投稿日がどんどんと遅くなっていく……。
久々に違う小説サイトを覗いたら面白そうなのが一杯あって読み耽ってました。
あの後、お互い示し合わせたかのように荒ぶる鷹のポーズをとって数分。授業開始のチャイムがなったことで何とか再起動を果たし、自己紹介タイムになった。
変なテンションのままだったので、何故かポーズをとりながら自己紹介をしてしまったオレだが、それを受けたトレーナーはそれ以上のポーズをとって自己紹介をしてきた。この男、出来る!
それでお互いに落ち着いたのでソファに座り、最近のニシノフラワーの話を始めた。オレとトレーナーが共通して話せる話はニシノフラワーの生活だけなんだ……。
「あぁ、フラワーは本当に優しい子だよ。俺なんかじゃ勿体無いくらいだ。」
「そんなこと言ったらフラワーが落ち込んじゃうよ!自信持って!」
このまま楽しくニシノフラワーの話を……と思っていたらトレーナーがメソメソし出したので、すかさず励ます。ニシノフラワーのことだから内容がプラス方面でも自分のせいだと落ち込んでしまいそうだからだ。それに最近のニシノフラワーの状態だともっと落ち込んでしまうかもしれない。
こんな時、ニシノフラワーならこうするだろうとトレーナーを撫でようとするが、ソファの上に立っても背が届かないので子どもモードになってから『ト』の頂上を撫でる。急に大きくなったオレをチラッとトレーナーが見てきたが、動くなら大きくなるのも普通かと納得していた。
ふむ、こうして頭を撫でているとなんだか変な気持ちになるな。何というか、お姉さんにでもなった感じかな?
ゾクゾクしてきた気持ちを誤魔化すために、なすがままになっていたトレーナーの頭を胸に抱き込んで撫で続ける。なのに気持ちは落ち着くどころか更に激しくなってくる。
「ふへへへ、何だろう?変な気分になってくる。もしかして……これが母性?」
「!!」
オレの発言を聞いたトレーナーが慌てたようにバタつき始めてオレから脱出しようとするが、あと少しでこの変な気持ちの答えが出そうなので両手で強くトレーナーの頭を胸に押しつけて拘束する。更にエネルギーを使用して力を強化すると、トレーナーは自分の力では頭を動かせなくなり静かになった。
強く抑えすぎたため、被り物越しからでもトレーナーの息が胸にかかる。少しくすぐったいけどこれで落ち着いて考えることが出来ると思っていると、トレーナーがぐったりしてオレにかかる体重が重くなった。
もしかしてこれ息が出来てないのか?少し拘束を緩くすると途端に動き出したのでもう一度ギュッと拘束する。
しかしさっきのような頭を抱きかかえる感触がなく、不思議に思って下部分を見るとトレーナーの身体がなかった。
「ヒェッ、頭が取れちゃった……ってこれ被り物だった。」
「危うくこの子をでちゅね入りさせるところだった。人形でもこの子はウマ娘、気を付けないと……。」
被り物から出てきたイケメンの部類に入るトレーナーが自分に言い聞かせるようにボソボソと言葉を発している。それも気になるけど今のオレの興味はこの被り物だ。
感触は中も外もムニムニとしていて気持ちいい。中に手を突っ込んでみると、さっきまでトレーナーが被っていたせいか少し暖かい。
スンスンと匂いを嗅いでみると、男性の匂いがした。だけど汗臭いといえば嘘になる。説明が難しいな。
何とか言葉にしようと悩んでみるがいい感じの言葉が出て来なくて、面倒臭くなったので被り物を被ってみる。
「おぉー、何というか賢くなった感じがする。」
試しに何か考えてみようか?と言っても候補が出てこない。腕を組んでうーんうーんと悩んでいると、一つ思いついた。
「マスターにがっしり抱きつける方法……。」
そう考えてみると、いつもなら駆け寄って抱きつく一択で終了するのに今回は様々な考えが浮かんできた。中には際どいシーンもあり、そんなところまで考えてなかったので呆けているとトレーナーに被り物を脱がされてしまった。
「あ……。」
「終了だ。」
思わず被り物に手を伸ばしてしまうが、トレーナーが届かないように頭上に掲げる。ならばと身体をよじ登っていくと、オレが届かないところに被り物を置かれてしまった。
「あとちょっとだけ、ちょっとだけでいいから借して。」
「駄目。あんな顔になっていた子に借せるわけないな。何を考えていたんだ?」
「……マスターに抱きつく方法。」
よじ登っていた途中でトレーナーに身体を持ち上げられて問いかけられる。特に隠すつもりはないので素直に答えるが、先ほどのシーンを思い出して少し赤面してしまった。
「普通に抱きつけばいいんじゃないの?そんなに恥ずかしいのか?」
オレの赤面をトレーナーは恥ずかしがっていると勘違いしたようだ。少し悩んだ仕草をしたが、何かを決めたトレーナーがオレを自分の胴体辺りに近寄せた。
「恥ずかしいなら抱きつく練習をしてみようか。試しに俺に抱きついてみよう。」
「良いの?」
「あぁ、俺で良いならな。思いっきりこい!」
頭をこてんと傾けて聞いてみれば、トレーナーは胸を叩いて自信満々に返してきた。それも全力で抱きついていいと言う。
マスターにも全力で抱きついたことはないので不安げにトレーナーを見つめるが、当の本人はいつでも来いと言わんばかりに胸を張っているので耐久力に自信があるのかな?
恐る恐るトレーナーの腰に腕を回す。最後にもう一度いいのかという意味を込めた視線でトレーナーを見つめると、しっかりと頷き返される。
なら遠慮は要らないなと使えるエネルギー全てを使って文字通りの全力状態になる。それから徐々に力を込めてトレーナーを抱きしめていく。
全力状態だと感じる万能感は半端なく、それにプラスして何かを抱きしめていることで幸福感を感じる。それこそ何も聞こえなくなるくらいには。
「ごめん、ミホちゃん嘘ついた。全力は流石に見栄張った。だから力を抜いて欲しいな〜って、ミホちゃん?聞こえてる?ミホちゃん?あ、無理!ホント無理!ミホちゃん!?ミホちゃん止まって!?折れる!背骨折れるからっていでででででででで!!」
「経緯は分かった。その上で言うぞ?バカかお前。」
「仰る通りです。」
子どもの力なら耐えれると思ったと言いながら痛む腰を抑えてソファに寝転がるトレーナーを見てマスターがため息を吐く。
あの後、あと少しでトレーナーの背骨が折れるかどうかというところで書類を持ってきたであろうマスターが来てトレーナーは救出された。
マスターの救出劇は見事だった。鮮やかにオレの頭を撫でて意識を取り戻させ、力が抜けたところを引き剥がしてからオレが暴れないように代わりにマスターの身体にくっつけた。
やはりマスターの身体は安心できる。マスターの身体は全てを解決する。
それにしても来たのがマスターで本当に良かった。知らない人だといきなりニシノフラワーのトレーナーが子どもに背骨を折られる瞬間を目撃させて情報の暴力を叩きつけるところだった。
ぐりぐりとマスターの身体に顔を擦り付けている間にマスターたちの話が終わったようだ。
「それで?何でミホがここにいる?」
「フラワーが心配でついて来た。」
身体に顔を押し付けたまま言うと、マスターがため息を吐いたのが分かる。
「ミホはそう言っているが、お前はまだニシノフラワーと距離を縮めれていないのか?」
「うっ……。先輩のアドバイスを聞いて今日実行する予定なんです。」
痛みが引いたのかソファから立ち上がり、棚に置いていた花束を持つトレーナー。それを見たマスターは少し顔を歪めている。
「先輩、改めてアドバイスありがとうございます。」
「それを言うならブルボンとミホに言ってやれ。俺は2人から聞いたものをお前に伝えたに過ぎん。」
「それもそうですね。……ありがとう、ミホちゃん。」
目線をオレと同じ位置まで下げてお礼を言ってくるトレーナー。人によってはドキッときそうな感じがするが、そんなことよりも気になることが出来た。
「フラワーのトレーナーはその花束を使ってフラワーとどうやって仲良くなるの?」
「俺も気になるな。良ければ教えてくれないか?」
オレの疑問にマスターが追従するように問いかける。しかしその顔には冷や汗が流れており、どちらかといえば手遅れになる前に止めた方がいいと思っていそうだ。
「回りくどいのも何ですし、シンプルに花束と一緒に自分の思いを打ち明けます。」
「へぇ〜、どんな感じでするの?」
「そうだな、時間に余裕がある時にしようと思っているからトレーニングの終わり頃かな?それからフラワーが周りの目を気にするといけないから人気がないところでする感じだな。」
「………よし、一回ミホをニシノフラワーだと思ってお前の思いを打ち明けてみろ。本番で噛んだら台無しだからな。練習だ。」
「成程、確かに練習は大事ですね……。分かりました。」
悩ましそうに眉間を揉みながらマスターが言うと、一理あると思ったのかトレーナーがオレの目の前に跪き、覚悟を決めたような顔をした後に花束をオレに差し出して来た。
「フラワー、俺は君との距離感をもっともっと縮めたいと思っている。その為にはフラワーのことを沢山知らなければいけない。だから君の全てを俺に教えてくれないか?」
恥ずかしさなど一切無く、爽やかな笑顔で言い切った。思わず感嘆の声を出すオレとは反対に、マスターは顔を覆って天井を見上げていた。
「あー、悪いがそれは駄目だ。」
「……結構自信があったんですがどこが駄目でしたか?」
「全部だ。威力が高すぎる。お前は勘違いでもさせる気か?」
マスターの言葉に首を傾げると、状況を考えろと言うので考えてみる。
えっと、確かトレーニングが終わった後だから夕暮れで?周囲には誰もいない。その状態で覚悟を決めた顔をした後にトレーナーが跪いて優しげな顔をしながら花束を差し出してさっきのセリフを言うと……。
「…………告白?」
「なっ!?そんなつもりは一切ないぞ!」
「お前になくてもニシノフラワーはそう思う可能性があるってことだ。」
距離を縮めるどころかくっつきそうだなと笑うマスターにトレーナーが項垂れるようにソファに座る。本人的にはかなり自信があったようで、落ち込みも強い。
ニシノフラワーならあのセリフを言われても微笑むだけで特に何も思わなそうだけど、あくまでもオレの予想なので本当はどうなるかなんて分からない。
「とにかくそれは駄目だ。代替案を探すぞ。」
「そうですね……。ミホちゃんは何かあるかな?」
「オレ!!!って言いたいけどトレーナーがオレをフラワーに渡すのも違和感があるから別のことを言うけど、フラワーは花束を渡すよりか一緒に花の水やりをするとかでも喜ぶと思うよ?その時にフラワーと沢山話して親交を深めたらいいんじゃない?」
「成程な、だったらそう言う方向で進めてみようか。だが離れろ。前が見えねぇ。」
「ヤダ。」
マスターの身体をよじ登って今は顔面に張り付いているが、流石に邪魔なのかオレを引き剥がそうとしてくる。しかしオレを剥がせそうにないと思ったのか、諦めたかのようにため息を吐いてトレーナーに向き直った。
「まぁ、最終的に決めるのはお前だ。だが行き過ぎるとこうなるから気を付けろよ。」
オレを顔面にくっつけたまま自分の姿を指差して忠告するマスターの姿にトレーナーは少し引き気味だ。
「本当にそんなことになるんですか?ミホちゃんだけでは?」
「なるんだよ。お前はスイッチが入ったウマ娘を見てないからそう言えるんだ。本気になったウマ娘に俺たちが抵抗出来ないのは理解しておけよ?」
「忠告感謝します。それでフラワーのことなんですけど……。」
「ここまで来たらとことん付き合ってやるよ。ほら、案を出せ。」
それから暫く2人の話を聞いているが特にオレが入る必要もなさそうだったので、マスターの顔にしがみついて身体をすりすりさせることに集中することにした。
「失礼するよ。ここにミホ君がいると聞いたのだが……。」
相談から自分たちの担当ウマ娘自慢を始めた2人の話を聞いて気分を良くしていると、ドアが開いてアグネスタキオンが現れた。
訪ねて来た内容的にオレを探していたようで、オレが手を振ると一直線にオレの方へやってきた。
「タキオンか。ミホに何のようだ?」
「フラワー君にちょっと野暮用が出来たようでね?それが終わるまでミホ君のことを頼まれたのさ。」
だがこの様子だと必要なかったかな?と言いたそうな顔をするアグネスタキオンに、マスターはちょうど良かったと頷く。
「いや、もう少ししたらトレーナーたちの報告会があったから助かった。ミホを預けても大丈夫か?」
「任せたまえ。元よりそのつもりさ。」
マスターがオレの頭を撫でた後に顔から引き剥がそうとする。流石にここでくっついたままなのは駄目だと理解出来るので素直に引き剥がされた。
「それじゃあ任せたぞ?」
「安心したまえ、怪我一つさせないと誓ってあげようじゃないか。」
ただオレを受け取っただけなのにアグネスタキオンのそのセリフはなんなのか?まるでオレが目を離したうちに怪我をする子どもみたいな対応だ。誠に遺憾である。
頬を膨らませてアグネスタキオンを見つめると、何故か暴れん坊の子どもを預かる人の顔をしていた。
「おや?ミホ君。そんなに頬を膨らませてどうしたかね?そういえばここに美味しい綿があるのだが、食べるかい?」
「え?ホント?食べる!」
ポケットから取り出された綿を受け取って口に含む。口一杯に広がる綿の味に頬をおさえて味わっていると、更に追撃が来た。
「私の研究室に向かえばまだ食べたことがない味が沢山あるが、どうだい?」
「行く行く!絶対行く!」
「ふふふ、それじゃあ向かうとしようか。」
先程の不機嫌など吹き飛んでまだ見ぬ味を期待する。そんなオレを抱きかかえるアグネスタキオンはニンマリと笑いながらオレの頭を撫で、移動を開始した。なお、一部始終を見ていたマスターはいくら何でもチョロすぎると頭を抱えていたのだが、既に綿のことで頭が一杯だったオレは気付かなかった。
オリ主……誰でもいいわけではないが、大抵の相手には抱きつく。この度母性を獲得しそうになった。もし獲得したらマスターが第一被害者になる。
前世があるのでいけないシーンを見ると顔を真っ赤にするぐらいはする。あくまでも見た時なので、マスターに抱きつく時とかは何にも思っていない。マスター大好き程度。
ニシノフラワーのトレーナーの告白まがいなことも感嘆するだけだった。仮にマスターがした場合だとマスター大好きと叫びながら顔面に張り付き、エネルギーが切れるギリギリまでマスターから離れない。エネルギーを補給するとまた張り付く。告白したってことはこれぐらい普通でしょ?
ウマ娘自慢は両方とも自分の保護者みたいなものだから嬉しかった。
綿に釣られてほいほい研究室に行ったことをニシノフラワーに知られるとお勉強が始まる。
ミホノブルボン……トレーニング開始時にマスターの匂いを嗅ぐ。ミホさんの匂いがします。マスター、ミホさんと何かしたんですか?
ニシノフラワー……授業が終わった後、すぐにオリ主を迎えに行こうとしたが手を貸して欲しいと言われた。相手も本当に困っていたのでどうしようかと悩んでいたら、偶然タキオンが来たのでオリ主を頼んだ。
この後、いつもと違う雰囲気を出しているトレーナーの様子に頭を傾げる予定。
マスター(ミホノブルボンのトレーナー)……報告会の書類を持っていったらニシノフラワーのトレーナーがオリ主に鯖折りされる寸前だった。慌てて止めてから事情を聞けば、自分から許可したと言う後輩に呆れた。
そのあと後輩が告白まがいなことをしようとしていて本気で頭を抱えた。こいつ本当にここでやっていけるのか?
掛かったウマ娘がどういうものかと軽く教えるために、顔面までよじ登ってきたオリ主を好きにさせた。
後輩とのウマ娘自慢はなかなか楽しめた。この自慢にしれっとオリ主のことも混ざっている。
オリ主のチョロさに頭を抱えた。真面目に教育した方が良いんじゃないのか?と報告会の時にずっと考えていた。
トレーニング開始時にいつもと様子が違うブルボンの姿に冷や汗を流す。対応を間違えればいつかはブルボンも顔面に張り付いてくる。仮にそうなったらブルボンとオリ主が交互に顔に張り付いてくるようになるので前が見えなくなる。
トレーナー(ニシノフラワー)……オリ主をでちゅね入りさせかけた戦犯。オリ主から怪しい気配を感じた為、直ちにウマ娘に抱きつかれた時の対策マニュアルを思い出して脱出した。
顔を真っ赤にしてブルボントレーナーに抱きつきたいと言うオリ主を見て子どもらしいと思ってほっこりしながら練習台になることにした。子どもだしそこまで力はないだろうと思っていたら背骨を折られかけた。新人トレーナーなのでウマ娘相手の対応をまだキチンと理解していない。
音符やハートを幻視してしまうレベルで身体を擦り付けるオリ主を顔に張り付けたブルボントレーナーに忠告されたがブルボントレーナーも既に手遅れなのでは?と思っている。
取り敢えず最初の方法は破棄することに、やる前にブルボントレーナーにくっつくオリ主の姿が思い浮かんだ訳ではない。無いったら無い。
アグネスタキオン……最近のオリ主の様子をニシノフラワーに聞きに行ったらオリ主の面倒を見てほしいとお願いされて快諾した。
そういえば、ミホ君とカフェを合わせてみたらどうなるのかねぇ。ふっふっふ、楽しみだねぇ。
授業中のアグネスデジタル……はっ!今あそこから途轍もなく幸福な気配を出すウマ娘ちゃんを感じました!今すぐ行きたい!行ってどんな状況なのか見たいです!ですが授業から抜けるわけにもいきませんし……あたしはどうしたらいいんですかぁぁぁああ!!!
オリ主豆知識……モードごとによって感じ方が少し違う。ぱかプチ状態でマスターから告白されると子どもみたいに私も好き〜って感じで抱きつくだけだがリアルモード中に言われると本気で掛かる。
分岐ルート
リアルモードでトレーナーを胸に抱いた場合→即座に母性覚醒。トレーナーは逃げられない。後から来たマスターも巻き込まれ、共鳴して引き寄せられたクリークも加わってでちゅね空間が完成する。
マスターが来るの遅れた場合→割といけない音が鳴って保健室に搬送される。なお翌日には復帰する模様。
目覚まし時計をアーティファクトとして登場させようか悩んでいる。アプリ性能なら全て夢オチに出来るとか最強すぎない?
それからマスターとトレーナーの口調が似ていることに気付いた。やっちゃったぜ!一応、2人がいるときは先輩後輩の立場で話し方を変えているから大丈夫……か?