ぱかプチ!!   作:フドル

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久しぶりです。もう忘れられてそうなので初投稿です(ボソっ)


看病!

「……37度8分。熱だね。」

 

「あぅぅ……。」

 

 少し頬が赤くなっているニシノフラワーの腋に挟んでいた体温計を引っこ抜き、表示されている体温を確認する。

 事は今朝、いつもの時間に再起動したオレが同じ布団で寝ているニシノフラワーを起こそうとすればなんだかいつもよりニシノフラワーの身体が熱く、もしかしてと体温を測ってみれば案の定といった感じ。

 

「ブルボン、やっぱりフラワーが風邪ひいてたよ!」

 

「分かりました。学園には私が報告しておきます。」

 

「でもブルボンさん……。」

 

「許可出来ません。微熱でも熱は熱、ゆっくりと休むことを推奨します。」

 

 隣で準備を整えているミホノブルボンに結果を報告していると、ニシノフラワーが起き上がろうとする。それをオレは腕にしがみつくことで阻止しようとするが、ぱかプチだと重さなんてないものなので全く意味がない。ぐぬぬ、エネルギー消費で重さを増やすことは出来るけど病人に負担をかけるわけにはいかない。

 何とかニシノフラワーをベッドに寝かそうと奮闘していると、準備が終わったミホノブルボンがニシノフラワーを優しくベッドに押し戻してくれた。

 

「では行ってきます。ミホさん、フラワーさんの看病任務を依頼します。」

 

「その依頼、しっかりと受注しました!ブルボンも気を付けていってらっしゃい!」

 

 オレにニシノフラワーの看病をお願いしながらカバンを持って玄関の扉に手をかけたミホノブルボンに、報酬は帰ったらオレの頭を撫でることですとビシッと敬礼をしながら返事を返すと、ミホノブルボンは自分の手を見つめ、見よう見まねだけど微笑みながらオレの真似をしてから部屋を出ていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「さてっと、いつものお仕事頑張りますか!」

 

 ご飯を食べてから再び寝入ったニシノフラワーのおでこに報告を終えて一度戻ってきたミホノブルボンから受け取った冷えピタを貼り付けてから日課の掃除をする準備を整える。

 掃除道具などが収納されているところまで出来る限り足音を立てないようにポテポテと歩き、掃除機を慎重に取り出してコードを伸ばす。

 

「あ、でもフラワーが寝てるから掃除機かけれないや。」

 

 コンセントを挿して後はスイッチを押すだけの時にハッと気付いた。掃除機の音はうるさいから絶対に起きるしよくよく考えてみると病人の近くで掃除機をかけるなんて迷惑以外の何者でもない。

 

「それに掃除機以外でも掃除は出来るもんね!」

 

 音を立てすぎないように掃除機を収納して今度は箒と塵取りを取り出す。掃除機に速度は負けるけど静かさなら断然こっち!廊下からせっせと箒で埃を掻き集めて塵取りに入れていく。

 

「でも箒だと埃が舞うなぁ……。」

 

 チラッと上を見上げるとそこには舞った埃がそこそこ見える。ニシノフラワーはオレに病気をうつすわけにはいかないとマスクをつけて寝ているけど、部屋を箒で掃くのはやめといたほうがいいよね。

 

「ま、まだ掃除をする手段はあるもんね!」

 

 塵取りの中の埃を蓋がついているゴミ箱に捨ててから今度はバケツに水を入れる。ある程度水が入れば近くに置いていた雑巾を濡らしてからしっかりと絞る。

 

「これなら静かに掃除が出来る!」

 

 誰に向けたものでもないドヤ顔を披露しつつ、先に箒で掃いていた廊下を拭いていく。そして本命のニシノフラワーが寝ている部屋の近くまで来た時、薄々察していた問題が発生した。

 

「手が重い〜!」

 

 水をたっぷりと含んだ手がとっても重い。エネルギーを消費して乾かしても雑巾に触るとじんわりと水がオレの手に含まれていく。

 

「こ、こんなはずじゃ……うぅ、撤退だぁ。」

 

 エネルギー消費が酷く、綿の消費量とそれに伴う結果があわないため泣く泣く諦めることになった。

 

「どうしよう?やれることが……無い!!」

 

 ニシノフラワーの隣に座り、オレにやれることを考えてみたのだけど、何にもない。いつもの掃除は出来なかったし、服を畳むのは昨日2人と話しながら早々に終わらせた。オレの身体を洗濯しようと思っても洗濯機を回すわけにはいかない。

 うんうんと腕を組んで悩んでいると、ピンと頭に豆電球が浮かんで閃いた。あるじゃないか、今この時にしか出来ないことが!!

 掃除に夢中で忘れかけていたミホノブルボンからの任務を思い出したのでベッドから飛び降りて冷蔵庫に向かう。子どもモードで扉を開き、中の野菜を一つ取り出す。

 

「ふっふっふ、風邪にはネギって聞いたことがあるからね!」

 

 前世のうろ覚え知識を思い出しながらネギを持ってニシノフラワーのもとに戻る。えーと?確かネギを首に巻けば良かったんだよね。……病人の首にネギを巻くの?なんか違うような気がする。

 

「首に巻いたら絶対息苦しいよね。でも首に巻くのはしっかりと覚えているし……。」

 

 あっちへこっちへネギを両手に持ったままふらふらと歩き回る。首は首でも手首とか?いや、ちょっと待てよ?

 

「別に病人に巻かないといけないってわけではなかった気がする!」

 

 前世の記憶も病人に巻くとは出てないからね!答えは得たので善は急げとオレの首にネギを巻く。ネギの匂いが身体についてしまう可能性があるけどニシノフラワーのためだ。なんてことないね!

 

「これで良し……。他にも何かあったかな?」

 

 再び考え始めると、壁に立てかけていた箒が音を立てて倒れた。急な音にびっくりして尻尾がピーンと伸びてしまったが、誰も見ていないのでふーと息を吐く。一応今のでニシノフラワーが起きていないか確認してみたけどしっかりと寝ているようで寝息をたてている。

 でも何で箒が倒れたんだろ?立てかけ方が悪かったのかな?そう言えばこういうのがあった時は前世の親は幽霊の仕業ってよく言ってたっけ。

 細かいことでよく騒ぐもう会うことはできない親を思い出していると本日2度目の閃きが頭に巡る。

 

「そうだ……!幽霊だ!」

 

 何でこれを思い付かなかったのか、マンハッタンカフェにもお友だちという幽霊がいるじゃないか!幽霊は身体が弱った人に近付いてくるって聞いたような気がするからもしかしたらニシノフラワーは既に狙われているかもしれない。

 急いで対策をしなければと転がるようにベッドから飛び降りて調味料が置いている場所まで走り、あるものを取り出す。

 

「えっと、幽霊には塩で良かったんだよね?盛るぐらい必要だから……これぐらい?」

 

 塩の入った容器をひっくり返して取り出しておいた皿の上に盛る。ちょっと盛りすぎた気がしなくもないけど盛った分だけ効果があるかもしれないので気にしない。

 空になった塩の容器を元の場所に戻してから盛り塩を持ってニシノフラワーのベッドに戻る。

 

「これで良し……!でもフラワーの身体に既に幽霊が入ってたらどうしよう?」

 

 汗を拭うような仕草をしていると今度は別の可能性が頭をよぎる。マンハッタンカフェのお友だちもオレの身体に入ろうとしてくるのだ。他の幽霊も弱った人の身体に入るぐらいわけのないことかもしれない。

 

「でもどうやったら追い出せるんだろう?儀式でもする?」

 

 どうしようもないので取り敢えず目についた小物をニシノフラワーを囲むように置いて儀式場みたいな感じにしていく。

 

「儀式って言ってもこの後どうすればいいんだろう?踊ればいいのかな?」

 

 オレでも踊れる踊りを考えてみてもなかなか浮かばない。前世なんて踊ったことがないし、この世界でもミホノブルボンやニシノフラワーが踊りの練習をしていたのを近くで見ていただけだ。

 あ、でもうまぴょい伝説なら踊れるかもしれない。よく知っている曲だったから2人が踊っているところも記憶に残っている。細かい動きは分からないけど、そこは雰囲気で踊ればいいだろう。

 ってことで早速踊ってみよう。えーと、確かこんな感じで……。

 

「ふぅン?可愛い踊りだが病人の前では静かにするべきだよ、ミホ君。」

 

「うまぴょい!うまぴょォ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと……、いつからタキオンはここに?」

 

「ミホ君が踊り始めたくらいからだねぇ。」

 

 オレを膝に乗せたアグネスタキオンにオレが質問をすれば、ほぼ最初から見ていたと微笑みながら答えられた。

 ついでに何故ここに来たのかと聞けば、フジキセキ経由でニシノフラワーが熱を出したことを知り、オレのことも知っているから用事で離れられない私の代わりに様子を見てきてほしいとフジキセキに頼まれたらしい。

 そして部屋の前に来てノックをしてみても反応がなく、寝ているのかと思ってフジキセキから借りた合鍵を使って中に入ってみたら一生懸命踊っているオレがいたと。

 

「まだまだ粗いところはあるがしっかりと踊れていたよ。」

 

「うぅ、出来ればその話はもうお終いにしてほしい。」

 

「おっと、それはすまないねぇ。」

 

 褒めてくれるのは嬉しいけど、出来れば完璧に踊れるようになってから見てほしかったと両手で顔を隠したオレを見てアグネスタキオンは流石に弄りすぎたと思ったのかオレの頭を撫でる。しばらく撫でた後でオレの頭から手を離し、今度はニシノフラワーの頬に手を添えた。

 

「ふぅン、熱はまだ少しあるね。大丈夫だとは思うが、明日も熱が下がらないようなら一度病院に行ったほうがいい。」

 

「分かった。フラワーが起きたら伝えておくね。」

 

 ミホノブルボンが帰ってきたら今のことを伝えてマスターと連絡をとっておこう。きっとニシノフラワーのトレーナーにも今日の話はいっているはずだからマスター経由で話は伝わるはず。

 忘れないように一応メモに今の内容を書いておき、書き終わるとアグネスタキオンに抱き上げられる。そして顔の向きを変えられると、目の前にはオレが準備した様々なものが散乱していた。

 

「ミホ君、きっと君のことだからフラワー君のためを思って色々したのだと思うのだが……。ちゃんと片付けておくんだよ?」

 

「え?うん、もちろん片付けるつもりだけど。」

 

「怒ったフラワー君は怖いからねぇ。私はフラワー君の後ろに鬼の幻覚が見えたほどさ。」

 

 身体をぶるっと震わせながらアグネスタキオンが遠い目をしているのを見ながらニシノフラワーの鬼の姿を思い浮かべてみるけど、鬼のコスプレをしたニシノフラワーがガオー!って言っている姿しか出てこない。

 

「おや?もうこんな時間みたいだ。そろそろブルボン君がトレーニングから帰ってくる頃だろうし私は失礼するよ。」

 

「あっ、そういえばタキオンは今日のトレーニング……。」

 

「心配いらないさ、今日のトレーニングは元々お休みだったのさ。」

 

「そうなんだ。今日はありがとう!」

 

「何、構わないとも。あぁ、そういえばミホ君に伝えることがあるんだ。」

 

 玄関までアグネスタキオンを見送りに行くと、振り返ったアグネスタキオンが真剣な表情でオレを見つめる。あまりにも真剣な表情だったので思わずないはずの唾を飲み込んでしまう。

 

「な、何かな?」

 

「ミホ君が巻いているネギ、当人じゃないとあまり効果がないよ。」

 

「本当!?」

 

「さらに言えば、潰したり切ったりしてからガーゼなどで首に巻いたほうがもっと効果的だねぇ。」

 

「マジでぇ!!?タキオン凄い!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま戻りました。」

 

「おかえり!ブルボン!」

 

「おかえりなさい、ブルボンさん。」

 

 アグネスタキオンが帰った後、散らかした小物を片付けているとニシノフラワーが起き、平熱まで熱が下がっていたのでお喋りをしているとミホノブルボンが帰ってきた。

 

「フラワーさん、体調はどうですか?」

 

「だいぶ良くなりました。ミホさんのおかげですね。」

 

「ふふん!凄いでしょう!」

 

「で・す・が!食材を粗末に使うのは感心しません。」

 

「あうぅ……。」

 

 胸を張ってドヤ顔を披露すると、その直後にニシノフラワーがオレの首筋を撫でながら忠告する。既にネギは巻いていないが、オレの身体にはネギの汁が染み込んでツンとした匂いを放っている。これ洗濯で落ちてくれるかな?

 ドヤ顔から一転してシュンとしていると、ミホノブルボンに抱き上げられた。

 

「ミホさん、任務完了です。報酬をどうぞ。」

 

 そう言いながらオレの頭を撫でてくれるミホノブルボンにシュンとした気分は一瞬で吹き飛んで再びドヤ顔になる。他の人が見ればチョロいと思われそうだけど、ここには2人しかいないので問題ない。

 

「今日は久しぶりに3人で寝ましょうか。」

 

「でもブルボンさんに病気を移すわけには……。」

 

「きっと大丈夫です。」

 

 私は病気にはなりませんと無表情ながらに自信に満ちた雰囲気でミホノブルボンは答える。その姿を見たオレとニシノフラワーはお互いに顔を見合わせ、同時にくすりと笑ってしまった。

 

「それじゃあ、お邪魔してもいいですか?」

 

「はい、ミホさんも。」

 

「うん!でも今のオレ、ネギ臭いよ?」

 

「構いません。むしろ病気の予防になるでしょう。」

 

 その後、食事や入浴、明日の準備などを整えた後、アグネスタキオンから聞いたのかオレの踊りを見たいとミホノブルボンに言われ、2人の前で必死に踊ってから3人で固まって就寝した。2人の体温はやっぱり心地良く、この時だけは自然に眠ることが出来ないことが惜しいなと思ってしまった。




オリ主……初めて誰かの看病をした。と言っても小物を並べたりネギを巻いたり塩を盛ったぐらい。不意打ちで踊りをタキオンに見られた時は恥ずかしかったが、フラワーとブルボンの前では喜んで踊っている。

ニシノフラワー……無事に治った。原因は疲労。トレーニングに精を出しすぎた。実はちょくちょく起きていて、その度にオリ主が部屋の中をちょろちょろ歩いているので寂しい思いはしなかった。タキオンの鬼発言は聞いていない。聞いていたら次の日お話が始まる。

ミホノブルボン……フラワーの昼飯などを持ってきたりと何回かは戻ってきている。フラワーの体調は心配だったが、オリ主がそばにいるから大丈夫とトレーニングと授業に集中していた。
トレーニング帰りにタキオンと出会ってオリ主が踊っていたことを聞き、自分たちも見たいとオリ主にお願いした。

アグネスタキオン……フラワーの様子を見に部屋に入ればフラワーを小物で囲んで踊っているネギを巻いたオリ主がいたので取り敢えず撮影した。

1を聞いて100を生み出すデジたん……さっき気付いたのですが、今日はフラワーさんがいませんね。何かあったのでしょうか?ん?あれはブルボンさん?……何ですと?フラワーさんは今日はお休み?な、何かあったのでしょうか!まさかブルボンさんと夜通しで……!いえ、落ち着きましょう。きっと熱か何かです。で、でももしかしたら……一応ネタ帳にメモしておきましょう!!



オリ主豆知識……人形なので病気にはなりません!まぁ、みんな知ってるよね!



たまーにこれ前にも同じ文・似たような文を書いた気がするってなって全話見直すんだけど特にそんなものなくて首を傾げる時があるんだけど自分だけだろうか。



ところでセイウンスカイの双子としてTS転生してなんやかんやあって同じトレーナーを好きになるんだけどお互いに恋愛よわよわなので上手くいかず、お互いに発破しあって突撃して自滅・迎撃されて横になる話を思い付いたんですけど……誰か書いて!
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