウス連邦共和国経済産業省先進技術研究所特別顧問兼幌筵泊地科学局副長官の平河と申します。肩書きが長ったらしいですが、一応幌筵軍では技術関係のトップをになっています」
転生者達がオーバーワーク気味なのは皆さんご存知の通りで、多元闇堕ちとそれに絡む指揮系統逸脱問題など、大小様々な問題によって一応分業の体が取られたものの、それでもやはり多少オーバーワーク気味なのである。
なのでやたら肩書きが長くなる。
「よろしくお願いします」
「早速ですが、ラッサンさんには、ムー国に新設される新艦隊の司令官になってもらおうと思います」
「……は?」
異国の人間に突然自分の国の新艦隊の司令になれと言われるラッサン。
「いやいや、待ってください。私はまだ……」
「もちろん直ぐにという訳ではありません。現在、ムー国の一部では、ロデニウス連邦共和国との関係強化を進める動きがあるのはご存知でしょうか?」
「ええ、マイラスも中心になって活動していますし、何度かロデニウス連邦共和国の技術力について教えてもらったことがあります」
「はい、我々幌筵軍は、ロデニウス連邦共和国国防省との協議の結果、ムー国への大々的な軍事援助を行うために、様々な方針を検討していますが、1番手っ取り早い方法は、我が国から完成品を輸出し、それを我が国が教育した上で運用可能なレベルに引き上げることです」
「その教育される予定の部隊に私を置くと?」
「そうです。我々の兵器は今まであなた方が運用してきたものとは仕様が異なる。年配の指揮官になればなるほど、その運用を覚えるには苦労します。故に、逆に若い指揮官を据えることで、柔軟な運用が可能では無いのか?、と我々は判断したのです」
「しかし、それだけでは根拠が……」
「もうひとつ、我々が危惧しているのが貴国の軍内の派閥問題です」
「派閥問題……」
時を同じくして、多元もまた、マイラスたちとの会談に入った。
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「よろしく多元司令。私は統括軍所属のラムイ参謀長だ。階級は准将でマイラスの元上官にあたる」
「よろしくお願いします」
立派な髭を蓄えた初老の参謀長の威厳を前に前にやや圧倒される多元。
「早速で申し訳ないのだが、多元司令。あなたは今の我が国がグラ・バルカス帝国にどれほどの勝率があると思われている?」
「それは……」
「忌憚のない率直な意見をお願いしたい」
鋭くは無いが、決して穏やかでは無い目線を感じ、先程までの和やかな雰囲気を捨て去った多元は、やや考え、マイラスにも話したことの無い部分にまで踏み込んで話すことにした。
「端的に言わせてもらえれば、ムー国は既に負けていると判断しています」
「何?」
「多元さん!?」
「現在のグラ・バルカス帝国……、ここから先はグ帝と呼称しますが、かの国の勢力圏は第2文明圏のレイフォルまで届いており、今後そのほかの国家に手出しするとなれば容易に侵攻が可能となるでしょう。大陸国家に対して既に足がかりがある状況下で、事前に侵攻を阻止することは難しく、国境侵入は間違いなく許してしまうでしょう」
「………」
「さて、問題なのはここから敵を排除した上で、場合によっては逆侵攻をかける必要があるわけですが、その際に鍵となるのが航空戦力です」
「我が国のマリンでは勝てないと?」
「残念ながらマリン自体は優秀ですが、あちらでは初等練習に使われる程度の代物でしょう」
「練習機程度……」
薄々感じていたとはいえ、改めて知らされた現実を受け止めきれないムー国の2人に多元は続ける。
「また、そもそもかの国とムー国とでは兵器とその運用に関する戦術が違います。例をあげますと貴国にも存在する戦車。これの運用方針が違うため、推測にはなりますが、国境侵入後立て続けに侵入してくる戦車の迎撃だけで相当苦労するはずです」
「どのように侵入してくると見る?」
「先頭に配置した部隊中心に戦車数十両の侵入は確定でしょう。装備次第によっては機甲師団と呼ばれる戦車中心の部隊も想定されます。進軍速度もムー国の部隊よりかなり早いですので、偵察情報から展開までを考えても、開戦初頭で既に首都防衛戦に回りかねません」
「多元司令の予想では我が国は何年持つとみてる?」
「このままですともって半年……、戦局次第では3ヶ月と言ってもいいでしょう」
「1年持たないと見てるのか!?」
「開戦初頭での海軍の全滅や、航空基地への攻撃があればさらに悲惨です。諸外国の増援抜きでは組織的な抵抗は1ヶ月すら怪しいです」
これは多元や、ロデニウス連邦共和国の軍首脳部での図上演習で既に明らかになっていたことだが、グ帝が所謂電撃戦などを用いた短期決戦行うと見た場合
・開戦初頭での航空攻撃による奇襲による海軍戦力の殲滅
・戦車部隊による侵攻
・重爆撃機による後方への空襲
の3つを用いた集中攻撃で、最悪の場合攻撃開始後24時間以内にオタハイトが壊滅し、国境線付近の居住地はあらかた占領済み、航空戦力は開戦前後で60%壊滅との評価が出ており、単独防衛は不可能と判定されていた。
これに、段階ごとの支援を評価基準に含んだ複数の戦況分析の結果が示されており
・ロデニウス連邦共和国及びその同盟国以外の国家の支援のみ(実態としてはミリシリアルのみ)
▶︎3年以内にムー国降伏
・ロデニウス連邦共和国による武器支援(義勇軍派遣含む)
▶︎5年程度長期化、泥沼化
・ロデニウス連邦共和国の同盟国による直接介入
▶︎介入開始後数年以内に国境線付近まで押し返せる
・MMAT全加盟国による直接介入
▶︎介入開始後1年以内に国内より完全排除
特に、最後の内容ではロデニウス連邦共和国の爆撃機による本土攻撃も前提に入れられており、逆侵攻すら視野に入っている。
が、現時点でロデニウス連邦共和国がこれを行う法的根拠が無いため実施できない
「ま、マイラスの開発中の新兵器の投入は?」
「それもどれだけの効果を発揮するか分かりません。我が国からの技術供与があるとはいえ、工業生産は一朝一夕に上がるような代物では無いため、開戦時に精鋭に配備するのが限界でしょうし、そもそも最新兵器の運用に習熟する時間も見積もらなければなりません。闇雲に増産しても鹵獲されて敵に分析されてしまうのが関の山です」
「それでは到底……!」
「ええ、持ちません」
そういえば、ムー国どころか、パ皇にすら劣る隣国に押されるような国家を1年足らずで超大国に仕立てあげた連中がいた気がするが、気のせいか???
「………、やはりそうであったか」
「ラムイ参謀長?」
「マイラス、我が国が、長らく続いた中立を放棄するという話は知っているか?」
「もうそこまで話が!?」
「決定事項では無い、だが、多元司令も指摘するように、我が国単独ではグラ・バルカス帝国に対抗するだけの力は無い。イルネティア王国を知っているか?」
「我が国が関係を重視する国家の1つにして、交通の要所であるパガンダ島にある国家ですね」
「そうだ、かの国の王子、エイテス王子が我が国に対して救援を求めてきた」
「救援を?」
「グラ・バルカス帝国に降伏を迫られているそうだ」
「もう次の手を打っているのですか……」
「我が国としては今度開催される先進11ヶ国会議でグラ・バルカス帝国への非難決議と、制裁措置を要求する予定だが、それとてどれほど上手くいくか……」
「…………」
言葉が出ないマイラス。先進11ヶ国会議での非難決議があれど、グラ・バルカス帝国は止まらないだろう。あれも転移国家であれば、常識は通用しないとみていい。
「直接介入にしても、我が国の兵力は多元司令が指摘した通りだ。我が国で太刀打ちできる相手では無い」
「それならば、やはりロデニウス連邦共和国との同盟を……!」
「それも簡単では無い」
「また国粋派ですか!」
また、と発言したマイラスの言葉に心当たりがある多元。
「マイラスさん、国粋派というと……」
「はい、ご存知の通り、自国第一主義、原則維持派のことです。長らくムーの方針だった非同盟永世中立の方針の維持と海外勢力の排除を訴えています」
「まぁ、所謂保守派で、過激なものだとグラ・バルカス帝国との同盟して、かつての領土を取り戻そうなんて言ってる者もいる始末だ……。そこで多元司令。頼みがある」
「頼み……?」
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その夜、空母「剣」艦内
「ムー国海軍や陸軍との演習?」
「そうです。ペイント弾を用いた艦隊決戦と、陸戦がメインだそうです」
「想定は?」
「大陸占領地正面から迂回して上陸する部隊を我々幌筵軍が、迎撃に出るムー国海軍の相手を海軍が担当します」
バンカーレを含めたロデニウス連邦共和国海軍の面々と話し合う多元。
「我々MMAT加盟国は?」
「今回はそのまま待機してください。もとより観艦式前の模擬戦といった形ですから」
「わかりました。ロデニウス連邦共和国の戦闘、この目でしかと見届けさせていただきます」
「多元司令。陸上戦力は如何程で?」
「揚陸艦3隻分と、特殊部隊が1個中隊です。多くはありませんが、ちょうどいいハンデですよ」
「作戦は?」
「こちらです」
タブレットを操作し、予め作っておいた3Dモデリングと共に説明する。
①特殊部隊の展開と、偵察機による偵察情報を元に、特殊部隊の誘導を受けた戦闘機部隊による精密爆撃で、沿岸砲と、対空砲の破壊
②続けて航空群による空爆と、護衛の海防艦からの艦砲射撃を実施、防衛部隊を削りつつ、同時に戦術機支援の元、特殊部隊が司令部を強襲
③陸上部隊を投入。重戦車を先頭に要所を制圧。司令部に重戦車部隊が到着した時点で無条件で幌筵軍側の勝利となる
ちなみに陸上部隊の内容は以下の通り
5式重戦車4両
TSF-94「不知火」(ロケットランチャー装備)×8
10式丙型6両
各種装甲車16両
「護衛隊群からの戦力は航空群と航空隊のみですか!?」
「護衛艦を投入してしまえば過剰ですからね、守りのムー国陸軍とて、さほど数が多い訳ではありませんから」
尚、防衛に回るムー国陸軍は以下の通り
陸空軍合計動員数1万人
戦車10両
自動車24台
沿岸砲20門
牽引砲15門
マリン16機
対空砲・対空機関砲18門
人員的に見れば圧倒的不利なのだが、読者諸君は薄々察してる通り、両者には埋めがたい差がある。
先ずは航空戦力。最新鋭のF-3Cは今回対地攻撃任務主体であるが、それも含めて全てジェット戦闘機で速度、上昇、武装いずれの面で勝っており、制空権確保は容易い。
また、艦載機による空爆も、2次大戦の爆撃機並の爆装であるため相手からすれば絨毯爆撃を喰らうのに等しい。
尚、今回は新兵装として30式空対地・空対艦ミサイルを投入することが決まっており、F-3CにJDAMと共に搭載されることになっている。
この30式空対地・空対艦ミサイルというのは、防衛省が開発している新地対地・地対艦誘導弾の空発モデルで、敵の迎撃を回避行動を取りつつ突っ込むという最悪の代物であり、幌筵泊地では93式の後継として採用し、ロデニウス連邦共和国でも採用予定だったが、価格高騰と、搭載本数の低下(魔改造で解決させた事例もあるが)により並行配備となっている。
尚、航空群には複数の試作機も含まれており、その内容が以下の通り
・P-1R(みんなよく知ってるP-1、AESAレーダーと空対空攻撃能力を持たせた強化モデル)
・P-1SW(三菱重工案、小さいB-1、可変翼とガトリング砲、AESAレーダー持ち)
・P-1N(富士重工案、対潜可能なSu-34。エンジンはF135、AIM-174も搭載可能)
どうもこの泊地の連中は演習を実験場だと勘違いしてる輩が多い。
果たして演習の様子や如何に……。
次回は演習回です。なるべく早く上げれるよう善処します
(恐らく)襲いかかって来るであろう愚帝本土攻撃艦隊をどうやって調理しましょうか?
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単艦無双(ヤ○トかな?<すっとぼけ>)
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特生自衛隊(特殊兵器多数)出動
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航空殲滅(ソ連を超えた!?)
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普通に艦隊決戦(まだ常識の範囲)
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全部♡(愚帝君号泣不可避)