今月以内に投稿できたからセーフ!!
「では、早速始めようじゃないか。ミホ君、準備をお願いするよ。」
「はーい!」
極秘ミッションが終わって数日が経ったある日。部屋で掃除をしているとアグネスタキオンに呼ばれたのでホイホイと着いていって現在の場所はアグネスタキオンの研究室。どうやらあの極秘ミッション中にアグネスタキオンが言っていたことを実際にやってくれるみたいなのだ。
アグネスタキオンが指定した器具をアグネスタキオンに抱っこしてもらいながら取り出していく。脚立が近くにあったけど、それを使う前にアグネスタキオンに抱っこされたのでこの方法になった。
「そういえば今日はオレを抱きしめていたウマ娘は来ないの?」
「抱きしめていた?……あぁ、カフェのことか。カフェなら今日はカフェのトレーナーと一緒にお出かけをする予定だからここには来ないさ。」
みんなからするとオレはマンハッタンカフェの名前は知らないので少しボカして聞くと、アグネスタキオンはそれだけで理解したみたいで今日はマンハッタンカフェは来ないと言う。
そのことに少しだけ安心する。別にマンハッタンカフェが嫌いというわけではないし、彼女の優しい掴み方は好きな方だ。だけど何というか、お友だちが少し怖いのだ。
頭を撫でられる時とかはひんやりするなぁ程度なんだけど、たまに胸を押される感じがする時があるのだ。その時に少し胸の中がひんやりとしてくるので、もしかして憑依しようしているんじゃないかとオレは考えている。
何度か試されているけど全部失敗で終わっているので心配はないと思うけど、それでも怖いものは怖いのだ。
「おや?ミホ君、急に震え出してどうしたんだい?寒いのなら冷房を緩めるが……。」
「ううん、何でもない!ちょっとぶるっと来ただけだから!」
「ふぅン?ならいいのだが……。寒くなったらいつでも言っておくれよ?」
「わかった!」
当時の状況を思い出して身体を震えさせてしまったが、それをこの部屋が寒いからだと勘違いしたアグネスタキオンに心配されてしまう。急いで誤魔化したけど、アグネスタキオンのことだから何か察してそうだなぁ。
そんなこともありながらもテキパキと器具や薬品を取り出して、順次並べていく。
「これで準備は完了だよ。早速実験を始めたいところだが、その前にミホ君はこれを顔につけておくれ。」
「何これ?」
「目に薬品が入らないようにするためのゴーグルさ!ミホ君は人形だから必要ないかもしれないが何事にも例外はある。用心しておくに越したことはないのさ。」
渡してきたゴーグルと同じものを顔につけながらアグネスタキオンが言うので、そういうものかと納得してオレも渡されたゴーグルをつける。渡されたゴーグルはぱかプチ状態のオレにピッタリのサイズで、普通はこんなサイズのゴーグルなんてないはずなのでオーダーで作ったか、アグネスタキオンの手作りなのだろう。
「ちゃんとつけたかい?……大丈夫だね。よし、では実験を始めよう!」
ゴーグルをつけたオレの後ろにまわってキチンとつけているかをしっかりと確認してからアグネスタキオンは実験の開始を宣言する。その響きだけでワクワクしてきてしまうが、今からそれだと持ちそうにないので気合いで我慢する。
「先ずはこの薬品たちを一つの容器に入れて……助手のミホ君。早速だが仕事だよ。これをこの棒を使ってゆっくりと混ぜておくれ。ゆっくりだよ?」
「了解です!」
渡された容器を慎重に受け取ってゆっくりと混ぜていく。しばらくするとしっかり混ざったのか、色が変色した。
「タキオン!混ざったよ!」
「どれどれ……。ふぅン、十分だね。」
「そういえばこの薬品たちってどんな名前なの?」
「聞きたいかい?どうせならこの器具たちの用途も説明しようか。時間はまだまだあるからねぇ。よし、なら早速説明しよう!この薬品は──」
「ごめんタキオン。オレから聞いといて何だけど、また今度にしてくれると嬉しいかなぁ……って。」
「ふぅン?そうだね。先ずはこれを完成させてしまおうか。」
何だかとっても話が長くなる気配がしたので申し訳なさを感じながらも急いで止める。アグネスタキオンも話が長くなる自覚があったのか少し残念そうな顔をしながらも実験を続けることにしたようだ。
機会があれば話を聞きたいところなんだけど、オレが聞いてもしっかりと理解できる自信がない。よくよく思い返せばアグネスタキオンが何かをオレに説明する時も難しそうな言葉を使うことはなかったので配慮されているのかな?
うーん、考えてもよく分からないや。先ずはアグネスタキオンも言っていたようにこれを完成させてしまおうかな。
アグネスタキオンから簡単な作業をやらせてもらいながらテキパキと作業を進めていき、やがて一つの薬品が出来上がった。
「これで完成だ!私の計算が合っていればこの薬品は脚力の強化などが期待出来るはずさ!副作用は身体の発光だが……まぁ、いつものことさ!」
完成した薬品は緑色の液体で怪しく発光しているが、アグネスタキオンからするといつものことなので気にしなくてもいいらしい。発光する原因の薬品なんて材料の中になかったと思うのだが、アグネスタキオンが気にしていないということはそういうことなんだろう。ちなみに巨大化する薬とかマッチョになる薬は無いのかとさりげなく聞いてみたところ、無いみたい。だけど何かを考える仕草をとっていたのでそのうち完成すると思う。完成したらマスターの方に回ってきそうだよなぁ。マスターって今の時点で結構ムキムキだけどそれ以上になるのかな?
「では早速試しにいこうじゃないか!私のモル……トレーナー君は今は居ないし……ブルボン君のトレーナーの方へ行こうか。」
マッチョ姿のマスターを想像していると、アグネスタキオンに抱き上げられる。そのまま研究室を抜け出してマスターがいるはずの部屋へと歩いていく。
「やぁ!モルモット君!お薬の時間だよ!」
「だよ!!」
「……タキオンとミホか。何か用か……と聞くまでもないな。」
突然部屋に入ってきたオレたちに驚く様子もなく、マスターはアグネスタキオンが持っている薬品に視線が固定され、顔はまたかといっているかのように顰められている。
「分かっているなら話が早いねぇ!早速グイッといってくれたまえ!」
「たまえ!」
「今日は会議があるから勘弁してくれと言ったはずだが……。」
薬品を突き付けるアグネスタキオンだが、会議があるからとマスターは受け取るのを拒む。そのまま2人は飲んでと飲まないで平行線だ。ならここはあれだな!
「じゃあオレが飲む!」
「「えっ?」」
オレの出番だな!とアグネスタキオンに薬品をもらおうと手を差し出す。2人は突然そんなことを言い出したオレに驚いたかのような顔を向けてくる。
2人の驚きは分かる。確かにオレは飲み物を飲むことは出来ない。しかし!頭から被れば中の綿に染み込むからそれ即ち飲んだことになるのではないか?
素晴らしい閃きだと顔をドヤ顔にさせながら手を差し出し続けるが、いつまで経ってもアグネスタキオンから薬品を渡されない。そのことを疑問に思って首を傾げると、2人はお互いに目を合わせた後、同時に頷いた。
「おぉっと!!手が滑ってしまったぁ!!」
アグネスタキオンがわざとらしく薬品を床に向けて投げる──ので床に当たる前にオレがキャッチする。
「なぁ!?」
「危なかったね!じゃあ早速!」
間一髪で拾うことが出来た薬品を頭から被ろうとして傾ける。脚力を強化するって言っていたしどんな風になるんだろうか?
「おぉっと!!手が滑ったぁ!!」
容器から薬品が溢れる直前にマスターが叫びながら容器を掠め取ってオレが何かを言う前に飲み干した。
「あー!オレが飲むつもりだったのにー!!」
「すまんな、手が滑って口に入ってしまった。」
「ふぅン、手が滑ったのなら仕方がないねぇ。ミホ君の分はまた今度作ってあげようじゃないか。」
「ホント!?約束だよ!」
どうやったら口に薬品が入るんだと身体が発光し始めたマスターに抗議しようとしたが、アグネスタキオンがまた新しいのを作ってくれると言うのですぐに機嫌を戻す。
「あー、飲んでしまったのは仕方ない。タキオン、この薬品の効果は何だ?」
「脚力の強化だよ。どうかな?何か変化を感じたりするかい?」
「ふむ……、何も感じないな。」
「ってことは今回のは失敗だねぇ。」
身体が白色に輝きながらマスターが感想を答えるとアグネスタキオンは残念そうに失敗を告げる。オレ的にはまだ薬品の効果が出ていないだけだと思ったのだけど、アグネスタキオンとマスターが言うには副作用である身体の発光が起こっている時点でそれはないらしい。
「会議で何と言えばいいのか……。たづなさんは怒ると怖いんだぞ?」
「簡単さ、私のせいにするといい。」
「はぁ、例えどのような結果になってもそれはしないと前に言ったぞ?無理矢理ならともかく、これは俺とタキオンで決めた契約の内だ。」
「……ホント君たちはいつもそうだねぇ。なら勝手にするといいさ。」
「あぁ、そうさせてもらう。」
悪戯っ子みたいな顔で自分のせいにすると良いというアグネスタキオンにマスターが契約内だと言うと、真顔に戻って少しすると呆れたような顔になった。
椅子に座って先程までやっていたであろう作業をマスターが再開させると、これ以上は居ても無駄だと思ったのかアグネスタキオンがマスターに別れの挨拶をしてからオレを抱き上げて部屋から出て行こうとするのでオレも慌ててマスターに別れの挨拶をする。
「マスター!またね!」
「あぁ、またな。」
「全く、トレーナーというものは何であんな感じの人が多いのかね?興味が尽きないよ。」
研究室に帰る道中。アグネスタキオンが考えていたことをポロっと溢した。それに反応して顔を上げると、少し微笑みながら彼女は言葉を続ける。
「ここに勤めているトレーナーは彼みたいな性格の人がほとんどさ。まぁ、ここに入るには沢山勉強しないといけないから彼みたいな性格の人しか頑張れないだけかもしれないがね。」
「ならここにいるトレーナーはみんないい人なの?」
「それは違うさ。中には能力は高いがウマ娘を金のなる木としか考えていない者もいる。そういった人は隠すのが上手いからミホ君も気をつけることだよ。」
ミホ君は言葉で騙されやすそうだからねぇと笑うアグネスタキオンに反論したいがその通りなので反論出来ない。でも悔しいので別のことを言うことにする。
「タキオンはマスターの言葉に嬉しそうな顔をしてたもんね!」
「……さて?なんのことかね?そんなことはなかったはずさ。」
「うっそだぁ〜、だってあの時、頬が少し赤くなって──」
「ミホ君。少し静かに。」
攻め時だと更に言葉を重ねようとするが、話している途中でアグネスタキオンから静かにしてと遮られた。オレの言葉に被せて言ってきたので照れ隠しかと一瞬思ったが、オレの耳にも誰かが歩いてくる音が聞こえてきたので黙り込んで即座にぱかプチのふりを始める。脱力してただのぱかプチとなったオレを確認してからアグネスタキオンが何事もなく歩き出した。それで──
「おや?アヤベ君じゃないか。」
「何か用かしら?タキオンさん。」
ふわふわが大好きなアドマイヤベガと遭遇した。
オリ主……楽しく実験をしていた。基本一緒に何かをする時は楽しんでいる。お友だちに悪気がないのは何となく分かるのだが、やっぱり怖い。でもお友だちが高い高いなどをしてくれると秒で懐く。
タキオンの薬は一度試してみたいと思っている。2人に飲みたいと言った時は多分フンスフンスしていた。
アドマイヤベガにロックオンされてしまった。オリ主に明日は来るのか!?(来ます)
ニシノフラワー・ミホノブルボン……タキオンには何かとオリ主のことで世話になっているので最近だとタキオンの所にオリ主が行っても特に気にしていない。前までとはえらい違いである。
ニシノフラワーはそのうちオリ主がタキオンの所に遊びに行ったと知ればお菓子でも持っていきそう。
お友だち……悪気は無い。オリ主の中に入ればあのふわふわを全身で感じれるのではないかと閃いてしまっただけ。どうにか中に入れないかと色々考えている。
アグネスタキオン……オリ主に薬品の説明などをしても分からないだろうからかなりボカして説明している。作者が上手く文章に出来ないからだって?そうだよ!
実験中はオリ主から一度も目を離していないし、薬品も過去に何度も作って作り慣れているものをチョイスした。もし失敗して爆発でもしたら保護者が鬼の形相でやってくるからね、仕方ないね。
オリ主が飲みたいと言い出した時は脳内で是非とも試してみたい気持ちの悪魔とやってはいけない気持ちの天使が壮絶なバトルを開始した。悪魔が優勢だったがマスターの援護で天使が勝った。
叩き割るつもりで床に投げたのに事前に察したオリ主にキャッチされた。
マスター……いつものやつかと思ったらオリ主の飲みたい発言で即座に自分が飲む覚悟を決めた。自分の保護内のウマ娘たちが何かをすれば自分が責任を負う覚悟はある。タキオンには軽く言ったが以前からたづなさんからタキオンのトレーナーと一緒に会議では光るなと注意をもらっていた。多分自力で光量を制御出来るようになった方が早い。
会議ではずっと自分を見てニコニコしているたづなさんに生きた心地がしなかった。え?お話ですか?あの部屋で?あ、はい。分かりました。
アドマイヤベガ……タキオンに何か用かと言っておきながら視線はオリ主に釘付けである。触らずとも感じている。流石ふわふわマスター。
この後タキオンが去ろうとしても自分から絡みに行く。私が見ただけで測定出来ない程のふわふわ力を持っているのに見逃すわけにはいかないわ。
この後1時間ぐらい語り続けるデジたん……ふわふわ対決ですと!?分からない者に説明しましょう!ふわふわ対決とはふわふわが大好きな者同士の魂(自分のふわふわ)をぶつけ合う由緒正しき対決のことです!
しかーし!今回は歴代のふわふわマスターたちの頂点に立つアドマイヤベガさんが挑戦者という前代未聞の事態が発生しています!タキオンさんが持っているあのぱかプチを警戒しているようですが一体どのような力を持っているのでしょうか!?対決が楽しみですね!
アドマイヤベガさんといえば数々のふわふわを網羅しつつ──
オリ主豆知識……頭から被って綿に染み込ませれば飲んだと同じだって?飲めませんし出来ません!!!(迫真のスペ顔)
やってしまうとシミになって洗うことになるフラワーにお叱りを受けるだけです。