チートな幌筵泊地が異世界に転移した結果……   作:提督兼指揮官兼トレーナー

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「ようやく慣れない服を脱ぐときが来た」

(会見時の多元)




というわけで前半でチュートリアルが終わり、大概の創作でありがちな統一国家形成へ向かっていきます。さて、多元達はどう動くのやら……



なんかオンドゥル語混じってますが気になさらず。




それではどうぞ






第6話 ロウリア王国の終焉と新たなる始まり

 

 

 

 

「偵察隊はまだ戻らぬのか!!」

 

 

 

苛立つパンドール。

 

 

「て、定時連絡が途絶えてしまい、そこから何も音沙汰が無いのでなんとも……」

 

「まさか落とされたわけではあるまいな?」

 

「そ、そんなはずは………」

 

 

 

言葉を濁すロウリア兵だが、この後絶望することとなる。

 

 

 

 

ゴォゴォ

 

 

 

突然雷鳴のような音が聞こえてくる。

 

 

 

その直後……!

 

 

「わ、ワイバーンが落ちてくるぞ!」

 

「どうなってるんだ!、相手は東部ロデニウス連合国じゃないのか!」

 

「な、一体何がおきているんだ!!」

 

 

 

雷鳴のような音が聞こえた直後、ワイバーンがバラバラになって落ちてきたのだ。

 

 

 

 

第2航空団から放たれた空対空ミサイルは、全てのワイバーンを外すことなく捉え、瞬く間に撃墜した。

 

 

 

 

 

「そんな………、あれだけ上げたワイバーンが……、ボドボドニ………」

 

 

 

混乱で呂律が回らなくなるパンドール……

 

 

 

 

「ゔぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!、

 

 

嘘だ!、ウソダドンドコドーン!」

 

 

 

 

取り乱すパンドールを横目にもしや……、と部下の1人が口を開く。

 

 

「まさか古の魔法帝国!?」

 

「何を証拠にズンドコドン」

 

 

その言葉にいち早く応答していたパンドールだが、その真偽について最早議論の余地は無かった。

 

 

 

 

上空哨戒中だったワイバーンを全て落とされた直後に、ちょうど幌筵泊地陸上部隊から放たれた大小様々な攻撃が命中、全滅した。

 

 

 

 

 

目の前の衝撃的な光景からか、次なる攻撃に気づくことが出来なかったロウリア王国軍侵攻部隊は無惨にも黒焦げた遺体となって散らばった。

 

 

 

 

 

 

 

作戦は大成功だった、1人の不満を除けば………

 

 

 

 

「ちっ、我々の出番は無かったか………」

 

「大佐、提督より入電、<工業都市ビールズを破壊せよ>との事。いかがなさいます?」

 

「決まっている、行くぞ」

 

「ヤボール、八つ当たりも込めて行きましょう。」

 

 

 

 

出番がなかったので、不満タラタラのルーデルは、追加の命令に憂さ晴らしも込めて全力で応じることとなる。

 

 

 

 

その結果、この後ビールズはルーデル率いるスツーカIIの攻撃を受けて、壊滅状態となる。

 

 

 

 

 

だが、最早ロウリア王国に立て直す力は無く、ズルズルと後退していく。

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

ロウリア王国王都、ジン・ハークにて………

 

 

 

「40万を超えた軍隊は最早原型を留めることなくバラバラで、東部ロデニウス連合国軍を見るとたちどころに敗走しだす有様……、最早我が軍は戦えません!」

 

「戦うのだ!、諸侯たちの軍隊を根こそぎ集めて叩きつけろ!、この戦いは数を集めなければどうにもならぬ!、今一度諸侯たちに再度動員をかけるのだ!」

 

「その諸侯たちから優先的に集めた結果、最早王都守備隊の他にまともな軍はおらぬのだぞ!、それに、奴らは鉄の竜でビールズや、港を破壊している!、このままでは生計を立てることすら困難だ!」

 

「ではどうしろというのだ!、亜人どもに降伏するのか?」

 

「それしかあるまい」

 

「亜人風情に降伏するくらいなら、死んだ方がマシだ!」

 

 

 

 

この時、強硬論を訴えていた幹部は、終戦後に財産没収の上、追放処分となる。

 

 

 

 

「どうだろう………、パーパルディア皇国から今一度援助を………」

 

 

 

ローブを被った男に、貴族のひとりが話しかける。

 

 

 

が、その反応は冷酷なものだった。

 

 

 

「我らの援助は貴様らの統一の手助けだ、負けが見えた以上貴様らの戦いにこれ以上付き合う義理は無い。」

 

 

そう言って立ち去る男。

 

 

「まっ、待ってくれ……」

 

 

引き留めようとするが、止まることなく退出する。

 

 

 

 

(亜人どもに負けるとは……、こんなことが有り得るのか………)

 

 

絶望にあえぐのはロウリア王国の国王であるハーク・ロウリア34世。彼は先代からの悲願であった亜人撲滅のためにパーパルディア皇国からの援助を受けていたのだが、このザマである。

 

 

 

ロウリア王国の上層部による会議は続く。

 

 

 

 

 

 

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一方、ロウリア王国内に逆侵攻をかけている最中の幌筵泊地陸上部隊と、後続の東部ロデニウス連合国軍は、空爆の成果などを確認すべく、侵攻を中断し、暫しの休息を取っていた。

 

 

 

「多元元首、現在の状況は?」

 

「ビールズに攻撃に行った航空隊は全て帰投し、次の出撃に備えています。各港には第3、第4航空団が攻撃を行ったため、海上戦力は出撃不可能でしょう。」

 

「となれば後は………」

 

「敵の首を押さえるだけです。詳細はこちらに」

 

 

 

多元に渡された資料を読むノウ。

 

 

 

その中身は以下の通り。

 

 

 

 

 

・爆撃機隊による周辺軍事施設への徹底した爆撃

 

・制空権の完全掌握

 

・機甲師団などを囮にした敵部隊の誘引

 

・特殊機による城内掃討

 

・クイラ地方よりヘリボーンを行い、ロウリア王国国王の身柄の確保

 

 

 

 

「この特殊機とはなんだね?」

 

「あぁ、それについてはこちらを……」

 

 

多元が資料を渡す。

 

 

 

 

高速対地支援攻撃機(改造母体B-1B)

 

 

機体スペックに関してはほぼ同じ

 

武装として機体下部ウェポンベイにGSh-6-30を改良した対地掃射用機関砲を格納。

 

 

 

「多元元首、私はあまり詳しくないからアレだが、これの実用性はいかほどで?」

 

「心理的効果ぐらいですかね、後実戦データが欲しいので」

 

「確かに高速で襲いかかる機関砲は十分恐怖だが………」

 

 

 

 

こいつらはロウリア相手だと言うのに、恐ろしさが無いのか……、とノウは改めて規格外な彼らに驚いた。

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

幌筵泊地飛行場

 

 

「爆撃機隊、出撃!」

 

 

エイのような見た目をした爆撃機が、次々と飛び立つ。

 

 

 

B2スピリットと、B21レイダーだ。

 

 

 

大量の小型爆弾を装備し、目指すは残ったジンハーク周辺の軍事施設。

 

 

 

「よし、ワイバーン共を殲滅するぞ!」

 

 

爆撃機隊の発進とともに、飛び立つのは第1航空団F-15J改。王都上空の制空権を完全に掌握する構えだ。

 

 

 

 

各航空団所属機は高度を上げると、編隊を組んで王都へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「敵ワイバーンは現在王都上空に100匹程が展開中の模様。」

 

「多いな、警戒されてるのか?」

 

「まぁあれだけ落とせばそりゃあなぁ……」

 

「まぁ、爆撃機の皆さんに更地にしてもらうためにも、さっさと片付けるぞ、アルファ隊、全機エンゲージ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

第1航空団のF-15が見事なタイミングで分離し、各自に振り分けられた目標をロックオンする。

 

 

 

「全機発射!」

 

 

 

99式空対空ミサイルが次々と放たれ、ワイバーンを捉える。

 

 

 

「爆撃機が通過する、誤射に注意!」

 

 

 

第1航空団の下方をB1とB21が通過し、爆撃体制へと移ろうとする。

 

 

 

「Bombs away!」

 

 

 

500ポンド爆弾をごまのように落としていく爆撃機隊。

 

 

 

木造や、石造りの建物、多少手を加えた程度の滑走路なら、500ポンドでも十分脅威となる。

 

 

 

 

 

 

ドカンドカンドカンドカンドカンドカンドカンドカンドカンドカン!

 

 

 

 

 

「うわぁぁぁ!」

 

「ぎゃああああ!」

 

 

 

阿鼻叫喚が響くが、高度を下げているとはいえ、爆撃中の機体には届かない。

 

 

 

 

 

「相棒、あれはもうダメだ。僕達じゃあ勝てる相手じゃない。」

 

 

 

新人のムーラは、飛び立とうとしていたものの、爆撃によって破壊された滑走路を見て、相棒の安全を優先した。

 

 

 

 

 

「爆撃終了、陸上部隊は前進されたし。」

 

「了解した、援護感謝する。」

 

「給料分の働きはしましたんで後は頼みます。」

 

「任せとけ」

 

 

 

 

爆撃を完了した爆撃隊と、護衛を兼ねていた戦闘機隊は退却していく。

 

 

 

 

「よし、王都を目指して前進!」

 

 

 

 

 

戦車隊を含めた主力部隊が、ジンハークを目指し、無人の荒野を進む。

 

 

 

 

 

ロウリア王国王都ジンハークは最早目の前だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

「へ、陛下!、ワイバーンと基地が全滅しました!」

 

「敵は途中の街に寄ることなく、最短ルートを通ってまもなく城門まで迫ってきております!!」

 

「慌てるな!、騎兵隊と重装歩兵を出せ!」

 

 

 

パタジン将軍が指示を出すが、最早その程度の力で止められないことは明らかだった。

 

 

 

 

 

 

事実、幌筵泊地陸上部隊は、向かってくる敵騎兵隊に対して……

 

 

 

「敵騎兵隊の突出を確認。」

 

「89式FV前へ、87式ガンタンク、水平射撃用意!」

 

 

 

 

ドッドッドッドッドッドッドッ!

 

 

ズバババババババババババババ!

 

 

 

 

89式の35mmと、87式の35mmの水平射撃によって騎兵隊は肉片に加工されてしまった。

 

 

 

 

ならばと、重装歩兵を展開するものの……

 

 

 

「99式、制圧射撃開始!」

 

 

 

ドンッ!

 

 

 

155mmの大口径砲弾が上空で炸裂。あっという間に全滅………

 

 

 

 

 

とはならなかった。

 

 

 

「おい、アレ榴弾の至近での炸裂に耐えてないか?」

 

「10式、M2撃ってくれ!」

 

 

何故か1人だけ耐えている歩兵に対してさらなる火力投射を行う。

 

 

 

ズドドドド!

 

 

 

「おい嘘だろ……、M2の直撃に耐えてる……」

 

「あれは鹵獲すべきだな。89式FV偵察隊小隊並びに第1戦車小隊は前進し、敵重装歩兵の救助と装備品の鹵獲にあたれ!」

 

「了解!」

 

 

 

ちょうど、魔道士を従えた魔道戦闘隊らしき部隊も確認されたため、10式の護衛の元、鹵獲に移る。

 

 

 

ズドーン!

 

 

 

120mm滑腔砲の砲撃で吹き飛んだ魔道戦闘隊を前に、装備品の鹵獲に入る。

 

 

 

「た、頼む、俺の命と引替えてもいいから、妻の安全を保障してくれ!」

 

「心配するな、我々の目的はロウリア王国国王の捕縛だ。それ以上でもそれ以下でもない。それに、我が軍では民間人への非道行為は禁止されている。」

 

「そう……か……」

 

 

ガクッ

 

 

「しっかりしろ!、衛生兵!!」

 

 

 

 

気を失った男を衛生兵に渡し、輸送部隊に鹵獲した装備を渡しつつ、陸上部隊は王都付近で停止した。

 

 

 

 

「99式HSP、監視塔に向けて攻撃開始!」

 

「目標補足、撃てぇ!」

 

 

 

 

ドンッ!

 

 

 

大きな放物線を描く曲射によって、監視塔だけを正確に撃ち抜く。

 

 

 

 

「間もなく日が暮れるな、夜襲に警戒しつつ、高速対地支援攻撃機の到着を待つ。」

 

 

 

多元の指示で、部隊は停止、いつでも攻撃できる体勢だけを整えて、夜間の作戦に備える。

 

 

 

 

 

 

 

 

ロウリア王国に終わりの時が近づいていた………

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

ジンハーク、王城内にて……

 

 

 

「くそっ、我が軍は手も足も出ないのか!」

 

「こうなれば我らが闇討ちを……」

 

 

 

 

 

 

カルシオが得意の闇討ちを決意したその時……!

 

 

 

ゴォゴォゴォゴォ

 

 

 

 

 

「な、なんだこの音は………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロウリア王国王都付近上空…………

 

 

 

 

 

 

「いやぁ……、さすが提督だ、考えることに癖が強い!」

 

「やっぱりあれだけのメンツを率いているだけあって、本人自体のキチガイっぷりも半端じゃないっすわ。」

 

「まさかB-1ランサーにこんな代物取り付けるとは……」

 

「しかも、これ、北極海決戦で使う気だったんだぜ、予想以上の対空能力からやめたらしいけど………」

 

「嘘だろ!?、てことはお前……」

 

「ああ、シミュレーションだけだけどやってた。」

 

 

 

操縦士と副操縦士、航法管制官、それにガンナー(元爆撃手)が談笑しながら作戦開始を待つ。

 

 

 

 

ビーッ!

 

 

 

 

ブザーが鳴る。

 

 

 

 

「時間だ、行くぞ!、速度を上げて火の玉に向かって突っ込むぞ!」

 

「対空火器は無力化されてますって!」

 

 

 

 

航法管制官からのツッコミを受けつつ、機体は低空を這うように高度を下げ、速度を上げる。マッハとまではいかなくとも、それなりの高速で突っ込むのだから、昼に見ればその巨体故に恐怖でしかないし、姿見えぬ夜では効果はマシマシだ。

 

 

 

 

 

「マムシより位置情報共有完了!」

 

「コース設定良し!」

 

「掃射用意良し!」

 

 

 

 

マムシとは潜入、工作、支援を主軸として作られた、陸軍中野学校と海軍陸戦隊(多元達の転移した世界では後の大日本帝国海兵隊)が合同で設立した特殊部隊のコードネームで、今回は、ジンハーク内に潜伏し、兵舎や、軍事施設の位置を事細かに調べあげていた。

 

 

 

 

「掃射開始!!」

 

 

 

 

 

ズバババババババババババババババババババ!!

 

 

 

 

 

GSh-6-30がベースとなったこの機関砲は掠めるだけで戦闘機にダメージの入る強力なもの。では、木造建造物や、石造り程度の建物に直撃したらどうなるか?

 

 

 

 

答えは簡単。

 

 

 

ミンチよりも酷いことになる。

 

 

 

 

 

この攻撃で、ロウリア王国の数少ない残存勢力が削がれ、さらに王城にも攻撃が及び、近衛師団が壊滅。

 

 

 

崩れた城門などによって一時的に別の場所にいたパダジン、闇討ちを予定していたカルシオは身動きが取れず、配下の部隊も掃射によって壊滅といった有様だった。

 

 

 

 

 

「ヘリ部隊はどうなった?」

 

「王城に突入した模様、まもなく捕縛予定です!」

 

 

 

 

実はこの一連の攻撃はヘリ部隊突入のための陽動であり、その陽動は見事に図に当たったことで部隊は完全に王城から引き離され、無力化された。

 

 

 

 

 

 

そして、いよいよロウリア王国に終焉の時がおとずれる。

 

 

 

 

 

「ブリーチング!」

 

 

 

ドンッ!

 

 

 

 

ヘリ部隊から降下した歩兵部隊がロウリア王国国王、ハーク・ロウリア34世を囲む。

 

 

 

「ハーク・ロウリア34世、これ以上の抵抗は無意味だ。軍に降伏した旨を伝え、武装解除に応じさせなさい。」

 

「…………、わかった従おう。」

 

「ご英断、感謝します。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この直後、魔信によって全部隊、全土に無条件降伏との内容が報告され、軍並びに政府要人と貴族はジンハークに集められ、武装解除と降伏文書調印に向けた会議が行われた。

 

 

 

 

 

そして、数日後の4月28日………

 

 

 

 

 

ジンハークにて締結された講和条約に基づき、正式にロデニウス大陸戦争は集結、複数の諸侯たちと、後処理を引き継いだパタジン将軍に対して、東部ロデニウス連合国軍秩序維持機構による間接統治がしばらく続くこととなる。

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

5月2日、幌筵共和国地下司令部にて……

 

 

 

 

「さて、みんな集まったかな?」

 

「はい、全転生者並びに、各鎮守府、基地、国家出身の代表艦娘は集合完了しています。」

 

「では、始めよう。

 

 

 

 

 

幌筵共和国の東部ロデニウス連合国への合流に向けた会議を。」

 

 

 

 

 

ロデニウス大陸戦争集結からわずか数日、多元達が元いた世界ならゴールデンウィークの時期にあたるこの日、幌筵泊地の行く末を決めるべく、重要な会議が行われた。

 

 

 

 

「我々は、この異世界で周辺地域との対等な付き合いを目指して形の上での国という体裁をとった。しかし、東部ロデニウス連合国の実情や、我々と東部ロデニウス連合国の政府との付き合い方を考えるに、むしろ国家という体裁が我々と彼らとの間柄に少なからぬ障壁となっているのは事実だ。」

 

 

 

全員が頷く。

 

 

 

そもそも、幌筵泊地に決まった通貨がある訳でも無かったので、現状技術や、物資との物々交換であったり、僅かばかりに残った日本円などを利用しながらの為替などで対応していた。

 

 

 

さらに、ここが泊地とはいえ、軍基地だったこともあり、実質的な責任者が多元で、しかも戦闘指揮も多元しか行えないという状況で、先のロデニウス大陸戦争では、そのことについて、東部ロデニウス連合国側から説明を求められたこともあった。

 

 

 

 

他国と渡り合うためにあえて国という体裁を名乗ったのに、それが障壁になるのなら、いっそ無くした方がいい。

 

 

 

もとより、幌筵泊地にいる全員の生活のため、その場しのぎでなれない国家元首を名乗っていた多元からすれば、一刻も早くその服を脱ぎたいところだった。

 

 

 

 

だが、彼は幌筵共和国の元首である一方で、幌筵泊地の提督でもある。数万人を超える人々が、彼に元首としての立場を、泊地に国家としての地位を求める声があるのなら、自らの意思に関係なく、その服を着続けなくてはならない。

 

 

 

 

 

「各方面からの意見を求めたい。」

 

「転生者一同は、提督の意見に賛成です。我々とて、日々の技術支援で国境を越える煩わしさや、国が違うことによる障壁は常々感じています。」

 

 

 

実際に関わることの多い転生者達はすぐに賛成を示した。

 

 

 

「私達幌筵泊地出身艦娘は提督の方針に従う方針です。」

 

 

 

幌筵泊地所属の艦娘は納得してくれたようだ。

 

 

そのほか、日本出身の艦娘についてはおおよそ合意が得られた。

 

 

 

 

 

 

 

一方、海外艦娘については………

 

「我々も同意したいが、ひとつその前にお願いがある。いずれ元の世界に戻った時に、再度我々に自分たちの方針を定めるための裁量権を与えて欲しい。」

 

 

 

 

との事、これについて多元は

 

 

 

「元の世界に戻った時の対応はその方針でいい。ただ、この世界で幌筵泊地のメンバーとしてこのまま東部ロデニウス連合国への合流を認めて欲しい。」

 

 

 

との回答。これについて海外艦娘が同意したため、この内容を代表者を通じて全員に通達、妖精も含めた住民投票を取り、満場一致で東部ロデニウス連合国への合流を決定した。

 

 

 

 

全員の意思を確認した多元と小玉は合流の意志を伝え、直ちに東部ロデニウス連合国へと向かったが、その最中……

 

 

 

 

「ロウリア王国が合流を要望!?」

 

「はい、現在パタジン将軍と諸侯含めた数名が、カナタ首相と会談しています。」

 

「なるほど………、我々のお話は?」

 

「通達済みです。」

 

 

 

ふむふむ……、多元と小玉は昨日の夜、転生者のみで行われた転生者会議を思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

----------------------------------------------------------

 

 

 

 

 

 

 

「提督、合流を前提とした交渉を行うと同時に、新たな鉱産資源の開発権の獲得をお願いしたいのです。」

 

「というと?」

 

「ロウリア王国国内に、ルナ金属が出土する可能性があります。」

 

「ルナ金属だって!?」

 

 

 

腰堀の突然の提言に驚く多元。

 

 

 

「どうしてわかったんだ?」

 

「U-2には、現在地下資源捜索用の装備が取り付けられていることをご存知ですよね?」

 

「ああ、東部ロデニウス連合国内の資源事情もそれで調べていたんだよな?」

 

「その結果、ロウリア王国の一部地域に、かなり良質なルナ金属が手に入ることがわかりました。ガンダリウム合金の製造、それによる各種宇宙船や輸送機械、新兵器への転用が見込めます。絶対にこれだけは手に入れるべきです。最悪併合してでも。」

 

「併合はさすがに不味いだろうが……、租借権だけでも手に入れられるように努力する。」

 

「お願いします。」

 

 

 

 

 

----------------------------------------------------------

 

 

 

 

「あの件、割と簡単に解決できそうですな。」

 

「そうですね。」

 

 

 

小玉と多元が話し合っていると、カナタ首相が出てきた。

 

 

 

「お待たせしました。どうぞ。」

 

 

 

 

部屋に招かれ、会談が行われる。

 

 

 

 

「…………、我々としても、あなたがたの合流には賛成です。ただ………」

 

「ロウリア王国の1件ですね?」

 

「その通りです。」

 

 

 

 

曰く、ロウリア王国は現在捕縛中の元国王の莫大な借金により、パーパルディア皇国に隷属する恐れがあるという。

 

 

 

「領土野心の大きな皇国がこちらに向かってくることも考えれば、拠点を確保されないためにも合流は視野に入れるべきですが………」

 

「皇国に勝てるかどうか、ですね?」

 

「その通りです。」

 

「現在の貴国の戦力なら勝てないことはありません。しかし、貴国の生産力などを考慮すると、少し危険なところがあります。」

 

「その通りです。我々としても貴国が合流することは願ってもないことです。今後もこの世界で生き残るため、我々の仲間として加わって欲しいです。」

 

「もちろんです。ただお願いがあります。」

 

 

 

 

 

 

 

こうしてしばらく会談は続き………

 

 

 

 

 

 

 

「では、皆さん、合意の上でロデニウス連邦共和国を建国したいと思います。」

 

 

 

 

 

 

各国の代表者が合意し、その後、東部ロデニウス連合国内でも法案が通過

 

 

 

 

 

 

中央歴1639年6月5日東部ロデニウス連合国とロウリア王国、それに幌筵共和国が合流しロデニウス連邦共和国誕生。

 

 

 

 

 

今回の件で決まったことは以下の通り。

 

 

 

 

政治体制は次の通り

 

 

・各国はそれまで行っていた業務のうち、各国の国内統治に関わる分野を除いた全ての権限を統一国家へ移譲する。

(移譲例:安全保障、外交等)

(残置例:各種公共事業)

 

・大統領については各国の代表者からなる貴族院と民衆院の合同会議によって決定する。(ただし初代大統領は除く)

 

・民衆院議員は6年に1度選挙する。

 

・民衆院と貴族院で意見が割れた場合、貴族院の議決を優越させる。(これはクイラ、ロウリア出身者の要望)

 

・軍の出動は別個に定められた事態を除き、大統領による命令を必要とする。

 

・軍に関しては幌筵泊地と協議の上、当面は海軍空軍を旧幌筵泊地部隊が、陸軍を旧東ロデ、幌筵泊地の三者で行うが、速やかに国軍の編成を行う。

 

・各国が有していた国交について、速やかにロデニウス連邦共和国に引き継ぐようにする。尚、その際大使館職員については既存のままとする。

 

 

 

 

 

後に世界最強とも呼ばれることとなるロデニウス連邦共和国の誕生である。







はい、建国。(速い)


さて、というわけで統一国家形成に至ったわけですが………



当面転生者に休みは無いのかな?



ブラック企業よりもひでぇBy転生者



次回もお楽しみに!



間違い、指摘はコメント欄にてお願いします。

(恐らく)襲いかかって来るであろう愚帝本土攻撃艦隊をどうやって調理しましょうか?

  • 単艦無双(ヤ○トかな?<すっとぼけ>)
  • 特生自衛隊(特殊兵器多数)出動
  • 航空殲滅(ソ連を超えた!?)
  • 普通に艦隊決戦(まだ常識の範囲)
  • 全部♡‪(愚帝君号泣不可避)
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